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2017年6月10日 (土)

「前川文書」など初めから政府は調査しておけばよかったのです

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昨夜夕方、よせばいいのにテレ朝を見ていたところ、キャスターがうわずった声で緊急ニュースをコールして官房長官の記者会見です。 

今度は北朝鮮が列島越しに弾道ミサイルでも撃ったのかとすわっとなりましたが、なんと菅さんが文科省にくだんの文書を調査するようにと命じたとのお話でした。

「菅官房長官は臨時閣議のあとの記者会見で、「前回は、民進党から提出された8枚のペーパーについて速やかに調査を実施するということで、担当部局の共有ファイルの調査や関係者のヒアリングを行って、その時点ではできるかぎりの調査を行った。一方で、その後も、『文部科学省として追加調査を行うべきである』という国民からの声が多く寄せられており、そうした状況を総合的に判断して、今回、国民の声に真摯(しんし)に向き合い、改めて徹底した調査を行うと決断した」と述べました」(NHK6月9日)http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170609/k10011012531000.html

どひゃ~、思いっきり脱力して、思わずビールを吹いてしまいましたね。 

あの文書は暗闇でこっそりとちょっとだけよ、と見せるから曰くありげですが、キチンと白日にさらして検証されればなんてこともない類のものです。 

Photo_3http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/20... 

元財務官僚の高橋洋一氏は、あの文書について、時期まで限定してほんものであるとした上で、こう述べています。

「マスコミは、文科省文書が本物かどうかに焦点を当てている。筆者の感覚では、おそらく本物であると思うが、そうであっても、それらが作成されたのは2016年秋である。とっくに、文科省への宿題2015年6月30日閣議決定(文科省部分)の期限(2016年3月)の後、しかも、(3)2016年9月16日国家戦略特区ワーキンググループ議事録の2016年9月の後でもある。」
(JCASTニュース6月8日)
https://www.j-cast.com/2017/06/08300108.html

高橋氏は議事録に登場するのは文科省課長クラスであって、彼らが諮問会議で規制緩和を求める委員たちに負けて書いた内部的「言い訳」メモだとしています。

「前川氏は、許認可を背景として天下り斡旋を行ってきた。そのために、獣医学部新設を拒んできたといわれても仕方なく、公務員として失格である。さらに、組織の幹部であったが、管理職として極めて不味い。
文科省が、特区で内閣府・特区有識者委員と交渉してきたのは、課長レベルである。交渉に負けたとき、負けた者は組織の幹部に報告するとき、いい加減なことをいう。筆者からみれば、それが「総理の意向」である」(同)

諮問会議の議事録を読んだ私の感想も同じで、文科省の課長連中は一般論をだらだらしゃべるだけで要領を得ず、あきらかな準備不足が露呈していました。 

議事録を読むと、いままであらかじめ結論が決まった会議で、上目線で一般人相手にやってきた報いでしょう。

いったん対等の立場となって、論客揃いの諮問委員相手にはさんざんでした。

特に需給見通しを明確に数値で押さえておらず、「農水省さんに言わせると獣医は足りてると言うことで、ペット獣医も足りていると言ってましたぁ」という調子では負けてあたりまえです。 

負けて本省に帰って「言い訳」に書いたのが、「総理の意向だと聞いている」という例の一節があったこのメモです。 

そもそも「総理の意向」などは、首相は規制改革で特区を進めているのですからあるのは当然。 

首相が「加計だけを独占的に特区に突っ込め」と言っていたら問題となるわけですが、その気配もありません。 

「総理の意向」を検証したかったら、こんな文科省メモではなく、それが決定され諮問会議と内閣閣議決定文書を読めばいいのです。 

2回の諮問会議の議事録には総理の「そ」の字も出てきませんがね。

第一、総理の意向と「聞いた」ですから、そりゃただの伝聞だろうって。

これを書いた役人が、直接になにかの会議で総理から、「おい、加計を特区に入れろ」と言われたわけでもなんでもなく、そう「聞いた」なんですから、法廷にでもなんでも提出してください。相手にされないでしょう。

