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2017年7月25日 (火)

snsn氏寄稿 アベノミクス、いわゆるリフレ派経済学についてのまとめ その3

Dsc_8934

snsn氏の三回連載の最終回です。 

改めて論考を拝読すると、私と一緒の観点に立たれていることに、嬉しく思いました。 

私も金融緩和・財政拡大・規制緩和を、バランスよく展開すべきだという意見です。 

今、インフレ率が目標に達していないのでアベノミクスは失敗ではないか、という批判が財政拡大重視派からでています。 

たしかにその側面もあります。デフレという現象は、需要と供給にギャップが生じて経済が冷え込む現象のことです。 

これを需給ギャップ(GDPギャップ)と呼びます。かったるいようですが、定義からおえておきましょう。

「需給ギャップがマイナスになるのは、需要よりも供給力が多いときで、企業の設備や人員が過剰で、物余りの状態になります。これをデフレギャップといいます。
逆に、供給力より需要のほうが多いとプラスになり、物価が上がる原因になります。これをインフレギャップといいます。需給ギャップは市場メカニズムがうまくいっていないときに大きくなり、それを解消するためには、政府が景気刺激策などで需要を調整する必要があります」(SMBC日興證券 はじめてでも分かりやすい用語集)
http://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/si/J0610.html

つまり、経済の過去の傾向からみて平均的な水準で生産要素を投入した時に実現可能なGDPを「潜在GDP」と呼びますが、それから実際のGDP を引いたものが、「需給ギャップ」というわけです。 

つまり本来これだけ作れるのに、思ったより需要が伸びない、作っても在庫が増えるだけだというような現象が経済の冷え込み現象であるデフレです。 

ちょっと思い出してほしいのですが、白川日銀の頃に急激に進んだデフレの時には、テレビCMは激安一色でしたね。牛丼が280円で食べられた時期です。 

2009年10月の消費物価指数(CPI)では、585品目のうち、62%が前年同月に比べて値下がりしました。 

国内では円高が進行し、価格破壊という安売り合戦が繰り広げられました。当然、消費物価指数は下がり続けていきます。 

いいことでしょうか。いや、このような不健全な消費物価指数の急落は、深刻な需要不足によって引き起こさされたものですから、企業は資金調達に苦労し、コストカットをするようになります。

結果、真っ先に切られるのは、はいそうです、賃金と雇用ですね。 

当時、厚生労働省がまとめた現金給与総額は、10月まで17カ月続けて前年割れとなっています。 

売れない⇒安売り⇒収益下落⇒コストカット⇒賃金下落・雇用悪化⇒個人消費下落⇒売れない・・・、以下無限ループ。 

これがもっとも怖いデフレ・スパイラルです。日本はこの重篤な症状に罹って苦しんできました。時期的には、白川日銀・民主党政権時にあたります。

民間需要が冷えきった時には、公的需要の温かいお湯で身体をほぐしてやらねばならないのです。

ところが2009年に誕生した民主党政権は、真逆に「コンクリートから人へ」というわけの分からないスローガンを掲げて公共投資に大鉈をふるいました。

このとき財務省から渡されたマニュアルを握りしめて、コストカッターをやったのが「仕分け人」蓮舫氏でした。

Photo_4

やらねばならない公的需要の投入はしない、その上にデフレ不況期に増税をする、しかも貧しい者のほうが苦しむ逆進的な消費増税をするという、信じがたいほど愚かなことを決めたのが、2012年の野田政権時の三党合意でした。

これは今なお日本を苦しめています。 

もちろんすべての筋書きを書いたのは、財務省です。 財務省正面玄関には墨痕リンリと「大増税」という書が掲げてあるそうです(うそ)。

2014年、安倍首相は三党合意を受けて消費増税に踏み切りました。 

結果は、下図グラフでも分かるように、せっかく芽生えたデフレ脱却の芽を潰してしまい、再びデフレ・スパイラルへとまっさかさまに落ちようとしていました。 

Photohttp://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=554...

