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2017年8月

首都の国際空港から弾道ミサイルを発射する国

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朝鮮の日本領土上空を通過した弾道ミサイルについての、追加情報を続けます。 

発射地点は、北朝鮮自らの映像によって、平壌国際空港の滑走路だとわかりました。 

「今回のミサイル発射場所は、西部の順安(スナン)にある、平壌(ピョンヤン)国際空港とみられている。平壌国際空港は、滑走路が2本ある、北朝鮮唯一の国際空港。(略)
今回、北朝鮮が、ミサイルの発射場所に空港を選んだ理由について、韓国の情報委員会の幹事は、「ミサイルの発射台を山の中に立てると、工事に時間がかかるが、固いアスファルトのある空港なら、すぐに立てることができ、費用も節約できる」としている。
7月4日、北朝鮮が、ICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射した際には、山のような場所にミサイルを運び、コンクリートの上に発射台を建て、発射した。
韓国の情報委員会は、飛行場からは短い時間でミサイルを発射することができ、探知が遅れるとしている。
朝鮮中央テレビは、「侵略の前哨基地であるグアムをけん制するために、意味深長な前奏曲になる。今後、太平洋を目標に弾道ミサイル発射訓練を多く行う」と伝えた」

(NNN8月30日)https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20170830-00000869-fnn-int

 Photo
上の写真には平壌国際空港に特等席をしつらえて、「火星12」の発射を観覧している正恩が写っています。 

国際空港を他国に向けた弾道ミサイル攻撃の発射地点にするという「智恵」は、世界のいかなる国の指導者も念頭にすらよぎらないことでしょう。 

中国が北京首都空港から弾道ミサイルを発射するでしょうか。ロシアがモスクワのシェレメチボ空港からICBMを撃つなど考えられもしません。 

ところが北朝鮮は、なんと一国の首都の表玄関に弾道ミサイルを据えて、首都に響きわたるような大音響で飛ばしてみせたのです。 

山中から発射するのと違い、国民に対するアッピールも満点です。 

もはや悪魔的な智恵と呼ぶにふさわしい、「合理的」な判断です。 

平壌空港には、ロシア、中国、イランなどの民間航空機が離発着しており、米国がここを爆撃するのはそうとうに躊躇することでしょう。 

米国は4月の米軍のシリアへの巡航ミサイル攻撃にすら、ロシア軍機への被害を考慮していたくらいですから、万が一民間航空機に被害が及んだ場合を考えると、国務省は絶対に泣きながら止めてくれとねじ込むでしょうね。 

少し前に北朝鮮は予定していた国際航空ショーを取りやめましたが、これは航空燃料の枯渇によるものだと言われています。 

そもそも北朝鮮のないに等しい空軍力で米軍の航空戦力に対抗するのは論外だからこそ、弾道ミサイル一直線に特化したのです。 

今、北朝鮮の国内には、多数の航空基地の残骸が残っています。いずれも、コンクリートで厚く遮蔽された地下に格納庫を持ち、堅牢な滑走路を備えています。 

まさに弾道ミサイルを貯蔵して下さい。ここから撃って下さいといわんばかりの絶好の施設群です。 

滑走路はデコボコの山中の不整地を整備するのと違って、そのまま発射基地に即時転用可能です。 

先日も述べたように、米中は連携して圧力をかける方向にすすむでしょう。 

しかし、北朝鮮は止まりません。

もし仮に「止まる」ことがあるなら、それは安全保障担当補佐官だったスーザン・ライスと元国家情報長官ジェームズ・クラッパーが述べるような、北の核容認論を米国政府が認めた場合以外ないでしょう。※スーザンを、コンドリーザと誤記しましたので訂正しました。ふたりとも肩書も一緒で、黒人女性なのですいません。

ライスはこう言います。

「歴史的に見て、我々は北朝鮮の核兵器に耐えることができる。冷戦期に数千に及ぶソ連の核兵器という、より大きな脅威に耐えたように」
「米国や同盟国に対する核兵器の使用は、北朝鮮の崩壊につながると明確にしておくことにより、伝統的な抑止力をあてにすることができる」(2017年8月15日 読売新聞)

一方、バノンを追い出して国家安全保障補佐官になった、ハーバート・マクマスターが韓国でこう述べています。

「北朝鮮が核兵器で米国を威嚇するのを遮断するための戦争、予防戦争(preventive war)などのあらゆるオプションを提供しなければいけない。そこには軍事的オプションも含まれる」
http://japanese.joins.com/article/069/232069.html

このマクマスターの方針が、現状における米政府の方針です。米政府は核の凍結ではなく、核弾頭、及びその製造施設の廃棄を譲っていません。

北朝鮮は核容認をとりつける交渉が始まるまで執拗に、今回のような微妙なコースを狙った実験をくり返すことでしょう。 

先日の軌道は、下北半島大間上空を通過し、津軽海峡に抜け、襟裳岬沖に落す、という最小の時間で日本領土を通過可能なコースでした。 

下の写真には、正恩の横のモニターにこの「津軽海峡抜けコース」が表示されています。 

Photo_2http://www.sankei.com/world/photos/170830/wor17083...

北朝鮮が今後弾道ミサイル実験を継続すると宣言している以上、おそらくこの「津軽海峡抜けコース」が、今後もなんどとなく使われるはずです。

私たち日本人は、南は宮古海峡を中国空海軍の出入り口とされ、北は津軽海峡を北朝鮮の弾道ミサイルの通過コースに使われているということになります。

これが憲法前文に、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、 われらの安全と生存を保持しようと決意した」日本の71年後の姿です。

 

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北朝鮮弾道ミサイル日本領土上空を通過

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ご承知のように、北朝鮮がまたまた弾道ミサイルを日本上空に飛ばしました。 

発射地点はピョッヤン付近、飛翔距離は約2700km、ロフテッド軌道ではなく比較的低い軌道を取り、効率的に飛翔させるミニマム・エナジー軌道でした。 

弾種は下の写真の、中距離弾道ミサイル・「火星(ファソン)12」だと見られていますが、詳細は不明です。2016623119
なんで「国際公約」どおり、グアムに向けて複数発を撃たなかったんだ、と言われても困ります。 

それはピョンヤンの地下300メートル(諸説あり)に設置した地下司令部で、発射命令を出しているヘンな髪形のボンに聞くしかありません。 

おそらくは、先日記事にしたように本気でグアム周辺に落すと、米軍という巨大戦争マシーンが自動的に作動することを多少理解し始めたからでしょう。 

そのリミッターであったはずの中国からは、「核実験や弾道ミサイル実験は、中朝安保の範囲外だ。米国は政体転換や地上戦を考えないなら、どうぞご勝手にやってくだされ」と言われちゃいましたしね。 

ですから、やらんと国内に示しがつかんし、かといって本気でグアムを狙うとコワイ、ならば「米帝の傀儡」日本の上空を飛ばしてビビらせ、ついでにアラスカも狙えるぞ、というところでしょうか。 

よくいえば理性的、ハッキリ言ってこれでは、「言うだけ番長」極東版です。 

さてJ-ALERTで起きたという方も多いはずで、私も原稿の追い込み時でしたので、何が起きたんだとびっくりしたクチでした。 

J-ALERTは自動的に一定の規模以上の、地震、津波、火山噴火、大雨、大雪、暴風、土砂崩れ、そして今回の弾道ミサイルによっても鳴ります。 

時間的には、こういう流れです。
・5時58分発射
・6時02分J-ALERT通報
・6時12分襟裳岬沖1180kmの海に落下
 

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Photo

「海国防衛ジャーナル」様より引用させていただきました。ありがとうございます。http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50766479.html

昨日のワイドショーでは、「4分ではなにもできない」、あるいは「こんな広域ではなにも分からない」というネガティブな意見ばかり言っていましたが、あいかわらず不勉強ですね。

では仮に北朝鮮の弾道ミサイルの3分解が襟裳岬の先で起きたのではなく、陸上部だったらどうするのでしょうか。 

弾道ミサイルは高速で飛翔し、ほんのわずかな推力の向き(ベクター)の変化、あるいは分解時の衝撃で大きく軌道を変えます。 

ですから、J-ALERTの発令された関東以北の地域には、いずれも広範囲に落下する危険がありました。 

おそらく3分解だけでは済まずに、多くの破片となって降り注ぐ可能性もありました。 

この場合、自衛隊はもっとも危険な破片に対して、PAC-3で迎撃するでしょう。 

「なぜ破壊しないのにJ-ALERTをだしたんだ。加計隠しだろう」などとわけのわからないことを言う人もいたようですが、失笑しました。 

通過時に警報をだすのは当然のこと。領土への被害がないと見極めたから迎撃しなかったというだけのことです。 

また人為的にどの地点で自爆させるか、あるいは弾着させるかは、ピョンヤンの司令室にいる独裁者君の意のままで、まったく読めません。 

したがって、日本政府は危険が予想される最大限の地域に警報を発令したわけです。まったく正常な政府機能です。 

こういうことを言う人たちは警報をださなければ、「政府は国民を守らなかった」と騒ぐのでしょうね。 

4分間でなにができるかといいますが、表にいたら家に入る、ビルに飛び込む、窓の近くから離れる、身を伏せるていどのことは充分にできます。 

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内閣官房 国民保護ポータルサイト
動画でもみられます。
※内閣官房https://www.youtube.com/watch?v=UoHTQ7b0yNg

「国が避難場所をおしえない」と言っているコメンテーターがいたには呆れましたが、シェルターを備えた諸外国でも4分間では、シェルターに行く時間がないのは分かりきった話ですから、日本の対応とおっつかつです。

コメンテーターの皆さん、お願いですから、J-ALERTについて公共の電波で何か言いたいのなら、政府が公開している諸情報を予習してからにしてください。

いやその前に、コメンテーター諸氏には一般常識試験を課して下さいな。

まぁ、こういうアホなことばかり言っている人たちが、見事にモリカケ祭ではしゃいでいた人たちばかりだというのも偶然じゃないでしょう。

 

 

 

 

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九州M氏寄稿  善意を前提とした社会の仕組みからの転換その3

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九州M氏寄稿の最終回です。

私はマクロ経済の立場に立つ消費増税反対派なので、そうか、こういう文化論的肯定論もあったのかと眼うろこでした。 

貴重な論考に感謝いたします。 ありがとうございました。

なお2枚図版も頂いていたのですが、ワードから記事作成画面に転送できないため、掲載できませんでした。力不足でもうしわけありません。

                                         ブログ主拝

                      ~~~~~~~ 

        ■善意を前提とした社会の仕組みからの転換その3
                  ―消費税が中心にならざるを得ない理由―
                                              九州M
 

承前

(3)舛添方式 

これは昨年舛添知事の問題で騒がれた時、TVのワードショーであるコメンテーターが話していたことを元にしています。 

実は日本には政治資金規正法からみの政治団体が無数にあるようです。 

そして私的にこれを“活用”する人がいて、そのポイントは 

 ・政治団体は好きに作れる
 ・政治団体に寄付(政治献金)すると、最大40%の所得が「寄付控除」される
 ・政治団体の支出になんら規制がなく、「収支報告書(→公開)」出すだけが義務
 

政治の相手は世の中で起きることすべてが対象です。 

食料でも、それこそ出会い系風俗での支出も、何に使っても政治の対象になりえますので制限が無いのです。 

舛添氏の時に問題にされた、チャイナ服も家族のホテル宿泊への支出も、政治からみであれば法的な問題は生じないのです。 

彼が叩かれたのは、彼の政治(資金管理)団体に政党助成金という公金が入っており、「公私混同はみっともない」という、もっぱらモラル面での批判にすぎませんでした。

(4)すべて持てる人の話し
 

以上は、すべてお金を持っている人が、税という支出をいかに減らすかの話です。 

持たざる者の収入を増やす話ではありません。ここでお話しました「“悪魔の人生”」をフルコースで運用している人は少ないでしょうが、部分的になら私達の身の周りに結構見かけるているはずです。

例えば、低所得者向け住宅にいながら、派手な暮らしをしている人達とか。 

さらに問題となるのが、この日本社会に、これらの制度の恩恵を行けることを目的とした、悪意で途中から割り込んでくる人達がいるということ。つまり移民の問題はここにもあると思うのです。 

