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北朝鮮 もうひとつのオプション

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昨日の記事の続きです。 

HN「はてな」さんのご質問にお答えする形で考えていきます。

「アメリカが北朝鮮を攻撃すれば、韓国や日本に多大な被害が生じます。平和的解決には、北朝鮮が以前から求めている通り、米朝が平和条約を締結するべきだという声についてはどう思われますか?」

まず皆さんに頭に置いてほしいことは、現実にいつ米軍が北朝鮮に対する斬首作戦と空爆を実施してもおかしくない瀬戸際の状況だという状況認識です。 

トランプはこう言っています。

「北朝鮮の脅威への対処に、きわめて高い優先順位(ベリー・ハイ・プライオリテ イ)をあたえねばならない」

また昨日、麻生財務大臣はこう述べました。

「麻生太郎財務相は31日の閣議後記者会見で、北朝鮮情勢に関して「いま日本の新聞が書いているより深刻じゃないか」と述べた。仮に有事が起きた場合、朝鮮半島から難民が日本に流入する可能性について「ゼロではない」としたうえで、経済にはマイナス影響になるとの見方を示した。
麻生氏は「(朝鮮戦争のあった)昭和25、26年、おれの住んでいる筑豊、北九州じゃ『北朝鮮機が入ってきました。電気は消してください』というのをやっていた」と説明。
「今度は(ミサイルに)核弾頭がついているという話になると、規模の大きなことになりかねないから、それに備えないといかん」と話した」(産経3月31日)

あいかわらず、麻生さんらしいざっくりとした物言いですが、政府中枢は警戒レベルを最高度まで高めているのは確かでしょう。 

ティラーソン国務長官から、そうとうに突っ込んだ情報を提供されているものと思われます。 

今になると、南スーダンのPKO撤収も、朝鮮半島有事に際して、あちらでも同時期に「戦闘」が起きたら対応しきれないという読みがあったと考えるほうが妥当です。 

現時点で政府と国会で詰めておかねばならないことは山ほどありますが、とりあえずざっと以下です。

第1に、朝鮮半島有事が起きた場合、在韓邦人約3万人をどのように救出し帰国させるのか。
第2に、韓国政府は自衛隊機・邦人保護部隊の派遣を認めないでしょうから、民間機や米軍にどのような依頼と支援をするのか。
第3に、その場合の自衛隊の集団的自衛権の範疇の支援体制。
第4に、国民の避難訓練などの保護措置。
第5に、朝鮮半島からの避難民に対する保護はどのようにするのか、あるいはブロックするのか。
第6に、拉致被害者の救出をどのように行うのか。

もちろん弾道ミサイル防衛などは、前提ですので省きます。 

いま国会で論議しないということは、現実の鉄火場において政府がフリーハンドでやっていいということと同義ですが、民進党とメディアの皆さん、ほんとうにそれでよろしいのですね。

そうなった場合、森友祭は高くつきましたね。

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さて、枕が長くなりましたが、冒頭の「はてな」さんの疑問について考えてみましょう。 

米国は北朝鮮が前回の4発同時ミサイル発射のような攻撃を日本に仕掛けた場合、日本に迎撃する能力がないと考えています。 

考えたくない想像ですが、三沢、岩国、佐世保のいずれか、最悪な場合はそれらすべてに核ミサルが着弾する可能性は捨てきれません。 

トランプはおそらく苦慮していると思います。 

トランプのつらさは、これまで20年間に渡ってクリントン、ブシュ、オバマなど歴代米政権の宥和主義が無残な失敗に終わり、北朝鮮の核武装を完成させてしまったツケをまとめていま払わされていることです。 

