なぜ蓮舫氏はヌエ的に見えるのだろうか?
蓮舫氏がヌエ的存在に見えるのは、日本-中国-台湾のいずれから見ても、「自国籍があるように見えてしまう」ことです。
ヌエ(鵺)とは、「平家物語」にでてくる妖怪で、サルの顔、タヌキの胴体、トラの手足を持ち、尾はヘビだそうです。
タヌキの胴体にトラの手足つけてどうするんだと思いますが、2016年9月13日に蓮舫氏の発言です。
鵺(ぬえ)
「1972年以降、私の国籍は形式上『中国』。中国の国内法では外国籍を取得した者は自動的に(中国籍を)喪失をしているので、二重国籍にはならない」
この場合の「中国」は中華人民共和国なことは明らかです。
中国しか外国籍取得と同時に自動的に国籍放棄になる法律を持つ国はないからですが、これでは彼女は自分が「中国人」といっていることになります。
この人の場合、顔は国籍不明、胴は台湾、手足は中華、尻尾が日本ですかね。
ではこの1972年という年はどのような意味でしょうか。それはたぶん1972年が日本と中華民国が断交した年だから、自分は「中国籍」だと言いたいようです。
この人がわかって言っているなら危険、わかっていないのなら愚かです。
日本の国籍で台湾出身者が「中国」と表記されるようになったのは、1972年以降ではありません。
1952年(昭和27年)4月28日、つまり日本が戦後主権を回復した時から一貫しています。
この日、日本は中華民国と「日華平和条約」に署名し、この7時間半後にサンフランシスコ講和条約が発効しました。
同時に日本は、「外国人登録令」(昭和22年公布・施行)を廃止して、「外国人登録法」を制定し、台湾出身者を中華民国(中国)の国民とみなして国籍を「中国」と表記するようになったのです。
1969年6月以降は、中華人民共和国出身者も同じく「中国」と表記されるようになり、現在に至っています。
つまりこの場合の「中国」とは、必ずしも中華人民共和国を指しませんし、1972年の断交の年はこの問題とはなんの関係もないことなのです。
あえて日本政府が「中国」と記しているのは、中国と台湾との関係で日本政府が取り続けている「あいまいな態度」があるからです。
日本政府は中華人民共和国と国交を樹立するにあたって、台湾が中国の一部だとする中国の主張を「尊重した」という微妙な表現をとりました。
これは台湾を中国領土だと認めたわけではなく、そういう主張を中華人民共和国側がしているのを日本政府は「十分尊重している」(共同宣言)ていどの意味です。
実はこれでも中国に譲歩しすぎで、カナダのように「テーク・ノート(留意)する」、あるいはオーストラリアの「アクノレッジ(認識)する」程度の表現でよかったのです。
ここから、あたかも日本は「台湾は中国の一部」という中国の主張をすでに承認したかのような錯覚が日本国民の間で生れてしまいました。田中角栄の拙速による失敗です。
ただし、「留意する」も外交的にはよく使われる表現で、相手の立場に同意はしないが、その立場だということは理解しているていどのニュアンスで止まっています。
日本政府とて決して台湾を中国領土と認めたわけではないよ、漠然と「中国」と呼ぶことでその意志を表明しているんだ、というのがこの「中国」に込められた意味です。
それほどデリケートなガラス細工の関係があることを、どうやら蓮舫氏は知らないようで、彼女にかかると「中国」=中華人民共和国となってしまいます。やれやれ、困ったお人だ。
我が身かわいさのあまり、「中国」表記=中華人民共和国だと国民に説明してしまったわけで、この蓮舫氏の言い分が正しければ、現在の台湾(中華民国)は「中華人民共和国台湾省」という行政区となってしまいます。
したがって蓮舫氏の論法ならば、 中国軍(中国人民解放軍)の台湾侵攻は、中国の正統な領土への進駐にすぎないことになります。
このようにこの蓮舫発言は、在留台湾人の地位を貶めて危機にさらし、さらには日中台の微妙な含みを残したバランスを崩す結果となったのです。
蓮舫が台湾籍を持ちながら、共産中国との統一を望む統一派と同じ立場だと言われるのはそれ故です。