5、悪意の解釈を前提とした制度の転換 

(1)日本社会の文化 

人は信頼できないもの。我欲で行動する人がいる。 

つまり、悪意の人達がいる、という前提で日本社会の諸制度を見直すべき、というのが私の主張です。 

かつて、日本社会のモラルの根幹に、自己本位は“みっともない”とする「恥の文化」がありました。 

昨年の舛添都知事の問題も、つまるところ、“恥しらず”とのバッシングでした。 

そうです。私達の国は自然との共生に加え、「恥の文化」というモラルを土台とした、相互の信頼関係を前提にした「善意の解釈」によって成立する、曖昧な社会であったというわけです。 

そしてそれが次第に壊れてきたのは、「都市化」による自然との遊離といった環境の変化、そして人権、プライバシーといった「個人主義」の台頭によって恥の文化が薄れ、もはや「善意の解釈」ではもたなくなってきた社会だと思います。 

もちろん、このことは私としては残念なことだと思いますが、憲法9条にしかり、欧米先進国の“普通の国になりつつあるだけ”とも言えるでしょう。

(2)生活保護のこと
かつて生活保護を受ける、という人様の情けにすがって生きることは“恥”なことでした。
 

ところがこれを「憲法で認められた権利だ」とし、これを政治利用する勢力に押され、また人権だ、プライバシーだとし、生活保護を受給していることが見えないようになり、歯止め
がなくなりつつあるように感じます。

私は現在老人だらけの田舎に住んでいます。ここでいつも出てくる話が“真面目に年金
を納めた人より、生活保護の方が優遇されている”ということです。
 

はっきり言って、日本社会のモラルハザードの危機は目前に迫っているように感じます。

真にやむを得ず生活保護を受給せざるを得ない人と、計画的に受給する人を区別する
仕組みが必要です。
 

例えば、生活保護で言えば現金支給でなく、住宅や食料など現物支給を基本にすべきです。 

また、働く環境(地方であれば農業)のある所に専用の住宅を設け、必然的に働くように仕向けるべきだと思います。 

人によっては選挙権を制限する必要もありうる話と思います。

(3)消費税のこと

これまで述べてきたように、所得税や住民税といった直接税を税の主力とするには限界があります。 

兼業をやるのは自由です。新規事業には赤字は付きものです。そして政治活動が自由なことは誇れる社会の象徴でもあり、すべて自由社会たる日本の宿命だと思うのです。

そして、貯金等の資産に対する課税は「アリとキリギリスの話」で、アリを罰するようなもの
であり、努力が報われる社会とは言えません。
 

したがって、残るは、取りっぱぐれの無い(少ない)消費税的なものが中心にならざるを得ないと思うのです。

 

                                            (了)

 

 

 

 

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特攻隊に海兵出身者はいかなかったのか?

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終戦記念日を前後して大量のドキュメント風番組が日本を覆いました。 

そのひとつに池上彰氏の、「池上彰の戦争を考えるSP 特攻とは何だったのか?」(8月13日放映)があります。
http://www.tv-tokyo.co.jp/yomu/business/entry/2017/014476.html 

池上氏は「自分のライフワーク」だとして、こう述べています。 

「戦争を知る人がどんどん少なくなってくると、何かこう、戦争を美化する、そういう動きがあるんですね。
ところが、今、特攻隊の生き残りの人達が次々に声を上げています。そして「特攻隊は決して美化できるようなものではない」と、おっしゃっているんですね。戦争を美化するような動きに対して、「いやいや、本当の戦争を知ってほしい」と、多くの人が今、思うようになったのではないかと思うんです。そういう人達の話を今こそ聞く必要があるのかな、そういう意識を持ってこの番組を作りました」

 Photo
私はこの番組が、当時を生きた「特攻隊の生き残りの人達が次々に声を上げています」と言ったことに心配を感じていました。 

というのは、いまや90前後の年齢に達しておられる体験者の「記憶」を、いったん精査検証する必要があるからです。 

ノンフィクション作家である神立尚紀は、こう自分の取材した零戦搭乗員について書いています。https://mobile.twitter.com/koudachinaoki?p=s 

「昨年99歳で亡くなられた元零戦搭乗員原田要さんは最晩年、80歳代の頃と仰ることが随分違っていた。空戦中「敵搭乗員の顔など見えない」筈が「怯えた顔を見た」になったり、ガ島に不時着した時、火など吹いていなかったのが「火を吹いた」になったり。当事者の回想にも検証は欠かせない所以である

 原田氏は神立氏の著書に印象深く登場する、今は幼児教育に戦後の半生を捧げた方でした。 

きわめて温厚にして、理性的な人で証言には信憑性がありました。しかしその彼をして証言が変化していくのです。 

実は原田氏は、神立氏が初めて取材して以降、多くのメディアの取材にさらされたようです。 

TBSは、原田氏をメーンにした番組さえ作りました。 

神立氏はこう慨嘆しています。 

「原田さんに関して言えば、晩年、左系の取材者や団体が相当寄ってきていた。来る者を拒まない方だったし、耳が遠いための生返事も多かったから、それを都合よく解釈されたり誘導されたりということはあったと思う。加齢による諸々の問題はやむを得ない。問われるべきは質問者、取材者の側の資質や思想」

 「しかし私に対しては70歳代の頃から仰ることは殆ど変わらず、常に抑制的かつ理知的だったから、やはり聞き手側の資質、過剰な期待に応えようとするサービス精神が裏目に出たのかと。零戦乗りから幼稚園園長へ、原田さんの戦中戦後の歩みを最初に本に書き発表したのが私だったから、本当に悔やまれる」

「一般に、記憶違いとは別に、インタビューや講演の回数が増えるほど話が大きくなり、話を重ねるうち本人の中でもそれが実体験の記憶と置き換わってしまう傾向がある。だから取材慣れして話の上手い人ほど実は書きづらい。これはやむを得ないことだが、当事者の体験を伝え残すことは、想像以上に難しい」

池上氏の番組では、「海軍兵学校出身の特攻隊員はいなかった」ような描かれ方をしていました。

もちろん嘘です。 

池上氏か「ライフワークだ」とまでいう以上、数字に当たっているはずです。

池上氏が海兵出はいない、学徒兵を死地においやって、エリートは温存したのだと番組で述べている海兵出身の特攻隊員の比率について、小川和久氏はこう指摘しています。 

「海軍の全航空特攻作戦における少尉候補生以上の士官クラスの戦死は769人で、そのうち海軍兵学校出身者は121人(15%)です。あとの648人は学徒出陣などによる飛行予備学生です。
 これは、飛行予備学生の命が「消耗品」として軽く扱われたのではなく、当時の搭乗員全体における海軍兵学校出身者と予備士官の割合を反映しています」(『NEWSを疑え!』第612号 2017年8月28日特別号)
 

予備士官とは、いわゆる学徒兵です。特攻隊の多くは彼らが担うことになり、多くの悲劇を残しました。 

では、池上氏が言うように、学徒兵だけが特攻に行ったのでしょうか。 

もちろん違います。小川氏が言うように、搭乗員自体の比率に海兵出身者が少なかったためです。 

他の兵種に海兵出身が配置されたために生じたことです。

この海兵出身者の過半数が、短い期間に戦死していきます。 

「海軍兵学校出身者の戦死率は非常に高く、戦死・戦没率は68期生66.32%、69期生64.72%、70期生66.28%にものぼります」(同上)

池上氏は、印象トリックを使ったわけです。

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私は特攻作戦に強い批判を持っています。池上氏がいうような「美化」する気などまったくありません。

あの番組の中の体験者の証言のように、「拒否できない」空気は厳然としてありました。

戦闘機はおろか、練習機で死地に赴いた青年たちすらいたのです。

このような命令を下した指揮官を、私は憎みます。

戦後に生き残ってはならなかったのは、まさしく命じた側の彼らでした。

「作戦の外道」と自らわかっていた発案者である大西は、その責任をとって介錯を拒み長時間の激痛の中、自死しました。大西のような指揮官がいったい何人いたのでしょうか。

再び、私たちの民族が滅びる危機に陥ろうとも、このような作戦は絶対にとるべきではありません。

であったとしても、いやあるが故にこそ、祖国を守ろうとして一命を捧げた青年たちの当時の状況と現実を、正しくなにがあったのか、なかったのかを冷静に検証せねばなりません。

大変なご苦労をされた元特攻隊員に対して心苦しいかぎりですが、その証言もまた検証の対象の外ではないのです。

■追記 記事を書いているときに、北が日本上空を通過する弾道ミサイルを発射したようです。現時点(6時30分)では詳細は不明です。午後にアップできるような状況ならば記事にします。

 

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九州M氏寄稿  善意を前提とした社会の仕組みからの転換その2

Dsc_1978

九州M氏からの寄稿2回目です。  私は自分にない発想の論考なので、なるほどねぇと思いつつ読んでおります。 いや、面白い。

                      ~~~~ 

承前 

■善意を前提とした社会の仕組みからの転換その2
           ―消費税が中心にならざるを得ない理由―
                                             九州M
3、悪意による人生を想定すると様々な子供育成のための手当や教育の奨学金制度、そして納税の仕組み、さらには健康保険や生活保護制度など、この日本社会の仕組みを、とことん悪意(わざと)で自己中心的に利用した場合、どのような人生を送ることができるのかを「自分さえ良ければ“悪意の人生”」として想像してみました。

