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« 国民を食わせられない国家はもはや国ではない | トップページ | 北朝鮮農業 人災としての飢餓と水害多発 »

2017年5月 9日 (火)

北朝鮮農業 暗愚の王国

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北朝鮮の最大のウィークポイントは経済です。その中でも直接国民の食料を生産する農業こそが、この国のアキレス腱となっています。 

 

せめて自給自足体制くらいできていれば、いかに国際社会から制裁にあおうと、中国から原油を半ば止められるはめになっても、なんとかしのげたことでしょう。 

 

まぁ、実は社会主義と農業ほど水と油なものはありません。社会主義農業は、かならず共同農場や国営農場という形で、農業を集団化しますが、農業はこれが大嫌いです。 

 

ある日本人ロシア研究者の話を聞いたことがあります。 

 

彼はソ連留学中に、希望していたコルホーズ(共同農場)を見学したのですが、とある倉庫からものすごい腐敗臭がしたそうです。 

 

案内の人に「なんなんですか、この匂いは」と聞くと、こともなげに答えていわく、「ああ、ジャガイモが腐っているんだよ」とのこと。 

 

なんと今年収穫したジャガイモの大半が管理が悪いために、グチャグチャに腐敗していたんだそうです。 

 

私も経験ありますが、コンテナのひとつに腐敗が入るとたちまち感染して全体に拡がっていくんですよね。 

 

Photo_3

 

 腐りを出したこともさることながら、ロシア人が平然としているのが解せませんか。 

 

いいんです。コルホーズは分業化されていますから、事務職員の彼には責任がないからです。 

 

そしてさらに街まで運ぶのは、鉄道部門の仕事だそうで、このジャガイモは既に鉄道部門の管理下にあったんだそうです。 

 

では、この腐ってビチャビチャなジャガイモはどうするのかといえば、「捨てるしかないだろうね、オレの仕事じゃないから」とまったくの無関心なお答え。 

 

私たちの自由主義社会ではぜったいにありえません。作物を腐らせるのを黙って見ていられる図太い神経を持った農業者などひとりもいないでしょう。 

 

ところが、社会主義ではできるのですね、これが。

 

だって、 社会主義には「農民」はいませんからね。いるのは農業労働者です。

 

後に共産党書記長になったブレジネフの自伝に、コルホーズで働いていた時に、倉庫のものを皆で分けて食ったと堂々と書いてあります。 

 

おいおい、そりゃ盗みだろうと思いますが、ブレジネフには罪の意識などありません。「全人民所有」だからだそうです。 

 

共同化・集団化では、農業に必須な精神である、作物をよく観察する、まめに手を入れる、という「眼」と「手」そのものが否定されます。

 

自主性も摘み取られますから、「やる気」が殺されてしまうのです。 

 

いかにひとりの農業労働者がもっとこうしたらいいんじゃないかと思って提案しても、「上の命令に背く」ということで潰されてしまからです。 

 

もっとこうやれば収益が上がる、と皆んなに言っても、仕事が増えるからなぁといわれてお終いです。

 

サボっても働いても給料は一緒。ならば働いちゃ損、数字いじって報告書だせばいいじゃん、ってわけです。

 

農業は自営業ですから、働いた分だけ手元に入ります。工夫と努力次第でお金が貯まります。

 

社会主義では、悪くすれば仲間から「指導者の命令に背く反革命分子」として密告されて流刑場行きとあいなります。 

 

結局、ソ連もあまりの生産性の悪さに、自留地といって個人の農地を一定枠で認めるやいなや、こんどはコルホーズで働かないかわりに、せっせと自分の農地で換金作物を作るようになってしまいました。

 

結果的にはこれで農業生産がハネ上がったのですから、なんともかとも。

 

ところで、社会主義農業に利点があるとしたら、それは個人の零細な資力で維持されている小規模農場を共同化することで大規模化できることです。 

 

大規模にすることで、ひとりでは難しかった機械化や田畑の集合化がはかれ、生産力の向上につながるという理屈です。 

 

Photo農村に視察に出かけた金日成、張成沢、金正日

北朝鮮の建国の父である金日成は、ソ連と中国のまねをして社会主義集団農業を導入しました。

「金日成時代には、農業の機械化を図り、ゆくゆくは協同体的所有を全人民的所有(国家所有)に転化することで農業の工業化を図り、都市と農村の差をなくすことで共産主義へと向かうビジョンがあった。そのためには工業が農業を支援し、都市が農村を支援せねばならないとされていた。これが金日成の出した『わが国における社会主義農村問題に関するテーゼ』の基本思想である」(朴斗鎮 『揺れる北朝鮮』)

さて、結論から言えば、この金日成の社会主義農業政策は失敗しました。

 

なぜでしょうか? 

