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2017年4月 7日 (金)

北朝鮮危機 正恩の恐怖を凍結してやるための交渉

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山路さんのコメントにお答えする形で考えていきます。 

貴兄がいうのは、国土の荒廃も、自国民の死すら厭わないカルト国家に、相互確証破壊というある種の「紳士同盟としての核クラブ」参加可能な担保はない、ということです。 

そのとおりです。私もそう思います。あの国の権力は、最終的にあの変な髪形の肥満児に収斂します。 

すべての国家的リソースがこの男に行き着きます。 統治機構、軍隊、警察、生産部門、資源、そして国民の生命・財産まで一切合切すべてです。

Photo

そのような国家は、独裁者が自らの命を生き長らえさせるためにはいかなる手段も辞しません。 

国民に食料と自由を与えないなどというのはまだ入り口で、国家=自分ですから、いかなる荒廃、いかなる出血にも耐えるでしょう。 

自分を守るために、平然と何百万の人民に死ねと命じることが出来るのが、金正恩という人物なのです。 

おぞましい限りです。あってはならないことだと思います。 

このような国を信じられるのかと問われれば、日本においては主体研究会などというカルト宗教団体を除いて、そりゃ信じろというのは無理だと大部分の国民は思うはずです。 

しかし、貴兄が仰せのように、これが北朝鮮という国柄なのです。 

このような国と、兵士がひとりが一票を持ち、指導者を選出できる民主国家がイーブンなはずがありません。

ベトナム戦争は兵士とその家族がひとり一票を持っていたが故に、厭戦によって敗北しました。 

ではなぜ北ベトナムが勝利できたのかといえば、全体主義国家だったからです。

民主主義国家は全体主義国家に、通常の方法では勝利できないのです。

Photo_42008年12月11日の6カ国協議 於・釣魚台国賓館

それはさておき、上の写真は2008年に中国で行った6カ国協議ですが、この直後北朝鮮は2回目の核実験をしています。

このように北朝鮮は核武装はしないといいながら核兵器を開発し、査察に入ろうとすれば拒否し、それを国際社会からなじられればキレて見せて、「ならば戦争だ、東京とソウルは火の海だ」とタンカを切ってきました。 

それも何度も何度もです。こんな国を信じろというほうがどだい無理でしょう。 

さて、そこで相互確証破壊の枠組みにこのような北朝鮮が組み込めるかですが、私にはわかりません。

ただ言えることは、交渉は信頼しあっているからするのではなく、逆に信じられないから交渉をするのです。

多くの日本人はあまり分かっていないようですが、日本が第3の被爆地とならないのは、相互確証破壊という巨大なバラドックスが機能しているからです。 

オレの国を核攻撃すれば、第2撃の報復の矢を容赦なく放つぞというニラミです。 

相互に滅びるから止めようということになります。これが私がいう「紳士同盟としての核クラブ」です。 

このような管理された「核戦争1分前」が今の世界なのです。 自国が滅びたくなければ「紳士」でいろということです。

初めの問いに戻ります。北朝鮮をこの「核の紳士同盟」に加入させることが可能でしょうか? 

問題は手段です。

ひとつめの選択肢は、従来の6カ国協議、あるいは国連の軍縮会議のテーブルでしょうか。

無理でしょう。裏切りの常習犯のようなこの国に振り回されるだけです。 

それは無意味どころか、北朝鮮に核武装の時間を与えるだけだった6カ国協議の再現となります。 

そこで思い出して頂きたいのですか、私がひとつのオプションとしてありえるかなと提起したのは、あくまでも米朝2カ国間の相互確証破壊の直接交渉です。 

多国間ではありません。

多国間にしないのは、その枠組みにすると必ず宗主国づらをして中国が介入するからです。 

中国こそが、北朝鮮の核武装に技術を提供し20年間にわたって泳がせていた北朝鮮危機の影の主役でした。

中国は「唯一の影響力を持つ国」などという可愛らしい存在ではなく、北朝鮮の振付師なのです。

したがって、この中国が交渉テーブルに共に着くかぎり、なにひとつ解決しません。

議題は、弾道弾ミサイル数、射程、VXなどの大量破壊兵器の破棄などとなるでしょうが、これもどうせ決まりません。 

あえて言いますが、それは折り込んで下さい。ならばなぜこのような不毛な交渉をするのでしょうか?