これらの諸制度は、以下のような<善意の解釈>(このような人達ばかりのはずだ)を元に制度設計がされています。
 

勿論、やむなくスピンアウトしていく人もいるでしょう。しかし、低所得者や生活保護など、意識的にそうしている<悪意の解釈>の人がいることも歴然たる事実なのです。 

<善意の解釈>

(1)子供育成手当、奨学金・・・大人になって働き社会に還元するはずだ、という前提 

(2)事業者 ・・・利益を増やすことをめざして商売をするはずだ、という前提 

(3)政治資金・・・政治資金は世の為人の為に使われ、私生活には無関係なはずだ、という前提 

(4)健康保険・・・わざと病気になる人はいないはずだ、という前提 

(5)生活保護・・・皆が自分の生活を豊かにするために一生懸命働く、という前提 

(6)年金制度・・・自分の老後は自分で備える人ばかりのはずだ、という前提 

(7)個人情報保護・・・プライバシー保護は個人の尊重であるはずだ、という前提 

(8)憲法9条・・・他国はすべて良き隣人(日本に戦争をしかける国は無い)のはずだ、という前提

<悪意の解釈>

(1)子供育成手当、奨学金・・・大学を出ても働かない人、出ていく人

(2)事業者 ・・・「赤字の副業」を活用する人

(3)政治資金・・・私生活も趣味も政治活動として政治資金を使って生活する人

(4)健康保険・・・生活保護のため病気を治さない人。意識的に低所得者になっている人

(5)生活保護・・・意識的に病気になり働けない人。貯めた資産を意識的に散財する人

(6)年金制度・・・老後は生活保護で、と若い時から決めて年金を納めない人

(7)個人情報保護・・・公表されない「隠れ蓑」として活用する人

(8)憲法9条・・・“スキあらば”、武力で我を通す国も人もいる 

4、悪意の解釈による諸制度の考察 

(1)弱者として生きる 

結論から言えば、ポイントは「弱者として生きる」ことです。  

どんなに収入があり資産があっても「低所得者」になることができます。  

低所得者になれば、所得税や住民税が免除されるだけでなく、健康保険の保険料も大幅に割引されます。おまけに消費税からみで手当すらいただけます。

これが「悪意の人生」の第一ステップ(ホップ)です。

低所得者になれば、所得税や住民税が免除されるだけでなく、健康保険の保険料も大幅
>に割引されます。

おまけに消費税からみで手当すらいただけます。国民年金は加入せず、しっかり貯金しておきます。

いよいよ働くことが嫌になり、生活保護が視野に入ってきた時にすべきことは、(ステップ)
持てる資産の処分です。

貯めていた預貯金はすべてパーッと浪費します。そして、働けない=収入の見込みがない理由(病気、高齢、障害等)を明確にします。 

我が国は“弱者”にとことん優しい国なのです。

低所得者という弱者、病人や障害者、老人で働けないという弱者、被差別部落やLGBT、
ひいては女性で差別されているという弱者、様々な弱者がいます。

そして沖縄の基地反対闘争では「土人発言」も巧みにこの弱者戦術が使われました。

 もっともこの弱者戦術をやり過ぎると、口だけのはずだったのが、弱者になりきることによって、やがて身も心も貧しくなり、ひいては身を亡ぼすまでになりつつあります。
 

隣国の慰安婦の問題を見れば明白です。 

かつての可哀そうな過去を持つ人から、今や一国の政治情勢さえ左右しかねない存在です。そして最近は野球の始球式にまで、この弱者の象徴である慰安婦が登場したとか。

弱者のヒーローであり、偶像崇拝の“神に”祭り上げられているかのように見えます。 

だから、私達の同胞である沖縄が心配なのです。弱者になりきろうとする沖縄の末路が
とても心配なってきます。

(2)「低所得者」になるには
 

1億円の貯金がある人でも、それこそ田園調布(ちょっと古いか?)に住んでいようが、
低所得者になることができます。
 

事業主だけでなく、現役のサラリーマンも、はたまた年金受給者でもです。 

要は[収入―経費=所得]が一定以下になれば、“晴れて”低所得者になれ、数々の恩恵を被ることができるようになるのです。 

私がこのことを意識するようになったには、確定申告での税務担当職員の一言です。 

「問題ありません。職員でもいますよ」。地方の公務員は家業として農業をやっている
人がいます。その兼業農家の職員は確定申告で「農業所得」を申告するのです。

日本の税制の基本は「総合課税」といって、複数の収入のある人はそれぞれの事業の所得を総合し、「損益通算」といってマイナス所得の事業があれば、その額だけ所得が減ることになるのです。
 

農業者の場合、単に農作物の材料(種、苗、肥料等)を引くだけ(粗利)は、それなりにプラスになります。 

多くは赤字になるのです。
赤字の農業所得を確定申告すれば、赤字の分だけその人の所得が減り、源泉徴収された
税の一部が還付されるのです。すべては「経費」というものの理解の仕方が分かれ道です。

私なりにいろいろと研究してみましたが、これ以上の具体的な話は脱税指南、と受け取ら
れかねませんので割愛しますが、ポイントだけ紹介します。

自分の趣味や生活からみの部分を事業(兼業)にすれば、“豊かな低得者の暮らし”が可
能になるのです。事業に研修は付きものです。また、個人事業主には交際費の限度も無
いようです

 

                                      (続く)

 

 

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速報! 茨城県知事選 自公推薦候補が勝利

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正直言って、驚きました。 

私の住む地域でもよくて僅差、おそらくはかなりの差をつけられて負けるだろうと思われていた自公民推薦の新人・大井川氏が約7万票差で当選しました。 

■茨城知事選確定
投票率 43・48%(前回31・74%)

当  497,361大井川和彦 無新〈自〉〈公〉

   427,743橋本  昌 無現

   122,013鶴田真子美 無新〈共〉

橋本知事の磐石ぶりはハンパではなく、なんと6期めで全国最長です。ただし、なにをやってきたのか「磐石」以外実績が思い出せないというタイプの知事でした。 

橋本氏は従来の県の大型集票マシーンである県農業団体・県医師会・県連合をほぼすべて掌中に納めていました。 

自民党は、当初は推していたのですが、前々回5期めからは推薦を取りやめていましたが、5期めは独自候補を擁立して敗退、6期めは独自候補すら立てられない有り様でした。 

橋本氏にすれば、一般的には負けるはずのない選挙体制のはずでしたが、支持層を拡げるつもりか、安易に共産党の主張に相乗りして、「東海第2原発再稼動反対」、反安倍を掲げて自ら墓穴を掘った形になりました。 

ただし、私は福島第1事故の後の対応は妥当であったと評価しています。

2017年6月の茨城県議会の一般質問において、健康影響調査についての答弁です。

「本県では、事故直後に移動式のモニタリングポストを設置したほか、食品や水道水の検査を早くから細かく実施し、早期に農作物などの出荷制限や水道水の乳幼児への飲用自粛を呼びかけるなどの必要な措置を講じてきた。
これら細かい食品検査の結果や、モニタリングポストのデータに加え、福島県で内部被ばく検査として実施したホールボディカウンタの検査でも、極めて少ない被ばく線量であったことなどを基に、専門家から内部被ばく検査は、必要ないとの意見を踏まえ県として判断した」

このように最大の風評被害を被った県のひとつである茨城県の、ともすれば過剰過敏になりがちな県民の対応を抑制しながら具体策を打ってきた橋本氏が、なぜ、今になって反原発派とみまがうようなことを言い出したのか理解に苦しみます。 

風評被害を拡大したのは、なにを隠そうこの反原発派の人達だったのをお忘れになったのでしょうか。

また、私も地元で橋本氏と大井川氏の両者の立ち会い演説を聞いたのですが、橋本氏の「地方に中央は介入させない」という主張は、明らかに今のモリカケ倒閣運動に便乗した底の浅いものでした。 

奇しくも橋本氏の主張は、JA・労組・医師会という規制緩和反対の岩盤体制に乗った上で、反原発・反安倍という流行に片足を置いた、「この頃、都で流行るもの」の流れに乗ろうとしたことになります。 

つまり橋本氏の政治主張は、
①規制緩和阻止
②反原発
③反安倍
ということになりますね。

どこか既視感がありませんか。はい、そうです。なんのことはない、橋本氏の言うことは、あの朝日・民進党の主張そのものになってしまうのです。

多くの県民は、「メンドーだから、橋本さんでいかっぺ」と思いつつ、よく聞くと保守だったはずの橋本氏がいつのまにやら民進党と口を揃えていることにたまげて、大井川氏に一票を投じたのかもしれません。

なお、今回は自民と公明との連携が密であり、地方選においても公明が二度と東京都議会議員選の繰り返しはしないと意志表明したことになります。

ちなみに、今日の日経(8月27日)によれば、

「日本経済新聞社とテレビ東京による25~27日の世論調査で、安倍晋三内閣の支持率は46%となり、内閣改造を受けた3、4両日の緊急調査から4ポイント上がった。
不支持率は3ポイント低下して46%で、支持、不支持が拮抗した。政府が導入を目指す、働く時間ではなく成果に応じて賃金を払う「脱時間給制度」に関しては、賛成が43%と反対の35%を上回った」

一度下がった支持率は再度上昇しないといわれているそうですが 、国民もいまや「ワインセラーがぁ」などと騒ぐ輩のいかがわしさに、気がつき始めているようです。

                      ~~~~~~ 

Photo_2東京新聞より引用 

「大井川氏は橋本氏の多選阻止を掲げ、県政の刷新を訴えた。自民党の岸田文雄政調会長や野田聖子総務相ら与党幹部や閣僚が次々と応援に入り、陣営は総力戦を展開。公明党は都議選でぎくしゃくした自民党との関係を修復するため、大井川氏を積極的に支援した。
 橋本氏は、同県内の農業団体や医師会、連合茨城などから推薦を受け、「中央政界の介入」「かいらい政治」と安倍政権との対決姿勢を強めた。日本原子力発電東海第2原発(同県東海村)の再稼働を認めない考えも表明し、支持層を広げようとしたが、多選批判をかわせなかった。
 鶴田氏は同原発の再稼働阻止を前面に押し出したが、激しい保守分裂選挙で埋没した」(毎日8月27日)                    

 
「茨城県知事選は27日、投開票され、無所属新人の大井川和彦氏(53)=自民、公明推薦=が、いずれも無所属で、現役知事最多となる7選を目指した現職の橋本昌氏(71)と、新人の鶴田真子美氏(52)=共産推薦=を破り、初当選を確実にした。3日の内閣改造後初の大型地方選を制した自民党は10月22日投開票の3つの衆院補欠選挙に向けて弾みをつけた。

 7月の東京都議選で大敗し、与野党対決となった同月の仙台市長選でも敗れた自民党は、茨城県知事選を青森4区、新潟5区、愛媛3区の衆院「トリプル補選」の前哨戦と位置付けていた。負の連鎖を断ち切るため、閣僚や党幹部を大井川氏の支援に続々と投入し、国政選挙並みの総力戦を展開した。

 公明党も都議選で対立した自民党と関係修復を図るため、党本部主導で大井川氏の推薦を決定し、自公両党が足並みをそろえて支援態勢を固めた。

 選挙戦は、6期24年にわたる橋本県政の評価や多選の是非が争点になり、自公両党と大井川氏は多選の弊害を強調。大井川氏は「大きな挑戦には国との連携が必要だ」と政府・与党とのパイプをアピールした。

 与党の攻勢にさらされた橋本氏は安倍晋三政権による「介入」と批判を強め、対決構図を作り出した。さらに日本原子力発電東海第2原発(同県東海村)の再稼働を認めない方針も訴えて反原発層の取り込みを図ったが、及ばなかった」(産経8月27日)

 

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九州M氏寄稿  善意を前提とした社会の仕組みからの転換その1

 

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九州M氏から寄稿を頂戴しましたので、掲載させていただきます。  

労作のご提供に感謝いたします。

                  ~~~~~~~
 

        ■善意を前提とした社会の仕組みからの転換その1
           ―消費税が中心にならざるを得ない理由―
                                             九州M

1.日本は善意を前提としたルールの曖昧な社会
 

欧米が契約社会なら、日本はルールが曖昧な共生社会でした。 

一神教であるキリスト教徒は、“神と契約”した人達という言い方があります

また、資本主義という欧米で発達した経済の仕組みも、様々な契約(約束事、ルール)によって成立しているものです。 

そもそも契約とは悪意で行動する人がいる、という前提で様々な約束事を定めたものであり、このような意味において、キリスト教と資本主義は親和性の高い関係にあるようです。

対して私達の日本は、八百万の神と言われるような多種多様な自然と神、そして人が融合した、ルールの曖昧な共生社会でした。
 

そして神道には経典という教え(ルール)がなく、それがために経典のある仏教も違和感なく受け入れます。(お正月の初もうでがその象徴ですが) 

このようなルールがなくとも成立する関係とは、相互の信頼関係、つまり“人を善意で行動する者”と捉えているからにほかにならないと思うのです。

したがって、高度に資本主義が発達した日本も、長くルールが曖昧な社会でした。
 

かくいう私も、入社した会社から内定通知が届いて以来、具体的な契約を定めないまま入社し、いつの間にか終身雇用の関係になり、またユニオンショップとやらで、自動的に労働組合員にもなっていたのです。

2.悪意の人
 

会社の中で象徴的な出来事に「内部通報制度」があげられます。 

仕事をする中で自分が“悪”と感じたことは会社の上層部はおろか、社外にさえと通報し、これが法で保護されるようになったのです。 

この制度は一般に、義憤にかられた正義の行動と捉えられているようですが、一方では、会社の不利益をわざと広め、また会社を堂々と破壊することさえも可能になった、ということにもなるのです。

私が会社の管理職をやっていた時、仕事中に社内通報制度のシステムを使い、一日何
件もせっせと“通報”している人(活動家)がいました。

制度上これを受け入れざるを得ないのです。会社で仕事をし、給料をもらって生活を豊かにする。会社がつぶれてもらっては困る。

そんな人を前提(暗黙の了解)としてできていたのが日本の会社でした。

ところが中には、会社(敵)と日々闘うことを生きがいとしている悪意の人(悪用する人)もいるのです。

左翼イデオロギーにより、今だ見果てぬ夢を見ている人達です。この制度はこのような
人達に強力な破壊の武器を与えることにもなったのです。

これにより、会社の中は情報管理がより厳密になるとともに、仕事に関する様々なルールがきめ細かく作られていきました。

また、この流れに沿った社会の出来事として、一連の法整備=日本社会のルール化、があげられると思います。

公務員は“日本のために尽くす人達ばかりではない”として秘密保護法が作られました。

そして、憲法9条という“他国の善意を前提とした”曖昧な理念ではもうやっていけない、として、一連の安保法制があり、憲法改正の動きが顕著になってきたのです。

 