確かに北朝鮮を攻撃する準備はできています。 

北朝鮮の核施設を破壊する外科的軍事攻撃(サージカル・ストライク)を実施することは、技術的には可能です。

いかに地下深く隠しても、それを破壊するEGBU‐28などのバンカーバスター(地中貫通爆弾)も保有しています。
地中貫通爆弾 - Wikipedia

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再突入体を見る正恩。この無邪気な笑いが怖い。

しかし問題はそこにはないのです。

肝心要の正恩がどこにいるのかわかりません。

米軍は北朝鮮に対する偵察をシギントにたよっています。シギントとはシグナル・インテリジェンス、つまり人工衛星や電波傍受などの手段による情報収集のことです。

影武者は独裁者の常として数人いるでしょうし、北朝鮮国内での米韓のヒューミント(人間を媒介にした諜報活動)網はきわめて貧弱だと言われています。

北朝鮮のミサイル基地を叩くといっても、多くは山中の洞窟か深い森林の中に巧妙に移動式発射装置(TEL)に搭載して潜ませているでしょう。

この移動式発射装置は、かつての湾岸戦争でイラクが多用したものですが、特殊部隊を沢山入れて、しらみ潰しに位置を特定せねばなりません。

北朝鮮のような秘密警察の眼が国中に光っている国で、その潜入は大変な困難を強いられることでしょう。

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移動式発射装置

次に、問題は「はてな」さんも指摘する副作用です。

日本に対するミサイル発射のみならず、正恩はソウルのすぐ北の軍事境界線に沿っ て砲列を敷いている砲兵部隊に攻撃を命じるでしょう。

ソウルは今までの再三の脅迫どおり、「無慈悲な火の海」となり、大規模なパニックが時起きます。

いまでさえ、ティラーソンを怒らせたほど脳死状態に近づいている韓国政府に、これを押さえる力はありません。

3万の邦人はこのパニックの大群をかきわけるようにして脱出せねばならないのですが、現在の日本にそれを救助する手だてはありません。

すべて米軍頼みです。

またもうひとつの難点は、中国の好意的中立をあまり期待できないことです。

訪中したティラーソンに対して、中国の王毅外相は北朝鮮問題でアメリカとの協力姿勢を示した一方、北朝鮮への軍事的オプションにはあくまでも反対であり、「平和的解決には外交的手段が必要だ」と述べたといいます。

中国にとって北朝鮮はなくてはならないバッファ・ゾーン(緩衝地帯)なのです。

もし北朝鮮がなくなれば、鴨緑江の線まで米軍が進出し、米中は海上だけではなく陸上でも直接対峙することになるからです。

これは中国にとって悪夢以外何ものでもありません。

だからこそ中国は、常任理事国でありながら北朝鮮制裁を裏で破って石油供給を続けてきたわけです。

このように北朝鮮政策はほとんど手詰まりというのが実態ですが、唯一かすかな可能性があるとすれば「はてな」氏が言う平和条約です。

これは、北朝鮮の主張と一緒ですが、トランプがそれしか方法がないと決断すれば、その可能性はゼロではありません。

これがヒラリーだったら、オバマとの政策的継続性を重視せざるをえませんから(というかヒラリー自身が国務長官としてやってきたことですが)、またぞろ6カ国協議などと言い出しかねませんが、トランプはその縛りから自由だということです。

むしろトランプは、積極的に民主党政権時の枠組みを破壊したがっています。

しがらみなきトランプが、北朝鮮の目標はインド・パキスタン型の核保有であって、国際秩序を破壊する意図がないという担保を取り付けられさえすれば、あるいは核軍縮交渉もないとはいえません。

思えば、今まで米国はオバマのように、「北は核保有国ではない」という建前にこだわるあまり、この交渉カードが出せず仕舞いだったのです。

トランプが正恩を、保有する核弾頭数・弾道ミサイル数・VXなどの化学兵器の廃棄・射程の制限を議題とする軍縮テーブルに引き出せるならば、可能性は0.001%くらいならあるかもしれません。

まぁ、トランプ自身、選挙戦中に「金正恩委員長と会談してもよい」なんて言っていましたし(後で引っこめましたけど)、北朝鮮はそれが持論ですから案外乗ってくるかもしれません。