その彼女が、台湾民進党の名前をパクったのは、皮肉というか図々しいというか。
ところで、蓮舫氏の血脈を調べて分かったことは、彼女の祖母にあたる陳杏村という女傑は、魔都と呼ばれた戦前、戦中の上海を舞台にして、日本軍特務機関、蒋介石のテロ組織である青幇、あるいは中国共産党の特務をてんびんにかけて巨富を築いた人物だということです。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-9e33.html
陳杏村は阿片取引などで巨富を築き、これを元種にして戦後日本の政界工作をすることになります。
これが戦後政界を揺るがせた「台湾黒いバナナ事件」です。
父親の謝哲信と幼年期の蓮舫
この時に、日本政界工作に巨額の黒い資金をばらまく役割をしたのが、蓮舫氏の父親である陳杏村の息子・謝哲信でした。
後に成人した蓮舫氏は、高野孟氏という中国派ジャーナリストの手引きで北京大学に留学します。
蓮舫氏という人は、「国家」という存在そのものを根本的に理解できていないと思います。
それは祖母や父親から受け継いだ、しょせん「国家」などは自分のために利用するものであって、帰属は上っ面だけでいいという考え方が、孫・蓮舫氏の中にも根強く存在するからです。
なるほど彼女は自分で言うように、「多様性の象徴」ではあることに間違いないでしょう。
ただしそれは、今回の二重国籍事件で明らかになったように、極めて利己的な意味において、ですが。
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情報ありがとうございます。シナ人であれば、宗族しか意識になく、近代国家は理解できていなくても無理はありません。残念ながら日本人も同じ。キリスト教的文化基盤にたつ「主権」という概念を、日本人も理解しておりません。憲法その他安全保障に関する問題も、全て、国家主権=無制限の権力をいかに扱い、これをいかに行使して国益を増すかという話です。実は、この手の問題で国内の議論がオカシナことになってしまうのは、この日本人の「主権に対する無理解」が原因です。8月15日に戦争が終わったと勘違いしているのもそうですし、主権を定義・制約する憲法に、主権の物理的行使手段である軍隊の規定を書かずに平気でいられるのもそうです。主権国家の概念が定まるよりもはるか昔に「国の形」ができてしまった日本人にとって、主権とは、最もなじまない・理解しがたい概念なのです。
投稿: ぼびー | 2017年7月17日 (月) 07時11分
蓮舫氏は日本の未来を少子化、高齢化、経済の停滞、在日米軍の駐留、右傾化などを深刻で致命的な問題点ととらえ、「前途の希望がまったくない国」と見ていますね。
父の故郷の台湾についても、「遅かれ早かれ中国に完全吸収されるもの」との理解に基づいて、とっくの昔に切り捨てています。
ですから、自分の息子らには中華人民共和国の国籍が得られる余地を残しておきたかったのでしょう。
そのほうが「お得」ですから。
もちろんそれは蓮舫氏にとって、国民に対する義務だとか、日本の法令を遵守する事よりも優先される事柄なのです。
タレントとしての旬がすぎて、キャスターとしても半人前に終りつつあった頃に高野孟に出会い、その紹介で高野の弟子の村田信之氏と結婚します。
それまでは「中国人と結婚して世界で活躍したい」と言っていましたが、この結婚が日本の政治家への道につながりました。
村田信之氏は田原総一朗のアシスタントをしていた事もあり、田原は蓮舫を「娘のような存在」と言いい、その「引き」も良好でした。
参院選に出たのは手塚議員のすすめによるものですが、「どうせ出るなら自民党から」と薦める母(斉藤佳子氏)を押して、「先に来た方を選ぶ」と言って民主党を選びました。
党首就任時にも「バリバリの保守派」とか、わけの分からない事を言ってましたが、この人には、本来大したイデオロギーも無い代わりに「政治的信念」も全くありません。
