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2017年6月15日 (木)

朝日新聞 正しいフェークニュースの作り方その2




実は今述べたカメラの撮り方ひとつで受け取る印象がまったく異なるということは、報道一般でも同じことがいえます。

朝日のスクープは、必ずひとつの文書・証言にのみ焦点を当てるやり方をとります。

するとカメラでいえばちょうど大望遠で撮った映像のように、周囲がピンボケになって被写体だけ浮きだします。

慰安婦の吉田清治証言、福島事故の吉田調書、そして今回の加計の前川文書・証言など、いろいろ言っているようですが、それはまるで綿菓子のようなもので、手で握りつぶせば飴玉くらいの大きさに縮まってしまいます。

ひとつの証拠・証言が出た場合、焦って飛びつかずに背景を探り、裏取り取材をするのがジャーナリズムの定石ですが、朝日はこれで政府攻撃の好機到来とばかりに頭に血が登ってしまうと見えて、一切そのプロセスを省略してしまいます。

冷静に突き放して俯瞰でながめられないのですから、かならず蹴つまずきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

※メディアの体質の分析をする予定でしたが、2本アップはさすがきついので1本といたしました。体質分析は後日ということに。

■写真 湖に咲くアサザのシーズンです。


私は、朝日新聞の、「所員の9割にあたる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ南の福島第二原発へ撤退していた」(朝日新聞5月20日)というキャンペーンを読んで、どうしてこういう解釈ができるのかとため息すら出ました。

私が、朝日新聞のキャンペーンがおかしいと感じたのは、このキャンペーンは当時の吉田氏の「立場」をまったく理解していないことがすぐに分ったからです。 

当時の吉田氏は、福島第1原発所長として2つの責任を抱えていました。

①過酷事故に対応する緊急対処グループの現場指揮官
②約700名の女性、事務職、下請けまで含んだ人々の安全管理責任者
 

つまり彼は、おそらく世界中の誰ひとりとして体験したことのない巨大原子力事故の緊急対応指揮を執りながら、一方で700名もの人々の職員・労働者の生命を守っていたのです。

まさに超人的の一語に尽きます。退任してほどなく病床に就いたのは当然のことです。多くの人は、彼の死を「戦死」と敬意を込めて呼びました。

さて、2011年3月15日朝の状況をもう一度おさらいしてみましょう。状況は最悪に近づきつつありました。

①1、3号機は既に爆発。避難所であった重要免震棟近くの2号機も爆発寸前。
②食糧、電気、水の備蓄が切れかかり、トイレすら使用不可能になりつつあった。
③構内は最大で1万1930マイクロシーベルト/時という高線量になっていた。

このような状況下で重要免震棟は、放射能遮断設備があるここにしか避難するしかなかったために700名もの人々を収容して膨れ上がっていたわけです。 

それから数か月たってもなお、階段や廊下に倒れるように眠っている作業員の姿が見られています。 

ましてや事故当時の状態は、凄惨極まるものであったことは想像に難くないと思われます。 

この記事によれば、吉田氏は高線量で食糧も切れかかっている、電気、トイレも使えないという重要免震棟に、その上事故処理には役にたたない事務職員の女の子まで「戻ってこい」と言っているとされています。

第一、帰ってきてなにをするのですか、出金伝票の整理でも?

事務職系に仕事はないし、下請けに対しては、福島第2の所長は留まるように指示していますが、吉田氏はすべて東電社員のみで責任を被っていこうという姿勢を貫いています。

なぜなら、当時の状況において残留することは、すなわち「死」を意味したからです。

それを朝日は、比較的安全な福島第2への退避ではなく、2号機の爆発が迫っていた構内に「待機していろ」というのですからハンパではない冷血漢か馬鹿ということになります。 

私は朝日新聞記事のこの部分を読んだ時、失笑してしまいました。ありえないからです。 

吉田氏の人柄以前に、現場指揮官として、女性や事務職員までここにいろと言うこと自体ナンセンスです。それもひとりふたりではなく700人も!(苦笑) 

安全管理上はいうまでもありませんが、緊急対応で不眠不休の戦いをしていた吉田氏には、700名もの大人数の保護をする余裕などなかったことでしょう。 

きっとこの朝日新聞の記事を読んだ国民は、そうか吉田氏は日本を救った英雄的な人だと聞いていたが、ガッカリだと思われたことでしょう。 

おそらく朝日新聞のねらいは、まさしくそこです。 

鬼籍に入られた吉田昌郎氏という男を、冷酷な「汚れた英雄」、しかも馬鹿として貶めたかったのです。 

そして630名もの事故に耐えた名もなき人々には、「恐怖にかられて逃げ出した命令違反者」として唾を吐きかけたわけです。たいした感性です。

実際、週刊ポストによれば朝日新聞の報道を受けて、海外ではこのような報道がなされたそうです。

福島第1原発の作業員は危機のさなか逃げ去った」(英国BBC)
福島第1原発は日本版セウォル号だった。職員90%が無断脱出!」(韓国エコノミックレビュー)
2011年、命令にも関わらず、パニックに陥った作業員たちは福島原発から逃げ去っていた」(NYタイムス)