今までの中国を議長国としたやくたいもない六カ国協議と違って、二国間交渉なのでトランプの持ち味が発揮できるかもしれません。

もちろん北朝鮮はあのてこのてで交渉合意をチャブ台返しするでしょうが、そんなことをやっている期間中はいきなりミサイルをぶっ放す可能性は減るでしょう。

どうせどこかでデッドロックに乗り上げるでしょうが、時間稼ぎにはなります。その間の北朝鮮内部の変化と国際情勢の動きをみる余裕が生まれます。

この場合に日本に出来ることは、拉致被害者の全員帰還を絶対条件にしての日韓条約並の経済援助といったところでしょうか。

いずれにせよ、この2カ月が峠です。

 

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コメント

お久しぶりです。
大変勉強になりました。
私個人としては、北朝鮮問題は、やはり日米同盟の副作用なのではないかと思います。
日本から在日米軍が撤退すれば、北朝鮮は、少なくとも日本の脅威にはならなくなるような気がしてなりません。
そして、そのような脅威に耐えてまで日米同盟を継続させる必要性も、私はないように思えます。
そのような視点からの管理人さんのお考えを、是非お聞きしたいと思います。

投稿: ネトウヨハンター | 2017年4月 1日 (土) 08時28分

即座の詳しいご返事・解説本当にありがとうございます。異論を認めない政治ブログが多い中、貴ブログの開かれた姿勢は賞賛に値します。
アメリカは北朝鮮に軽水炉の技術を提供するなど、十分融和的な姿勢を示してきたにもかかわらず、北は核開発を止めませんでした。北だけでなく、中国の覇権主義が明白である以上、僕はアメリカさえいなくなればアジアは平和になるという左翼の主張には与しません。しかし、韓国や日本に多大な被害が生じるのを承知のうえで、自国の都合のみでアメリカが北朝鮮を攻撃するとしたらあまりに身勝手です。クリントン政権時代に、アメリカが韓国の反対で北を爆撃するのを断念したように、いまだに政権基盤すら固まっていないトランプは、北への攻撃は断念せざるを得ないと予想します。アメリカは戦争疲れしているうえに、アジアに関心の乏しい国民や国際社会の支持を得たうえで、戦争に踏み切るにはもっと時間が必要です。
しかし金正恩が幸せな死に方をするとは到底思えませんし、トランプや習近平など、必ずしも賢明とは言えない政治指導者がこの大事な時にそろっていて、彼らが最悪の選択をしないことを祈るだけです。

投稿: はてな | 2017年4月 1日 (土) 09時11分

就任前の身軽な時期にトランプ自身が北朝鮮を訪問しようとしていたという報道もありました。が、成らなかったし会いたそうにして拒否ったのは北朝鮮側。
半島の二国は合体しても別れたままでも、出された打開策の条件をひたすら釣り上げ続ける事こそが、生きる道だというポリシーなのだなと分かりました。

>いま国会で論議しないということは、現実の鉄火場において政府がフリーハンドでやっていいということと同義
>そうなった場合、森友祭は高くつきましたね。

まるで俺達に振らないでくれとばかりな背の向け方で、一切口を挟まないですね。政府の実務対応に真っ向反対すれば有事の邦人犠牲の責任を問われますし、賛成すれば支援者に叩かれます。
庶民が覚えておくべき事は、今森友に夢中になっている無責任な者達の顔と名前、そして彼等が何ひとつやってない、という姿です。
あと、前のコメ欄に改憲派さんが書かれていた戦前回帰の風を勝手に感じて若者に美談を吹き込む者達は大変危険な存在だと思います。
ルペンが父に引導を渡したように若い保守が親の代にそっと隠居の椅子をあてがえるかどうか、注視しています。