これほど中心が「空疎」な政治家(しかも党首!)もめずらしく、外見だけは派手に一人前の「攻め手」を演じて見せるのですから、さらに食えません。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2017年7月17日 (月) 08時51分
台湾出身者の戸籍は「中国」「中国台湾省」と表記されていることからも中国は一つである、私の出自は大陸という考え方になっていると思います。
地道な運動で現在、外国人住民基本台帳や在留カードでは台湾出身者を「台湾」と表記、大陸と区別するようになっています。
台湾出身者は戸籍の表記も区別して欲しいと活動してます。
余談ですが私が商社勤めだった頃、浜松町の貿易センタービルによく行きました。
モノレールから降りてきた人に目的地への行き方を尋ねられた時に「チャイナ?」と質問すると「ノー、タイワン」と返答されたことを記憶しています。
台湾の方々は彼女の「中国は一つ」を苦々しく思っているかもしれません。
投稿: 多摩っこ | 2017年7月17日 (月) 11時45分
明日7/18でしたか、彼女が記者会見するのは。意味があるととしたら、「今日から村田蓮舫と呼んでください」と言うこと。それと、国籍法の改正を訴えることだと思います。
どうしても、民進党の党首として首相を目指すと思っているならですが。但し、これまでの発言を訂正し、その否を詫びることは当然のことです。でも、彼女の性格からして耐えられないでしょうね。
ならば、「こんな日本にアイソが尽きた」「国会議員なんか辞めてやる」と、ケツをまくった方がカッコいいですね。 勿論これで民進党はジ・エンドですが。
そして、彼女の行き先は米国と思いきや、受け入れ国が中華人民共和国だったりして。わかりやすいですね、私の妄想にすぎませんが。
投稿: 九州M | 2017年7月17日 (月) 11時50分
※1
シナ人という呼び名を使うのはやめたほうがいいですよ。
支那には差別的な意味はないと言われるかもしれませんが現在支那を使っている人は明らかに軽蔑の意味を込めて使っています。
今時シナ人とかジャップみたいに古臭い言葉ですし。
投稿: 中華三振 | 2017年7月17日 (月) 12時00分
レンホーに今更こんなことをさせた所で既に死に体となった民進党を建て直せる訳じゃなし、民進叩きで溜飲を下げた所で安倍内閣の致命的な支持率低下に歯止めがかかるってもんじゃないですからね。
そういや、統一教会の幹部連中の韓国人を菅官房長官が首相官邸に招待して熱烈接待したそうです。
正に「オモテナシ」大国の面目躍如と言った所ですが、
彼らが「オモテナシ」をしたのは、多くの日本国民を借金地獄と自殺に追い込み、集団結婚式で日本女性を脱法的に拉致した「あの」統一教会でございます。
教団には北朝鮮に息のかかった企業があり、金王家の覚えめでたく今の首領様にも一目置かれる存在だそうですよ。
国益を慮り愛国心に満ち溢れた皆様ならば、この件に関してはさぞご立腹でしょう。
是非ともご意見お伺いしたい。
投稿: マッポー | 2017年7月17日 (月) 13時06分
マッポーさん
また他人の庭で論点ずらしですか?
そんなに気になるのでしたら自分で掲示板立ち上げて意見募ったらどうですか?
投稿: しゅりんちゅ | 2017年7月17日 (月) 15時00分
マッポーさんへ
今回のテーマと統一教会云々がどのように関係しているのでしょうか?具体的にご教示下さい。
ネットで検索しても、統一教会の人が官邸や自民党に挨拶に行った、くらいしか出ていません。しかも、ネタ元があの朝日です。政権党ですから、そりゃいろんな人と挨拶ぐらいするでしょう。それだけですか?
私が左巻きだったころ、朝日は盛んに統一教会を批判していました。今を思えば反共団体だったからですね。暗黒社会の共産主義・北朝鮮を徹底して批判していました。この政治団体が国際勝共連合。歴史的に振り返れば、彼らの主張は正しかったことになります。
それが、北朝鮮に息のかかった団体になったのでしょうか?マッポーさん、話がアベコベですよ。
安倍首相を批判するフリをしながら、実はこんなことを言われるのを期待していたりして。隠れ安倍信者さんかな?
