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2017年4月 3日 (月)

北朝鮮危機 現実的障害を見つめよう

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北朝鮮危機についてもうちょっと続けることにします。 

私にしても、楽しい話題でもないので、じつにシンドイい。 

その理由は北朝鮮危機に対して、現実にできることがあまりに限られているからです。 

できるとすれば、北朝鮮と戦闘状態に入った米軍の後方支援に限定されてしまいます。 

たとえば、米海軍艦船への給油・給水、米軍補給物資の輸送、艦艇の修理、基地警備の強化などは日常的にやってきたことですから、簡単でしょう。 

ただこれも、後方の公海上に位置するイージス艦や空母などには補給ができても、戦闘が予想される区域に入っていく強襲揚陸艦に対してはできません。 まぁ、佐世保が近いのが救いですが。

では、遭難した米軍兵士の救助や捜索が可能かといえば、それもできません。 

日本政府は、今回の南スーダンPKOでわかったように、自衛隊が活動できる範囲を非現実的なまで切り縮めて解釈しているからです。 

①戦闘が起きていない地域、②当該政府が活動を認めた場合のみ、しか活動できないのです。 

ですから、米軍兵士がその区域の外で遭難してSOSを発信しても、自衛隊は救助することができません。 

これがわかったら、トランプならずともおそらく米国世論は激昂するでしょうね。

「なぜ、お前の国を守っている米国の青年をその手段がありながら、助けないのか」と。 

Photo
また、日本は世界でもトップクラスの4個掃海隊を保有する能力を持っています。 

一方米海軍の極東海軍力の大きな穴は、意外と知られていませんが、この掃海能力がスポンと抜けていることです。 

この穴を知りつつ、米軍が補強しないのは海自の能力を作戦構想の一部に既に組み込んでいるからです。 

北朝鮮は、米海軍の強襲揚陸艦を接近させないために、韓国や北朝鮮の港湾や、海上ルートに大量の機雷をバラ撒くでしょう。 

上の写真は正恩将軍座乗艦ですが、ほとんど浮くスクラップです。

北朝鮮は小型潜水艦を沢山持っていますが、あれは機雷敷設専用だと言われています。 

Photo_2

では、海自がどこまで掃海隊を派遣できるのかといえば、公海上か日本領海内で、せいぜいが対馬海峡の日本領海内の海域にすぎません。 

米海軍に対してそこまで見送って、あとはがんばってくれと帽子を振るしか自衛隊はできないのです。 

もし強襲揚陸艦が機雷で破損して作戦に支障が出たら、お前の国の掃海艇は床の間の飾りものかと言われるでしょうね。

ちなみに、日本は朝鮮戦争の折、当時海保所属だった掃海艇を「日本特別掃海隊」として編成し、北朝鮮軍が占領する仁川港正面の水路にで決死的掃海作業をした結果、国連軍上陸部隊の進入路を拓きました。
日本特別掃海隊 - Wikipedia

当時、この能力を持つのは日本しかおらず、海保に56名の犠牲者まで出しています。

彼らの存在がなければ、仁川上陸作戦から始まる反攻作戦は失敗し、朝鮮半島は北朝鮮の支配下に置かれたかもしれません。

朝鮮戦争に日本が本格参戦する代償だったわけですが、尊い犠牲です。

もう一度日本がこのようなことをやれるかどうか・・・。

9

さてここまでは米軍支援でしたが、韓国に3万人と言われる在留邦人救出はどうでしょうか。 

自衛隊は既に、上の写真でも報道公開されている「誘導隊」という在外邦人救出専門部隊を編成しています。

第1空挺団を中核にして、各地の普通科連隊に編成されています。 

ではこれで一安心かといえば、そうではなさそうです。 

自衛隊誘導隊は、数個小隊で編成され,輸送機(艦)で現地に急派されます。 

しかし、行けるのは空港や港までです。 

そもそも、韓国政府がムン・ジェインのような反日親北派の極左(これはレッテル貼りではありません)に握られた場合、救出機(艦)を受け入れてくれるかさえもわかりません。 

自衛隊員としては、戦火の中で逃げまどう邦人が集まっているであろう大使館や領事館に直接に行って、その名のとおり安全地域まで「誘導」したいと熱望するでしょうが、出来ません。 