理由は唯一、時間が稼げるからです。

私は北朝鮮問題に完全解決は存在しないと思っています。スッキリした解などないのです。

何を優先順位にして考えるかです。

あの国の政治体制が問題であるからと言って、米国好みの民主主義要求や人権問題を議題に乗せるべきではありません。

言っても無駄だからです。

Photo_2
繰り返しますが、国際社会が獲得すべきは完全な解決ではありません。

よく保守言論人が陥りがちな、「北朝鮮という悪の根源を絶つ」と思考しないで下さい。

共産主義もどきの北朝鮮の政治体制を憎むことと、今の脅威に対処する手だてを立てることは本質的に別次元なのです。

第一、それを選ぶと軍事的オプションしか残りません。

大事なことは現時点で、なによりも、金正恩に先制核攻撃をさせないことです。

逆に考えてみましょう。ではどのような状況で、この男は核の発射ボタンに手を伸ばすのでしょうか。

かつて北朝鮮の数少ない友好国だったルーマニアが崩壊し、独裁者チャウシェスクが殺された時、金日成は己が運命に重ね合わせて深く恐怖したそうです。

侵攻した米軍兵士や民衆によって、チュチェ思想塔から吊るされる恐怖を脳裏に描いたといわれます。

2代目の金正日は、サダムフセインやカダフィの末路を見ています。

そしてこの恐怖は遺伝して、いまや正恩の脳裏から片時も離れないはずです。

私たちができることは、この独裁者の恐怖を凍結してやることです。

おそらく正恩が核ミサイルの発射命令をするのは、彼が窮鼠猫を噛むという心理の絶望的袋小路に陥った時です。

Photo_3
全国の軍事基地が火に包まれ、ピョンヤンの政治中枢にも着弾が始まった時、正恩のこの祖父譲りの「吊るされる恐怖」が蘇るでしょう。

チャウシェスク、サダム・フセイン、カダフィの列にオレは並びたくない、とこの男は叫ぶことでしょう。

このような状況がもっとも危険です。正恩がもはや山中に隠してある核ミサイルしかないと思った時、本気で北朝鮮が核先制攻撃をかける可能性が極大化します。

こう考えてくると私は、米軍の軍事オプションを平静に眺めることはできません。

独裁者の恐怖を<凍結>してやること、これが私が考える米朝交渉の最大の眼目です。

この「核軍縮交渉」はなにひとつ成果を上げないでしょうが、交渉というゲームを世界の盟主とサシでしている間は、正恩はプライドと正気を保っていられるでしょう。 

願望にすぎないかも知れませんが、交渉の真っ最中に交渉相手国と同盟国に核攻撃をするほどクレージーではないと思います。

その間わが国は最悪の核先制攻撃のあぎとから逃れられる代わりに、常に核のカードを手にした北朝鮮と向き合うことになります。

しかし、それが国際政治の現実なのです。

いずれの方法をとっても日本は9条がある限り、なにも出来ません。

改憲までどれだけの時間がかかるか分かりませんが、それまでだましだましやるしか手はないのです。

今、欲しいのは時間です。

私の貧しい頭ではこれしか思い浮かびません。既に始まっている、今日のトランプ-習会談を見守りましょう。

■追記 時事通信 4/7(金) 10:27配信    

【ワシントン時事】米軍は6日夜(日本時間7日午前)、シリアの軍事施設を標的に巡航ミサイルを発射し、アサド政権に対して初めての軍事攻撃を行った。

 巡航ミサイル59発を撃ち込んだ。トランプ米大統領は対シリア攻撃を発表し、アサド政権が「禁止された化学兵器を使用したことに議論の余地はない」と述べ、シリアで猛毒の神経ガス、サリンの疑いがある化学兵器が使用されたとみられる攻撃の対抗措置だと明らかにした。