                                        (続く)

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日曜雑感 世の中は合理的理由だけで回ってはいないようだ

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ueyonabaru さん。

おっしゃことには9割同意しております。絶望的に実現不可能だと承知して書いています。

ただ無駄だとわかりつつ書いてしまう理由は、あの海の美しさを知っているからだけではなく、「有事に使えない軍事施設」という語義矛盾のものに、巨額な国費を投入して作ることは様々な意味で、問題だからです。

仰せの漁業権にかんしては、サンクコスト(埋没費用)で処理するでしょうから返還はありえません。

デジタル大辞林は、サンクコストについてこう述べています。

「すでに支出され、どのような意思決定をしても回収できない費用のこと。埋没費用
それまでに費やした資金や労力、時間を惜しんで事業を継続すると、損失が拡大するおそれがあることから、意思決定に際して、サンクコストは無視するのが合理的とされる」

まさに、これ以上「事業を継続すると損失が拡大する」可能性があると、私は現行の移設計画について見ています。

また環境アセスは基地内ですから、複雑な海洋とは大きくちがいます。

いつになったらできるのかという問題は残るでしょうが、皮肉にも純軍事的観点からは「できないほうがいい」のです。

それは米軍も防衛省もわかっているはずです。皮肉にもできないことを使用する当事者から望まれるという箱もの、それが代替施設なのです。

といっても、それは単に合理的理由にすぎません。世の中は合理的理由だけで回っていませんからね。

問題は県民の「心」です。おっしゃるとおり「うんざりだ」という県民心理です。

その根源のひとつは、いうまでもなく、いかなる解決案にもノーとしかいえない翁長-稲嶺-共産党-地元2紙の硬直しきった体制にあります。

小川案が名護市長の新提案となった場合、翁長氏は建前上反対しつつ、内心は狂喜するでしょう。

翁長氏にとって、着工を延期できる口実を得られるからです。

しかしこれは、もはや合理的理由ではなく、島内政治そのものです。

一方、小川氏が指摘しているのは、国内だけみていてはダメだということです。

米国政府がGAO答申を受け入れた場合、GAOは普天間移設の比ではない国費を投入した、シーウルフ級原潜、F22などのビッグプロジェクトを終了させた実績があります。

今は東アジア情勢が、何時なにがあっても不思議ではなく緊迫していますから、米国側から見直しを唱える可能性は少ないでしょうが、将来的にはわかりません。

小川氏は政府中枢にこう伝えたといいます。

「私は政府首脳に普天間問題を指摘するGAO報告書が出たことを伝え、『マティス国防長官は、問題の所在をよくわかっている。マティス国防長官がこれでいこうと決断すれば、現在の辺野古計画はひっくり返ってしまう。
1996年に日米が合意した普天間移設を遅れに遅らせたのは日本側だから、アメリカの言い分を受け入れざるをえない。そのとき日本国民が納得できる説明をできなければ、ヘタをすれば政権そのものが倒れかねませんよ』と話しました」
(『NEWSを疑え!』第611号 2017年8月24日号)

建設期間が10年以上かかるのですから、その間どうなるのか・・・。

ちなみに海上案懐疑派は私だけではなく、篠原章氏も『沖縄の不都合な真実』の中で、米国のアジア戦略再編が不安定な今やることではない、という意味のことを書いていました。

それにしても、改めて橋龍ポマードは余計な「善意」の贈り物を残していったものだとしみじみ思います。

思いつきで政治をやると、橋龍やハトさんのようにはるか後まで紛争の種を播くことになるといういい例です。

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日曜写真館 アンコールワット仏像群

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シュワブ・ハンセン陸上案の可能性はまだ残っている

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昨日の米国監査院(GAO)辺野古移設問題報告書について続けます。 

残念ですが、小川和久氏も指摘するようにこの問題は日本政府、自民党、そして現地沖縄においてもほとんど理解されていません。 

もちろん、「新基地の機能強化反対」などといっている反基地派は論外です。 

移設された施設はシュワブの拡張であって、都市部の基地を過疎地域に移して、安全化を図り、同時に縮小しようという計画であって、あくまで代替施設にすぎません。 

代替とはひとつを消滅させ、新たにその替わりのものを作ることであって、1のものを2にすることではなく、あくまでも1は1なのです。 

いや1ではなく、代替施設は普天間の38%だそうですから0.38ですか。

21373cc7http://asiareaction.com/blog-entry-2061.html

このての言葉遊びを得意とする反基地勢力と長年に渡って争ってきたために、本質が忘れ去られています。 

普天間移設計画とは切り分けすれば、要は3つに尽きます。 

①危険性を持った都市部の密集地から、海に面した過疎地域に移動させ、万が一の航空機事故に対しての安全性を向上させる。 

②そのことを通じて、沖縄の米軍基地縮小計画を進めて、県民の基地負担を軽減する。 

③緊迫する東アジア情勢に対応している、在沖米軍基地の機能を落さないで移設する。 

①②については、政府も再三に渡って力説していますが、③の米軍基地機能についての言及はありません。 

というのは、③は前提であって当然だという先入観がある上に、また今、それを口にすることで無用に県民を刺激したくないという気持ちが、政府関係者の中に濃厚に存在するからでしょう。 

だからかえって、反基地派の「新基地の機能強化反対」という妄説が一人歩きすることになります。 

「機能強化」されたのは、たかだか一部の通信施設や、海からのアプローチ道路を作ったていどのことで、基地全体の面積が大幅に減少した結果として、軍用基地としてたいへんに問題がある計画案になってしまっています。 

小川氏はこう述べています。(国際変動研究所『NEWSを疑え!』第611号 2017年8月24日号)

「①辺野古は普天間の38%の広さしかない。 

②辺野古は滑走路が短すぎて、輸送機や戦闘機が飛べず、運用できるのはオスプレイとヘリコプターだけである。つまり、平時から使いものにならず、海外災害派遣にも使えない。 

有事には、滑走路が短いことだけでなく、全体が狭すぎることが問題となる。有事には米本土などから海兵隊の航空機が沖縄に集結し、たとえば普天間関係だけでも300機といった数を収容しなければならない。(略)
辺野古は膨れあがる航空機を受け入れることも、兵員や物資を集積させておくこともできない。つまり、有事にも使いものにならない。」(太字は小川氏による)

 東アジア有事において、米軍はグアム、ハワイあるいは米本土から、航空機、兵員、艦船の増援計画を発動します。 

その時、航空機の受け入れ場所となるのが、在沖米軍基地です。空軍の航空機は嘉手納、海兵隊航空機は普天間に集結します。 

1996年7月、在日米軍作戦部は嘉手納統合案の研究に絡めて、普天間の固定翼機を含めた基地機能の移設を目標に据えた技術評価を実施しています。  

その結果、このような規模の収容能力が必要だという結論が出て、日本側に通知されています。  

普天間・・・平時71機    有事最大230機
・嘉手納・・・平時113機   有事最大390機

・嘉手納+普天間の有事の機数計・・・620機

※機数はあくまで目安で、増減はありえます。 

民主党政権が出した嘉手納統合案が拒否されたのは、嘉手納に統合すると有事には実に5倍もの620機もの航空機を収容せねばならないことになり、物理的に不可能だからです。 

ではこの普天間代替施設が、有事に来援を引き受けられないとなったらどうするのでしょうか。 

Photo_2

 上の代替施設の計画をみると、河走路が短いのが致命的であるだけではなく、航空基地としては大変に手狭なことがわかります。

来援機は機体だけで飛んでくるわけではありません。

航空機は精密機械なために、多くの整備スタップが必要です。それだけでは足りず、機体に武器・弾薬を搭載したり、燃料を入れたりする関係スタッフや資材まで派遣されてきます。

1999年に、沖縄から米軍のF-15が6機トルコに派遣されたときは、100人の整備要員が一緒に派遣されたそうです。

単純計算で一機あたり16名です。

この16人は機付整備員だけの数か、それ以外の要員も含めたものかわかりませんが、とまれ1機につき10名前後の要員も共に移動ししてくるわけです。

最大で仮に600機が増援されたとした場合、在沖米軍基地には実に約1万名の将兵と彼らが持ち込む資材が溢れるわけです。

うち海兵隊だけで3600名です。これだけの将兵をどこに収容するのでしょうか?

通常、米軍は戦時に際して航空基地に仮設住居を設営します。下の写真は湾岸戦争中、バーレーンのイサ空軍基地の一角に米軍が設営した仮設の居住エリアです。

Photo_2『NEWSを疑え!』第611号より引用

このようなものを作る余分なスペースが、辺野古の代替施設にあるかどうか、よく計画概念図をご覧になって下さい。

まったくありません。通常運用だけでギチギチです。

Photo普天間基地に着陸した大型輸送機C17 中型輸送機C130も見える

代替施設は、有事において来援する200機の航空機も、3600人のスタッフも受け入れる余地がないものです。

つまり、計画案では、有事は想定されておらず、しかもC-17やC-130といった中・大型輸送機も運用できない、ヘリやオスプレイの平時運用「だけ」のものなのです。

GAOは、3000人のスタッフを擁する世界最大の会計検査院です。

GAOは、高い専門性を持ち、議会の眼として厳しい監査をおこなっています。

「かつてGAOは、米海軍が29隻の建造を予定していたシーウルフ級攻撃型原潜を、あまりに高価で、冷戦終結後のニーズからして過剰性能と指摘。結局、3隻調達しただけで建造は終了しました。
GAOは、米空軍が1996年から最終的に750機の配備を予定していたF-22戦闘機についてもコストが高すぎると指摘。結局、製造されたのは試作機を含め197機でした」(同上)

日本のように専門性が欠落した馬鹿丸出しのメディアや野党が煽るのではなく、その使用目的と価格のバランスを掘り下げて検証するGAOは、米議会だけではなく政府にも強い影響力を持っています。

海兵隊トップ゚だったマティス国防長官は、当然、このGAO報告書を読んでいます。そして、代替施設が日米政府の政治的妥協の産物であることも理解しているはずです。

マティスの米軍随一といわれた頭脳が、どのような判断を持っているか知りたいものです。

まだ再検討のチャンスは残っています。

それは名護市長選において保守系候補がGAO報告書に基づいて、代替施設を海上にではなく、シュワブ・ハンセンの施設内に移転することを主張することです。

このことによって美しい海が守れるばかりではなく、名護市民・沖縄県民にとっても最善な選択だと訴えることです。

老婆心ながら、「全基地撤去」の現職・稲嶺候補に勝利するには、ただの政府案の現状肯定だけではかなわないと、私は思います。

政府は、辺野古再工事にめどがついた以上、正直言ってこの移設問題にはこれ以上関わりたくないと思っているはずです。

またそれを政府自らが言ってきたことの自己否定につながりかねないために、絶対に政府からは見直しを言い出せないのです。

沖縄現地、しかも建設予定地自治体からではなければ、政府は聞く耳を持たないでしょう。

今日の記事は保守の人たちに評判が悪いと思いますが、あえて書くことにしました。

それは、おそらく陸上案を再浮上させるためには、今度の名護市長選がほんとうのデッド゙エンドであって、次の知事選の時期には埋立工事がそうとうに進行しているとおもわれるからです。

願わくば、いったんいままでの経緯やしがらみを離れて、10年、20年先のことを考えて代替施設のことをかんがえられんことを。

 

 

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米政府監査院 辺野古移設計画で短すぎるとの指摘

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 米政府監査院(GAO・Government Accountability  Office)が、辺野古に作られる予定の新滑走路について報告書を出しています。

GAO・2017年4月5日・『MARINE CORPS ASIA PACIFIC REALIGNMENT DOD Should Resolve Capability Deficiencies and Infrastructure Risks and Revise Cost Estimates』(アジア太平洋の米海兵隊再編──国防総省は能力不足とインフラのリスクを解消し、費用見積もりを修正すべきである) 

