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どうやら米国のサイバーアタックが成功しているようだ

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北朝鮮が4連続三振を喫しました。4月29日の弾道ミサイル実験のことです。 

メディアによれば、なにやら「空母キラー」を発射したとのことですが、どうしていつもこのように煽った言い方しかできないんですかね。 

カールビンソン打撃群を「無敵艦隊」と訳してみせたかと思えば、今度はそれを「一発で撃沈できる」(BBC4月24日)と豪語する北朝鮮の口まねをするように「空母キラー」の発射実験をしたと書いています。
http://www.bbc.com/japanese/39689536 

これを「『空母キラー』ミサイル開発加速=実戦配備へ連続発射か―北朝鮮」と報じた時事(4月29日)です。

「米軍が原子力空母「カール・ビンソン」を朝鮮半島近海に派遣し、軍事的圧力を強める中、北朝鮮は空母に対抗するため、「空母キラー」の実戦配備に向けて開発を急いでいるとみられる。」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170429-00000072-jij-kr

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北朝鮮がカールビンソンを「撃沈」するためにはこの「空母キラー」とやらを雨あられとばかりに100発撃っても、たぶん一発もあたらないでしょう。 

時事さん、空母打撃群のイージス・システムを甘くみないほうがよろしいですよ。 

そもそも海上になんの目標物も置かないで対艦ミサイルの試験をすること自体ありえませんから、「撃ったことに意味がある」という類のものです。 

あ、そうそう、雨あられと撃つほど対艦ミサイルを保有していなかったっけ(笑)。

それにはるか洋上を刻々と位置を変える米空母の位置を探知する哨戒能力が、かの国には欠落していますしね。やみくもに撃ってどないすんねん。

結局、またもや国際社会を挑発し、自分の首を締める結果になってしまいました。この時期、 「偶然」にもフランス海軍が自慢の強襲揚陸艦「ミストラル」を派遣しました。http://jp.mobile.reuters.com/article/idJPKBN17V04C?pageNumber=2

Photo_3http://jp.reuters.com/article/france-drill-idJPKBN17V04C?sp=true

3月に訪欧した首相はオランド仏大統領との会談で、史上初の日米英仏による4カ国海軍共同訓練を提唱しました。

「会談後の共同記者発表で、フランス海軍の練習艦隊が4月に訪日し、日仏米英4カ国による合同演習をグアム周辺海域などで行うと表明した」(産経3月21日)http://www.sankei.com/politics/news/170321/plt1703210014-n1.html

もちろん今回の失敗の原因は、9割の確率でサイバー・アタックが成功したからです。 

北朝鮮がわざと失敗してみせたなどと言う人がいますが、そのような凝ったまねをする理由がわかりません。 

湿った線香花火を今やってみせたら、国民に恥をさらすだけです。 

技術的な失敗の可能性もありますが、いくらなんでも手慣れたはずのスカッド系の中距離弾道ミサイを4連続失敗するというのは不自然すぎます。 

いやいや、サイバーアタックは北朝鮮のようなクローズ系ネットには通用していという説もまことしやかに伝えられていますが、現在のサイバー・アタックの水準を読み違えています。 

Photo韓国ソウルの鉄道駅で、北朝鮮の故・金日成主席の生誕105年を記念したパレードの映像を眺める人(2017年4月15日撮影)〔AFPBB News

可能です。
 

ディフェンス・リサーチ・センター研究員・横山恭三氏は、「クローズ系コンピューターネットワークが安全であるというのは神話である」と述べています。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49836

「一般に、軍隊のシステムあるいは民間の重要インフラの制御系システムは、インターネットなど外部のネットワークに接続していないクローズ系コンピューターネットワークである。
クローズ系はインターネットに接続されていないので安全であると思われがちであるが、2010年9月にイランの核施設で発生した「スタックスネット事件」など多くのサイバー攻撃がクローズ系コンピューターネットワークに対して行われ、かつ壊滅的なダメージを与えている。」

