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2017年3月10日 (金)

金正恩の意図は

Dsc01664
北朝鮮の弾道ミサイル「訓練」について、もう少し新情報を交えて考えていきます。 

今回の事態について、小川和久氏はこのように整理しています。

「1)北朝鮮は、ノドンやスカッドERなどの準中距離弾道ミサイル(射程1000~2000キロ)を複数、秘匿性の高い移動式発射装置(TEL)を使って同時に発射する能力を備えつつある。 

2)目標とする一定の広さの地域(海域)に弾道ミサイルを着弾させる能力を備えつつある。 

3)日米のミサイル防衛の中心に位置づけられるイージス艦のSM3弾道弾迎撃ミサイルの配備数を超えた多数のミサイルを、同時に同一地域(海域)めがけて発射する能力(飽和攻撃能力)を備えつつある。」(出典(『NEWSを疑え!』第567号3月9日)

今回の北朝鮮の「訓練」においても、常時破壊措置命令がでている以上、自衛隊は即応迎撃態勢をとって、軌道を追尾してシミュレートしたと思われます。 

当然ですが、海自のイージス艦は米第7艦隊のイージス艦と連動して動いており、米艦も同様の態勢を取ったものと思われます。 

Photo防衛省 http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2014/pc/2014/image/zuhyo03010108.gif

では、うまくいったのでしょうか。 

口が裂けても公表されることはないでしょうが、失敗したと思われます。 

なぜなら、イージスは同時に2発までしか迎撃できないという説が有力だからです。 

ですから、今回4発同時発射という飽和攻撃は、日米にとって対応することが困難な次元に北朝鮮弾道ミサイル問題が入ったことを意味しています。 

それが3月7日の日米首脳電話会議における、「北の弾道ミサイル戦力が新たな段階に入った」という認識での一致したということの意味です。 

当日何隻の日米イージス艦が展開していたのか分かりませんが、たぶん今までの例からいって米艦1~3隻、海自2~3隻ではないかと思われます。 韓国はわかりませんが最大で3隻ていどでしょう。

下図は、2012年12月12日における日米韓イージス艦の配置図です。 

米イージスは、日本防空よりさらにグアムなどに向かう弾道ミサイルに対処するために、かなり後ろに配備されるケースが多いようです。 

Photo_2http://obiekt.seesaa.net/category/2470092-2.html

なお、米韓イージスが北朝鮮領海ぎりぎりまで侵入しているのは、発射直後に素早く探知するためです。 

日本はこのようなまねは政治的に不可能なために、米韓イージスより一拍遅れて探知することになります。 

これも公表されていませんが、韓国イージスが探知し、日本がロストしたケースもあったようです。 

よく安直に韓国と断交しろという保守の人がいますが、現在の北朝鮮の弾道ミサイルに対処するためには、韓国のイージスはわが国にとって必須であって、日韓軍事情報保護協定も必要としているのです。
日韓秘密軍事情報保護協定 - Wikipedia 

ですから、いま韓国と冷戦に突入するのは感情に走った下策です。 安倍氏の日韓合意も、あんがいそのあたりに真意があるのかもしれません。

Photo_3

それはさておき、仮に200発あるといわれるノドンを、5カ所から4発ずつ発射した場合20発が飛来することになります。 

現況では日本は、この飽和攻撃に耐えられません。おそらく相当数が日本に着弾するでしょう。 

自衛隊の弾道ミサイル迎撃システムがカバーしているのは、下図のとおりです。 

Photo_4北村淳氏による http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/585.html

上図は中国のミサイル攻撃を想定したものですが、青円内が日本の弾道ミサイル防衛システム(BMD)が迎撃可能な範囲です。 

さて、3月6日に金正恩が見ていた軍事地図が公表されています。 

Photo_5韓国聯合通信3月7日 http://img.yonhapnews.co.kr/photo/yna/
YH/2017/03/07/PYH2017030739170001300_P2.jpg


この写真で、西恭之氏(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教)によれば、金正恩は「戦略軍火力打撃計画」と書かれた地図を指揮棒で指しています。 

この図を鮮明にして、正恩が見ている角度に回転させてみます。 

Photo_6西恭之氏による

「この写真を反時計回りに135度回転させて、カメラに対する机の傾きを補正すると、地図の内容がはっきりする。
東倉里付近を中心とする半径1000キロの円が、日本海と西日本に描かれ、ミサイル4発の軌跡が、約4.2度ずつの間隔で扇形に分かれて引かれており、金正恩氏の指示棒は、ミサイル着弾点よりも日本側の海上を指している」(
出典小川和久氏と同じ)