なぜなら、先ほど述べたように、「戦闘地域」だからです。 

ですから、自衛隊は「戦闘地域外」の空港や港湾で、決死の思いで逃げてくる邦人をただひたすら待っているしかないのです。 

おそらく米軍は自国民救出のために海兵隊チームを派遣するでしょうから、それに混ぜてもらって逃げるしかないでしょう。 

そもそも極左韓国政府が日本の救援機(艦)を拒否した場合、米軍機(艦)に便乗させてもらうしかありません。 

その場合当然、米軍は自国民の保護を優先しますから、取り残されても文句は言えないでしょう。 

おそらく沖縄地元紙は、「自衛隊は国民を守らなかった。日本政府は見殺しにした」とでも書くのでしょうね。目に浮かびます。 

書いていて口の中に苦い汁が湧いてくるようですが、これが私たちが生きる日本という国の現実です。 

自国民すら見殺しにして恬として恥じない、「平和憲法」を持つ国を作ってしまったことを恨むしかありません。 

とまれ私は、抽象的になりがちな核武装論議より、今、眼前にある北朝鮮危機を具体的に見たほうがよいのではないかと思います。 

とはいえ、週刊誌国会が続いているわが国では、もはや出たとこ勝負、待ったなしで対応することになるのでしょう。 

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コメント

引用①なぜ、お前の国を守っている米国の青年をその手段がありながら、助けないのか」。

日本を守るためじゃないからそれはないな。

引用「日本を守るためじゃないからそれはないな」

北朝鮮の暴走を止めることは、名指しでミサイル攻撃すると言われている日本の安全のためですが、なにか。

 日本が在外邦人の救出に対する備えができていないことは、過去に何度もお恥ずかしい出来事を起こしていて、トルコ航空や独裁者の温情にすがる場面が多々あったにもかかわらず、いまだに改善されませんね。
 やっぱり根っこは憲法問題なんでしょう。

ednakanoさん。今の安全保障の歪みの根源は9条に帰結します。
なにから入っても、結局は9条に行き着きます。
当然改憲するしかないのは鋭敏な護憲派、たとえば井上達夫氏などは理解しています。

しかし、そこに行き着く前に、とりあえず開いている多くのセキュリティ・ホールにパッチをあてねばなりません。
そのことを今日は考えてみました。

邦人救出出動などははもちろんですが、一刻も早く有事の際には自衛隊が(決められた制約以外では)その場の判断で最適な策を選べるような法律を作るべきですね。今の状態では臨時立法でも構わないくらい逼迫しています。

「戦闘があるところは危ないので、自衛隊は行けません」などという頭に蛆が湧いたような議論で国会を止める輩は、日本を潰そうと思っているとしか考えられません。

ここはひとつ、野党も公明党も「自分たちの細かい要求を政府に飲ませた」みたいな自己保身のための手柄に拘らず、まずは前向きに必要な法案作りに一致団結してもらいたいです。

かつての私もその”信者”でしたが、憲法9条とは実に残酷な法ですね。

暴漢が幼稚園でナイフを振りかざし暴れている。対する警察は「武器を持つな(戦力を持たない)」「相手にするな(交戦権がない)」つまり、暴漢が暴れるのがおさまるまで待とうというものです。

「自衛隊の命を守ろう」と、あのシールズが叫んでいるようです。火事で人が助けを求めている、しかし”危険”なので消防隊は救助に行ってはいけません。火災が沈下するのが先、だそうです。

危険があっても助けに行く、それが消防であり、警察の役割というもの。その為に厳しい訓練をしている。その国際版が自衛隊だけのことである。

九州のある自衛隊の訓練場で「実弾演習」が行われています。平和団体を名乗る人達が、近くに監視小屋を建て訓練で発射された数を数えている。それを平和活動として紹介するTVニュース。

福島の原発事故の際、事故を想定した訓練をしていなかった、と批判した人達でもありました。

自衛隊を海外に派遣するな、他にできる平和貢献策がある。震災ガレキを受け入れるな、他にできる被災地貢献策がある。みんな同じ”9条思想”です。危険があるもに近づくな、とは「危険がある人達を見殺しにせよ」あるいは「別の人にやってもらえ」と言っているのと同じことです。

朝鮮半島有事の際に、拉致被害者をはじめ多くの在留邦人の救出をどうすのか、おっしゃる通り事態は深刻です。

私は迷うことなく自衛隊を派遣し、米軍と共同行動をとるべきだと思います。かつての我が国は”超法規的処置”として爆弾犯や殺人者に活動資金までつけてハイジャック犯に渡しました。当時、人命優先としてこの政府の処置は不問になりました。

忘れないようにしましょう。憲法がなんであれ、自衛隊法になんと書かれているにせよ、同胞の救助は何よりも優先されべきです。”超法規的”に自衛隊は行動すべきであり、政府もその命令をくだすべきだと思います。

いつも思うことなんだけど、北朝鮮の事を語る時に、ロシアの対応はどうなるのかという話をする人が少ない。

ロシアが不凍港を得るために、有事の際に北朝鮮に侵攻・占領(あるいは傀儡政権)する可能性は如何に?