福島第1の現場職員たちは、朝日新聞によってなんとあの「セウォル号の船員」にされてしまったわけです。

ここでもデマを海外に拡散し続けている、朝日の姿が見て取れます。

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コメント

ル・モンドに吉田清治の嘘記事を書いたフィリップ・メスメール氏に関して、フランス在住の言語学者小島剛一氏がル・モンド紙に直接抗議したことがあるようですね。(ブログ記事の日付は2015年)
http://fjii.blog.fc2.com/blog-entry-884.html

こういったことを外国語で発信することは重要でしょうね

はい、大変に大事です。
聞くところによるとルモンド特派員というと権威あるようにきこえますが、外国メディアも軒並み経営難で、特派員とは名ばかりの外国人流れ者を現地雇用しているようです。
このメスメールもそのくちです。
こういう本国で相手にされないような三流のライターが溜まって、反日の毒ガスを貯め込んでいるのが外国特派員協会で、それを有り難がって頂戴して権威化しているのか日本の自称「人権派」やメディアです。

 今日のフロント記事は、非常に分かりやすく印象操作について書かれておりました。とてもためになりましたよ。「ありんくりん」さんありがとうございました。

 朝日も、沖縄の二紙も、全国の地方紙も印象操作は必ず行なっておりますね。少しはしかたないとは思いますが、行過ぎてしまうと物事の実態を誤って読者に伝えることになります。(記事中、集会の裏側から写した写真には鮮烈な印象落差を感じました。)

 それと、自分の頭でよく考える常識が記者には必要です。

「角度」をつける、つけないを多用することも、悪くすれば誤った世論誘導をすることにもなります。事実に対しては謙虚な対応をしてもらいたいものですね。中庸という姿勢。

※1
メスメールは報ステにも「外国からの声」として出ていた人ですよね。朝日や毎日に出てくる外国人記者や学者とやらは、基本的には反政府の立場である自分たちのスポークスマンに過ぎないので怪しいと認識したほうがいいですね。
そもそも、そういった人たちの中で日本の法律や安全保障、文化といったものを正しく理解している人がどれだけいるのやら。

本日発表された文科省の文章に関しても
「同じような内容の」文章が出てきた事だけを報じて、それが公式な文章ではなく、個人のメモレベルのものでしかなかった事や一部にリークされたものとは差異があった事は全く触れていない所ばかりでした。

そもそもリーク文章は文科省内の情報管理や調査姿勢の問題なのにそれを首相や内閣府の責任だと連呼するのはあまりにも酷い誘導で笑いが出てきそうになります。

先日の管理人さんのコメントにあった
「報道の自由度ランキング」=「報道の質」
を実感させられる一日だったと感じます。

フェークニュースというわけではないですが、今朝の沖縄タイムスのベタ記事。


「活動家らが脅迫的行動」
 人権理で我那覇氏

【ジュネーブ14日=阿部岳】
 市民団体「沖縄の真実を伝える会」の我那覇真子代表は14日、スイス・ジュネーブで開催中の国連人権理事会で声明を発表し、「県外の反基地活動家、共産主義革命家、偏ったメディアによって住民の人権が侵害されている」と訴えた。
 沖縄平和運動センターの山城博治議長が15日以降に予定している声明発表を「国連の悪用」と指摘。「沖縄の真実を理解し、彼らの脅迫的な行動を非難してほしい」と要望した。会は13には市内のホテルでシンポジウムを開き、20人余りが参加した。

まあ、偏っていませんよと主張するための言い訳的な記事でしょうねぇ。載っただけでも進歩かも。山城被告の声明発表の扱いはどうなることやら。

「嘘・大げさ・まぎらわしい」ってCMが昔ありましたが、結論ありきの欲しい情報だけの「つまみ食い報道」がひどいですね。
以下の風刺画はメディアが抜き取る事で事実と正反対の事を伝えているものです。
https://komikotragiko.files.wordpress.com/2014/04/mme.jpg
本来は[事実]⇒[中立・分かりやすく]⇒[結論は読者判断で]
実情は[結論]⇒[印象操作・理論誘導]⇒[都合の良い事実]となっているのも今のメディアの特徴のひとつと思えます。
毎回、いろんなテーマで納得させられる記事をありがとうございます。

朝日の夕刊、牛歩で制限時間をオーバーしながら直手で青票をねじ込み、無効票にすらならない「投票せず」扱いになった福島瑞穂が英雄然と青票を掲げる写真が大写しです。そして本文の内容激薄。
今週のテーマのケーススタディでも見せてくれているかのようですね。

「正義」を掲げて突き進む朝日新聞が時々シーシェパードとダブって見える今日この頃です。

なるほど、偏向報道で一般国民の知る権利、知る自由が阻害されていると言う点においては、「報道の自由度ランキング」が低いのも納得ですね。

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