2014年の消費増税時をご覧ください。ピンクの個人消費が一気にマイナス2ポイント近辺に下落しているのがわかります。 

その翌年の2015年、安倍政権は財政拡大によって緑色の公的需要を手当てして需給ギャップを埋めようとしているのがわかりますね。 

そのことでかろうじてGDPは浮力を取り戻しています。 

おそらくこの消費増税が野田政権時にされていたら、金融緩和・財政拡大なき増税となるわけですから、わが国は二度と永久に立ち直れないほどの打撃を受けたことでしょう。

これは民主党だからというわけではなく、2013年に安倍氏と総裁選で争った石破氏が総理になったとしても、まったく一緒だったはずです。

それはさておき、この緑色の帯を注目してほしいのですが、順当に維持されたとはいい難い状況なのが見て取れます。 

伸びるどころか、2016年などは驚くほど公的需要は圧縮されてしまっていますし、個人消費の回復も弱々しいものです。

いかに消費増税が景気を直撃し、長きに渡って暗雲をもたらすのかわかります。

これではデフレ脱却は難しいと私も思います。しかも2019年10月1日には安倍氏が「もう再延長はしない」と言った消費増税が待ち構えているのです。

インフレ目標を設定し、量的緩和の継続をコミットメントすると、期待インフレ率が上がり、実質金利が下落し、デフレ脱却できるという金融緩和政策一本槍では救えないのは明白です。

おそらく金融緩和のアクセルを強く踏むだけではなく、同時に公的需要を大幅に、市場がゲっというくらい積み増さないと景気は刺激を受けないでしょう。

そして2019年10月の増税を延期ではなく、永久凍結すべきです。なんならゼロ消費税でもかまいません。

この部分に対して三橋貴明氏などの「財政拡大派」が不満を持つのはわかりますが、この派は強烈な反グローバリム傾向を持っているために、3本目の矢である規制緩和まで全否定してしまっています。

財政拡大派は口をきわめて金融緩和派を罵倒し続け、いまや自分たちはリフレ派ではない、アベは辞めろとまで叫ぶ始末です。いくらなんでもやりすぎです。

かくして、リフレ派は内部分解を起こしかかっています。

困ったもんです。デフレ脱却という大目標が挫折しそうな時に、内ゲバに夢中になるなよ、と思います。

もう少しバランスよく、アベノミクスは三つの矢のパッケーシだったことを思い出して欲しいというのが私の思いです。

すいません。また前座が長すぎました(汗)。 

                 ~~~~~~~~   

■アベノミクス、いわゆるリフレ派経済学についてのまとめ その3
                                            snsn
 

[承前]  

<後編>  

3. アベノミクスvs民進党、そしてリフレ派内部の意見の相違 (続き)  

私個人の考えですが、金融緩和だけで乗り切れるという硬直的な考えでは消費税増税を否定する論拠を弱めることになりそれこそ景気が大減速してしまいます。  

金融緩和は重要ですが、公共投資を含めた財政出動を積極的に推進する必要があると考えます。(無駄な箱物ではなく中身は十分に吟味する必要はありますが) 

また特区などの規制緩和、先端技術導入などの成長戦略も同時に重要になります。 

従って個人的には、①②③バランス派を支持しています。  

アベノミクスの完成は是々非々で三本の矢をバランスよく推進することではないでしょうか。

また、2%のインフレ目標を過度に強調しすぎると達成/未達成だけがクローズアップされてしまい、失業率の改善などせっかくの良い傾向が見えにくくなります。
 

企業にとって雇用は先行投資ですから、中長期的な成長期待は醸成されていると思います。  

そこでインフレターゲットを固定的な目標にするのではなく、名目経済成長率をターゲット(※1)にする方が企業の期待値の実感と合うでしょう。  

また、銀行が日銀に預けている超過準備金がいわゆる「ブタ積み」の状態にあることは悪いことではなくむしろゼロ金利解除のための売りオペ(※2)のハードルを上げているのであって、当面ゼロ金利解除されないだろうというシグナル効果がありますので、インフレターゲットだけがインフレをコントロールするチャンネルではありません。  