国際変動研究所『NEWSを疑え!』第611号(2017年8月24日号)の翻訳を、一次情報としてアップしておきます。引用させて頂いたことを、心から感謝いたします。 

さてこのGAO報告書の内容は、同研究所の理事長・小川和久氏が指摘するようなことです。 

「報告書の内容を一言でいえば、アジア太平洋の米海兵隊再編には、移転先の能力不足という問題やインフラが貧弱すぎるという懸念がある。国防総省はそれを解消しなければならず、甘すぎる見積もりも修正しなければダメだ」 

この滑走路の短さという航空基地としての致命的欠点は、長年、小川氏が指摘し続けたことでした。 

また当時海兵隊に所属していたエルドリッジ氏はもその狭さに対して、「ひとりのマリーンも移りたいとはおもわないだろう」と述べています。 

小川氏は、これが政治的決着の結果だとしています。

「海兵隊も米国防総省もわかっている。2010年の春、国防総省当局者は『早期の決着で日米同盟が安定的に』と言っていた」

ここでまた改めて米国鑑査院に指摘されたわけで、政治的に決着して工事再開となったあとだけに日本政府も苦しいところです。 

あたりまえですが、普天間飛行場が軍事施設な以上、その移設は軍事的な合理性を考慮せねばなりません。

しかし、現実には「受け入れてくれるところが辺野古しかない」という消去法で決定されたというのが実情でした。

イデオロギー対立に転化してしまったために、合理的判断が介入する余地は断たれたのです。

結果として、米軍・日本政府・県の誰にとっても不満足という中途半端なものに政治決着しました。

翁長県知事や稲嶺市長は、常日頃「新基地は機能強化だ」と言っています。

しかし逆に使用する海兵隊側からすれば、「機能強化だって?とんでもない!辺野古は普天間の38%の広さしかなく、これでは有事に来援する航空機をうけいれられず、日常的にもヘリとオスプレイだけしか使えないハンパな基地だ」という不満がありました。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-f37c.html

日本政府が対米従属だからだ、という天木さんや植草さんのような人がいますが、関係ありません。

何度となく書いてきて、さすがに私も飽きてきましたが、米軍は普天間から動きたくないので、対米従属したいなら、移設なんて言い出さなかった方がもっと米国に感謝されたことでしょう。

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なぜって、普天間基地は滑走路が2700mあって、大型輸送機が離発着できる十分な長さがあるからです。 

ところが、「新基地」はこれが1600mですから、実に1100メートルも短くなります。

え、滑走路が2本あるだろうって。あのね、あれは、片一方が離陸用。片一方が着陸用なのです。

埋め立て面積を極力少なくするために、一本を二つにぶった切ったので、変なV字になっているのは、市街地空をはずしたら、あの角度しかなかったのです。 

これでは米軍が外国の基地との物流に用いているC-17などの大型輸送機は使用できなくなり、わざわざ嘉手納基地から積み替えねばならなくなります。

ほんらいこのような見直しは、去年の3月からの「和解期間」が最後のチャンスだったのですが、県側のあまりに硬直した姿勢によって、それがなされないままここに至ってしまいました。 

なお、米国鑑査院は「辺野古の機能は不十分で、限定的にしか使えない」と指摘しましたが、全否定したわけではなく、有事用の補完滑走路を調査することを求めています。 

※原典●MARINE CORPS ASIA PACIFIC REALIGNMENT: DOD Should Resolve Capability Deficiencies and Infrastructure Risks and Revise Cost Estimates
[リンク]https://www.gao.gov/products/GAO-17-415
 

太字は引用者です。

                      ~~~~~

Photo_2名護市HPより

■普天間飛行場代替施設の滑走路の長さの短縮 

 国防総省は、キャンプ・シュワブで計画されている滑走路の能力不足を完全には解決していない。これは海兵隊普天間航空基地の9000フィート(2740メートル)の滑走路に代わるものだが、より短いものとなる。 

同基地は、さまざまな固定翼、回転翼、ティルトローターの航空機による任務を支援している。災害救援などのため国連が活動するとき、在日米軍は主要なパートナーとなるので、普天間航空基地は必要に応じて滑走路を提供する。 

海兵隊当局者によると、キャンプ・シュワブで提案されている滑走路は、同様の任務所要を十分に満たさない。  

5900フィート(訳注:オーバーランを含む1800メートル)のV字型滑走路2本は、ある種の航空機には短すぎるというのである

海兵隊普天間航空基地の滑走路を使えなくなると、沖縄における固定翼機の有事用滑走路がなくなり、国連が使用できる滑走路もなくなることは、GAOが1998年3月に報告書で指摘したが、海兵隊当局者の話によれば、その状況は今も変わらない。 

政策担当国防次官室の当局者によると、沖縄で他の有事用滑走路を確保する計画は、優先順位が低いのでまだ立てていないという。 

国防総省は、そうした計画はしていないものの、臨時・有事の任務の支援に使える場所を探すため、日米共同で候補地の調査と測量を行うことの承認を求める書簡を、2014年4月に日本政府に送っている。 

この書簡は、初めの一歩としてはよかったが、沖縄県内で有事用滑走路を見つけることを主旨として書かれたわけではなかった。 

候補として挙げられた12か所のうち、沖縄県内は1か所だけで、有事用滑走路の候補地の中には1500マイル(2400キロ)以上も離れた場所もあった。 

また、書簡で提案された土地調査は完了していない。今回の聞き取り調査に対し、海兵隊と在日米軍の当局者は、有事用滑走路を見つけることは依然として必要だと述べた。 

国防総省は、キャンプ・シュワブが普天間飛行場代替施設の滑走路の任務を支援する能力に、影響を与える制約や条件を、統合施設基準2-100-01に照らして指摘した。 

海兵隊と太平洋軍の当局者によると、代替施設の滑走路が短いため、一部の任務の所要を満たさないことについては、どこか別の場所に長い滑走路を提供することで埋め合わせる最終的な責任が日本政府にあるという。 

しかし、海兵隊と国連の任務所要を支援できる沖縄県内の有事用滑走路候補地を、国防総省が日本政府に示していれば、問題解決に役立つはずだ。

国防総省がキャンプ・シュワブに建設を計画している滑走路は、必要な能力を欠くのだから、欠落する能力を代替する有事用滑走路の候補地を測量して決定するまで、同省は必要な任務所要を支援できなくなる危険を冒しているのだが、問題は未解決のままである。

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日本人はなぜ戦争をしたのか?

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昨日も書きましたが、田中氏の論考は既読です。私は田中氏と同じリフレ派ですから、氏の論考や本はほぼすべて読んでいます。 

そもそも田中氏の今回の記事は外交論について書かれたものではありません
田中秀臣
「八月十五日の石橋湛山―リフレと小国主義による日本の再生」http://www.newsweekjapan.jp/tanaka/2017/08/post-12.php 

あの記事は戦前期において、「ケインズ以前のケインズ主義者」だった高橋是清と石橋湛山のリフレ政策の画期的意義とその崩壊について書かれたもので、それを「小日本主義」と表裏の関係にあると論じています。 

リフレ政策についてはまったく氏に同感で、私がリフレ政策を先に書いていたならば、まさに「パッチワーク」と批評されても致し方ないかと、苦笑したものでした。 

しかし、私は「小日本主義」を外交論として見た場合、かなりの批判を抱いています。

そのあたりは、実は山路氏や仙氏などと一緒で、田中氏の「小日本主義」理解は戦後民主主義イデオロギーに強く影響されています。

田中氏は「小日本主義」について、こう書いています。

「領土的野心を放棄することで、東洋の各国との融和をはかり、そして自由貿易を振興することの方がよほど日本やその交易する国々にとっても有益である。このように石橋の小日本主義は、日本国民の利害を主軸にしつつも、偏狭なナショナリズムに陥らず、国際主義的な視野に立つものであった」

田中氏は軍事的手段によらずとも、自由貿易によって富を得られるという、いかにもリフレ派らしい見立てをしていますが、それ自体は誤りではありませんが、日本が戦争に転がり込んだのはまさにその自由貿易が阻害されたためでした。 

また、後段の戦前期の日本についての批評にも、そうとうに疑問が残ります。 

戦前、日本が戦争に傾斜していくことを「偏狭なナショナリズム」のひとことて片づけるのはあまりに乱暴です。 

これでは、日本人が何故に世界を相手に戦ったのかという、民族の内的モチベーションがわかりません。

それについて、昭和天皇はこのように述べられています。

「この原因を尋ねれば、遠く第1次大戦後の平和条約の内容に伏在している。日本の主張した人種差別平等案は列国の容認するところとならず。
依然残存し加州移民拒否のごときは、日本国民を憤激させるに充分なものである。また、青島還付を強いられたこともまた然りである。かかる国民的憤激を背景として一度、軍が立ち上がった時に、これを抑えることは容易な業ではない」
(『昭和天皇独白録』)

まさに、米国における排日土地法に代表されるように日本に対する有色人差別は苛烈をきわめており、日本は国家として有色人種差別の重圧を真正面から受けていて、それが故に日本人は立ち上がったという側面を、田中氏は軽く見すぎています。 

Photo_2
真珠湾攻撃を聞いた太宰治は『十二月八日』という短編を書いています。 

この小説の中で主人公の女性は、このように心境を吐露しています。 

「私の人間は変わってしまった。強い光線を受けて、からだが透明になるような感じ。あるいは、聖霊の息吹を受けて、つめたい花びらがいちまい胸の中に宿したような気持ち。日本も、けさから、ちがう日本になったのだ」

 太宰はこう続けます。 

「台所であとかたづけをしながら、いろいろ考えた。目色、毛色がちがうということが、これほどまでに敵愾心を起こさせるものか。滅茶苦茶にぶん殴りたい。支那を相手の時とは、まるで気持ちがうのだ。(略)
こんなつらい時勢に生れて、などと悔やむ気がない。かえって、こういう時代に生れて生きがいさえかんぜられる。ああ、誰かと、うんと戦争の話をしたい。やりましたわね、いよいよ始まったのねぇ、なんて」

 NHK朝ドラ定番の厭戦気分などは微塵もありません。

まして「戦争は残忍だ」とか、「国民は軍部に支配されて、イヤイヤ戦地に行かされたのだ」という気分は、ものの見事にありません。

この太宰の「やりましたわね。いよいよ始まったのね」と似た感慨は、高村光太郎や藤田嗣治といった、当時を代表する芸術家たちも語っています。

反戦平和イデオロギーは、戦後に敗戦という衝撃の中から作られたものです。

私たちが謙虚に歴史と向き合って、戦前という時代に生きた人たちに寄り添ってみれば、当時の日本人が何に怒り、何を戦争に求めていたのかがわかるでしょう。

これを田中氏のように、「偏狭なナショナリズム」のひとことで済ませることに、私は強い抵抗を覚えます。

田中氏の時代認識が浅かったために、その解法としての石橋の「小日本主義」のとらえ方もまた浅いものに終わっています。

いったい「国際主義」という概念装置とはなんでしょうか。よもや欧米列強が戦争の大義として掲げた「民主主義」あるいは「プロレタリア国際主義」ではないとは思いますが、よく理解できません。

私は、石橋がこの「小日本主義」を発言した1921年という年に注目すべきだと考えています。

この1921年の2年前の1919年に、昭和天皇も指摘されているパリ講和会議が開かれています。戦後処理のみならず「国際連盟」の設立まで討議された大会議でした。

Photoパリ講和会議

ここで日本は世界大戦を抑止する条項として、国際連盟規約に「人種差別撤廃条約」を盛り込むことを主張しました。

これが当時吹き荒れていた排日運動に対する、日本側の憤りから発しているのはいうまでもありません。

しかし諸外国、特に豪州はこのような条項を入れるならば、国際連盟に加盟しないとまで発言しました。

例の白豪主義です。アボリジニから土地を奪い、人種絶滅政策をとっていた豪州には、とうてい日本案は呑めなかったわけです。

そしてこの人種差別撤廃条項は否決され、日本人は深い失望と怒りを覚えたのです。

「国民新聞」(1924年12月24日)はこう叫んでいます。

「世界は、往年ベルサイユ会議において、日本が人種平等を提案せることを記憶しているだろう。それは、実に人道上正義の声であったのであるが、12強国のために一蹴しさられた。
口先では正義人道、世界平和というような声は、月並み的文句として、世界の隅々でとて得られるところであるが、背後に実力のない声は結局空念仏に終わらざるをえぬ。
もしあの場合において、日本が絶大な実力をもっていたならば、人種平等案のごときは、これを押し通すことができたであろう。
しかして、世界の弱小国は、今日その余慶に鼓腹することができたであろう」

「国民新聞」に依った徳富蘇峰と石橋との思想傾向の違いはあったでしょうが、石橋のような鋭敏なジャーナリストが、このような時代状況と無縁で、「小日本主義」を語るはずがありません。

石橋の「小日本主義」は、人種差別撤廃を日本が国家として真正面から大義としてかかげるならば、隗よりから始めよということです。

石橋はその裏付けとしてリフレ派的経済合理性を持ってきたのであって、植民地経営の経済的バランスシートにのみ乗って「小日本主義」を語ったのではないと、私は考えます。

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石橋湛山を知っていますか?