 

ひとつは機械化大型化の挫折です。「機械化できる」という点が、細分化されていた今までの小規模自営農業に対する優位性でしたが、機械化がまったく進まなかったのです。 

 

Photo_2
上の写真を見ると、いまだ江戸時代のようなことをしています。日本の農村には一戸にひとつは必ずあるコンバインなど姿形もありません。 

 

そしてたかだかこのていどの労働にわらわらと5名もかけて、しかもやる気がなさそうなダルな雰囲気がここまで漂ってくるようです。 

 

ここで第2の問題点が浮かんできました。つまり農業者に「やる気」がないのです。

 

農民に約束したはずの農業の機械化はおざなりになりました。その理由は金一族のカリスマ化のために、3大非生産的浪費をしまくったからです。

Photo_4
「資金が設備投資やインフラ整備に充てられるなど経済基盤の強化に向けられれば良いが、実際はそうでない点だ。資金は金正恩体制の統治資金や箱もの展示物の建設に向けられ、変化を見せるための宣伝に浪費されている」
(同上)

まったくどうしようもない馬鹿野郎です。 

 

農村を機械化し、農民にやる気をださせる政策をとれば自ずと金一族に権威がついていくものを、大型箱ものと銅像を作りまくって貴重な資金を浪費してしまったわけです。 

 

実は、核武装国家も弾道ミサイルも皆、この金一族の神格化政策の産物でもあるのです。 

 

在日朝鮮人で、現在デイリーNK顧問をしている全掲書の著者である朴斗鎮氏はこう述べています。

「金正義恩はまず、先軍政治の継承者、強い軍事戦略家に見せるために長距離弾道ミサイルや核兵器をはじめとした武器開発に巨額投資を続け資金を浪費している」(同上)

Yjimage
朴氏によれば、北朝鮮のミサイル発射には、弾道部分、ミサイル本体、実験場建設と運用費用だけで1発あたり6億ドルかかるといいます。 

 

一発で、北朝鮮GDP3兆円の1.5%にも相当し、この資金でトラクターやコンバインなど必要最小限の農業機械を購入すれば、飛躍的に農業生産は延びるはずです。 

 

いや、ただの食料輸入に回してもいい。トウモロコシを買えば175万トンも輸入可能です。それは北朝鮮全住民の約1年分弱に相当します。

 

北朝鮮が一発弾道ミサイルを撃つごとに、住民の食糧1年分が吹き飛んでいるのですよ。あー、たまらん。 

 

あらゆる家庭と行政機関に自分の肖像画と太陽像(金日成と金正日像)を1700万個作り、全国に新たな金日成像を建てまくり、ザブザブと金を浪費しています。 

 

金日成のミイラが安置してある太陽宮は、ベルサイユ宮殿を模しているそうです(笑)。 

 

その他、乗馬クラブ、遊園地、スキー場、3Dシアター、大浴場、鉄板焼きダイニング、などやくたいもない、国民の生活とかけ離れた「箱もの」建設に夢中のようです。

 

金正恩は国を自分の遊園地だと思っているようです。馬鹿もここまで来ると底光りする神々しさですね。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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コメント

やっと農業ブログらしくなった!