4. 今後のアベノミクス  

残念ながら経済政策ではポスト安倍で期待できる人材はいません。後任を是非育ててほしいものですが、、チルドレンのレベルがあれでは・・・。  

そうなると、日銀総裁人事を思い切って元FRB議長のバーナンキなどに依頼してほしいものです。 

もし仮に石破氏が首相にでもなったら、日本経済は確実に縮小するでしょう。石破氏も国防を考えるならば経済を強化することによる安全保障を考えてほしいものです。  

経済的パワーは、どんな武器よりも強い威力を発揮する場合があるのです。  

私はTPPやEUとの貿易協定についても経済的な安定による安全保障の構築という極めて大きな効果があると思っています。  

経済というのは単なるお金儲けだけの政策ではないのです。  

ここでは論じる余裕はありませんが、安倍さんの外交手腕はなかなかのものだと評価しています。  

現実的には日本が軍事予算を大幅拡大したり、核武装は世論や周辺国の反対から不可能でしょう、であれば経済的ヘゲモニーを握り世界をリードする存在になるしか生きる道はありません。

内閣支持率を見ていると正直先行きが不安ですが、唯一の希望は安倍さんがリフレ理論を実際にやってみたという動かしがたい事実です。
 

安倍さんが実行した、成果も出た、支持率も上がった、ハイパーインフレも国債暴落も起きなかった、まだ不備はあるけどもこの記憶は政治家の”身体感覚”として自民党内に強く残っているはずであると信じたい。  

政治家も人気商売ですから、国民に支持される政策を無視できないと思います。

以上、長々とお読みいただきありがとうございました。
                                              (完)
 

●編者注  

※1インフレターゲット 物価下落と不況のデフレ・スパイラルを 断ち切るために、一定の物価上昇率を目標とし、その目標を達成するまで金融を緩和すること。  

※2 売りオペ 国の中央銀行が市場において債券・CP・手形などの有価証券を売却する ことにより、市場の通貨量を減少させる公開市場操作(オペレーション)の一つこと。

 

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コメント

 snsnさん、ご苦労様でした。
大変わかりやすく簡潔にポイントをまとめていらっしゃって、付け焼刃でない「見識の深さ」が感じられました。

 政府はプライマリーバランス目標達成時期を繰り延べると発表しつつ、黒田総裁の会見では再登板しない印象を私は受けました。
 何やら、「三本の矢」を放ち尽くす前に頓挫する危惧を非常に強く持っています。

 石破が「国民の意思と希望」を汲み取る気概のない人物なのは火を見るより明らかなのですが、岸田氏は経済手腕が未知数なうえ、とびきりの党内融和優先型と来ています。
 両者とも現時点で、若い人たちの未来や、国家の行くすえを考えて経済をやれる人材とは考えられません。
 
 このまま安倍政権が沈みゆくならば、誤った選択とはいえ、それも「国民の意思」です。
 支持率なんぞ曖昧にしてあてにならないものとはいえ、ここで「下げ止めておく事」は必要です。
 そのために何か手立てがあるとすれば、それは「三本の矢」に則って、ドラスティックに新たに立案し直し、これを発表する以外にないでしょう。
 新たな内閣で具体的なスケジュールを閣議決定する事も良いでしょう。

 逆に今こそ「消費税再々延期」を国民に問い、大胆な公共投資を含めた財政出動を明確にする好機と言えるかも知れません。

 追い込まれてこそ力を発揮する、安倍首相の二度目の復活に期待したいものです。


全体の流れが良くわかり、とても勉強になりました。
現在FRBもヨーロッパも、いよいよ金融の引き締めに動こうとしています。FRBはあくまでも「正常化」という言葉を掲げ、年内(9月もしくは12月)に0.25%の利上げは間違いないと言われています。そのベースにはアメリカ、ドイツの経済が上向きになっている背景があります。
一方の日本はマイナス金利のまま、わずかながら量的緩和の「量調整」程度に留まっています。

やはり日本経済を成長させるには、財政出動は必要ですが、なんといっても消費が増えないことには安定した成長にはつながりません。
どのような法律が必要なのかはわかりませんが、まずは「法人消費」と「老人消費」。日本の「現金」がたっぷり滞っている所から、どうやってお金を回転させる方法がとれるか。アベノミクスの完成に向かって欲しいものです。

わからないことだらけで申し訳ありません。財政の健全化(税収増加策)については、どのような考えなのでしょうか?