投稿: ふゆみ | 2017年4月 1日 (土) 09時39分

勉強になりました。
平和条約というと、果たしてそんなことが可能なのかと一瞬考えてしまいますが、結果的に相互確証破壊の概念がより明確になるのかもしれません。

こっちが武装を解けば相手も武装を解く「であろう」というような「頭がお花畑理論」には同意しかねますが、
何を言っても言うことを聞かず、いつ何を始めるかわからない狂人(ぶってるだけかもそれませんが)に対する「時間かせぎ」という意味もあるという点も納得です。

そもそも一番重要なのは、かの国の破壊ではなく、我が国の安全なわけですから、可能性は低くとも選択オプションの一つではあるわけです。

投稿: 都下人 | 2017年4月 1日 (土) 09時42分

雑感書き込みですみません。
今朝の本記事に対して、両サイド一歩位保革に別れた立ち位置と読めるお二人、ネトウヨハンターさんとはてなさんのどちらもが納得がいき私見を述べられる。どうして既存メディアと解説員にはできないのでしょうかね。(ため息)

投稿: ふゆみ | 2017年4月 1日 (土) 10時43分

日米同盟が先なのか、北朝鮮の脅威が先なのか?鶏と卵ではなく、憲法9条(非武装中立平和主義)の問題が先にあるのではないでしょうか。

これまでどの国にも、どの時代にもなかった平和主義を掲げてしまったことが”諸悪”の根源だと思います。

現在の朝鮮半島の政治状況、そして日本との関係では、まさに有事直前の事態だと思います。しかるに、我が国はご承知の森友学園騒動に浮かれたままです。

平和主義とは、相手が平和主義でなければ成立しない理念です。だから、北朝鮮の脅威や、韓国の内政の混乱は”我が国に影響を及ぼさない範囲の出来事”と認識するしかないのだと思います。

非武装中立とは自然界の摂理に反する空想定な理念でしたが、日本人は伝統的に争いを好まない「和」を大事にする民族です。だから、とても相性が良かったのだと思います。かくゆう私自身も、かつてその”9条信者”でした。

人間も自然界の一員です。「自分達の種は他の種を攻めません。だから私達の種を責めないで」と言ったところで、”隙あらば攻める”が、あらゆる生物の性なのです。動物も植物も同じです。さらに言えば、遺伝子レベルでも「自分の遺伝子にとって何が最適か」が行動原理なのです。

そう考えると「アメリカンファースト」のトランプ大統領のスローガンは、ごく普通の生物の行動原理だったのだと思いますす。

ここ100年間ほどの、「自由主義」の理念による国際協調主義の時代はもう終わったのだ思います。

思えば、左翼マルクス主義陣営も革命による国際協調主義(万国の労働者団結せよ)のはずでしたが、中国や北朝鮮の行動が示す通り、”自分最適”の独裁政治にすぎませんでした。

もう、その4月になりました。当面は米国の軍事力に頼るしかないでしょうから、米国の利害と我が国の利害の調整を図ることが重要だと思います。

投稿: 九州M | 2017年4月 1日 (土) 19時11分

 今日の記事も素晴らしい。はてな さんの質問に答える形で、北朝鮮問題を分かりやすくまとめていただいた。はてな さんの疑問は、ナンセンスなものだと当初私は思ったのである。北朝鮮とは話し合いなどできないと普段から思っている私は、北朝鮮には軍事力を背景に対峙することしかないのだと思っていた。

 しかし、記事にもあるとおり100%不可能であるとは言えないのだろう。北朝鮮がどのような条件でアメリカとの会談に臨むかは、実際に会談をしてみなければわからない。会談をしてあとからどうするか考えるのも一手である。どのような話し合いになるのか?

