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北朝鮮危機 対話と軍事的圧力

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明日にでも空爆があるようなマスコミやネットの噂は間違いですが、危機は危機として厳然として存在し続けています。

北朝鮮が核武装を進め続ける限り、日米韓はそれを軍事的脅威の増大と見て対応レベルを上げていかざるをえません。

そのひとこまが、現在進行形で進んでいると思って下さい。 

ようやく織田邦男氏や部谷直亮氏など専門家の冷静な評論が出始めましたが、ほぼ私の見解と一緒です。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49758
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49767 

なお、両記事がアップされたのは4月19日ですので、私の「いますぐはない」という記事のほうが先ですので念のため。(ああ、こういうこと書かねばならないなんて、ほんとうに腹がたつ)As20160504001561_comml金王朝三代目。そうとうに劣化が進んでいると思う。

ただこう書くと「そうか、危機は去ったのか」とタカをくくる気分の人がでるかも知れませんが、それも間違いです。

21世紀初頭もまた戦争の世紀でした。今世紀に入って、ざっと見ただけで、アフガニスタン、イラク、ダルフール、東ティモール、パレスチナ、レバノン、グルジア、リビア、シリアなどで戦争が起きています。

ただ今回の北朝鮮が他の戦争と決定的に違うのは、この国が「核武装を持てば自らの欲するものが手に入る」という教義(ドクトリン)を行動原理としていることです。

いわば「核兵器信仰」が、北朝鮮を支配する宗教なのです。

Photo続・猿の惑星 生き残った地底人が核ミサイルを拝んでいます。山形さん、ありがとう。

これは正恩の一種の「強がり」だと思ってもらえば近いかもしれません。

北朝鮮は国連加盟国の下から勘定したほうが早いような極貧国です。農業は常に凶作、水害は年中行事。

工業生産などはないに等しく、鉱業だけでしのいでいる有り様です。

軍隊と秘密警察で国民を押さえつけている国ですが、この軍隊もとうに石油がなくただの鉄の箱で、国民は慢性的飢餓状態です。、

こういう国にありがちな、崩壊するのではないか、侵略されるのではないか、独裁者たる自分が処刑されるのではないかという危機感が行動原理となっています。

こういう心理から北朝鮮の「核兵器信仰」が生れました。

Sty1704150004f5海中発射ミサイルだと称する北極星2号。たぶん中国から貰ったのではないかと噂されています。

正恩が考えていることは、こんなことかもしれません。

「核爆弾さえ握ってしまえば、わが国は崩壊しないだろう。それどころかいつまでも中国は援助を寄越すだろう。いや米国や日本韓国なども支援するかもしれない。特に日本が日韓条約並の支援を寄こせばわが国は立ち直るはずだ」

では国際社会は、どうやってこの「核兵器信者」の迷妄を、解いてやったらいいのでしょうか。

このようなテンパった国に対して国際社会は、まず「対話」を求めます。

20年間に渡る間に出された多くの国連決議、六カ国協議は、まさにこの「対話」を求めたものでした。

Chinenews0507262005年6カ国協議。顔で笑って握手をして、足で蹴り合っています。

その上韓国は独自に、金大中・盧武鉉政権下で太陽政策という援助を与えながら対話を求めるという宥和政策を取りました。

2009081817381132009年9月 金大中と金正日会談 金大中はこの愚行でノーベル平和賞を取りました。

結果はご承知のとおりです。北朝鮮は常に対話を無視し、裏切り、逆切れして見せるという国際常識が通用しない国だということを暴露しました。

そして、対話と宥和をいいことにして時間稼ぎをし、今や核武装を完成の域に進めようとしています。

これを見て、なおいまだ日本には北朝鮮との「対話」でなんとかなると思っている左翼リベラル界隈の人が存在するほうが不思議なくらいです。

朝日にいわせると 「北朝鮮と日本 軍事より対話の道描け」(朝日新聞4月12日社説)だそうです。はいはい。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12886993.html

この国を尋常な方法で再度、対話チャンネルの席に着かせるのは不可能です。

北朝鮮は中国からの会談要請に対してさえ無視を決め込み、返答すらしません。

中国が派遣した外交使節団は入国すら禁じられました。

これは北朝鮮が、今食わして貰っているはずのパトロンの言うことすら聞かないという事実上の拒絶とみられています。

こちらから対話チャンネルを切断する必要はありませんが、交渉の余地は残しつつも、軍事的圧力と経済的圧力をギリギリまで強化するしか方法は残っていません。

朝日のように「軍事」か「対話」かというように対立するものとして捉えるのではなく、軍事的圧力をかけつつ、対話に引き出すのが正しいのです。

その意味で、トランプは大変にオーソドックスなやり方で、北朝鮮の「核兵器信仰」に対応していると言えます。

C9whpzquiaasqcwロナルjドレーガン艦上で演説するペンス副大統領
https://twitter.com/CNFJ?lang=ja

来訪したペンス副大統領は、北京で韓国政府関係者と会談し、北朝鮮国境付近の視察も行いました。次いで韓国、日本を訪れています。

このペンスの歴訪によって、最終的な合意と布陣が完成しました。

その布陣は北朝鮮に対する攻撃オプションではなく、未確認情報で16隻といわれる米海軍イージス艦と自衛隊のイージス艦は、日本へのミサイル着弾を阻止するためのものだと受け取られています。
http://businessnewsline.com/news/201704190005060000.html

