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2017年4月28日 (金)

瀬戸際に置かれているのは米国ではなく日本だ

348
山路敬介氏の論考の2回目です。これで終了となります。もう一回分割しようかと思いましたが、流れを阻害しそうなので、最後まで掲載いたしました。 

なお記事タイトルは、私がつけさせていただきました。ありがとうございました。

この論考の中で山路氏が説く、「米国まで届く核ミサイルの開発は永久に凍結し、それを常に現認可能にしておいて、すでに完成している日本を標的としているミサイルについては維持させる、という折衷的妥協案の提示が北の了解のもと、中共から米国にある事」という指摘は、ありえる可能性だと思います。

遠藤誉氏「アメリカが北朝鮮を攻撃したときの中国の出方 ── 環球時報を読み解く」(ニューズウィーク(4月26日)は、米中蜜月と今の期間を捉えています。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/04/post-7494.php

「今や米国と「新型大国関係」を築きたいと思っている中国にとって、「米中蜜月」は決して手放したくない「宝」のようなものだ」(同上)
「もし4月6日、7日の米中首脳会談とその後の一連の両首脳による電話会談がなかったら、これまでの中国ならば、弾丸の一発でも米国が北朝鮮に打ち込もうものならば、必ず激しい抗議をして、何らかの軍事的報復措置を取っただろう。そのときには中朝同盟(中朝友好協力相互援助条約)があることを理由として、部分的攻撃であったとしても北朝鮮側に立ち、何らかの軍事介入をしていたはずだ。
いまピンポイントなら、「軍事的介入をしない」と宣言できるのは、米中首脳会談により「米中蜜月」状態が形成されたからである。」

Endo170426thumb720xauto米中両国が参加した環太平洋合同演習(2016年) Hugh Gentry-REUTERニューズウィークより引用

そうかなと思いますが、遠藤氏は続けて、中国の北朝鮮の核武装についての基本スタンスは、以下だと述べています。

「中国は北朝鮮の核・ミサイル開発には一貫して断固反対している。
理由としては3つほどある。
1. いつ中国に向けてくるか分からないので、中国に脅威を与え、放射能汚染にもさらされる。
2. 中国は中国共産党による一党支配体制を維持したいので、地域を不安定化させることには絶対に反対。
3. これが最も重要だが、北朝鮮が核を保有すれば、韓国も保有しようとし、必ず「日本だけ持ってないのは安全保障上危険だ」として、日本が核を持とうとする。それだけは許せない!」

この認識は正しいと思います。特に中国がもっとも警戒しているのは3の日本の核武装によって、日本が中国との相互確証破壊の構図に持ち込むことです。

中国は日本国内の平和運動と親中メディアを全力支援して、これを阻止しようとするでしょう。

日本の核武装の中間にニュークリア・シェアリングという手段もありますが、これも徹底的に潰そうと画策するはずです。

そして、現在の中国の意図はこのようなものだと遠藤氏は書きます。

「中国はいま米国と戦うつもりはなく、あらゆる手段を駆使して、戦争を食い止めるだろう。中国が望んでいるのは「対話」(六者会談)であり、米朝が「休戦協定を平和条約に持っていくこと」である。そうすれば、米軍が韓国に駐留する正当性がなくなり、北朝鮮に核・ミサイル開発を中止するよう、中国も説得できるようになる」

この記事の中で、遠藤氏は「北朝鮮の核・ミサイル開発」の種類が何なのかお茶を濁しているように読めます。

中国が北を制止しようとしているのが、米国に到達する大陸間弾道ミサイルなのか、あるいは日本を標的にした中距離弾道ミサイルなのか、はっきりわかりません。

また遠藤氏は米国が中国の主張する六者会談を再開して米朝休戦条約が成立すれば、北朝鮮に核・ミサイル開発を中止できる材料ができるとしています。

遠藤氏の記事にはまるで日本の国益がないのですが、まぁ彼女はそういう人だと思ってください。裏読みすれば、中国はこう考えているという参考にはなります。

つまり中国の「説得」の永続化による現状固定です。

中国が「説得」しているふりをし続けている限り、米国は手出しできず、中国に外交的イニシャチブをにぎられているということです。

ましてや六者会談など作られて「話合い」のテーブルが再現されれば、北朝鮮は「削減するふり」「放棄するふり」をしながら、国際査察が入ろうとすればブチ切れてみせるという田舎芝居を再演できることになります。