(1)アベノミクスが軌道に乗り、経済が上向けば消費も伸びる。従って個人の所得税 法人税といった直接税の主力が増加する為、放っておいても改善していくのか?

(2)経済が上向き、安定した段階で消費税を上げる。欧米と同じように税収の主力は消費税 など、間接税に頼らざるを得ないのは同じ。つまり、消費税増税(5%→8%)のタイムングが悪かっただけのこと なのか?

(3)国債による「借金の先送り 」といった懸念は国の財政においては当てはまらないのか?

現在、私は農業関連で自営業(個人事業主)となりました。そこで確定申告をして重大な事実を体験することになりました。勿論収入は全て包み隠さずありのまま計上(わずかですが)します。

問題は経費の考え方です。私は会社でやっていた経費項目に沿って関連する支出を計上します。交際費等で多少の差はありますが、基本は会社の経理と同じです。すると、あっという間に"赤字"です。いろいろと考えてみると、なんとでもなる、と言う感じです。言うまでもなく申告時に確認済みです。脱税指南でもありません。蛇足ですが、近隣の農業者と話をすると、全く経費というものを理解していません。ざっくり言って、売り上げと直接材料費だけの考えです。

つまり、経済の自由化が進めば当然自由業が増え、個人で確定申告する人が増えて来ます。直接税なんかあてになりません。逆進性があるとはいえ、消費税など間接税主体になるのは当然の成り行きと思います。

あえて言えば、預貯金等を含めた資産を把握すれば、資産税という分野の比重が高まることは予想されます。

snsnさんの考察大変参考になりました。
文章でまとめていただけると理解度が段違いなのを改めて思い知らされます。
もっと本を読まないといかんなぁ…と。

最後まで読ませていただいた感想としては
やはり安倍首相の最大のミスは第一の矢で上がった支持率で満足してしまい、党内や官僚に対して波風が立つ第二、第三の矢を放つ事を躊躇してしまった事なんだと再認識しました。
だからこそ支持率低下した今、政治生命を懸けた起死回生の政策遂行するのではないかという僅かな望みもあります。
(懸けなくともこのままでは首相自身の政治生命は終わりますが)

山路さんのおっしゃる「新たな政策と具体的なスケジュール」を内閣改革に合わせて発表する他現政権が生き残る道はないと思います。


九州Mさんへ
個人のフリーランスが出来る経済活動なんて微々たるものなので、飛び抜けた才能でも無い限りある程度大きな仕事をしようと思えば人を集めて法人を作るほうが遙かに都合がいいという現状では税収に影響が出るような個人事業主の増加というのは考えにくいと感じています。

全く経費という概念が無くてもこれまで農業をやれていた事業主がいるという事がむしろ驚きです。

>みなさま

お読みいただきありがとうございました。個別にコメントしたいのですが本日夜中までバタバタで、、、
明日以降コメントさせていただきますので、遅いコメントにはなりますがよろしくお願いします!

九州Mさん

> わからないことだらけで申し訳ありません。財政の健全化(税収増加策)については、どのような考えなのでしょうか?

 経済は分からないことだらけというのが大方の日本人なんでしょう。Mさん、嘆くことはありません。これから勉強なさるといいですよ。私もお宅と一緒の状況でした。これを多少脱却できたのは三橋氏のブログを毎日読みこんだおかげです。彼は、経済知識を広めようと懸命であります。そんな経済学者は他におりません。経済の伝道師とも言うべき方です。多少クセもありますが、私の尊敬する方です。
 財政の健全とは赤字がないということではありません。三橋氏は、国債の発行総額がGDP比で下がるのなら財政状況は良いのだと言いますね。

> (1)アベノミクスが軌道に乗り、経済が上向けば消費も伸びる。従って個人の所得税 法人税といった直接税の主力が増加する為、放っておいても改善していくのか?

 大筋ではそう考えていいでしょう。まずは個人の所得が上昇することが大事です。
 
> (2)経済が上向き、安定した段階で消費税を上げる。欧米と同じように税収の主力は消費税 など、間接税に頼らざるを得ないのは同じ。つまり、消費税増税(5%→8%)のタイムングが悪かっただけのこと なのか?