日本の近代史はサラッと流してた冷戦時代の(正にブレジネフが書記長の頃)義務教育で、コルホーズやソフホーズ、集団農場あたりは社会科のテストで必ず出てましたね。しかも「素晴らしいもの」扱いで。
それにしても北朝鮮の農業って、ソ連に次いで中国が失敗したことを後追いばかりしてるんですよねえ。規模は遥かに小さいですけど、国土が狭い上に機械化が全くできていないところへ化学肥料すら買えない(買わない)んですから、いかんともしがたいです。
中国方式でも今度は化学肥料の浪費でどうしようもないですけどねぇ。

山形さんに同じく、農絡み続いて嬉しいです!
40年前、暗愚の豊中市立某小学校でも音楽の時間に、夜明けの広い野辺に2つのトラクターを並べるロシアの労働歌を歌ってましたよ。歌詞に生徒が笑って、音楽教師が「何が可笑しいんですか!これは素晴らしいコルホーズやソフホーズの歌だからトラクターを笑うな!」と激怒してました。
大阪のクソガキは「朝から寒っ!2つで足りるんかそんな広い野辺に」とか性懲りもなく突っ込んでましたが。

日本は減反で揉めてる遅れた農業、中ソの進んだ計画的な農業を見習うんだ。と、中学校でも断定されてましたね。まさに素晴らしいもん扱い!
批判的な生徒が「でもソ連はともかく中共の政策は〜」と反論すると「今中共って言った!許さない!もう発言する資格なし!」と呼称狩りにあい。…こんな教師が尊敬される訳もなく、学校荒れました。
ここ数日の記事読んでると走馬灯状態です。
そしてジャガイモの話の分業無責任さ、こういう理屈立てで目の前の現実を素通りできる感性は、日本の左翼の姿勢と全く同じですね。

前の方々も仰っている通り、昨日、今日の記事は素晴らしいですね。

>自主性も摘み取られますから、「やる気」が殺されてしまうのです。
>社会主義には「農民」はいませんからね。いるのは農業労働者です。

社会主義の大間違い、自由主義社会でなければならない理由がここに集約されています。
今日は韓国の大統領選挙の投開票日です。
韓国が自由主義国として踏ん張りをみせるかどうか、韓国の反共自由民主主義の危機は日本の危機でもあるので、祈るような気持ちで今日を過ごすことになりそうです。

 土作りの為に年単位の時間を費やす、などと言う事は思いもよらないのでしょう。

 それにしても同じ社会主義国であっても、有機野菜先進国となった「キューバ」とは天と地の差。
両者の違いは独裁者の質の違いが大部分なのでしょうが、それも含めて決定的なのは「儒教」のゆえですね。
 その点、孔子様に気の毒だから付則すれば、歴史的に儒教を権力者都合で歪曲して来た「宗主国たる中国」ばかりを向いたツケですね。
 国家じゃないですよ、こんなもの。
 米国は北朝鮮に対してだけ、ウィルソン主義を採るべきだとすら思いますね。

農業関連の記事を楽しみにしてました。
記事と全く関係ありませんが、管理人様と常連の皆様に教えて頂きたく思います。
友人がサトウキビの栽培を営んでいるのですが、先日私にある不満をブチまけてきました。その内容なのですが、サトウキビ栽培に必要な肥料、農薬、資材等を農協などでは無く、少しでも安いネット等で購入していたのですが、ある日農協から「さとうきび増産事業で肥料、農薬の1/2補助があるので申請書を提出して下さい」との連絡があった様です。しかし事業の内容を聞くと、農協で購入した物でないと補助対象にはならないとの事で、その事に友人は怒ってました。

そこで質問なのですが、結果的に肥料、農薬は農協で購入するしかないこんな補助システムが法令に抵触する事はないのでしょうか?
記事とは無関係かもしれませんが宜しくお願いします。

農業の話はほとんど知らないことばかりなのでとてもタメになりますね。
日本の農業についても色々話を聞きたいです。

補助金の原資には、おそらく公費(国費とか県費)が入っていると思います。ですので、その制度設計は官僚がしているはずです。官僚がする仕事は法令順守、瑕疵責任が無い様にするのが基本ですかから、恐らく法令に抵触することはないかと思われます。
まあ、考えようでは、系統の資材が高くてネットやホームセンターとかに流れるのを、食い止めるために作られたシステムだと思いますので、縛りがあるのが当たり前なのかもしれませんが。縛りの無い補助金の方が少ないと言うかほぼ無いのではないでしょうか?