横山氏によれば、北朝鮮は確かに閉鎖系のネットワーク環境ですが、穴はいくつもあるそうです。 

横山氏は7つの手段を上げていますが、代表的なものはサプライチェーンへの侵入です。 

正恩が「国産ミサイル」と豪語しても、情けないことにその実態は、9割9分外国製の部品に頼っていることです。 

理由はわかりますね。あの国には精密加工技術も電子工業もなきに等しいからです。 

となると、北朝鮮そのものに侵入しなくとも、部品の調達先の企業に侵入してしまえばいいわけです。 

そしてすでに、北朝鮮の核兵器・弾道ミサイルの部品調達先は相当に洗い出されているそうです。
アメリカサイバ軍 - Wikipedia 

となると、米国は容易に北朝鮮の弾道ミサイルのサプライチェーンに侵入できることになります。 

横山氏はこう述べています。

「攻撃を仕掛けた可能性は大きい。例えば、米国は北朝鮮のミサイル関連部品の購入先を特定し、北朝鮮向けの電子機器にマルウエアを挿入する、あるいは電子機器を偽物とすり替えることが可能である」(同)

サプライチェーンとは、ロジスティクス用語で、 製造業において原材料調達・生産管理・物流・販売までを一つの連続したシステムのことを言いますが、このどこかひとつに侵入してマルウェアを仕込んでしまえばいいわけです。 

マルウェアとは「不正かつ有害な動作を行う意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称」のことですが、星の数ほどある部品のどれかに仕込めば正恩があるコマンドを入力すれば自動的にその瞬間自爆させることも可能となります。
マルウェアとは|マルウェアの脅威とその対策 - JNSA 

横山氏は元サイバーセキュリティ担当大統領特別補佐官・リチャード・クラークの著書、『世界サイバー戦争』の一説を紹介しています。

「1980年代初頭、長大なパイプラインの運営に欠かせないポンプとバルブの自動制御技術を、ソ連は持っていなかった。彼らは米国の企業から技術を買おうとして拒絶されると、カナダの企業からの窃盗に照準を合わせた」
「CIAは、カナダ当局と共謀し、カナダ企業のソフトウエアに不正コードを挿入した。KGBはこのソフトウエアを盗み、自国のパイプラインの運営に利用した」
「当初、制御ソフトは正常に機能したものの、しばらくすると不具合が出始めた。そしてある日、パイプの一方の端でバルブが閉じられ、もう一方の端でポンプがフル稼働させられた結果、核爆発を除く史上最大の爆発が引き起こされた」

3回ていどまでは技術的失敗が重なったとも見えますが、4回連続となるとこのサイバーアタックによるものという可能性が高まることになります。 

今頃、北朝鮮のミサイル部門は必死になって、砂浜に埋めたマルウェアの毒針一本を探し出す作業に熱中しているはずです。

Photo_2「田植え戦闘」のポスター

そして米国が軍事的圧力をかけ続けている限り、正恩は今までのように軍民あげての恒例「田植え戦闘」を命じることができなくなります。

おそらく6月ていどまでこの緊張は継続されるはずですから、それでなくとも飢餓国家である北朝鮮の食料生産は眼も当てられないことになるはずです。

ましてや収穫期の8月、9月まで引っ張られた場合、大規模な飢餓が発生するのは必至です。

北朝鮮人民には気の毒ですが、自分たちの指導者が招いたことですから、誰も恨めません。

逆にいえば、「田植え戦闘」か報じられたら、それは正恩がなにかしらの妥協をして鉾を納めたこととなります。 

 

 

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コメント

 今日の記事には驚きました。サイバ-攻撃などその仕組みなどまったく分からない私には想像もつかないことでした。この頃は、日本のどこかにミサイルや原爆が着弾するのではないかと毎日が恐怖でした。よかった!