 消費税を上げるのは、将来の過剰なインフレ景気を抑えるためというのが三橋氏の考え方でしょう。消費税は景気に水を差す働きがあります。なにしろ、国民のふところから政府がお金を巻き上げることなのですから(低所得者も高所得者も同率で)、国民の消費が減るのは当然でしょう。個人や法人(企業)の所得が上がれば、国家の税収は相当に上がっていきます。それは、消費税による税収の何倍にもなるでしょう。景気が悪いので、法人税を支払える企業は全体の3割ぐらいだと言われておりますね。景気が良くなれば、法人税は相当に増えていくでしょうね。

> (3)国債による「借金の先送り 」といった懸念は国の財政においては当てはまらないのか?

 国は借金がないのが理想だというのではありません。国はいつも借金があるのです。これが普通なんです。個人の家計や会社の会計とはまったく異なる見方をしなければなりません。国には通貨をいくらでも発行できる権限があるのですからね。通貨の発行、国債、国の投資など財政のメカニズムはダイナミックなんだと思います。そして、素人には分かりにくくもありますね。

 私なりの説明を身分不相応にやってみましたが、これも私は勉強のつもりです。おかしな点、足りないところは、経済に詳しい皆様で訂正していただければありがたく思います。

三本の矢というのは、戦国の世の毛利家の故事からです
から、三人の息子に「三本まとめた矢束は折れない、一本
二本では折れてしまう、お前達兄弟も三人で協力しないと
毛利家は滅ぶぞい」と言った通り、三本同時でないとそも
そもの意味がなくなってしまう。

日本の財政が悪化したのは、実はバブル崩壊の後に財政
出動をエエ加減に長期的にバラ撒いたからで、この時は
市井の凡人も含めて「どうせいつもの景気循環さ、数年
もすれば景気は良くなり、今度こそ米国を凌駕するのさ、
財政バラマキ結構結構、それ箱モノじゃー」という空気
でした。私もそんな認識でした。大甘だったのです。

その後、失われた〇十年と長期不景気が続くと財政はボロ
ボロとなり高齢化も進んで、財務省・厚労省の役人の顔色
がみるみる青ざめ時、「金融バズーカじゃ、カカカ!」と
クロダサンが出て来ましたが、日銀が筆頭株主になるよう
な会社が続出し、国債は直接引き受けみたいになって短期
利率は上げ(インフレ)ないといけないのに長期利率は下げ
て金利支払いを下げないといけないという同時アクセル&
ブレーキの抑圧状態となり、馬鹿笑いも出来ないままに
ヒッソリと日銀を去ろうとしています。

岩盤規制の打破は、今世間で騒いでいるようにムラ社会の
日本では無理っぽいです。既得権益組織の集合体に過ぎず
民主的リーダーが全体に大ナタを振るうことが出来ないの
では、安倍さんが有能か無能かは問題ではありません。


つまり、もう詰んでいるのです。後はいかに上手く敗戦
処理をし、素早くリセットして立ち直るかです。旧日本
帝国陸海軍を笑ってるバヤイじゃないと思いますわ。戦力
の逐次投入を、この30年近くでやっちゃったみたいです。

もし、バブル崩壊直後に戻れるのならば、三本の矢を同時
に使って、こんな蛇の生殺しみたいな状態が続くことは
無かったと思います。ツケ(借金)で先延ばしにしている
ので、市井の凡人でさえいつ請求書が回って来るのかと、
お金をガッツリホールドしないと・・の強迫観念があります。

私は悲観はしてません。社会・共産主義にならない限りは、
経済(マーケット)はダイナミックですから、いつでもいく
らでも復活します。早く敗戦処理を終わらせたいですわ。
そもそも日本だからこの程度の0成長なのであって、地力
の無い国ならエライ事になっていましたよ、ホント。

あまり見識がなく恐縮ですがコメントします。

国の借金については、国民一人当たり800万円だ、1000兆円超えたと
負債ばかりに焦点を当てて話しますがやはりどれだけ保有資産が
どの程度なのかで随分見方も変わるとおもいます。
例えば100億円借金あっても、資産を2兆円もっていれば大した借金ではない
と考えられます。
会社と同じ見方をするのは必ずしもよいとはいえませんが、やはりバランス
シートをみないと全体像が把握できないとおもいます(絶対に公開しないと
おもいますが。。。)。