 米テレビなどによると、地中海上の米駆逐艦から、巡航ミサイル「トマホーク」が発射されたもよう。標的はシリア中部ホムス県にある飛行場で、ロイター通信は「滑走路と航空機、燃料設備」を狙ったと報じた。米軍によれば、航空機などを破壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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コメント

時間を稼ぐと言いましても、韓国が親北の文在寅政権になって事態がますます悪化するだけじゃないですかね?

中華三振さん。そうですね、軍事オプションをするならムンが大統領になる前でしょう。その可能性は決して低くはありません。
逆に言えば、ムンで悪くなるのは軍事オプションがとりにくくなることくらいです。
いまでも充分に悪いですから。

ムンは対米関係をいじれません。
THAADもいじれないし、ましてや米韓同盟を廃棄することなどは不可能です。やれば韓国国軍が黙っていません。
せいぜいが、日本に対して慰安婦像とか、日韓合意の廃棄ていどでウサを晴らす程度です。

私自身懸念を抱いていた赤化統一もないでしょう。そんな力は北南いずれもないからです。
統一朝鮮など米中が望みません。米中が望まない統一朝鮮などありえません。
ただし、従北勢力に今以上に国を浸食されて空洞化し、国内は鋭く左右に分裂するでしょう。

そしてムンになっていっそう経済瓦解が進み、軍が危機感を募らせるでしょう。
韓国国軍は韓国保守の最後の砦ですからね。
というように、劇的か緩慢かはわかりませんが、韓国の自殺の始まりであることは確かです。

というわけで、対外的には、ムンが登場しようとどうしようと、今とさほど変わりません。
いままでのパククネ時代も充分に悪かったし、今は既に脳死常態ですから。
今の「とても悪い」が、「ものすごく悪い」になるというだけといえばだけです。

このような事態に対して私たち日本は優先順位を定めて観察すべきです。
私たちにとってのプライオリティは、北朝鮮の核先制攻撃を回避することだと思って今日書きました。
危機を煽るほうがブロッガーとしても楽なので、今日の記事はあまり一般受けしないだろうなと思って書いていました。

ちょっと心配になったので書き添えますが、私が「時間かせぎ」と書いたのは、一般的意味ではありません。
あくまでも9条を削除して、まともな完全保障環境を作るまでの「時間稼ぎ」という意味です。

 今日の「ありんくりん」さんの記事とコメント非常に参考になりました。

 憲法改正をするためには、今の民進党の方々を賛成の方向へ持っていかねばなりません。できるだけスム-ズに憲法改正をしたいものです。あの民進党党首の頭と精神で日本の方向を正しいものにできるのか大きな不安がありますが、同じ国民として考えるのであれば、民進党でも是非変わってもらわねば・・・・・。

 米中会談注目ですね。

米中会談中にシリアへの軍事攻撃.トランプはやるものですね.
オバマとは随分違う即断即決です.これは中国へ大きな
プレッシャーになるのでは?

ところで本日の記事で北朝鮮独裁者の心理状態,参考になりました.