この正恩が見ていたこの「戦略軍火力打撃計画」では、当初攻撃目標だとされていた三沢基地ではなく、佐世保と岩国こそが攻撃目標ではないかとの線が浮上してきました。

「当初、着弾海域の延長線上にあることから目標だと考えられた青森県三沢基地は地図上では1000キロの円の外にあり、円内、つまり射程圏内に入っているのは長崎県の米海軍佐世保基地と山口県の米海兵隊岩国飛行場である。なお、三沢基地から1000キロ以内の北朝鮮領域は、日本海北部沿岸の狭い地域に限られる。
 佐世保基地と岩国飛行場からは、米韓両軍が3月1日から韓国と周辺海域で行っている定例の合同演習「フォール・イーグル」に、強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」など揚陸艦3隻と、海兵隊のF-35Bステルス戦闘機が派遣されている」(同)

西氏も指摘するように、この正恩の写真は、自由主義陣営が解読することを予想して意図的に公表されたものです。 

これは北朝鮮の、「米国と傀儡(※韓国)が戦争演習を続け、侵略の野望を捨てない限り、核戦力を中心とする自衛的国防力と先制攻撃能力を強化していく」(3月1日朝鮮アジア太平洋平和委員会)という声明に見合っています。

いずれにしても、正恩はとうにレッドラインを越えて、突き進んでいることだけは確かなことです。

金正日の元専属料理人であった藤本健二氏は、昨年4月に再訪朝した際に正恩と面談しています。その時の正恩の台詞が残されています。

「戦争する気はない。外交の人間がアメリカに近づくと無理難題を突き付けてくる。むかっとしてミサイルを発射している」

この幼児的気質を濃厚に持った独裁者は、自分で「時々ムカっとして」なにかを仕出かすようです。

たとえば度重なるミサイル実験、たとえば兄・正男のVXによる暗殺。

遠からず正恩は米国に向けたICBM実験を実施するでしょう。

Photo_7キム・ハンソルとみられる人物http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/03/...

このような時期に、不確定情報ですが、故金正男の長男・漢率(ハンソル)がオランダから米国入りした、あるいは米国が身柄を保護した、という情報筋の話が出てきました。

偽情報の可能性もありますから話半分としても、正男の長男は米国にとって喉から手がでるほど貴重なカードのはずです。

正男は中国の息がかかりすぎていましたが、長男はテレビ映像でもわかるように大変に西欧化が進んで欧米と親和性があります。

発言を見ても、独裁体制について厳しい意見を持っているようです。

その場合、米国にとって、現時点でとりうる唯一の手段である「斬首作戦」を決断する切り札を押さえたことになります。

米国は北朝鮮の指導者を正恩からハンソルにすげ替えるだけにとどめて、核兵器兵器開発の白紙化を条件にして、国家の存続を許すというオプションを取ることが可能となるからです。

IS掃討が最終段階に入った以上、北朝鮮に全力を投入する余裕が米国には生れています。

わが国はその時どうするのか、なにをしたらいいのか、なにを準備すべきなのか早急に議論せねばなりません。

小学校スキャンダルなど、どうでもいいではありませんか。

こういう時こそ冷静にならねばなりません。

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コメント

おっしゃる通りですね。これだけ北朝鮮が暴れている時に、あのトランプ大統領がここに沈黙しているのはとても変です。北朝鮮に対する作戦を具体的に検討しているとみるべきです。

韓国の朴大統領に対する弾劾が否決されれば作戦実行の秒読みが始まると思います。米・韓が主体となり、日本が後方支援して作戦実行とみています。その時中国はどう出るのか?

それにしても日本の国会は何をしているのでしょうか、こんな時に。政権を担った経験があるはずの民進党を先頭に小学校のスキャンダルですからね。国民の安全より安倍タタキが優先するのですから。能天気にもほどがあります。

あの政権交代選挙で民主党に投票した自分がとても恥ずかしいです。これでは本当に自民党政権が未来永劫続きそうです。日本にとって不幸なことだと思います。


小学校より北朝鮮のミサイルだろっていうと、問題のすり替えだとか言われる始末です。

その上テレビに洗脳された国民は、小学校の事で支持率を下げているとも。

野党もだめだけれど、テレビもどうかしています。おそらく国民はことの重大性がまるでわかってないのでしょう。

朴大統領の罷免が決定したようですね。そして次は逮捕、さらに左翼政権誕生で北朝鮮主導による朝鮮半島の統一まで一気に行ってしまいそうです。まさかのトランプの次は、まさかの朝鮮半島(南北統一革命政権誕生)ですか。

朴大統領の復帰があれば日米韓主導による北朝鮮への対応が可能と、かすかな希望?を抱いていたのですが、最悪のシナリオになってきたようですね。

日本としての取りうる策は何か?九州に住む者として朝鮮半島はすぐそこなんです。是非とも考察をお願いします。

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