またこれがただの部署内のメモにすぎないのは、ヘッダーに発信部署・発信者・宛て先部署・日時・印という公文書の「決まりごと」がひとつもないことからわかります。 

これでは公文書足り得ません。 

山羊のように紙を食う官僚とも思えない仕事ですから、これを書いた役人が直属上司などに宛てた状況報告ていどのものだったと思うのが妥当でしょう。 

毎日(6月9日)はこんなことを書いています。

「 再調査の表明に、ある同省職員は「遅きに失した感はある。もし文書が見つかればさらにダメージを受けるだろう」と肩を落とす。同省幹部は「息を潜めて国会の閉会を待っていたのだろうが、官邸がもう持たないと再調査を決めたのだろう。大臣は会見で『私が調査をしたいと総理に伝えた』と言ったが、誰もそんな話は信じない」と突き放した。
 別の職員は「文書問題にけりをつけ、認可をめぐる行政のゆがみがあったかどうかという本質の議論に向かってほしい」と話した。
 先月25日、前川喜平前事務次官が記者会見して「文書は確実に存在していた」と証言。現役職員が野党に内部告発したとみられる動きも相次いだ」

なにを文科省の役人は恐れているんでしょうか。「遅きに失した」もなにも、書いた当人にはとうに省内で特定されているでしょうに。

かつて朝日が社長謝罪に追い込まれた吉田所長調書の漏洩は、おそらく菅直人氏によるものだと言われていますが、この文科省メモもこれを入手しうる立場の文科省内部の官僚のリークです。

前川氏本人か、「喜平隊」残党によるもの以外に考えられません。 文科省の人が「息をひそめて閉会を待っている」のは、国会が終わった後にくる確実に来るであろう「文科省改革」を恐れているのでしょう。

もう8千万もらって辞めた前川氏はいいですが、現役で前川氏に乗ってしまった官僚にとっては死活問題でしょうからね。

いずれにしても菅元相も怨念、前川前事務次官も怨念。みんな怨念、恨み節。筋違いの逆恨み。

失脚を根に持つルサンチマンのお二人。リーク文書を手渡す新聞社まで一緒というのも、そぞろ哀れを誘います。

朝日もどうしてこうも毎回毎回、同じ穴にはまるんでしょう。

それはさておき、こんな「前川文書」に秘密が詰まっているとばかりに大仰に騒ぐメディアもメディアですが、ハッキリ言って、こんなことは初めから政府はやるべきでした。 

政府の危機管理ミスです。 

危機管理に強いと思われていた官邸らしくもなく、グダグダしているから「追い詰められて調査した」という図式に嵌まってしまいました。 

Photo_4http://www.asahi.com/articles/ASK682H7MK68UHBI00D....

そう言えば、先日の北朝鮮の対艦ミサイル発射についても「EEZの外だったので安全保障上の脅威ではない」として、NSCも開かなかったようですが、ダメです。 

「北朝鮮が国連決議に違反して、日本の方角に向けて発射した」という事実が大事なのであって、弾種は問題となりません。 

様々な国の様々な艦艇や漁船、貨物船が行き交う公海上に、無警告でミサイルを打ち込むという無法そのものが安全保障上の問題なのです。 

なんと二階さんが政府に噛みつきました。

「自民党の二階俊博幹事長は8日、北朝鮮による地対艦ミサイルの発射を受けて開かれた党北朝鮮核実験・ミサイル問題対策本部の幹部会合で「だんだんと慣れっこになり、対応がおろそかになる心配もある。今日は政府も十分な対応はしていないように思う」と不満を表明した。
 今回は弾道ミサイルではなく、落下地点も日本の領海や排他的経済水域(EEZ)の外で、政府は北朝鮮への抗議や国家安全保障会議(NSC)の開催を見送った。二階氏は「党はその都度、忘れずに(対策会合を)やる。それ自体がわれわれの抗議の意志を表す」と強調した」(産経6月8日)

まったく正解です(苦笑)。よもや二階さんから安全保障の正論を聞くことになろうとは思わなんだ。 

こういう政府の危機管理の弛緩こそ、野党はどんどんと菅さんや稲田さんを国会で追及すべきなのです。 

ところが、「政府追及」は与党幹事長がやっちゃうんですから、なんともかとも。

 