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石橋湛山というへそ曲がりがいます。

戦前は植民地放棄と軍備縮小を主張し、戦後GHQに抵抗した数少ない日本人として公職追放になった男です。 

戦前、日本が戦争に転がり込んでいく1920年代から30年代にかけて、日本は別れ道に立っていました。 

ひとつの道は、列強に伍して地域大国になろうとする道であり、日本はシベリア出兵、満州事変、そして泥沼の日中戦争を経て、結局、もっともやってはならなかったはずの米国との戦争をするはめになります。 

もちろんこの歴史経過は日本だけが能動的に動いたわけではなく、米英露中といった各国の思惑の錯綜から生れています。 

わが国の悲劇は、あの大戦にまともな脚本も振付師もないまま突入してしまったことです。

しかし、あの時期なら地獄への道行はまだ止めることは可能でした。 

そのことを東洋経済新報を根城に主張したのが、石橋湛山でした。 

Photo石橋湛山

湛山は、これを「小日本主義」と唱えました。今の眼から見ても、よくこの時代にこんなことを主張したと驚きます。
 

湛山は高橋是清が実現したリフレ政策を支持したのですが、是清の替わりに湛山が大蔵大臣にでもなっていたら、2・26で殺されていたことでしょう。

そのくらいリスキーな思想だったのです。

湛山は、いままで日本が近代において獲得した権益を、一切放棄してしまえと言います。 

つまり、台湾、朝鮮、満州といった「大日本帝国」版図を縮小し、オリジナル日本に戻れ、と言っているわけです。 

それを湛山は、「一切を棄つる覚悟」(東洋経済新報1921年7月23日)という論文にまとめ、軍縮問題では海軍軍縮を呑むべきだと唱えました。

「さればもし我が国にして支那またはシベリヤを我が縄張りとしようとする野心を棄つるならば、満州、台湾、朝鮮、樺太等も入用ではないという態度に出づるならば、戦争は絶対に起こらない。従って我が国が他国から侵さるるということも決してない。
論者は、これらの土地を我が領土とし、もしくは我が勢力範囲としておくことが、国防上必要だと言うが、実はこれらの土地をかくしておき、もしくはかくせんとすればこそ、国防の必要が起こるのである。それらは軍備を必要とする原因であって、軍備の必要から起った結果ではない」

いうまでもなく、当時、絶対的極少派で、とうてい当時の軍部にとって許しがたい危険思想であったはずです。 

なぜ、このような植民地(朝鮮は正確には合邦ですが置きます)を「一切捨つる覚悟」を持たねばならないのでしょうか。 

よく誤解されるのですが、湛山は左翼反戦イデオロギーとは無縁です。 

むしろ湛山は、この「小日本主義」を経済的合理性を基盤にする、<戦略的道義戦>として語っているのです。 

まず湛山は、植民地経営のバランスシートを見ろと述べています。 

「これらの土地を我が領土とし、もしくは我が勢力範囲」とするから軍備がいるのであって、国を守るためにほんとうに必要な軍備なのだろうかと問うています。 

日清戦争以降の軍事コストの国家予算に占める比率をみたのが、下図です。 

Photo_2山田朗 『軍備拡張の近代史』
http://sinojapanesewar1894.com/920jmilitaryexpansion.html

このグラフを見れば、日清戦争でそれまで2千万円台だった軍備予算が、一挙に1億円の大台に乗り、しかも戦後も減ることなく、そのまま青天井となってしまっているのがわかります。 

朝鮮の植民地経営が、巨額の持ち出しに終わって、しかもコリア国民からなにひとつ感謝されるどころか憎悪を浴び続けていることは、ご承知のとおりです。 

朝鮮における植民地経営は、日本の財政補填でかろうじて成立していました。 

Photo_3http://www.wayto1945.sakura.ne.jp/KOR10-finance.html

当時の大日本帝国が貧困から抜け出せなかった最大の原因は、国力にそぐわない過剰な軍備と植民地経営にあります。 

湛山は日本が率先して領土的野心を「捨つる覚悟」で、欧米列強に対して道義的に優位に立てると説いたわけですが、では本当に捨ててしまった場合、日本はどうなるのでしょうか。 

湛山はこう述べています。

「例えば満洲を棄てる、山東を棄てる、その他支那が我が国から受けつつありと考うる一切の圧迫を棄てる、その結果はどうなるか。
また例えば朝鮮に、台湾に自由を許す、その結果はどうなるか。
英国にせよ、米国にせよ、非常な苦境に陥るであろう。なんとなれば彼らは日本にのみ、かくのごとき自由主義を採られては、世界におけるその道徳的位地を保ちえずに至るからである」

ひとことで言えば、湛山は欧米列強に対して、力による戦いではなく<戦略的道義戦>をしかけよと言っているのです。 

列強の植民地支配が当然の戦前期にあって、わが国が真っ先に植民地を放棄する道義戦を仕掛けた場合、欧米列強に支配されて植民地・半植民地にされたアジア・アフリカの諸国民は、自由と独立に向けて立ち上がるだろうと、湛山は言います。

「その時には、支那を始め、世界の小弱国は一斉に我が国に向かって信頼の頭を下ぐるであろう。インド、エジプト、ペルシャ、ハイチ、その他の列強属領地は、日本が台湾・朝鮮に自由を許したごとく、我にもまた自由を許せと騒ぎ立つだろう。
これ実に我が国の位地を九地の底より九天の上に昇せ、英米その他をこの反対の位地に置くものではないか。我が国にして、ひとたびこの覚悟をもって会議に臨まば、思うに英米は、まあ少し待ってくれと、我が国に懇願するであろう」

この湛山の読みは、実現可能だったと思われます。 

特に、当時世界最大の植民地であったインド国民は歓声をあげて、日本の「一切を捨つる覚悟」を迎えたと思われます。 

湛山は続けてこう言います。

「ここにすなわち『身を棄ててこそ』の面白味がある。遅しといえども、今にしてこの覚悟をすれば、我が国は救われる。しかも、これこそがその唯一の道である。しかしながらこの唯一の道は、同時に、我が国際的位地をば、従来の守勢から一転して攻勢に出でしむるの道である」

国力において大人と子供の差がある日本と欧米列強が同じ土俵で戦っても無駄で、むしろ「朝鮮・台湾・満洲を棄てる、支那から手を引く、樺太も、シベリアもいらない」と叫ぶことこそが、有色人種唯一の列強となってしまったがゆえの、<日本の孤独>を救済するのだと湛山は主張します。 

軍事的手段によらずとも、その富は自由貿易を盛んにすることによって得られます。 

軍事的衝突は多くの死者を出し、破壊を呼び、憎悪を残しますが、貿易はWinWinの関係です。 

当時、朝鮮・台湾はすでに日本がインフラ整備を大半終わっていたのですから、日清戦争の目的どおり完全独立を認めて、対等な貿易関係を結べばいいのです。

当時この植民地放棄・独立を認めていたら、今も永遠に続くかに見えるコリアの「恨」はなかったことでしょう。 

湛山の「小日本主義」は、あくまでも日本の利害を基礎にしています。これが凡百の左翼インテリの空想的反戦論と根本的に異なることです。 

湛山は、こう「小日本主義」を結びます。 

「汝らまず神の国とその義とを求めよ、しからばこれらのものは皆、汝らに加えられるべし」 と」

8月になるとメディアはうなされたように「戦争の反省」を報じますが、たまにはどうしたら大戦が回避しえたのか、湛山に立ち戻って「小日本主義」をかんがえてみてもいいのではないでしょうか。

 

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北朝鮮危機 とりあえず「休戦」か?

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北朝鮮をめぐって、色々な動きが一斉に起きています。

まず大枠から捉えていきましょう。

現在、米国と中国は、互いに政府声明という抜きさしならない形を避けて、一見非公式に見える媒体を通じた意思表明をし合っています。

いわば、米中が「文通」をしているようなものです。 

まずは中国の立場からいきましょう。なかなか興味深いものがあります。 

共産党外交機関紙「環球時報」社説(4月22日)です。 

「今が中国政府にとって、戦争が起こった際に中国が取る、事前に確立された立場を米国に説明しておく良い時期だろう。北朝鮮政府が断固として核プログラムの開発を続け、その結果として米国が北朝鮮の核施設を軍事攻撃した場合、中国はこの動きに外交チャンネルでは反対するが、軍事行動には関与しない」 

続いてもうひとつ。 

「しかし、米国と韓国の軍隊が北朝鮮の政権を壊滅させる直接的な目的で非武装地帯(DMZ)を地上から侵略するならば、中国は警鐘を鳴らし、直ちに軍隊を増強するだろう。中国は、外国の軍隊が北朝鮮の政権を転覆させるのを座視することは決してない」 

中国は自分の意志を、新聞を介して伝えることをよくするのですが、額面どおりに受けとめれば、こう言っていることになります。 

①米国が北朝鮮の核ミサイル関連施設を攻撃することは容認する。
②北朝鮮への地上部隊の侵攻や、北朝鮮政権の転覆は容認しない。
 

そして米国の立場です。

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「マティス氏は国防総省で開いた記者会見で、北朝鮮が米国を攻撃すれば「急速に戦争に陥る恐れがある」と述べた」(AFP8月15日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170815-00000005-jij_afp-int 

マティス国防長官はこの発言に先立ち、ティラーソン国務長官との米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)への連名寄稿で、こう述べています。

①わが国が平和的に圧力をかける目的は、朝鮮半島の非核化で、米国は体制転換や朝鮮半島統一の加速には関心がないし、米軍が非武装地帯の北側に駐屯するための口実を求めているわけでもない。

②長きにわたって苦しんでいる北朝鮮国民は敵対的な政権とは異なる存在であり、彼らに害を与えるつもりもない。

③北朝鮮の挑発的かつ危険な行動について国際社会の考えが一致しており北朝鮮は止まらなければならない。

④米国は北朝鮮と交渉する意志があり、外交を通して北朝鮮に方針を改めさせることを優先しているが、その外交は軍事的選択肢に裏打ちされている。

⑤北朝鮮は平和への新たな道を選ぶか、さらなる孤立の道を選ぶか選択を迫られている。 

つまりは米国は、北朝鮮の体制転換や南北統一の加速化は目指しておらず、北朝鮮の政権転覆には関心がないし、北朝鮮が核実験やミサイル発射などの挑発行為を直ちに停止すれば、北朝鮮と交渉する用意がある、ということです。  

トランプ政権はグチャグチャで崩壊寸前だという人がいますが、その論拠はトランプ、ティラーソンとマティスが、勝手にしゃべっているということのようです。

私は違うと思います。彼ら3名は綿密な打ち合わせの下で、どこでなにを言うのかあらかじめ決めてしゃべっています。

勝手なことをしゃべって、追放されたのがバノンです。

たとえばマティスが原潜ケンタッキーの乗員への訓示で、「至急何かをしなければならなくなれば、君たちに頼ることになる」ときついブラフをかけると、直ちにティラーソンが、「米国民は言葉の応酬を心配せずに、安眠していい」とフォローして中和しています。