八重瀬民さん

 農協取り扱い商品のみを1/2補助するというのはおかしいとは思います。補助金は税金ですから、農協だけを優先するというのは止めて、通信販売の方も1/2補助にしてもらいたいといことでしょうが、法律的にはどうなんでしょうかね。私は分かりません。

 知り合いに八重瀬町でキク栽培をしている方がおりますが、農協とは色々とトラブルがあるようです。地域農家から信頼される農協であって欲しいものですね。

 私も沖縄の農協には不満があります。色々と事業を展開しておりますが、本来の農協の役割から逸脱しているのではないかと思っております。農協自らが、模範的な農業経営を実践して農民に示すぐらいでなければいけませんね。なんだか大手企業のサラリ-マンのような働き振りを見せる職員もおりますね。

 一方、ファ-マ-ズ マ-ケットは零細農家が出荷できるので助かってはおります。この部門は伸びて欲しいな。

 私は、高齢者が働ける農業モデルを現在模索中です。

補助金の振込指定金融期間がJAである場合が
多い事も影響しているとは思いますが、市町村の行っている事業なら、一概には言えませんがその市町村に営業所のある事業者による入札になってるはずです。
大抵はJAが落札してくると思いますが、稀に別業者が落札する案件((例)獣害対策特別事業の支柱はJA、網は別業者)もあったりしますので。

たしかJAで一番偉いのは組合員である単協の生産者さん達です。協同組合ですから、所属生産者利益を守る組織であるという理屈です。
実際はどうでしょうか。
補助金の原資は交付金であれば、ホームセンターが顧客への交付代行の請負い業務をするように、農水省へ働きかけた場合。全農が青息吐息になるのかホームセンターがコストを乗せざるを得なくなり安さが失われるのか。
別稿で良いので詳しい方々に私も教えていただきたいです。

久々のコメント本題から外れたコメントへのレスだけで本題の方へのコメントを入れるのを忘れていました。すいません
共産主義の農業を全否定する気は無いですが意欲や勤勉さが無いと生産性が低下するのは実感してる所です。
人夫を雇っても、自分の直接収入にならないので思ったように働いてくれない人もいますからの

久々のコメント本題から外れたコメントへのレスだけで本題の方へのコメントを入れるのを忘れていました。すいません
共産主義の農業を全否定する気は無いですが意欲や勤勉さが無いと生産性が低下するのは実感してる所です。
人夫を雇っても、自分の直接収入にならないので思ったように働いてくれない人もいますからの

昨日に続き、本日の記事にも大変感銘を受けました。
食=農を与えられない政治家は歴史的にも潰されてきたと思います。
フランス革命時のカペー王朝や、戦国時代稀に見る電撃戦で叩き潰された武田勝頼など最たる例でしょう。

私的なことですが、最近地方に移り住みまして、おかげでJAの直売所などで美味しい野菜が食べられるようになり、貧乏ながら大変充実した食生活になってます。今も今日買ってきたつみ菜に酔いしれてます。
こうした点は一消費者としてありがたいのですが、自動車保険など余計なことに手を出し、最低の評判を得ています。
JAの存在を否定までするつもりはありませんが、何か釈然としない部分があるのも確かです。今までさほど関心を持たずに来た分野ですが、今後は色々調べてみたいと思っています。
支離滅裂な独白になりましたが、現在の感想でした。すみません。

皆様のご意見頂きありがとうございました。

コスト低減を図るのは経営者として当然の事だと思うのですが、その様な努力が、国や関係機関、農協などに足元をすくわれている様で残念に思いました。

私が思うのは、その様な補助事業を農協が独占してしまうと肥料や農薬等の資材の価格低減の努力を農協は無理して行う必要も無くなり、結果的には農協そのものに税金が流れている事になるので、そこはおかしいのではないかと思ってしまいます。

国としても農地集積、コスト低減は命題なはずなのに、矛盾を感じます。

昨日は二重投稿を含め失礼しました。
一応JA関係者だったのでJAについての補足ですが、肥料や飼料等の手数料は単農単位で決めています。
なので、隣同士の市町村でも農協の管轄が違えば単価も変わってきますね。
単農は本来営利団体ではありません
一番大切な事業は営農技術指導でしょうがこれは無償(費用は発生するが農協への収入そのものは発生しない)です。
国直轄の補助事業であるサトウキビの補助金の申請手続きは本来個人毎で行わなければならないものですが自分の所ではJAが一括で代行してくれています、これも全く収入にならない事務仕事です。
このような無償事業の費用分を他の事業でカバーしてますから、一般的なホームセンターより肥料等が、高い場合もあります。
肥料等の半額助成についての私の個人的な見解は、個人ではなかなか知り得ない助成を利用して受益者の肥料代を下げる為のJA独自の事業なのではないかと思います。その場合当然他社の肥料等を助成対象にはしないでしょう。