 北朝鮮を巡る各国首脳の動きはどのようにして把握していくのだろうかということが気になった。多分、「ありんくりん」さんは誰にでも触れうるニュ-スソ-スから判断して、今後の世界の動きを予想していくのだろう。私も大体は同じニュ-スソ-スに触れているのだろうが、今日の記事のようなことは思い浮かぶこともなかった。少し、未来が予測できるような能力を身につけたいと思う。

投稿: ueyonabaru | 2017年4月 1日 (土) 19時21分

今日の記事、ハテ?どのように読んだものか、しばし考え込んでしまいましたね。

 で、ここでのブログ主様の目的は、「トランプ氏の北朝鮮攻撃を無条件で支持する一部保守派の潮流」や「これほど重大な事柄をスルーし続ける報道」、「責任放棄する野党」、「準備体制の不備が明らかな政府自民党」などの批判をつうじ想定される事実を元に別の立場からも考え、もって議論を喚起する事にあるのだろうと思いました。

何度も煮え湯を飲まされてきた米国として、そもそも北の核放棄が米朝対話開始の大原則であり、拉致被害者返還が日朝関係改善のスタートラインです。
表題は「もうひとつのオプション」となっておりますが、これまでの大原則をトランプ氏が曲げる事はないと考えますが、あったとしても核を保有したままの北朝鮮から「国際秩序を破壊する意図がないという担保」など取りようもありません。
それはともかく、ブログ主様が考える「米朝平和条約」実現の可能性は0.001%なのでから、この結論には大納得です。

記事の中で特に大事なのは、ソウル攻撃の可能性や在日米軍基地などへの攻撃を防ぎきれないかも知れないという点にあり、こうした懸念は全くと言っていい程報道されないし、政府からの正式な発信も皆無な事です。
だだ、この問題はおそらく米国の側ではなく、多くは日韓両国の国内問題に起因する事柄だと思うのです。

米国自身が己に差し迫った危機を感じているからこそ行動するのであって、私たちは同盟国として必要な情報を共有しながら、在日米軍とともに有効な手立てを取る事しか方法は残されていないのではないでしょうか。

私は、そのような懸念があるから米側の行動自体を中止するように強く申し入れるべきとか、米国から距離をとり「日米安保」を見直すべきという事は全然思っていなくて、逆にこのまま北朝鮮を放置する事の方が、よほど将来に禍根を残すであろうと考えるものです。

やがて米中首脳会談でハッキリしてくるのだろうと思いますが、韓国の情報機関も捨てたもんじゃありません。
重村智計氏ら言によれば、在英国大使亡命事件以来、各国の北の秘密警察要員の身柄も複数確保され、多くの正恩氏情報を得ている由でもあります。
なんとも分かりませんが、ここら辺の情報は良くも悪くも、もともと裏付けの取りようがない種類のものだと考えます。


投稿: 山路 敬介(宮古) | 2017年4月 1日 (土) 20時54分

北朝鮮が核の小型弾頭化だけでなく、今は十発程度しかないはずの核弾頭の大量配備に進むのは時間の問題ですが、そうなればさすがに平和ボケの日本人も目が覚めるでしょう。
北朝鮮という国の本質はとことんヤクザであると思います。とんでもない国ではあるが、計算高く、先に核を使用すれば、国際社会に制裁されて我が身がどうなるかは理解しているはずです。山路様や管理人様は、日韓に相当な被害が出ても北朝鮮を今すぐ打倒するべきだとお考えになるほど、北朝鮮を危険な国だと見なしていらっしゃるのでしょうか。勝手な希望で恐縮ですが、北朝鮮問題に関してもう少し議論を進めていただければありがたく思います。

投稿: はてな | 2017年4月 1日 (土) 21時32分

はてなさん

私は、北朝鮮をこのまま放置して置く事は、時間が経過すればするほど危険が増大するものと考えています。
それに拉致事件に見るだけでなく、現在でも日本国内で北朝鮮の「負」の影響力は強すぎます。

まして金正男氏の殺害は、我々日本人にとっては単なる「肉親殺し」なのですが、朝鮮人としての特別な民族意識に鑑みるならば、南北問わず指導者層に多大な影響を与えたに違いありません。
 殺したのが金日成と金正日の直系長子である事、それは儒教や朱子学的な朝鮮人の伝統精神からみて極めて特殊で、民族として決して受け入れられる事ではありませんね。
 つまり、正恩氏の指導者としての正統性は将来に向かって存在しなくなる非常事態に直面している状態のなか、国際的な交渉や平和条約などと言った吹き回しを北朝鮮自身が出来るはずがないと思うのです。