北朝鮮の大地は、ロシアからすれば近代化させた農地に転換も出来ると思っているのだけど、やはり割が合わないのだろうか。

長嶺駐韓大使が急遽帰任するそうで。何か切迫した事態でも?今日発表で明日帰任なんて、あまりにも急で勘繰ってしまう。

クラッシャーさん。今、これだけ朝鮮半島情勢が緊迫しているのですから、帰したのですよ。

どうなるかわかりませんが、トランプが昨日言うように「単独でも攻撃する」ならば、今、韓国に大使がいないと大変なことになります。

もちろん日韓合意の厳守要求も重要ですが、あくまでもそれはパク政権との関係です。
パク政権が崩壊した以上、一時帰国させている意味も少なくなっていると思います。
今は、決まったわけではありませんが、ムン次期政権対応を真剣に考えて情報を集約し、朝鮮半島有事に現地で備える指揮官を帰すほうが意味があると判断したのではないでしょうか。
私はこの判断を支持します。

お金がないさん。おもしろい視点ですね。
不凍港といえば、既にロシアは羅津港第3埠頭の使用契約を結んでいます。
羅津港は特別区で、租借ではありませんが、相当に強い権利です。
北朝鮮が賢明なのは、羅津港の別な埠頭は中国と契約を結んでいることで、うまくバランスをとっています。

ご承知のように朝鮮半島は大陸国家と海洋国家とが角遂する地域です。
韓国の事大主義はここから生れています。近代もそのとおりになりました。

私は現時点で、ロシアは東アジアに介入することはないと思っています。
メリットがないからです。
ロシアは「国境概念なき大国」ですから、常に膨張する機会は伺っているでしょうが、同時に狡猾です。
かならず大義を掲げます。

ウクライナのような死活的地域を略取する場合にも、内部のロシア系住民の住民投票による分離・独立勢力の支援要請に答えるという体裁を整えます。

しかし、北朝鮮沿海部領土内には、そのようなロシア系住民は居住していません。
ですから大義がないのです。

そしてこの地域に手を出せば、中国の強硬な抵抗に遭遇するでしょう。
それは単に中露同盟の崩壊だけではなく、かつてロシアが清から奪った沿海州という潜在的火薬庫に火をつけかねないからです。
4000㎞の国境を持ち、相互に相手を壊滅しうる核兵器を保有する中露は、実は潜在的仮想敵国だということをお忘れなく。

ロシアがどう動くかというのは、北方領土問題と日露関係の発展状況や、中国を日米に任せて漁夫の利をとるかどうかですかね。
中国包囲網(日露印+米)はどうなんだろ。
北朝鮮は、日本をミサイル攻撃して日本が参戦してくれば、中国は自動的に北朝鮮の味方として参戦するという。
その時、中国は露印をどうするのか、ですね。

北朝鮮が今日のテーマなので、この辺で終わり。

今日のニュースでも、北の将軍は物騒な発言をしています。確か内容は、近いうちに世界は北朝鮮の実力を目の当たりにするであろう。とかなんとかそんな内容です。
かつて民主党が、日本を壊し始めて国民は国の危機を真剣に考えました。また同じことを繰り返すのでしょうか。
かつて旧満州や朝鮮半島に取り残された人たちがどんな目にあったのか。以前に二日市収容所のコメントがありましたが、ほんの氷山の一角です。その総括も無いまま企業は無防備に人材を送り込んだ。国も企業も人材を送り込むなら、最低限安全を担保すべきでした。それを言い出した総理が登場した途端に潰しにかかる勢力がいる。単にピントがずれているのか何か意図があるのか、私にはよくは分かりません。
九州Mさんが仰るように、戦後の9条教で思考停止した人たちは他人のことは考えていません。権利権利と叫ぶ割には義務感は皆無です。
日本人、日本が危機に陥っているとき、セキュリティーホールを塞ぐことさえ非難する人たちはあまりいないと信じますが、もしいたらむち打ちの刑で良いでしょう。

何でしょうね
日本人には危機感が欠落しているのでしょう(ここに集う方々は別ですが)
韓国人でもロシア人でも自国の利益や危機に関して普通に議論し、自己を持って意見してくる人達でした(あくまで私の知人に限りますが)
おそらくロシアは終結後の漁夫の利をさらっていくのでしょう。彼らは狡猾であり、よく考え、相手に手の内を明かさない国民性を持ち合わせていると思います
脱線してしまいましたが日露関係についての考察もいつかお願いしたいと思っております

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