方や、軍事オプションをちらつかせ、方や平和低外交努力を強調しているというわけですが、この天秤に乗ってトランプがさらにもの騒がせなだめ押しをするという仕掛けです。

これを受けて中国商務省は8月14日の声明で、国連安保理の新たな制裁決議を履行するため、北朝鮮からの鉄鉱石や海産物などの輸入を15日から停止すると発表しました。 

北朝鮮の工業基盤はなきに等しく、外国からの輸入で核ミサイルのエンジン部品を買うしかありません。 

そして買うためには、あたりまえですが、北朝鮮紙幣を持っていっても「便所紙をもってくるな」と爆笑されるだけです。 

必要なものはドルです。この貴重なドルを調達をしている主要相手国が中国です。 

いままで米国が今やろうとしてきたのは、直接的なミサイル開発に関わった企業・個人の資金の凍結でした。 

今回は核ミサイルに関与していようがいまいが、北朝鮮のドル獲得手段であった貿易そのものを対象としています。 

この米国の厳しい対応に、中国が「乗った」ことになります。 

さて、米国が朝鮮半島危機において二度と繰り返したくないと考えているのは、かつての朝鮮戦争のパターンです。
朝鮮戦争 - Wikipedia

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北朝鮮が戦車を先頭に立てた電撃作戦によって圧倒的優位に立ったのは初期だけのことで、仁川上陸作戦以降、北朝鮮軍は壊滅的な状況に陥りました。

そして国連軍が鴨緑江に達した時点で、毛沢東は義勇軍という名で、78万といわれる膨大な人民解放軍を投入します。

こうして米軍は38度線付近に押し戻されたまま膠着状態を迎えて、現在「休戦」状態となっているのは、ご承知の通りです。

米国がもっとも恐れる事態は、ソウルが火の海になることではなく、中国が北朝鮮有事に軍事介入してくることです。

そのような場合、米中は相互に到達できる核ミサイルを持っているが故に、地域紛争から核を含む米中全面戦争にエスカレートする可能性があります。

このような事態は、両国共に回避したいことは確かです。

つまり、中国は北朝鮮の政体変更をしない、地上進攻はしないという2点で妥協して、北朝鮮に対する限定的軍事オプションは容認するとしたわけです。

これを聞いた正恩の顔をみたいものです。酒量が増えたという話もありますから、健康にはご注意ください。酒は持病の通風によくないですよ。 

そして出てきたのが、この8月14日の発表です。

「朝鮮半島での軍事的衝突を防ぐためには、アメリカが先に正しい選択をして行動で示すべきだ。悲惨な運命のつらい時間を過ごしているアメリカの行動をもう少し見守る」

いつものように無意味にエラソーにしている態度は無視して、要は「休戦だ」と言っているようです。

これが一定期間の凍結にすぎず、本格的核武装の解除へと向かう一里塚になるとは思えません。当面のグアムなどに対する攻撃を控えさせたに止まるでしょう。

しかし、この「休戦」期間をフル活用して、様々な水面下での接触が続けられるはずです。

このような時期において、わが国ができることは限られています。

北朝鮮にグアム攻撃や、核実験をさせないような日米同盟の強固さを正恩にわからせることです。

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その意味で、日米2+2(外相・防衛相会談)は有意義でした。

また佐藤副大臣の、グアムに向かう核ミサイルはわれわれが落すという台詞はグッドジョブでした。

技術的には佐藤氏もよく知っているように、小笠原にでもPAC-3を持って行かねば不可能ですが、そういうひとことが米国民にアッピールします。

今は、そういうあいまいな「休戦」時期なのです。

 

 

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翁長知事の誤算みっつ

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当初、本記事は山路氏の論考とカップリングにいたしましたが、長文のために別途掲載にいたしました。

                      ~~~~~

私は翁長氏が古巣の自民を割って登場した時の衝撃を、いまでも忘れることはありません。 

このときの衝撃がいかにすさまじかったのかは、自民は以後の選挙をことごとく落したことでもわかります。 

つまりは、翁長氏は、自民県連からただ「出た」のではなく、「ぶっ壊して出てきた」のです。 

この衝撃は自民県連の指導部からもたらされたもので、しかもその手下たちは県庁所在地たる自民党那覇市議団(新風会)でした。 

つまり、自民県連の中枢部が丸ごと敵陣営に寝返ったのです。 

ひとつの政治集団は外部からの衝撃だけでは、簡単に崩壊することはありません。むしろ結束して強固に固められます。 

しかしそれが”ユダ”によってもたらされたものだったが故に、かつての自民県連は内部崩壊の危機の淵に追い込まれたのです。

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左翼陣営にとって、これほど痛快な出来事はなかったでしょう。 

「翁長」という敵将を得て「島ぐるみ」を演出できたばかりではなく、炎上する敵陣営を高みから見物していればよかったのですから。 

この裏切りはおそらく、翁長という政治家にとって、一生つきまとう暗い影となるでしょう。 

そして翁長氏がこの裏切りを繕うベールに使ったのが、オキナワ・ナショナリズムでした。 

米国政府相手の独自外交、駐米沖縄県大使、国連演説、そして延々と続く移設問題やオスプレイをめぐる本土政府との戦い。 

これではまるで、沖縄県は特別自治区だと宣言しているようなものです。

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「負ける戦いをしない」政治家であるはずだった翁長氏の誤算は、みっつあります。 

ひとつは、なにより共産党を甘く見たことです。山路氏も触れておられましたが、翁長氏がよく知っている公明党とは違って共産党は1㎝も立場を変えません。 

共産党の政治目標はあくまでも「全基地撤去」であって、辺野古移設においていかなる中間的な妥協点も存在しないのです。 

特技のはずの腹芸を封じられた老練な政治家ほど、この世で惨めなものはありません。 

去年3月に本土政府からの提案の「和解」期間案に乗ったことを、翁長氏は後に深く後悔することになります。 

では、確実にニッチもサッチもいかなくなる本土政府の提案に、なぜ乗ったのでしょうか。 

それがふつためです。

昨日の論考で山路氏は今年5月に菅官房長官が振興計画の延長を唐突に言い出したことを、翁長氏のこれ以上の「抵抗」を封じる手段だと書かれていました。 

同じメカニズムは去年の「和解」期間にも働いていたのです。「和解」期間の終了は秋。秋は次年度予算折衝の開始時期なのです。 

翁長氏は次年度予算をつり上げるためには、戦闘的ポーズを崩さず話し合っている「ふり」だけは必要だったのです。

翁長氏の政治家としての致命的欠陥は、経済オンチだということです。

おそらくはあまりに長期に渡って、振興予算配分の胴元の座にあぐらをかいてきたために、経済オンチで済んだのでしょう。 

ここが経済人だった仲井真氏との大きな差です。

振興予算なしでの県経済をまったく構想できず、国家戦略特区というお題にも、「先島への外国人労働者の輸入」ていどのことしか思いつかないのが、翁長氏です。 

つまりは、国からの手厚い経済支援なしで県を動かせないわけですから、国との関係を断ち切れないのです。 

三つ目は、国がおどろくほど柔軟だったことです。去年の春に工事を再開することは可能でした。 

しかし、それをあえて捨てて休戦期間を作り、毎月官邸の最実力者である菅氏を沖縄通いさせたわけです。 

抵抗する翁長氏のメンツを立てながら、話し合いを尽くした形を整え、最後には最高裁判決というこれ以上ない決定打で一連の移設を巡る政治劇に幕引きしました。

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その後はエピローグのようなものです。まだ共産党に配慮してゴネる翁長氏を再び「黙らせた」のが、先にも述べた今年5月の振興計画の延長でした。 

いまや政府は翁長氏を潰す気などありません。どうぞそのまま「戦っているふり」をしてください。そのほうが都合がいいとすら思っているはずです。 

なぜなら、工事はすでに再開されているという実は取っており、しかも無意味な闘争をすればするほど県民は翁長氏に、「成果が出ない知事」という印象を強く持つからです。

そして県民の目には、翁長氏は保守でもなんでもなく、身も心も共産党に乗っ取られた傀儡政治家と写るでしょう。 

そして沖縄左翼陣営には、翁長氏に代わる独自候補がいません。

あえていえば山城氏でしょうが、病身なうえに社会党色が強すぎて共産党は乗れないでしょう。 

2期を巡って人選さえ誤らねば、山路氏が述べるように保守が奪還できる条件は整いつつあります。

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山路敬介氏寄稿 沖縄県の政治状況と翁長知事の実相 最終回 翁長知事の再選はあるのか?

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山路氏寄稿の最終回になります。 労作の提供に心から感謝ましす。  

私たちはえてして、保守だから翁長氏を批判する、逆にリベラルだから翁長氏を支持するという平板な見方に陥りがちです。

山路氏論考のきわだった特徴は、イデオロギーで曇らない「突き放した」立体的な視点が基調にあることです。

さて、山路氏の最終回です。 

                          ~~~~~~~~

  ■ 沖縄県の政治状況と翁長知事の実相その5
                                              山路敬介

承前

■ 翁長知事の再選はあるのか?

世論調査を行えば、今だに翁長知事の支持率は一定水準以上あると思われます。
 

少なくも現状の安倍首相よりはマシでしょう。 

ただ、それは対立候補がない状態においてです。 

翁長知事は「健康問題」を抱えているといわれますが、年齢相応の持病があるにしても現在のような有閑な職務に耐えられないほどではありません。 

しかし、私は沖縄自民党が興南学園の我喜屋優氏を担ぎ出すことが出来れば、翁長知事は「健康問題あり」として出馬しないと考えています。 

「負ける戦い」をしないのが翁長流だし、負ければ退任後の地位を左右します。 

辺野古移設について我喜屋氏は「約束は守るべき」という立場ですが、我喜屋氏相手の場合、両者が戦えば翁長氏は逆に10万票の大差で負けるでしょう。 

「辺野古移設反対」は沖縄の民意だと良く言われますが、それも大した意味ではないと言う事でもあります。 

 
私は、翁長氏は棺桶に入るまでには、自民党に戻るものと考えています。
 

そうでなければ子息の翁長雄治氏の将来がなくなるし、自民党県議や周辺議員の中にはそうした橋渡しをする用意のある方も複数います。

他にも、例えば安里繁信氏が対抗馬であってすらも、翁長氏は勝てないと思われます。 

しかし、残念ながら西銘恒三郎氏や安倍総理に近い島尻安伊子氏では無理です。 

一方、オール沖縄側には翁長知事以外、誰も「勝てる候補」はいません。

県・自民党本部はそこを良く考えて、傲慢な自家意識に囚われることなく候補者を擁立してもらいたいと思います。
                          

しかし、それより何より「県民意識の変化」は、単純に「結果を出せない知事」である事を良く見抜いた結果であって、その評価である点が一番大きな要因でしょう。
 

およそどこの首長に対してもそうですが、市民・県民の支持というものは、就任後においては、それまでの知事の主張の内容は実はどうでも良く、「どのように実行したか?」、「どれだけ実行できたか?」という点のみが評価基準です。 

その意味で、「埋め立て承認取り消し訴訟」による県側の全面敗北は取り返しのつかない失点でした。 

多くの県民にも何となく結果は予想出来ていたとはいえ、裁判の過程で先に譲歩してでも、滑走路の位置を変えるなり期限を設けるなりして、「一矢を報う」くらいの事は出来たのではなかったか?  

