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2017年6月 3日 (土)

パリ協定は実現可能か?

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トランプがパリ協定の枠組みから離脱しました。メディアではトランプ批判一色ですが、あながちそうともともいえない部分があります。
パリ協定 (気候変動) - Wikipedia 

メルケルは自分がやってきたエコ政策に泥を塗られたと考えて、怒り心頭のご様子です。 

まぁ、トランプ就任以降ぶつかりっぱなしでしたからね。

3月の米独首脳会談では視線も交わさずたがいにガン無視。双方ともに握手の記念撮影だって、ああ手が汚れるってかんじでした。 

メルケルの怒りは、オバマが受け入れたパリ協定を、トランプがチャブ台返しにすると公約して当選したことです。

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G7では反対なのはあんただけじゃなのさ、とメルケルは言いたいようです。しかも帰国してから言うってなに?このヘタレ。 

とまぁ、この調子でメルケルのお怒りはボンボンと燃え盛り、とうとう5月28日のミュンヘンではビール・ジョッキを片手に演説を行い、「私はこの数日で、ヨーロッパが他国に完全に頼れる時代はある程度終わったと感じた。ヨーロッパは、自分たちの運命を自分たちで切り開いていくしかない」と言っちゃいました。

とりあえずテーマは、外交-安全保障とは一線を画した地球温暖化対策ですが、これだけシコルと、後はどのようになるのでしょうか。 

トランプさんも大人げないというか、パリ協定なんか紳士協定にすぎない側面がありますから、離脱なんかせずに枠内でグチグチとネゴシエートするほうが得策だったと私なんか思いますが、政権基盤が大揺れしていますから、仕方がなかったのかもしれません。

それはさておき、この地球温暖化対策とはCO2排出制限をしようとするものですが、二酸化炭酸ガスは自然由来のものが多くを占め、人間の生活-生産活動由来は3%と限られています。

人間活動由来のCO2削減するには、エネルギー源転換をせねばなりません。

すなわち、もっとも多くの排出源のひとつである化石燃料から非化石燃料に切り換える必要があります。

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各種電源別のCO2排出量 出典:電気事業連合会「原子力・エネルギー」図面集2010

そのために有効な手段は、ズバリ原子力発電の依存を高めることでした。

たとえばわが国は福島事故まで電源の約3割を原発に依存していました。

それが菅政権の全面停止政策によって、主要電源は一気に化石燃料となりました。

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2013年度のエネルギー源別の発電電力量の割合http://www.japanfs.org/ja/news/archives/news_id035081.html

化石燃料を主体とした発電を続ける限り、わが国は二酸化炭素を削減することは不可能なのが分かるでしょう。

原発を止め、9割弱を化石燃料に依存している現状では、パリ協定目標を達成することは不可能です。

つまり、エコ政策を突き進もうとして二酸化炭素ガス削減するためには原発を一定割合で組み込まねばならず、組み込んだら今度は反原発派から「環境に危ない原発反対」とやられるという二律背反になってしまうわけです。

反原発派の運動家にどうやったら原発を止めたままで、CO2削減できるのかお聞きしたいものです。

どうせ再生可能エネルギーというのは分かりきっていますが、再エネについてはごっそり記事を書いていますので、そのうちまた論じます。

下図を見ると、1997年の京都議定書以降も、CO2は増加の歯止めがかかっていないのが現状です。
京都議定書 - Wikipedia

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Warming_chart01化石燃料などからのCO2排出量と大気中のCO2濃度の変化出典:電気事業連合会「原子力・エネルギー」図面集2010http://www.jnfl.co.jp/recruit/energy/warming.html

このように京都議定書は失敗し、パリ協定もまた実行が疑問視されていることは確かです。

地球が現時点で温暖化しているのは事実ですが、CO2主犯説について私はかねがね炭酸ガスもその一因だが、それは限られたものだと書いてきました。

それについては、7年前の2010年3月5日の旧稿を再掲載します。

ちょっと専門的な内容です。それにしても今日はグラフばかりでごめんね。

                                     ~~~~~~~~~~~~ 

CO2が海洋や植物に吸い込まれることを、自然界の緩衝作用といいますが、いったいどのくらいの時間かかって吸い込まれているのかも大事なポイントです。 

というのは、海洋や植物に吸収されるまでに長い時間がかかるのです。つまりですね、今この世界にあるCO2は、ただいま現在のものではなく、過去に由来して蓄積しているのです。
この蓄積期間にも説がいろいろとあるようですが、最短で5年間、長いもので200年間という学者もいるそうです。
 