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コメント

適当に捨て置くつもりだったのに、あまりにウザいので、民進党や一部マスコミ(官僚も?)に本気で追い込みかける気になったと穿ってみたりして。

おっしゃる通り、ここへきての再調査決定はお粗末としか言えません。
蹴るなら蹴る、調査するなら調査するで徹底すべきで
この後に及んでの及び腰は痛くもない腹を探られるだけです。
それでなくても民進党やマスゴミは手ぐすね引いて待っているわけですから。

しかしここのところの一部マスゴミ(東京発のほとんど)の報道はひどい。
文科省の内部文書問題とトランプのロシアゲートとを同格に扱うんですから。
印象操作なんて生易しいもんではありません。

 政府の危機管理の「ゆるみ」は二階氏の指摘のとおりでしょうけど、加計問題に関しては「管理すべき危機」が存在するとは未だ認識していないのでしょう。
 国会など見ていると、まだ余裕がありそうに見えます。
 
 支持率が高止まりしている事もあるのでしょうが、安倍総理はこれまでのところ「支持率低下」に不感症で、それって私は好ましい態度と思います。
 いずれ時間とともに国民も加計の「何が問題なのか?」がキチンとわかってくるのだし、今回に限っては洗いざらい公表しても政府の致命的な傷にはなりません。
 そうならいい機会で、別の目的でも「再調査」があるのだという気もしてます。
 つまり省内の「膿」を絞り出すメリットもあるんじゃないでしょうか。

 文科省の病理は許可権を恣意的にコントロールするだけでなく、天下り問題でも歴史記述問題や補助金問題にまで、実に多くの問題を抱える役所です。
 省内の前川一派の残党は「再調査」があると考えていなかったようで、メール公表などで相当個人の特定もされて、あぶり出されつつあるようでもあります。
 このさい一切合切、問題分子を浮き彫りにしておく事も有意だと思うのですね。

 あとは松野大臣がどこまで切り込めるか、ですかね。
松野大臣は「道徳」の科目化はやらないのでしょうが、松下政経塾出身のわりには国家観もしっかりしてるし、民間企業の垢も舐めてるのでバランスもいいと思います。
まぁ少々、線が細いですけど。

以上、少々「推測」が過ぎました。

 

菅氏が怪文書のようなものだと言ったもんだからマスコミもムキになったのでしょうね。
東京新聞の望月記者の菅氏への益体も無い質問を褒め称えているあたりもそうですが

 再調査の結果
最近省内のPCに保存され始めた
となったら、どうなるんでしょうか。

というかね、普通の大人なら「無言の忠告」を察するんですよ。どうもパヨク界隈の人間はそういうのがわからないらしいですね。
普通の常識が通じない連中だったということで、そのあたり政府には同情します。

ただ、
>そう言えば、先日の北朝鮮の対艦ミサイル発射についても「EEZの外だったので安全保障上の脅威ではない」として、NSCも開かなかったようですが、ダメです。

このあたり管理人さんと同意見です。
あと半分の距離でうちのご近所に届くしw
二階さんって結構冷静に物をみるところもあるんですよね。これでシナ贔屓でなければなあと思います。

一部の界隈では再調査は20%台まで下がった内閣支持率を気にして日和ったとか言い回ってるようですね。
それの元ネタと思われる日経クイックVoteの調査は簡単に組織票が出来ることで有名ですし。
現に最新調査では56%までV字回復してますし、全くあてになりません。
もう一つは安倍叩きでは沖縄二誌に引けを取らない北海道新聞の調査なんですから「お、おう…」という印象しか受けません。
これをもってして「疑惑だらけの政権がついに綻びを見せ始めた」等としれっとTVでも言うのだからタチが悪いですね。

 田崎史郎さんの今日のグッデイの解説によると、
「文科省が財務省や他の普通の役所と同じだと考えたところに官邸の最初の失敗がある」、
「普通の役所は結果が出ると、そこで諦めて決定に従うんですよ」
 そのうえで、「文書は付け合せすれば、どこがどう改ざんされて、だれがそうしたか明らかになるのだから、(再調査は)かえって良かったのではないか」と言ってます。
 「文書が出ても最初から安倍総理には痛くも痒くもない話」だそうです。