改めて山路氏がルトワックの箴言として紹介した「平和が戦争につながるのだ」という逆説を日本人は噛みしめるべきです。

                    ~~~~~~~

Ntnkcrisisthumbautox241   写真 ロイター 太陽節http://www.newsweekjapan.jp/kim/2017/04/415.php

[承前]

 「北朝鮮問題」 私はこう考える 
                                            
山路敬介

習近平の口約束

習は北朝鮮に核放棄を決意させるまでの「強力な圧力」をかける力がない事は、米軍や安倍氏は想定肢としてあり、承知のうえではないか?

中共による「石油の全面禁輸」が北朝鮮の核開発に致命的打撃を与えるだけでなく、体制維持さえ困難にさせるほどの効果がある事は、ほぼ全ての専門家の意見が一致しています。
 

しかし、これは現時点での事実なのであり、米国の「手の内」を晒した今現在も中共による供給が続いているのが現状で、当然ロシアなど別ルートの摸索もあり、北朝鮮国内での備蓄も始まっています。 

このような中、環球時報はしきりに「核実験をしたら、石油禁輸」とのお囃子的に言辞を述べますが、これは逆に「核実験さえしなかったら、石油の禁輸はない」というサインを送っている事と同義です。 

直ちに重大な制裁を課さない中共の真意は、明らかに「レッドライン」を自から作り出し明示する意図が透けて見え、よって問題の先送りを画するもので全く信用できません。 

石油の禁輸は別として、ここに来てもまだ習近平本人に万難を排し本気で積極的に「北の核開発」をやめさせようとする意思があるのかどうか、それさえ不確かです。 

しかし、唯一確かな事は習近平はもともと判断力に乏しいうえに決断力もなく、あまけに瞬発力も敏律性もない事です。 

「どんくさい」がゆえに、江沢民が傀儡を謀って主席に据えたのですから、この資質的欠陥は明らかなものです。 

種々の国内事情があるにせよ、習氏にはこれまで国際の場で何一つまともに評価出来る実績もありません。 

それにもまして習氏には「敵対的中朝関係」に転換するかもしれない重要な案件に独断で判断を下せる立場にはまだなく、それをするクソ度胸もありません。 

その意思があったとしても、早くとも11月の党大会で政治局常務委員の構成を意図するように達成出来てから、という次元の話です。 

そしてこれは推測にすぎませんが、所詮無理な注文を承知のうえで日米は習近平に押し付けたのではないかと感じます。 

それは戦後の「関与」に関係する事でもあるかと考えますが、これも私の憶測にすぎません。 

Shu

        
中共の底意と日本の困難

そうした環境のなかでも、たしかに北京では北への石油禁輸は「議論」はされているようです。
 

しかし、その内容は米中貿易関係における不利な要求を減らしてもらいたい趣旨からの応答に終始しており、「一応の対応を見せる」事が決定されている段階にすぎません。 

つまるところ習近平が当面やる事は、努力を演出し何とか「やっている感」を醸し出しつつ、しぶしぶでも米国に認めてもらい、無限に時間稼ぎをしながら北朝鮮をもあやしていこうとする方針です。 

北が核実験をしないなら禁輸はせず、その後米からのさらなる圧力で禁輸をせざるを得ない状況になったとしても、北が石油の手当を別にできるか当面必要のない状況になってからになるでしょう。 

中共は北の核を全面的に取り除くなどという事はハナから考えていないし、それが可能であるとも思っていません。 

誰の説であるか失念しましたが、時間の経過が日本にとって不利になる事と関連し、「中共主導で最悪なのは、米国まで届く核ミサイルの開発は永久に凍結し、それを常に現認可能にしておいて、すでに完成している日本を標的としているミサイルについては維持させる、という折衷的妥協案の提示が北の了解のもと、中共から米国にある事だ」、という論考もあります。 

このような妥協にトランプ政権が直ちにのるとは考えづらいですが、米国としても戦争への道のりは険しく、きっかけがない以上開戦事由さえ不十分な現在です。 

くわえて、中共が建前でも事実上北との調整を行う状況に入っている以上、うかつに開戦は実現出来ようはずもなく、さればこのような説に一顧だに与えないという事もないような気もします。 

なにより、米国民の多くはこれに賛成するのではないでしょうか? 