「このタイミングでシリア攻撃かよ!」と思わず叫んでしまいました。
しかもロシアへは「挨拶済み」とか。
習氏に対するメッセージとして捉えた場合、「出来すぎ」の感すらあります。

トランプ氏は「北との直接対話」など微塵も考えていない様子です。
ただ、昨日の安倍首相のトランプ氏との電話会談の受け答えを安倍さんの会見からさっするに、安倍首相は根底でブログ主様的な考え方を滲ませているように感じました。
少なくもそれは、米中の立場の違いによるものだけでない「温度差」を感じさせるものだったと思いますね。 善し悪しは別として。


私も驚きました。まだ習がすぐそこにいる時にやるとは!
百万言より重みのある攻撃でした。

習とプーチンに同時に警告を発する、トランプの動物的勘の凄みすら感じました。

常識的にはシリアで戦線を開けば、北朝鮮では自制するものですが、この男ならやってしまうかもしれません。
確かに北朝鮮で軍事オプションを取るなら、5回目の大型と予想される核実験直前であり、なおかつ1代目の生誕祝賀直前であり、韓国大統領選挙前の今しかないのです。

朝鮮半島情勢はオレンジからレッドゾーンに突入しました。
三沢、岩国、佐世保の周辺住民は避難訓練をされたほうがいいと思います。

緊迫した状況は重々承知の上で、安倍トランプ会談がフロリダの別荘で行われている時に、北が4発撃ち、習トランプ氏会談が同じ別荘で行われている時に、今度はアメリカが50数発撃つ。かなり演出が濃い気がします。今度事が起こるのは、トランプと誰がフロリダの別荘で会談している時でしょうか?

俺は本当にやるぞというメッセージに金正恩はどう反応するのでしょうか?
しかし、習近平もいまさら方針は変えられず、ひとまず経済制裁真面目にやりますでお茶を濁そうとするでしょうね。
そこでトランプがどう出るのか?日本も緊張感もって備えてほしい。

記事本文の「時間稼ぎ」の意味がわからなかったのですが、その後の管理人さんのコメント、
>あくまでも9条を削除して、まともな完全保障環境を作るまでの「時間稼ぎ」という意味です<<<
了解です。
ほんとうに憲法改正&まともな安全保障体制の構築が待ったなしになりましたね。

海外ニュースや動画を追ってましたが、
シリアのアサド大統領は挙動不審でしたし、あのロシアのプーチンでさえも今回ばかりは顔が強張っていましたね。
あと、日本、英国、サウジがほぼ同時にアメリカ支持の声明を出したそうです。
世界二大産油国のアメリカとサウジ。
ちなみに、シナの原油調達先はアメリカだったような?

巻頭写真の平和な桜公園が今の砂上の楽園に見えてくる最近の記事。
CNNはずっとミサイル&北朝鮮。そしてこれに関してトランプ批判を控えているようです。

桜が新緑に変わる前にテロ等準備法案を可決して、テロ防止を国際基準まで引き上げて、公安が持つ日本人テロリスト情報を海外と繋ぐ必要があります。エルドアンの摘発も真っ青な芋づるが続々あがってきそうです。

いきなりのシリア攻撃。

そして、今日はいきなり北朝鮮に攻撃が始まるかもしれませんね。

いきなりっていきなりですから…(´・ω・`;)

たとえアメリカが北朝鮮の体制維持を保証したとしても、国家の威信をかけ、国民生活を犠牲にしてまで推進してきた核やミサイルの技術を北が放棄するとは思えません。米朝平和条約が締結される可能性は低いでしょう。
しかし、核を手にし、「吊るされる恐怖」に怯えている独裁者を追い詰めるのは賢明とは言えないし、逆にトランプが大言壮語しておきながら北に対し行動を起こさなかった場合、アメリカの威信低下は避けられないのではないでしょうか。
また憲法改正とまともな安全保障体制の構築には賛成なのですが、アメリカですら困難なのに、日本が北朝鮮のミサイルや基地を叩く敵基地攻撃能力を持ち、軍拡を続ける中国と対峙するには、防衛費を三倍にしても足りないでしょう。そのための財源をどうするのかという問題があります。
要するに東アジアの近未来は不透明なわけですが、問題解決の妙手が見つからないときはせめて悪手を打たないように、慎重かつ細心に振舞うべきです。戦争回避は大前提で、トランプに北朝鮮を打倒して一気に煩わしい問題を解決するのを期待するのは、愚かな心理というべきです。

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