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2017年3月31日 (金)

中国大海軍計画とティラーソン訪中の意味

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国会が予算委員会だけではなく、外務委員会まで森友騒動で愚かに浮かれている間に、3月23日、またも中国艦隊のフリゲート艦隊3隻が宮古海峡を通過しました。

これについて中国国防省の呉謙報道官は30日の記者会見で、傲然とこう述べています。

「日本側はいつも中国軍の正当で合法な訓練活動を騒ぎ立てており、心の病がまだ治っていないようだ」と言及。「これまで宮古海峡を通過する中国の軍艦が少なかったことが原因なら、今後われわれが多く通過することに日本側が慣れればよいだけだ」(産経3月30日)

ご診断痛み入ります。宮古海峡通過くらいで騒ぐ私たち日本人は、「心の病」との診断でございます(苦笑)。 

日本人で「心の病」に罹らないのは、沖縄地元紙と石嶺宮古市議くらいでしょうか。 

ちなみに中国は海南島や青島周辺海域に、日米艦隊が接近したならば、火が着いたように「戦争挑発だ」と騒ぐことでありましょう。 

見事な二重規範ですが、いつものことですから特に驚きません。

Photo遼寧省南東部の大連造船重工業造船所空母001A

さて呉報道官は、新空母についてもこう言っています。

「遼寧省大連で建造されている中国初の国産空母について、船体が完成し、現在は装備の設置作業を進めており、非常に順調だ。(略)
中国海軍の高官は今月上旬、国産空母が早ければ今年前半にも進水するとの見通しを香港メディアに示している」(同)

2隻目の新空母は、日本近海に配備されると見られていますので、遠からず私たちは、宮古海峡を通過する新空母打撃群を見ることになるでしょう。 

ただし、ここまでは1番艦であった「遼寧」と同型で、航空機を射出するカタパルトを持たないスキージャンプ台形式でしたが、3番艦からはそれが一新されます。 

スキージャンプ台について解説しておきましょう。 

下の写真は「遼寧」から飛び立つ艦載機「殲15」ですが、艦首にむけて登り坂になっているのがおわかりでしょうか。 

Photo_3
つまり、艦載機はスキーのジャンプ競技よろしく艦首に向けて全力で走って、勢いをつけてソレっとばかりに飛び出すというわけです。 

「遼寧」の発艦レーンは、甲板の先端まで125mですが、これはこの「殲滅15」タイプの離陸最短距離約250メートルからすれば、わずか半分にすぎません。 

したがって、重いものは積めませんので、20トン以下という重量制限があります。

上の写真でもわかるようにスッポンポンか、積めても燃料、ミサイルなどの積載物に大きな制限を受けていることは間違いありません。

「遼寧」の艦載機がミサイルや外部燃料タンクを搭載して発艦している写真は未だ公表されていません。  

一方、米海軍の空母が採用しているカタパルト方式は、自力も使いますが、強大なカタパルトで射出するために、重量制限はスキージャンプ方式より10トンも多い30トン以下です。 

このように「遼寧」や2番艦は空母としては中途半端な存在なのですが、東南アジア諸国や日本を恫喝するプロパガンダのための小道具のようなものですので、これで事足りるということです。 

もちろん、中国はそんなことはよく分かっていますから、3番艦から本格空母を建造する計画を立てています。 

ジャーン、これが海外誌に掲載された、上海で製造されている3番艦の想像図です。 

Photo_2中国海軍空母3番艦予想図https://aviation-space-business.blogspot.jp/2016/08/blog-post_6.html

中国は既に3隻目の空母の建造計画を開始しています。
 

中国情報サイト・サーチナは既に2年前の2015年5月15日に、こう報じています。
http://news.searchina.net/id/1573939?page=1

「新空母を建造しているとされるのは江南造船集団で、上海市郊外にある造船所では最近になり、上海振華重工から購入した1600トンクラスのゴライアスクレーンが据え付けられた。
 ゴライアスクレーンは船のブロックを搭載するために用いられる。上海振華重工はこれまでに、英国の1000トンクラスのゴライアスクレーンを売ったことがある。同クレーンは6万トンクラスの豪華客船の建造を念頭としている。
そのため、1600トンクラスのゴライアスクレーン設置は、「10万トンクラスの空母建造のため」との見方が出た。船体の大きさから、同空母の動力は原子力であり、基準排水量が8万トン以上の「米ニミッツ級に匹敵」との見方が出た。」

いきなり動力が原子力になりました。 

それは蒸気カタパルトを駆動させるためには、大量のエネルギーを使用するからです。 

蒸気カタパルトの実験施設は上海郊外に作られているのが、2年以上前にグーグルアースで確認されているので、技術的ネックを乗り越えた可能性もあります。 

また原子力発電を乗せ、艦載機の数も増やそうとすると、艦もそれに連れて大型化していきます。 

艦載用原子力エンジンの技術は、既に保有していて戦略原潜で運用しています。 

3番艦を作っている造船所は、この計画のために1600トンクラスのゴライアスクレーンを設置していますので、おそらく基準排水量が8万トン~10万トンという大型空母になると思われます。

Photo_4http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/03/...