また、消費税については景気との相関があるのは明らかなので景気刺激策として
時限でもよいので一度0%に戻してみるのも有りかなとおもいます。
価格の転嫁が難しい中小企業にはきつい税金ですが、グローバル企業にとっては
消費税の還付があるので消費の落ち込みに対する影響はあるものの、中小企業
ほどの影響はないとおもいます(詳しくは「消費税のカラクリ」を読めば
わかるとおもいます)。
加えて、所得税や相続税の累進課税の緩和等も上手くやれば効果大だと
おもいますが、ハードル相当高いでしょうね。

アホンダラ1号 さん

> 私は悲観はしてません。社会・共産主義にならない限りは、 経済(マーケット)はダイナミックですから、いつでもいく らでも復活します。早く敗戦処理を終わらせたいですわ。そもそも日本だからこの程度の0成長なのであって、地力の無い国ならエライ事になっていましたよ、ホント。

 いつものアホンダラさんの豪胆なお言葉、元気づけられますね。

 先ほど私はバブル崩壊のことを読んでおりました。気持ち悪いほどの失策続きなんですね。まさに、日米戦後半の日本軍の失策と似ております。

 大東亜戦の反省と同じようにバブル崩壊の反省をすべきだと思いますね。

 ある20代の方が、日本は2回の敗戦をしてしまった言うのです。1回は1945年の敗戦であり2回はバブル崩壊だと言うのですね。その青年はそのブル崩壊の敗戦を語るときに、驚いたことに涙を流しておりました。勘の鋭い若者がいるのです。日本は大丈夫かもしれません。

 財政出動でも、ケインズ経済学の極端な例である「政府が穴を掘りそして埋め戻す工事をしただけでも景気はよくなる」ということにならないよう大胆でありながらも未来に結ぶ正しい公共投資をすべきだと思いますね。

普通の沖縄の人さん

> また、消費税については景気との相関があるのは明らかなので景気刺激策として
時限でもよいので一度0%に戻してみるのも有りかなとおもいます。

 面白いと思います。消費税はホントに日本に必要なんでしょうかね。色々と、白紙の頭で考えてみたいものです。

>山路さん
支持率下げは完全にマスコミにやられましたね、事実無根の事案をいかにも怪しいように連日報道する、残念ですが効果はあったのでしょう、、、、スケジュールの閣議決定、増税先延ばしは是非取り組んでほしい

>都下人さん
ヨーロッパはドイツの経済堅調で引き締めに向かっていますね。メルケルは緊縮派ですしそもそもドイツはずるい。ユーロ圏では公定歩合が低く設定されそれで設備投資をして競争力のある商品を売りまくる、結果ドイツが一人勝ち。
言い換えるとギリシャなどの窮乏化の上に成り立つ好景気がドイツでしょう

現金から消費へは是非取り組むべき経済学的な課題ですね

>しゅりんちゅさん
安倍さんには政治生命をかけて再度気合いを入れ直してほしいものです、ただ健康問題が気になりますが、、、、

>九州Mさん、ueyonabaruさん
ほとんどueyonabaruさんと同じ見解なので被りますが回答します(三橋さんについては評価しかねる面もありますが、それはまたの機会に)

(1)個人の所得税 法人税といった直接税の主力が増加する為、放っておいても改善していくのか?
(2)つまり、消費税増税(5%→8%)のタイミングが悪かっただけのことなのか?

国の財政はすでに改善傾向にあるので消費税は下げても大丈夫です。まだまだ赤字国債は出せるので税収だけをあてにする必要はない。
クルーグマンも5%に戻せ、10%にすると日本は崩壊という趣旨のことを言っています。

余談ですが軽減税率の恩恵を受けているのは新聞なんですよね、自分が影響ないから消費税を上げろなどという論説を載せるわけですよ、本当に頭にくる!