種子さん

おそらく沖縄県農協管内のサトウキビの補助申請は各支店で取りまとめを行い、本店から申請をしていると思いますが、私の地域の支店では事務手数料をトン当たりで原料代金から徴収しています。

それと、さとうきび増産事業の原資は国費で、おそらく沖縄総合事務局から沖縄糖業振興会から農協への流れで動いていると思われます。

総合事務局から直接的に各農家へ補助を出来るシステムを作れば、もっとコスト低減も国費の削減も出来ると思うわけです。

総合事務局と現場のサトウキビ農家さんとの農への意識の隔たりは、農協と農家の比ではない位ある筈なので、トンチンカンな手間が余計出そうな気もします。
農作業に専念するためにそれ以外の雑務を会員から薄く会費をすくって代行したり、まとめ買いしてコストを下げる目的で集まっている。JAは電電公社や国鉄と違い、ずっと民間団体なのでJA自身の存在価値を高めるために、交付金の周知や代行事務作業などに勤しむのは当然かと思います。
それ以外の公的な貢献、というのは過疎地においては絶対必要で、、、どうなんでしょうね。
直接交付するにしても誰かが事務作業や購入量がウソでないか、本当に営農しているものが申請しているのか、チェックが必要です。県庁付きの者が出張る方が高くつくかもとも、思います。

スレ違いのようで、これは農業の事務作業を誰が行うのが日本で機能するのか、どこまで公務員がやるのか、営農者はまとまる規模がどれ位がフィットするのか、答えは出ませんが、他国の失敗例を見て自国への目もリアルに向ける機会があり嬉しく思いました。常に問題提起できるところが自由の良さですね。

八重瀬民さん。う~ん難しい問題ですね。おっしゃることはよく理解できます。私も地域農協とかつてやりあった者ですから。
個別の問題について詳しくは知らないので、あくまでも一般論としてお聞きください。

JAは単協でかなりちがいますから、一概にはいえませんが、いい面と悪い面があります。
おっしゃるように組合員を丸抱えにしているためにコスト意識が低く、平気で何割増の資材を売りつけてつけてきます。これも単協で正確が異なりますから、一概にはいえないんですが、大部分のJAは民間の資材屋より高いでしょう。

ですからコストを低減し、より収益率を高めようとするやる気のある農家にとってJAは不要にすら見えます。

また、品目部会を持って作付け計画を作り一括して出荷するシステムも同じようにやる気のある農家にとって不要です。

その上に、畜産を別にすれば、一般の蔬菜類で営農指導がみっちりされているとはあまり思えません。
本来ここがキモなんですが。

となると、屋台骨は金融となってしまい、実際JAバンクは日本屈指の預金量を誇っています。

私が作った生産団体はJAとはつきあいがありませんでしたが、産直をやっているとJA系の農家は楽でいいなぁとよく思ったものです。
流通との日常的やりとり、消費者との交流、生産団体間の会合などなどを、一般組合員はパスできますからね。
農家にとって「作るだけ」でいいのは、確かにすごいことではあります。

しかし、これを半世紀以上続けた結果、日本の農家はある種の愚民化が進みました。
自分の脳味噌で考え、目を凝らしてコストを吟味し、足を使って流通のと渡り合うことを忘れてかけてしまったのです。

サトウキビは国の直轄という特殊なものなので、間違っているかもしれませんが、米と似ています。
しかし、米もいまやJA以外の生産団体は珍しくもありませんので、やがてサトウキビもそうなるのではないかとは思います。
やる気のある農家で集まって法人化するといった新たなつきあい方があるように思えます。

それとおっしゃるように糖業振興会という役人の天下り団体が問題ですね。
これはバターなどにもある役人の「寄生虫」団体のような気がします。
なにもしないで、ぺーパーだけで結構なマージンをハネているのではないですか。

すっきりと作った農家が報われなければ、税金は報われません。


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