 ようやく正確な状況解説が出てきつつあるのかなぁ、と思いますね。

みなさまご存じかもしれませんが頭の整理で

・バイオテロ、パンデミック対策などのために国際組織、国際獣疫事務局(OIE)がミニマムコンピテンシー勧告というものを出しています。これにより獣医学に関しては、国際的な協調路線が要請されています。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/051/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2012/10/03/1326537_7_1.pdf
日本だけで考えてはいけない課題になっているんですね。

また、このような世界的な流れに対し唐木英明(元東大農学部教授)氏が危機感を募らせています。
『加計学園「半世紀ぶり獣医学部」の本当の意味』
@”朝日新聞WEBRONZA”より(朝日もネットの方はニュートラルなのでしょうかね?)

有料サイトなので見られない方のために僕の方で要旨を記載いたします。
http://webronza.asahi.com/science/articles/2017052700001.html
・世界から大きく遅れた日本の獣医学教育、教員も学生も不足している、水準も低い、設備もしょぼい
・各大学の定員を増やすことは現実的でない。すでに定員オーバーであり教室、設備などが不足、またライフサイエンスなどの分野は既存大学では対応が厳しい。そこで獣医学部新設の方向になった。
・何故獣医学会は反対したのか?「獣医を一人たりとも増やさない方針だから」
・加計が平成19年から15回にわたり今治が求めてきた、これは獣医学関係者の念願であった。
・獣医学会の”強い”希望で2校から1校になった(広域条件付きで京産は落選)
・<結び>「現在緊急に処置しなくてはいけないことは、獣医師の急激な減少を防ぐために私立獣医科大学を設置することである。
そのときに筆者が望むことは、日本にせめて1校でいいから世界に通用する立派な獣医学部を作ることであり、それが刺激になって日本の極めて貧困な獣医学教育の改善が一気に進むことである。半世紀ぶりに新設される獣医学部は、小動物臨床ではなく公衆衛生、食の安全とライフサイエンス分野の専門家を育てるという。混乱を乗り越え、計画通りの
先進的役割を果たすことを心から期待するものである。」

国際獣疫事務局(OIE)が加計騒動を知ったら「おいおい、日本大丈夫か?と」言われそうですね、、、いや、、それどころか輸出入や気候などで他国にも影響があるわけですから、「早くしろ!」と厳しい指摘を受ける可能性もあると思っています。<外圧>に期待しますかね

 「ありんくりん」さんや皆さんのご見解に賛成です。学ぶことが多くありました。少し違った観点から発言してみます。

 私は従来、総理が加計学園の経営者と親しいのであれば、加計学園が有利になっても仕方ないとしか思っておりませんでした。私にとっては加計学園であろうが東海大学であろうがどちらでもイイことであり、新設の獣医学部が社会に貢献できるのであればそれでなんの文句もありません。

 仮に総理が怪文書で言うように加計学園に傾いていたとしても法律的に無理がないのであればそれも容認します。

 沖縄の知事が当選してあとに行なった情実人事などに比べれば、総理の意向の忖度などと今騒がれる事態は実に小さなもののようにしか思われませんね。翁長知事は、任期の残された外郭団体の役員さえ退陣させて選挙で知事を支援した者に入れ替えたりしたのですよ。非常に強権的であり、利益誘導が明らかなことをやりました。これを沖縄の新聞社は批判をしません。

 県知事が直接に選挙で選ばれたことで、知事が強権的にもなれるのでしょう。もしも総理が直接に国民の選挙により選出されることにでもなれば、加計問題など起こりようもなかった筈です。総理権限が大きくなるでしょうからね。国会で長時間実りのない議論に時間を無駄に使うこともなくなるでしょう。今の政体は大統領制(首相公選)に改める必要はないでしょうかね。

 獣医学部の重要性が議論に上がるべきであり、加計学園であるか東海大学であるかは大した問題ではありません。法律的に問題がなければ、総理の意向が多少働いても問題ではありません。

 国会においては、現在は日本の国防費の増額が論議されているのが正常な姿だと思うのですが、日本のマスコミも政治家も小さなことにエネルギ-を費やしております。これからの日本が心配で堪りません。

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