このCO2が自然界に吸収されるまでの期間を、「滞留時間」と呼びますが、これを最短の5年間ととると、モロに人間の活動によるという証明となります。 

一方、200年ととると、真逆に人間の活動とはなんの関係もないということになってしまいます。 

では、5年~15年間の短期滞留期間説を取るとすれば、CO2が気温上昇の疑惑の真犯人扱いですから、思い出されるのが、CO2と気温上昇がパラレルで上昇するという、あのホッケースティック曲線です。 

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 最大の地球温暖化の根拠とした資料でした。ちなみにこれを採用したのは、彼の盟友であり、クライメイトゲート事件の主役であるCRSのフィル・ジョーンズ教授です。 

しかしあいにくと、このホッケースティック曲線には大きな誤りがありました。最大の誤りは、19世紀以前の気温をほぼ一定だとしてしまったことです。

これでは10C~14Cの中世温暖期は無視され、19世紀の小氷河期もなかったことになってしまいます。 

また、このホッケースティック曲線が衝撃を与えた20世紀からの極端な気温上昇の中にも、下図のように1940年から1980年まで続いた「寒冷期」が存在します。

そういえば思い出しました。1970年当時の世界の気象学会はどんな警鐘を鳴らしていたのでしょうか。「来る小氷河期に備えよ!」でしたっけね(苦笑)。

そのわずか20年後に真逆ですか、まさに「君子ハ豹変ス」の見本ですな。 

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それはさておき、上の地球の気温変化グラフに、下図のCO2の排出量グラフを 重ねてみましょう。1940年~1980年にかけて、大気中のCO2濃度に低下が見られたのでしょうか、下図をご覧ください。 

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 一目瞭然ですね。1940年のCO2排出量は50億トン弱、1980年には180億トン弱、つまり3.6倍になっているにもかかわらず、実際には寒冷期が来ているのです。

これをどのように、CO2の増大が地球の気温上昇につながったと整合性をもって説明するのでしょうか。 

CO2は20世紀以前にも大量に存在しました。

たとえば、日本の古代縄文期、古代ローマ時代、そして中世など、人類がこの地球上に現れてからもなんどとなくその増大をみました。現在のCO2濃度以上の時などザラなほどです。 

ではCO2増大と気温上昇には相関関係があるのでしょうか?そう、確かにあるにはあります。

ただし、一般に流布されているように「CO2増大によって気温上昇が起きた」のではなく、その真逆のプロセスによって、ですが。 

それでは次の図をご覧ください。 

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 上図の破線がCO2です。実線が気温です。一見パラレルですが、よく見ると面白いことに気がつきませんか。そうです、CO2の増大は気温上昇した「後」に発現していることが分かります。 

この現象はちょうどサイダーを温めるとブクブクと炭酸の泡が出てくるように、海水面の温度上昇により海水に含まれていたCO2が空気中に放出されるからです。 

現在の気温ですとCO2放出が支配的ですが、0.6℃C低下するとCO2濃度の上昇は止まるとの説もあります。 

つけ加えれば、CO2は自然界からも放出されており、人間活動由来なのは、そのうちたかだか3%しかないのです。 

このように考えると、私のような門外漢が素直に考えれば、大気中の質量比0.054%にすぎないCO2が、その6倍もの0.330%の質量比をもち、5.3倍の温暖化効果をもつ水蒸気より温暖化効果があるというのは不自然ではないでしょうか。 

なんらかの原因で地球が温暖化した結果、海水温が上昇し膨大な水蒸気が発生し、それに伴ってCO2も放出されたと考えるのが素直だと思われます。 

また、そのCO2排出量のわずか3%ていどしか人間由来でないとすれば、人間活動由来のCO2「こそ」が地球温暖化の主犯であると決めつけるのは、あまりに飛躍がありすぎるように思えます。 

 

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コメント

 その人間由来の3%を、さらに減らそうとする努力も「全くの無駄」というワケではないにしろ、環境そのものにとっては「些細な事」だと言っちゃってもいいのだろうと思いますね。

 私なんかの考えでは、どうも「環境問題」というものは全体として胡散臭い印象を持って見てしまい、「しょせん、ビジネスだろ?」と斜に構えてしまいがちです。
 「人類共通の願い」をダシにして、それぞれ別方向の各国の思惑を実現しようと図っている「臭み」を濃厚に感じてしまうのですね。
だいいち、中国が2030年までに65%減らすなどという戯言をいい、それを目標として掲げる事自体に「不道徳さ」を禁じえません。
 