 さて今後はどのように展開していくのか。アメリカ軍のトマホ-クを北朝鮮の軍事施設に打ち込むのか、等々色々考えたりもするのですが、今後の推移を見てゆくしかできませんね。

投稿: ueyonabaru | 2017年5月 1日 (月) 10時53分

田植戦闘の話題はどこかの地上波でやってました。発令されたかどうかは不明ですが。

それと、最近の北朝鮮の軍は、人口減少のあおりで女性の1/3が兵役に取られるそうで、親は必死で徴兵逃れさせようとするという話がネットの記事でありました。

人口が減ったことと食品生産の近代化で、一時より飢えていないという説もあるようですが、主食のコメの生産量に影響する田植の遅れは、収穫の遅れ=飢餓のリスク拡大になりますね。

投稿: ednakano | 2017年5月 1日 (月) 10時56分

これはある意味「オバマの功績」って事にもなるのでしょうかね。


北朝鮮の「ミサイルを発射した」事実は確かであって、それを米軍が阻止出来たワケです。
これが今起こっている「事態」なのですね。

 で、どのような事態であれ危機をあおる事は論外と考えますが、最近の報道では地下鉄を止めた事が批判的標的となってましたね。
「韓国ですらも、そんな事はなかった」とかね。
 そもそも韓国には弾道ミサイルは関係ないし、地対地ミサイルなどに対する避難準備は官民合わせて、日本よりも相当予算投資してるし、そのレベルも上です。
 私はむしろ、地下鉄を一瞬止めたことは、有事に際しての避難場所としての地下鉄の存在を知らしめたんじゃないかと思うのですがね。

 沖縄二紙の論調はさらに悲惨な最先端を行ってて、男鹿半島での学校の避難訓練そのものすら、非難してました。
その理由は、「避難訓練を通して国民に有事を意識させることで、外交の失敗から目をそらさせ、戦争を容認する考えを醸成するから」、だそうです。
まったく国民を馬鹿にしてます。
 これが国の「権力と対峙する」事を使命とする報道機関の末路であって、もとより国民の命など考慮するところではないし、政権の失脚の為なら「事実」にすら目をつむる歪みの象徴的言辞です。


投稿: 山路 敬介 | 2017年5月 1日 (月) 12時41分

サイバー戦は防御の難しい、ひたすら攻撃し合うアタックのみが有効だと青山繁晴氏が虎ノ門ニュースで語っていました。人同士が向かい合って殺し合った第一次、空から空爆が本格化した第二次、サイバー戦争が第三次と未来において書かれるのかもしれません。
今メインで騒がれているのは米朝間サイバー戦ですが、米中、日中においても激しいアタックがあるのではと想像します。サイバー攻撃で無効化するのは昔のSFでは平和的行使の範疇でしたが、9条にはどのように抵触するのか、詳しい方に聞いてみたいです。

山路さんが書かれた地下鉄を止めた件、休日の早朝で鉄道側の予行演習としては最適な時間帯でした。地下鉄構内に多数を収容する、という文を読んでも駅や地下街に詰め込むイメージしかうかんでいませんでしたが、運行ストップが第一条件ですね。

投稿: ふゆみ | 2017年5月 1日 (月) 15時19分

「避難訓練を通して国民に有事を意識させることで、外交の失敗から目をそらさせ、戦争を容認する考えを醸成するから」

とんでも論調ですね。こんなのに使わせられる本島の住民にはご同情いたします。

投稿: かつて…(以下略) | 2017年5月 1日 (月) 16時58分

「避難訓練を通して国民に有事を意識させることで、外交の失敗から目をそらさせ、戦争を容認する考えを醸成するから」ですか・・・笑止!!

昭和の日に四半世紀以上前に崩御された昭和天皇の70年以上前の戦争責任なるものを追及しておいて今現実に目前に迫っている戦争は見て見ぬふりですか。こいつらの守ろうとしてる『平和』なんて薄っぺらいですね。

投稿: umigarsu | 2017年5月 8日 (月) 23時17分

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