また国民の負担といえば、2兆円の再エネ買取コストを無視できないです。消費税の税収17兆円と比較してもその10%程度の規模になっているわけですからね、、、消費税も再エネも民主党の失政です、、本当に
日本を崩壊させたいのでしょうか

消費税についてはまずファクトを押さえましょう!
財務省のサイトによると日本の税収2017年予算内訳は
・所得税等  30.8%
・法人税等 22.1%
・資産課税等   14.1%
・消費税   16.9%

です、また先進国における直間比率は、、、
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/015.htm

ですので、日本はアメリカとヨーロッパの間くらいの関節比率です。
日本の特徴としてサラリーマンが就労者の90%くらいなので政府の徴税力は非常に強い。
確かに個人事業主は、工夫して”節税”も可能ですが、、そもそも事業者数の比率が小さいので問題にならないです。

ギリシャのように高税率、高福祉国家が破綻しています、またドイツは上記の様にEUを狡猾に利用していますので日本は真似できる環境にはないですね
ピケティのいう資産への累進課税などの工夫はありでしょうね

(3)国債による「借金の先送り 」といった懸念

これはよく言われるのですが間違っていますので、あてはまらないです。

ちょっと専門的ですが野口旭の論説を参照ください。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170720-00196462-newsweek-int&pos=3

「アバ・ラーナーの将来世代負担否定論」これによると国債が国内で消化される国家では「借金の先送りには」ならないのです。
国債が国内で消化される国家とはすなわち日本ですが、この理論によると国債発行時の現世代と、将来の増税時の世代では負担はニュートラルです、むしろ問題は十分な生産と所得があるかどうかです。

今増税をすることは現在世代の所得を減らし、長引けば将来世代の所得も減らすのです、、、
具体例でいうと1989年に消費税3%への増税がありました。この時も将来世代の負担軽減と言われていましたがそれから
30年経って現世代の我々の負担は減ったでしょうか???逆ですよね、それは長い不況で所得が失われたからです。

「借金の先送り」とか「将来世代のつけ」論は完全に悪質なウソであって、その理由からも消費税は上げるべきではないのです

>アホンダラ1号さん
バブルの処理をもっとうまくやるべきだったのはそうですね、、20年もデフレが続くとは犯罪的です
アベノミクスは敵だらけなので大変だと思いますがなんとか希望は持ちたい

黒田さんは変えるしかなでしょうね、、、次は本田悦朗氏であれば消費税には反対ですので期待は持てますが

>普通の沖縄の人さん

消費税ゼロはクルーグマンもどっかで可能であると主張していたと思います。
財務省のバランスシートは高橋洋一の「さらば財務省」を読むと作成の経緯と、省内の反発などが詳しく書かれており勉強になりました。
2000年からは一応公開されている様ですよ、ただ日銀を連結とした統合政府版は公開されていませんが。

ピケティの言う様な資産累進課税などはやってもいいと思いますけどね、あとはベーシックインカムもトライしてほしい。

記事本文には書ききれませんでしたが所得再分配政策についてアベノミクスはちょっと弱いかなと思いますので

お世話になります。経済について素人なので教えて頂けるとありがたいです。
アベノミクスを成功させるのには、公共投資と規制緩和の2本の矢が必要という理解で宜しいのでしょうか?

公共投資についてですが、これはどこかでそのニーズがあって初めて前に進むものではないでしょうか。今の日本でそのニーズがどこにあり、又、そのニーズが適切(無駄な道路は不適切と・・)なのかについてご指導いただけますでしょうか。
今政府は他国の鉄道などに融資して、工事を受注する働きかけをしていますが、これらもその1つに考えても良いのか?国内だけに限るのか?

規制改革についてですが、今回加計問題で文科省の規制が見えてきたわけですが、これを緩和したとしても大きな経済効果は認められないかと思います(経済だけを見れば)。おおきな経済効果のありそうな規制とはどのようなものでしょうか?
最近話題になったEUとの交渉やTPPも国内の規制緩和を進める方向にあるかと思いますがどうでしょうか。

アベノミクスで確かに経済は良くなったのでしょうが、町工場の事業主としては感覚的には「ホンノチョット」の効果しか感じられません。ホンノチョットでも大きな前進だと思うのですが、やっぱり不安は大きいです。