そのような状況下、日本に一定の損害の可能性が少しでもあるからと言って時期に注文をつけたり、「米国の先制攻撃を支持しない」という理由があるのかどうか、はなはだ疑問に思えてなりません。 

Main_99909fac41394d73b3339d275dfdabエドワード・ルトワック

■E・ルトワック氏の警告

ルトワック氏の最近の論考では、「安穏な日常。それゆえにタガが緩み、危機を認識出来ない状況」をもって、逆説的ではありますが「平和が戦争につながるのだ」と指摘します。

「日本にとって、その典型が北朝鮮問題である」とし、「北朝鮮の軍事開発力は他国にくらべても抜きん出ており、きわめて危険な域に達しており」、すでに看過できない状況であるとしています。

これを放置する場合、近い将来日本に壊滅的な損害をもたらすだろう事は容易に想像しうる、としています。(どうも我々は、一般に核以外の北朝鮮の戦力を過小評価したい願望が強すぎるようで、真実を見失っているようです。)

そのうえで、「自身は政治家ではなく倫理者でもない一戦略家」だ、として、日本がとるべき道に二つの選択肢を提示しています。

「北朝鮮に降伏するか」、「北朝鮮を攻撃するか」、この二つのみです。中間はありません。

こうした考えはもはや決して極端でも特殊でもなく、現実をそのまま見た結果であろう事が最近の北朝鮮事情からも垣間見えると思うのです。

精強さが折り紙つきの特殊部隊員だけで自衛隊員の総数と同じく13万人おり、それゆえ人民解放軍の戦争を忌避する原因にもなっていると伝えられます。

日本は基本的に北朝鮮に先制攻撃をかけるわけにはいきません。

憲法があるから、自衛隊法が改正されてから、というような言い訳は現実の前では意味がありません。

瀬戸際に置かれているのは米国ではなく日本であり、米国が軍事行動を行う場合、出来うる限り支援し協力し共働すべきの時でしょう。

政府はじめ日本全体をあげて、米国の軍事行動に関し国際的な支持を取り付ける行動も肝要と考えます。

                                              (了)


                                         文責 山路 敬介

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コメント

 遠藤誉氏の著作は「チャーズ」「毛沢東」チャイナ9」「チャイナ7」の順に読みましたが、この人の特徴は、それまでの「認識」と出した「結論」が真逆になるのですね。
 長春で生まれ、中共政府の要人と繁く往来もあり、中共というものの欠点を隅々まで熟知しているにもかかわらずです。

 ブログ主様は「遠藤氏にはまるで日本の国益がない」と痛いところを突かれますが、この種の人にとっての日本の国益は「良好な日中関係の内側にのみ存在する」ので、著者本人としては全然、矛盾はないのです。
 自民党の二階幹事長の中国認識なんかもそうで、この手合いは自民党にはたくさん存在します。

私の考えでは、この事の原因は日中戦争にあるのではなく、72年の「日中国交回復」への評価の問題だと思いますね。
 今だに旧田中派だった年寄りを中心として、あれをアプリオリに「戦後日本政治の最高の殊勲だ」と考え違いしているゆえに、いびつな日中関係が直らないのだと思いますね。
 ま、日本ではこれもひっくるめての「保守」のようですが。

おっ、山路さんも遠藤氏の「毛沢東 日本軍と共謀した男」を読まれましたか。
個人的には蒋介石のことを美化しているよなあと思いつつも毛沢東が生前は南京虐殺のことについてほとんど語らなかったことなど知らないことが多かったので面白かったです。

中華三振さん

「毛沢東 日本軍と共謀した男」は必読ですよね。
目からウロコでした。

ただ、「チャイナ7」や「チャイナ9」では、著者の中共ノスタルジー全開で、あたかも習近平が中国の救世主のごとくの記述は、臭くて頂けませんでしたね。

初めて書き込みいたします。いつもこちらでは皆様のコメントも含めて勉強させていただいております。
遠藤氏はヤフーニュースを読んでいるだけかのですが、確かに中国分析が主で我が日本がどうすべきかは弱いと思います(専門だからと言われたらそれまでですが)
ただ、そんなに中共にあまい人なのでしょうか。習近平のことも振付師無しでは何もできない無能者のような記述も見られます。
すでにおっしゃていることに聞き返すようで申し訳ありませんが、ご教示くだされば幸いです。