念のために付け加えますが、私は統一教会というより、一神教そのものが嫌いですね。どうみても世を惑わしているのが一神教です。アミニズム的神道と仏教が融合した日本的宗教観を世界に広めるべき、と考えています。
自然を恐れ自然界の一員として素直になりましょう、そしてお互いを尊重しましょう。世界平和のために、地球を持続させるために。
投稿: 九州M | 2017年7月17日 (月) 16時33分
九州M さんに、「一票!」ですね。
明日の会見で「これからは「村田蓮舫」で行きます」と宣言して、これまでの言動を反省のうえ総括する事が出来れば、これは大きく民進党のためもなります。
それを願っている人たちが民主党にも少なからずいて、それが唯一の救いでもあるし、その人たちはむしろ自民党の大部分よりもマトモかも知れません。
しかし、蓮舫氏はそうしないでしょう。
それは蓮舫氏個人の主張や事情を曲げてまで党に尽くす場面ではないと判断しているからで、ここでどうあがいても劇的に党勢が上向きになる事はないだろうという打算でもあります。
これじゃ、他の民主党議員はたまったものじゃないですよ。
白眞勲氏のように在日の利益を代表するような議員がいても当然いいのですが、政権交代を目指す公党の代表となると、全く事情が違う。
蓮舫氏の態度は、民進党の党勢浮揚を期すものではないし、だからこそ心ある民進党議員は怒っているのです。
口では「総理大臣を目指す」といいながら、行動は別。
まぁしかし、「対価を明確に得られないところでは、義務を果たす必要もない」と考えるのは華人資質の根本精神のようでもあり、なお墓穴を掘る事になるのではないでしょうかね。
今や松居一代と蓮舫は、安倍首相の強力な味方ですね。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2017年7月17日 (月) 20時01分
半島危機以来拝読させていただいております。
私も中華三振さんと同じ意見で現在チャイナで通っているものを恣意的にシナと言うのは如何なものかと思います。
華僑は、韓国人と違ってどこに居るか本当にわからない事を身をもって知った事がありました。素性を隠し切ってキャリアまで完全な日本人、華僑同士で初めて中国語を話し出した時はびっくりしたものです。語学力、周囲との調和の能力は見事なものです。有名企業の随分中枢まで日本人と思われている多くの華僑が企業の総務人事にも知られる事なく多数存在して仕事をしています。また、華僑には台湾も中国も日本も国籍なんて重要では無いでしょう。
しかし、彼らは日本国籍と日本人としての良いポジションを持ちながらも、いざとなったら華僑として生きるのです。華僑同士で人知れず仕事を裏でまとめたりしています。江戸時代の草のようです。
中国からの目に見える国防も重要ですが、日本経済に入り込んでいる大きな脅威もあると思います。華僑は本当に蓮舫を日本の首相にしたいんだろうなと報道見てるとよく思います。
投稿: イチロー | 2017年7月17日 (月) 21時48分
小野田議員の国籍法に違反していないことを証明できるのは、国籍の選択日が記載されている戸籍謄本のみです。ルーツや差別の話なんか誰もしていない
合法か違法かって話にわたしは説得力があると思いました
蓮舫氏が小野田議員の記事やツイッターを読んでるのかわかりませんが明日の会見に注目したいと思います
投稿: つよし | 2017年7月17日 (月) 23時39分
中華三振さん、前記事にしましたが、基本的に私は国の呼称についての表記は以下です。
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/05/post-8433.html
①価値中立の呼称
②当該国の自称
③国際的に通用している通称
④民族差別的蔑称は使わない。
常識的には③でしょうね。現状で「支那」の呼称は、今はプレスコードに引っかかります。
おかしな話でChina、つまりシナは世界呼称です。英語でチャイナ、仏語でシノワ、日本語読みすればシナです。
まったく同じ古代王朝の「秦」が語源ですが、なぜか中国は日本からシナと呼ばれるのが大嫌いなようです。
これは中国にとって、英仏米からよばれるのはいたしかたがないとして、中華帝国にも入れなかったアジアの目下国如きが生意気な、ということのようです。
中国は中華と同じで「世界の中心」を意味する言葉で、価値中立どころか、世界の支配者を意味します。ある意味、他の国を差別している言葉です。
ですから中華三振さんが言うようにジャップという出来方からして差別語とは本質的に異なります。
差別的に使うか使わないかは、その人次第で一様にそうともいえませんし、差別か批判かの線引きは大変に難しいともいえます。
私はこの論争は不毛なので与したくないので「中国」と書いていますが、もちろん彼らを世界の覇者などと認めたわけではありません。メンドーなだけです。
投稿: 管理人 | 2017年7月18日 (火) 05時27分