「米軍が北朝鮮の周辺海域に展開している米海軍のイージス艦を使って北朝鮮の弾道ミサイルの迎撃を行うことを検討していることがtheguardianによる報道で明らかとなった。
米政府は、北朝鮮の弾道ミサイルの迎撃を行うことにより、米国は北朝鮮が大量破壊兵器を使用することを阻止する実行的能力を有しているということを改めて示すことを検討している模様となる」(BusinessNewsline 4月19日)

私が恐れるのは、このような極度に緊張した状況でしばしば起きる偶発的戦闘が本格的戦争に拡大していくことです。

 

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コメント

「核兵器信仰」というと、
古いですが「続・猿の惑星」の生き残って地底人化した人間みたいです。
金正恩達が最後に顔をベリっと剥がすと土色の皮膚に血管が浮き出ていて、儀式を済ませてから発射!
なんて。。

投稿: 山形 | 2017年4月20日 (木) 06時55分

カール・ヴィンソンがインド洋に向かっているという件ですが、私はCNNの「連絡ミスか?」の報道にズッコケました。

CNNは私の重要な情報源の一つですが、今回は「CNN大丈夫か?」と真剣に心配になりましたね。

投稿: 山口 | 2017年4月20日 (木) 08時08分

北への制裁に中国が傾きかけているのは事実だと思うのですが、今度はロシアが待ったをかけてきている報道を昨日今日のニュースで見ました。案外、北の将軍様が依然強気で居れるのはロシア辺りと裏取引があるのでは?と穿った見方をしています。シリアでケチつけられたロシアですが、極東ではまだまだやる気なのかも?国際政治は魑魅魍魎が跋扈する世界ですので、どことどこが繋がっていても不思議ではないのでしょうけど。

投稿: 一宮崎人 | 2017年4月20日 (木) 15時48分

 昨日、ペンス副大統領が「アメリカは100%日本と共にある」という言を受けて、私が「これで日本は安心だと」叫んだことをブログに書いたら、ある方からお叱りを受けた。とんでもない、決して日本の安全は保証されないと言うのである。次のアメリカの政権が民主党に移ったらどうなるか分かったものではないというのである。たしかに日本の安全は民主党の政権下では万全であるとは言えなくなってしまうかも知れない。やはりわが国の守りは、自国軍で行うとの態勢は最小限必要だろうと思った次第。

投稿: ueyonabaru | 2017年4月20日 (木) 23時16分

本日の記事も逐一勉強になります。

なお、両記事がアップされたのは4月19日ですので、私の「いますぐはない」という記事のほうが先ですので念のため。(ああ、こういうこと書かねばならないなんて、ほんとうに腹がたつ)

そんなことは無いですよ。ちょっと前のサラリマン川柳に、「人事部の一歩先を行く女子トイレ」と言うのがありました。勉強しない偏向マスコミなんかよりいちブロガーの方が遥か先を走っています。
CIAなどは、ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムの様に、正恩の心理分析には余念がないと思います。

ueyonabaru 様
日米安保条約があり、日本に米軍基地を置いているのは同盟国を守るためです。大国アメリカとて同盟国なしでは影響力を維持できません。ただ仰る通り日米安保の上に胡坐をかいてはいけないとは思います。

投稿: karakuchi | 2017年4月21日 (金) 02時00分

深い水面に花びらのピンク色が映える、色濃い土の上でも同じく。ありんくりん写真教室ありがとうございます(勝手に勉強中)。私がぼやっとシャッター押したら花びら真っ白ですね…。

>私が恐れるのは、このような極度に緊張した状況でしばしば起きる偶発的戦闘が本格的戦争に拡大していくことです。
テロに明け暮れる欧州からはこちらは一触即発開戦前夜に見えるようです。彼等んちからは遠いですから、無責任に書けますし、米軍の失策を探してトランプ叩きもできますし。
日常をストップさせる必要はありませんが、テロ共謀のネジを締める法を可決するのは、効力は絶大でなくとも内外に強いアピールになります。
テロ防止ネットワークから外れた先進国というのは、資金調達も材料調達も会合もやり放題の国際プラットホームだという事です。

山口さん、CNNはトランプ叩き再開のタイミングを伺いはじめてますね。引っ込め方がまた姑息!

米軍が戦争に追い込んで日本が極右化すると、野党はこれから更に騒ぐと思いますが、石油を止められて包囲網を作られてブチ切れるかもしれない独裁者を擁護するのは、日本の過去に対する彼等のスタンスに反してます。

こちらの記事で何度も色んな角度から書かれてきた事ですね。

投稿: ふゆみ | 2017年4月21日 (金) 07時49分

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