>ひでとさん
金融緩和に加え、公共投資と規制緩和が必要ですね

ご質問の公共投資については下記が良いと考えています
(1)教育の無償化
実は教育の無償化は国際人権規約でうたわれていますが、過去には日本とマダガスカルだけが批准せずようやく2012年に日本が批准したと言うあいかわらずの決断の遅さですが、、、
教育は将来への投資ですし、無償化によって少子化の解消にも繋がります。
財源について注意すべきは小泉の「こども保険」はインチキだと言うことです。あれは国民から税の様に徴収するモデルですから緊縮になります。そうではなく国債発行するか、政府が直接家庭に資金手当すればいいのです。日本の財政はすでに問題ないんですからね。

(2)科学技術予算の大幅アップ
科学技術の論文数の推移をみてください。デフレ期の失われた20年で日本だけ異常に激減しています、中国に抜かれる日も近いでしょう。
http://blog.goo.ne.jp/toyodang/e/26f372a069cbd77537e4086b0e56d347
このグラフを見ててデフレの怖さに震えました。
やはり、科学技術は将来の飯の種ですから予算を大幅に増やすべきでしょう。

これについては2010年時点の共産党の提言ですが、珍しくwwいいことを言っていますのでご参考まで
(当時は共産党も自民党→民主党の構造改革路線を批判していたのですね)
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2010/20100528_daigaku_kaikaku_teian.html

国内の投資の方が、雇用や経済成長にはダイレクトに繋がるでしょうね。


規制緩和については、経済の活性化と社会的公正さの追求と言う目的で考えられます。
(1)経済の活性化と言う点では、例えば自動運転タクシーやバスの規制を緩和することなどでしょう。これによりメーカーの収益が上がったり、高齢者ドライバーの事故対策にもなります。宅配業界の人手不足問題の解決にもなるでしょう。

(2)社会的公正さの追求としてはマスコミ業界構造の改革でしょう。新聞社がテレビ局を所有することの禁止(クロスオーナーシップの禁止)
またテレビ局の番組制作部門と電波部門の分離などでしょうね。日本のマスコミの肥大化した権力構造を改革する必要があります。(マスコミはこのことに絶対に触れませんが、、、)

特区についてはご指摘の通りマクロ経済的に大きく影響することはないと思います。防疫対策などミクロ的には有意義ですけどね。
逆に言うと特区によって競争激化でデフレになる説というのも同様に意味がないと考えています。

ではでは


snsn様
2周回遅れの質問に丁寧に答えていただき、ありがとうございました。

(1)教育の無償化 大学生の子供が現在3人おりまして、個人的にも非常に期待です。
教育の無償化が公共投資になり経済効果も生まれるんですね。なるほど、経済学を学んだことのない者には目から鱗です。
(2)科学技術予算の大幅アップ
えーと、新しい技術とかが達成できなくても、経済効果はあるんですね。うまく新技術が生まれると、それが化けるのも期待できますね。
基本、国内だけで完結するほうが効果は大きいけど、海外投資もある程度は効果があるのかな。

>規制緩和については、経済の活性化と社会的公正さの追求と言う目的で考えられます。
経済の活性化での「自動運転タクシー」というのは、今はやりの無人走行技術?を使ったタクシーということでしょうか。
規制緩和以前に技術開発がまだ掛かりそうですが。
こういう新技術は逆に現在のタクシードライバーの減少とかの問題も出てきそうな気もします。
タクシーにどんな規制があるのか良くはわかりませんが、運賃の自由化とか、軽自動車OKとか、相乗りOKとかそういうのもアリなのかも。
バスの学割もうちょっとなんとかしてもらいたい。

(2)社会的公正さの追求としてはマスコミ業界構造の改革でしょう。
んーーー。最近特に気になります。責任を取るわけでもないのに大きな権力となっていますよね。
放送法の適用と、新聞、雑誌メディアにもその責任を負ってもらうなんらかの規制があればと思います。
しばらくはブログ主様にがんばってもらわないと。

特区に期待していたのですが、経済効果はいま一つということですか。
これも塵も積もれば山となるで、いくつか効果があればよいのですけど。そのうち、化けてくけるものもあるかもしれないし。
今度埼玉の特区申請のようすでも見てみたいと思います。

こういうこと聞ける人がいなかったので、これを機会にいろいろお聞きしました(優しく教えてくれそうだったのでw)。
ありがとうございました。

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