私はそのような考えでおりますが、はてなさん希望の、
≫「北朝鮮問題に関してもう少し議論を進めていただければありがたく思います。」

これには大賛成です。
これはブログ主様にも提案ですが、はてなさんにひとつの記事として意見を表明して頂いたらどんなものでしょう。
ぜひ、まとまった意見を伺いたく思います。


投稿: 山路 敬介(宮古) | 2017年4月 2日 (日) 00時09分

北朝鮮について何かまとまったことが言えるほどの識見があるわけではなく、むしろ中共のほうがはるかに手ごわい敵だと考えています。
時間が経つほど北朝鮮の脅威が増すという点では山路様と全く同意見なのですが、北朝鮮の狙いが何なのか、対処法が先制攻撃しかないのか、という点については大いに議論の余地があると思います。私見では北朝鮮にとって金王朝の生存にプライオリティがあり、親北勢力を韓国に浸透させてはいても、南進は必ずしも考えていないし、米軍基地の存在を別にすれば、日本を敵視する理由は何もないように思われます。俄かには信じがたいですが、北朝鮮は核によってアメリカの攻撃を封じた後は、通常戦力は縮小して軍備の負担を軽減し、中国式の経済建設に向かうと述べる識者もいます。とするなら、ヤクザ国家の北とアメリカの間にも何らかの取引や妥協が成立する可能性はあり得ます。また日本の安全を優先するなら、アメリカによる性急な外科手術は良策とは言い難く、米中が取引して、米軍が鴨緑江にまで進出しないことを約束したうえで、中国に北朝鮮を背後から経済的に締め上げさせるか、宮廷クーデターを画策してもらうのが最善なのではないでしょうか。北はそれを察知して張成沢を粛清し、金正男を暗殺したのでしょうが。
日本としてはアメリカを頼るしかないが、イラク介入の失敗から見て取れるように、アメリカは必ずしも賢明とは言えないのが辛いところです。ましてトランプに東アジア情勢に関して十分な見識があるとは思えず、安倍首相など日本側こそアジアと日本の平和を考慮して、アメリカに盲従するのではなく、積極的にアメリカに働きかけていく必要があるように思えます。

投稿: はてな | 2017年4月 2日 (日) 06時46分

なんと言われようと核を持てば攻められないというのがリアリズムに基づく真実です。
しかし、それを振り回すことで存在を顕示するのは、一線を越えたという事です。
しかし、この状態はアメリカや中国のせいにして良いのでしょうか?
初期の北朝鮮を支えたのは日本です。科学技術や経済的恩恵は、かっての中国ではできないわけで、それを与えたのは日本ですから。
米軍がいなくなれば北朝鮮が大人しくなるというのも幻想だと思います。
少なくとも隙だらけで攻めてこないにほん3が、隣に有る限り。

投稿: ednakano | 2017年4月 2日 (日) 07時10分

これはednakanoさんに同意ですね。

シュールですけど国際的リアリズム(美術のシュールレアリズムではないっすよ)に基づけば「核武装」ほど効果のあるものはありませんし、我が国は開発能力も投射能力もあります。まぁ「実験」やった段階で国際的孤立化を覚悟するのなら・・・という前提がありますけど。
実際、全く現実的ではありません。
またたまたまちょうど国連の核廃絶協議で批判されてる立場ですしね(現実にアメリカの核の傘の庇護下にあるわけですし)。

イスラエルや南アフリカのようにしたたかで巧妙な「曖昧戦略」を取る手もありますけど、私は日本には核武装など全く求めていませんし非現実的です。

投稿: 山形 | 2017年4月 2日 (日) 08時50分

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