遠藤誉氏の生い立ちもあって、あまいというより愛憎なのだろうけど、論者としてなるだけ客観性を持とうとするならあのような基調になるのだと思っていつも読んでいます。
日本的な思い込みで楽観視していたら指摘したり、ここはこういう意味だよ、というような中国らしい動機付けの説明は貴重であり、福島香織氏と比べ読みしています。

その上で、今回の山路さんが書かれた中距離ミサイル温存して核はヤンピのふりして先送りの可能性は、あると私も思います。それは今にも撃ってくるというのではなく恫喝用として。
日経ビジネスオンラインの鈴置氏は南主導による統一しておいてボスは中国、という事態になっても中距離ミサイル温存が益々あり得るのだと思います。長距離と違ってミサイルはもう出来てますから…
日本人は昔空から核攻撃をされましたのでミサイルに感じる恐怖がより高いのだと察しますが、
米軍先制があるとしたら、中韓どっちかへの化学テロの報復攻撃というのが私の想像です。
これは米中韓頼みでなくても法整備と摘発で阻止へ動けます。
化学テロの実行犯が組織の中の日本人だった場合、北への繋がりは現行法では追えないです。
テロへの報復だという名分を日本国内から否定する事になる。だから、私は何かやるとしたら日本人の過激派が請け負うと想像しています。

はぐれ者さん

そうですね、確かにに振付師なしでは何も出来ない無能者のように言いますね。(笑)
それに著作順に追っていくと、中共に対する考え方も若干変わって来たかのようにも感じます。
 それでもですね、遠藤氏は習主席の激越な腐敗防止策や「核心」に象徴されるような独裁化の推進には、「今の中国を壊さないために」必要で推進されるべき「容認」の立場ですよ。
 つまり中国国民があまねく年金を受給したり、とんでもなく激しい所得格差の解消をするためにこそ、習近平の独裁的地位が必要だ、となるのですね。

中共による一党独裁を(その問題点を指摘しつつも)崩すことなく、大中華(チベットやウイグルのような辺境を含む)を維持し続けるためには「独裁化」はむしろ有用だと考えているようしか読めなく、台湾や辺境住民の犠牲には心が及びません。
 「違和感」は民主化に逆行するような感じですかね。

ただ、ふゆみさんが言うように、遠藤氏の著書は「中国らしい動機付けの説明」をつうじ、「中国を知る」には、これ以上のものはないほど役にたちます。

 福島香織氏などの論説のほうが冷徹で、大陸に下手な愛憎を持たない分だけ正鵠と思いますね。
いちど「ガラガラ、ポン!」と、やらなけりゃ、13億中国人民の幸せなんて来ないのは明らかだと思いますし、すべてはその過程で日本に何が起こるか?という観点でみるべきと思うのですね。

すみません、肝心なところを誤記していました。
発端であり得るのは中韓ではなく日韓いずれかのどこかだと想像、です。

ふゆみさん、山路さん、ご教示ありがとうございました。納得いたしました。
中国が自国民にも周辺国にも安定した体制に軟着陸する様子は想像しがたいですね。
ど独裁よりは民主化の方が一般的にはいいと思いますが、イラクや韓国あたりを見てるとそうとも言い切れないと思います。
中国はガラガラポンせざるを得ないと思いますが、そうなっても安定せず、こちらにも多大なとばっかりがくる。
その対応もたぶんままならないでしょうから、

ふゆみさん、山路さん、ご教示ありがとうございました。納得いたしました。
中国が自国民にも周辺国にも安定した体制に軟着陸する様子は想像しがたいですね。
独裁よりは民主化の方が一般的にはいいと思いますが、イラクや韓国あたりを見てるとそうとも言い切れないと気がします。
中国はガラガラポンせざるを得ないと思いますが、そうなっても安定せず、こちらにも多大なとばっかりがくる。
その対応もたぶんままならないでしょうから、独裁安定の方がましという考えはわからないでもありません。

すみません。内容は多少違いますが二度投稿してしまいました。
なお私は高校の教員ですが、一部の生徒は動揺してますが、説明してもなかなか話が通じません。単に怖がりたいだけかもしれませんが。

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