 それでも省エネ産業の成長を期して、産業構造を変え、新たな成長産業分野を掘り起こす事は一面ではいい事だと思います。
ただそれは、環境問題ではなく経済問題なので、そう言ってもらわないと「世界」は誠実ではないし、それにともなう「富の移動」がどう進行するのかは完全に各国の利害なので、途中崩壊する公算が大きいです。

 山本環境相や二階氏は「建前論」をもっての激越なトランプ批判はとりあえず控えるべきだし、日本政府は時間をかけて慎重に臨むべきだと思いますね。

自分は環境問題には詳しくないので細かい内容まではわかりませんが、温室効果ガスと言っているのでCO2に限らずメタンも関わってくるものだと思います。
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-40128839
ここに書かれているように・中国と欧州の接近が深まる・石炭復活の可能性は低いと離脱のメリットは少ないと思いますね。
離脱に反対していたティラーソンやイバンカ夫妻の意見を退け、賛成していたバノンの意見を採ったことも私としては宮家氏の言う「選挙モード」から抜けられないのだと失望しました。
以上、長文失礼しました

人権・平和・環境には綺麗ごとを言いながら裏では汚い金がうごめく世界で何だか怪しいですね。
地球の歴史45億年を90歳の人間にたとえると地球の1年は人間の0.5秒です。地球温暖化も所説あり比較する時間軸も異なり最初に結論ありきで自分に都合の良いデータを持ち出している学者もいて胡散臭さが否めません。
日本には「いただきます」という食べ物をいただく際に自然の恵みに感謝する風習があります。「人は地球によって生かされている」のであって「人が地球を生かそう」という考えには傲慢さも感じられるところに何だがむずがゆい違和感を覚えるのです。

CO2が主な話題だった頃の過去記事から7年の間に、中華三振さんの指摘されたメタン他の温室効果ガスのデータもだいぶでてきましたね。
http://ds.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/info_ch4.html
量的に、メタンが1番どうしようもないのだと思います。他のガスは産業でエコな売り買い成立がありますが、メタンは産業活動に無関係なあったまった海の底や凍土からボツボツ気化して空中に送り出されている量の方が断然多い。
これへの対策は、どの国もやりたくないんでしょう。青山繁晴氏提言のメタン活用は画期的なのですが、大損する人達との激突必至です。
パリにあの時集まった首脳達は、気温をどうするかでなくエコ縛りの産業活動再編をどう有利に組むかを話し合い、自分たちにとっていい感じに仕上がったのに今更ケチつけられて、メルケルはプンプンだった訳ですね。
前にディスカバリーチャンネルか何かの番組で観たのですが、欧州は平和な時期に産業活動で自然破壊し、戦乱期にそれが停滞すると緑が復活、を繰り返してきたというデータがあるそうです。
火器や核を使いかねない現代とはまた違うにしても、またそんな形で緑が復活する時代に入るのかと、冷や汗がでた記憶があります。


 「ありんくりん」さんは、co2が地球温暖化の原因であるとは断定をしていない。私もそれ(co2説)には疑問がある。

 トランプ大統領もCO2説には賛成していないと思うし、中国の習近平氏も同じではないだろうか。

 原子力の利用は前向きに進めた方が良さそうだ。廃棄物の処理の方法は将来に解決可能だと信じたい。

 世界の原子力発電のリ-ダ-は日本であった方が良い。そこは力を入れるべきだと思う。原子力産業。

 里山資本主義は可愛くて好きだが、本格的な大規模発電の発想はそこからは生まれてこない。

 原子力の利用について、政府は更なる投資を検討し、研究にも力を入れて欲しい。

3%だから大したことはない。とは言えないのですよ。自然界で発生した二酸化炭素はすべて吸収され収支はゼロです。ところが人間が発生させた主に化石燃料由来の二酸化炭素は(自然界の吸収力を超えているために)吸収されずに蓄積されていきます。

masa さん。私は低炭素社会ち向かっていくのはまったく正しい思っています。
地球温暖化の原因が太陽黒点であろうとなかろうと、寒冷化に向かっていようとどうしようと、人間活動由来の炭酸ガスが主犯であろうとなかろうと、低炭素化していくことは必要です。

ただ、私が言っているのは、CO2排出制限枠の売買、あるいは再生可能エネルギーに名を借りた太陽光発電、はたまたバイエタの愚かしさを批判しているのです。

QUORAでこんな投稿を見ました。参考までに。
高温ガス炉です。ガス(ヘリウム)を使う原子炉です。これは1969年から開発されており、HTTR[1] と呼ばれる研究炉が作られています。高温ガス炉は高温のガスを使うので
• 発電効率が高い

• 水素を生成できる

その上に構造上の安全性が高いです。
• 勝手に止まる
• 勝手に冷える
という仕組みになっています。

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