さて、先日来日したティラーソン国務長官は、韓国に立ち寄った後に中国に向かいました。 

中国においてティラーソン氏は、中国にすり寄ったとみられる態度を示しています。 

近々訪米する習に対しても、似たような「大人の対応」になることでしょう。 

つまり、「衝突せず、対抗せず、相互に尊重」という友好姿勢ですが、これはどうしてでしょうか。 

従来の対中強硬派のトランプからみれば、明らかな方針転換ですが、その理由は北朝鮮への軍事攻撃が現実のテーブルに乗ったからです。 

米国が北朝鮮へ軍事攻撃をしかけようとする場合、中国を味方に引き入れることは無理としても、最低中立的立場をとってもらう必要があります。 

正恩の除去と核施設、ミサイル基地の空爆をした場合に、中国に好意的中立、ないしは暗黙の了解を保ってもらわねば、北朝鮮に対する武力行使は不可能だからです。 

オバマがそうであったように、トランプが北朝鮮の核武装に対して口先介入で済ませる気なら、特に中国と宥和的になる必要はないのです。 

大変に逆説的ですが、本気で北朝鮮のミサイル危機に対処するためには、中国も含む周辺国のある種の「合意」が不可欠なのです。

今日は長くなりましたので触れませんが、中国の意志はできる限りこの北朝鮮の危機を暴発寸前で「管理」することです。

この米中宥和が北朝鮮をダシにして延びれば延びるほど、中国は米国と並ぶ軍事超大国となるための時間を稼げるからです。 

さてさて、わが日本はこのような国際情勢の中で、野党がご執心なのは唯一小学校問題だけのようで、開いた口が塞がりません

まぁ、掘れば掘るほど自分にブーメランするようですので、どうなりますことか。国民もさすがに飽きて来たようですのでね。

 

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コメント

米国の攻撃時期を、「習近平訪米から韓国大統領選までの間になるだろう」と見る向きがありますね。
どんな作戦になるのか分からないですが、バンカーバスターの実験なんかもしているようだし、かなり大規模なものも選択肢に置いているよう。
トランプ氏にしてみれば「北朝鮮問題」を一気に動かす事で政権浮揚を狙う部分もあると思うし、逆にここで中共に譲歩する事は政権の命脈にかかわるのではないか。
してみると、政治的にみても現実味が非常に高いですよね。

米CNNテレビなどでは今日の記事内容などを含め、北朝鮮問題一色だとか。
私たちの国は現実として最も影響を受けるだろう当時国であるのに、朝から晩まで地方の一小学校絡みの馬鹿げた報道が中心です。
北から核が飛来した場合、「民間の我々はどう対処すべきか」という報道こそ必要な時であるはず。
どうも籠池問題の仕掛け人も親北団体がらみである印象が濃く、多くの国民の目をそらせる目的でもあるのでは? との「勘ぐり」は捨てられません。

ジェラルド・R・フォード級から実装される電磁カタパルトも興味深いです。

宮古島の自衛隊配備に関してですが、市民の大勢はもう自衛隊を迎える心の準備が出来ていると思います。
これまでの過程には北海道を統括する師団長などの大物の来島もあり、諸々の説明や意見聴取などの機会における防衛局・自衛隊員諸氏の努力は実に謙虚でもあり、頭が下がる思いもありました。

我が宮古島市は石嶺市議の破廉恥発言で全国的に痛恨の注目を集めてしまいましたが、市民のほとんどは石嶺市議に否定的な反応を示しています。
発言そのものだけでなく、その後の県営住宅不正入居問題の発覚もあり、本来のコアな支持者からも敬遠されつつあります。

まだまだ、もの言わぬ大多数の市民が自衛隊を能動的に受け入れるに至った理由は、経済効果であったり、医療や災害のためとする範囲を出ませんが、それは仕方がないのかなと思います。
しかし、少なくも市長本人や市議会の一部は、「中共におけるこそ、抑止力としての自衛隊配備が最有効である」、という事を驚くほど良く理解しています。

下地市長は議会で市長選の総括として、「自衛隊配備計画が、市民の支持を得たものである」と明言しました。
また、市議会の中で、自衛隊の離島医療に対する貢献について特別な謝辞を述べる必要があるのではないか?といった質疑もありました。
今後も地下水問題などで小さな波乱もあるでしょうが、市の不正にからむ百条委員会も片付き、徐々に配備に関する情報開示も行われる事になるでしょうし、この自衛隊配備の流れは確定的となったと言えます。

http://lite-ra.com/2017/03/post-3020.html?utm_source=rss20&utm_medium=rss
左翼紙リテラめ、血迷って「宮古島、石垣島が米中戦争の捨て石にされる!」とほざきやがって!
どうせ自衛隊を配備しないで中国に占領されようものなら「本土は宮古、石垣を見捨てた!沖縄戦の悲劇再び!」とか言うくせに。

中国が宮古、石垣そして沖縄を狙っている。それに備えて軍を置く。火事の多いところに消防署を置く、それだけである。それなのになぜ、左翼は中国が狙っているという事実を知らずに(無視しているのだろう)自衛隊配備反対と言えるのか。彼ら曰く消防署があるから火事が起きるようだ。

アメリカの斬首作戦が近いのなら、北の破れかぶれの核攻撃にリスクにどう対応するかや、拉致被害者の安全確保をどう考えるかを議論し、備えなければならない。

野党はどうやら国民を守ることに興味がないようだ。

アメリカが北朝鮮を攻撃すれば、韓国や日本に多大な被害が生じます。平和的解決には、北朝鮮が以前から求めている通り、米朝が平和条約を締結するべきだという声についてはどう思われますか?

はてなさん、記事でお答えします。
なきにしもあらずです。

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