「絶対に勝てる」と約束した知事の言葉は食言に同じで、その事に対する評価は静かに深く県民に「翁長ばなれ」、「新風会ばなれ」となって蓄積されて来ています。

ほとんどの県民は「普天間の移設」や、全体的に米軍基地を減らす事に希望を持っています。
 

それでも元々は、「辺野古移設」そのものには強い関心を持ってはいず、これは「どうせ出来るのだから」という既定路線のあきらめムード的感覚からというよりも、「田舎に移るんね~」と言った程度の認識で、何やら「よそ事」であるような現実感にとぼしい感覚に近かったと思われます。 

ですので、当初からSACO合意の内容や本質を理解する人はごくわずかだったし、「辺野古移設」が全体的な基地負担軽減に繋がる「正式な条件」だ、という事も全く理解されていませんでした。 

そこを大々的に「辺野古移設問題」として、経緯を無視し虚実ないまぜにしてクローズアップさせたのは運動の成果というよりなく、弱い発信力しか持たない政府や、「二紙」に発言権を奪われた仲井眞県政の根本的欠陥を突くかたちで、沖縄マスコミの特殊性と左派運動の接着が最大限に機能した成果でした。

                                               (了)

 

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日曜写真館 ホーチミン市の市場にて

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私は市場が好きて、どこの街に言ってもまずいくのは名所旧跡ではなく、市場。

そこに住む人たちの飾らない顔が見られます。なんせ胃袋につながっている場所ですからね。

サイゴン(ホーチミン)では丸々半日かけて市場を徘徊し、昼飯を市場でたべたら、午後はチョロン地区をぶらぶら。夕飯はチョロンの食堂と、市場漬けの至福の一日でした。

那覇の農連市場や牧志公設市場とそっくりな雰囲気で、違和感がまったくなし。

コンデジのスナップ写真ですので、解像度はご容赦ください。

さて、昨日の大阪大阪桐蔭と仙台育英との一戦、ご覧になりましたか。

いや、よもやよもやでしたね。9回裏2死から内野ゴロの送球がセーフだったとは!柿木君は両手を上げて、ヤッタと叫んでいましたもんね。無慈悲。

しかし、そのあと仙台の馬目君が、あの強烈なプレッシャーの中で打つとは!

すごいもの見ちゃった、というかんじでした。両チームに惜しみない拍手を。

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山路敬介氏寄稿 沖縄県の政治状況と翁長知事の実相その4 国と「呼吸」を合わせているかの翁長知事

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山路氏の論考の4回目です。 

                     ~~~~~~ 

          ■沖縄県の政治状況と翁長知事の実相 その4  
                                           
山路敬介                                                                     

 承前 

二紙の論調と乖離しつつある「県民の意識の変化」に耳目を閉ざす翁長知事 

私は沖縄県民意識の特殊性があるのだとすれば、「閉ざされた情報・言論空間に置かれている事」が、その原因の第一にあげられると考えるものです。 

ですが、それであっても翁長知事就任以来起こった様々な出来事から、「県民意識」の変化は確実に起こっています。

それは、「コザ騒動」以来、基地反対派が長く封印してきた「暴力行為容認路線」に転換した事への嫌悪感や、本来基地問題とは何ら関係のない本土からの異様なゴロツキ紛いの「反差別暴力集団」の来襲などによる危機感もあるでしょう。
 

話がそれますが、2016年4月26日の琉球新報コラム「金口木舌」はひどかった。 

「ヘイト行動への反抗」という題で男組(しばき隊)のイベントなどを紹介し、「超圧力・武闘派 男組の再結成だ!」などと、最大限に持ち上げた有様は反吐が出そうでした。 

その後、香山リカ氏や安田浩一氏などしばき隊応援団の有名人の論説がしげく紙面に載るようになり、「マイノリティの沖縄が、マジョリティの本土に差別されている」という構図をつくり、その証明として「沖縄の基地問題」があるのだというキャンペーンを行いました。 

 
このような、これまで思ってもみなかった「差別」の存在を外部者に勝手につくられた事に県民は当惑しはしましたが、明治時代じゃあるまいし、本土の人たちに沖縄への差別意識など毛頭ないのは明らかで、それゆえ当の沖縄県民自身も「被差別者」になる気など全くありません。
 

「沖縄人は劣った民族なのだから、米軍基地を押し付けてもよい」と考える国民など見た事もありません。 

だいいち都道府県人気ランキングで4位なのだし、移住希望者が引きも切らないのですから、わずかその点からだけでも全くお話になりません。 

年寄り左翼の皆さんはいざ知らず、沖縄の若者でこのような薄っぺらい「差別論」に乗っかり、その果の「暴力容認論」に傾く恥知らずは全く存在しません。 

 
それでも二紙は今だに、深刻な暴力事案による逮捕者を正当化する試みを続けていますが、ネットをほんの少しくぐれば「真実を目の当たりに出来る時代になった」のです。
 

沖縄でも他県同様に、特に若い連中ほど報道に惑わされることなく自分から積極的に事実を拾いに行く傾向が「二紙との乖離」を生んでいると言って差し支えないでしょう。

ところで、知事の「アイデンティティー」の押し売りにも辟易しました。
 

生まれた島を個々人が恋うるのは当然にしても、知事がそれを言う事の「政治的臭み」には耐え難いものがあります。 

また「魂の飢餓感」などと馬鹿げて浮いた物言いは、その知的レベルの低さも露呈しましたが、これには若者に限らず失笑・「赤面もの」でした。 

 
同じように政治家の中身のないワードだとしても、小池知事の「ダイバーシティー」だの「サステイナブル」だの聞くにつけ、せめて格好だけでもいいから考えて言葉を使って欲しいと願わずにおれません。
 

そのような中、かつて「最低でも県外」と主張したバカな総理の自身の妄言に固執する行動がなお混迷を深め、その流れに乗り翁長雄志という「普天間の即時返還と辺野古移設阻止が同時に出来る」 と公約する知事候補が保守系から現れたのですから、米軍基地の減少に加速度が着くと期待して票を入れる県民が多かったのは当然です。 

結果、粛々と法に則って許可をした仲井眞氏が落選し、出来ない事を「出来る」とウソを言って県民を騙した翁長知事が誕生したのです。 

  
誰が知事であれ、法に基づいて行政を行っておれば、「埋め立て承認許可」は必ず行われなければならず、その当然の事をなしたに過ぎない仲井眞氏の「埋め立て承認許可」には一切の違法性がない事が最高裁によって明らかになりました。

いくら二紙が県民に向かって本質を隠し闇に向かって吠え立てても、以上のような諸々の事実がようやくにして徐々に県民の間に広がり、その結果の「オール沖縄」首長戦3連敗なのだという事実を、翁長知事はもっと厳粛に受け止めるべきです。


国と「呼吸」を合わせているように見える翁長知事

「取り消し訴訟」の完全敗北と高裁和解条項によって「辺野古移設問題」は、国と県の間の行政機関間においては決着をみました。
 

ところが問題は「辺野古移設を絶対阻止する」とした翁長知事と、それを信じた県民の間の決着がまだついていないのです。 

 
そこをファクトによって、県民の前に明らかにするのが新聞本来の役割ですが、沖縄ではそういう報道は期待出来ません。
 

中華人民共和国の新聞は中国共産党の機関紙ですが、沖縄の新聞は運動体の機関紙なので、国民の知る権利・言論の自由を実現する新聞本来の目的を果たすものではないからです。 

考えようによっては、人民日報や環球時報よりもまだ悪い。 

 
信念はないが、もともと世故に長けた翁長知事は「県民には真実を隠しておく」方が得なので、いちおうそこに乗って時間稼ぎを試みます。
 

しかし、そこはそれ。少なくも国・県の間において「取消訴訟の完全敗北」=「辺野古問題の終結」は揺るぎない真実ですから、行政の長としてそのように振舞わねばなりません。 

敗訴直後から「完全敗北の事実」をまるで認めず、他にも手段が存在するように見える幾多の言動を繰り返してきた翁長知事ですが、それは単に言動であって、以後の「行政行為」としては今回の訴訟提議までありませんでした。 

絶えず威勢のよいラッパを吹き鳴らす事は、県民や運動体向け。そのスピーカーとして新聞の存在があるようです。

しかし実は注意深く和解条項を守り、判決の趣旨に逸脱しないように慎重に国との呼吸を合わせているのが真実と思われます。

以降、主観的部分もあろうかと思いますが、私がそう考える理由を縷々述べて見たいと思います。 

また、いろいろ見方はありましょうが、私は今回の訴訟はギリギリ高裁和解内容に抵触しないものと考えています。 

むしろ、和解内容は翁長氏において十分正しく意識され、今回の岩礁破砕訴訟は全面敗訴を承知のうえであり、そこまでして「「撤回」を回避する道を選んだ」という事だと考えます。

① 敗訴直後から翁長知事は「岩礁破砕更新許可」や「河川の付け替え許可」、文化財法護法(これは名護市ですが)などの、あらゆる手段を用いて「辺野古移設を阻止する」とブチあげました。
 

しかし、本気で「辺野古移設を阻止」したい人間が、そうやすやすと自分の手の内を晒すものでしょうか? 

実際、今回も岩礁破砕許可権限を利用して来るだろうと警戒をされて先手を打たれたのは、事前に県からそういうサインが出ていたからにほかなりません。

② そもそも「更新許可申請」を行わない事が国の「違法行為」だというのならば、なぜ、その事を理由にして「承認の撤回」を行わなかったのか?
 

水中ドローンを想定してまでの軽微な工事の瑕疵の発見さえ、その理由とするべく身構えていた点を考えると非常な矛盾です。 

 
③ 政府が決定した例年どおりの補助金3000億円超えの決定は、これまでのような度重なる折衝が見えず実に唐突感のあるものでした。
 

補助金要請を強く言えない翁長知事の政治的立場を慮った「政府の配慮」がそこにあった事は明らかで、持ちつ持たれつの両者の気脈を感じないワケには行きません。

④5月に菅官房長官が、これも唐突に「「沖縄振興計画」の延長をやる方向だ」と発表しています。
 

その方向性に向かうまでの議論が明らかでなく、国と県との折衝が行われたのは当然としても、それがどのように行われたのか全然明らかではありません。

この事について篠原章氏は、3月に「「撤回」は必ずする」と宣言した翁長氏が今だにしないのは、まさに菅氏が発表した「沖縄振興計画」のゆえだ、と推察しています。
 

爾来、振興計画の延長こそ翁長氏の悲願だったのであり、「翁長氏はそのために日の丸保守という立場を捨て、「辺野古反対」まで訴えて政府に圧力をかけた」という見立てです。 

延長を示唆した菅氏発言を受けて、これまでの強力な反政府姿勢を取れなくなったもので、「埋め立て承認を撤回」しない理由もここにあるという見解です。 

 
詳しくは新刊書の到着を待ちたいと思いますが、なるほどそう考えれば数々の疑問は氷解します。
 

また、今回の訴訟の存在ともバッティングしないどころか、細部で非常に整合性があります。

本題から外れますが、しかし私は「沖縄振興計画」の延長には大反対です。
 

この種の補助金計画が沖縄の社会構造にどういう影響を与えてきたか?、保守も左翼も一緒になってそこから利益を吸い上げつつ、今だに最低賃金で働く人々がとにかく多いのはなぜか? 

行政の金に頼る意識を持ってしまえば補助金ひも付きの分野のみ伸長し、本来あるべき産業構造をいびつにします。 

雨後のタケノコのように補助金を配分したり消化したりするための外郭団体が設立されて来たし、それらは結局「行政の肥大化」となって民間活力を奪います。

そこを沖縄自民党は言わないし、むしろ補助金を引っ張って来られるウデを集票の源泉にしているところがあります。

                                  (次回最終回)

 

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依田氏事件は往来の自由侵害の問題だ

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今回の依田事件については、反依田側の意見はことごとく暴行があったかなかったかという一点に絞られていました。溜め息がでます。 

私の記事をまったく読んでいないのは明白で、一行も読まないで投稿するなよ、と思いますが、しかたがない人たち。  

私はこの記事を、なにがあの事件を起こす原因となったのか、その本質を見るために書いてきました。  

依田事件は、依田氏が好き好んで起こしたものではありません。

では、反依田派の皆さんに素朴な質問ですが、なぜあんなヤンバルの原生林地帯の辺鄙な場所に「被害者」女性を含めて数名の人たちがいたのでしょうか?

山菜摘みでもしていましたか。はたまた、バードウォッチングでも?

いいえ、わかっていますよね。あなた方がいちばんひた隠しにしている「秘密」です。

「秘密」にカッコをつけたのは、ほとんどの人が知っているのに、あなた方はまるでそれを”ないものの”ようにして論じているからです。

はいそうです。この「被害者」女性たちは、公道を私的検問していたのです。Cstquksumaaoe8j

の写真がその「検問」風景で、反対派のツイッターで堂々と掲示されていました。

建前としては工事の作業関係者をつまみ出すということらしいですが、なんと警察車両まで「検問」しているようです(!)

こんなことをやられて平気な県警も県警ですが、赤信号、皆で渡れば怖くないのデンでしょうか、集団だと大胆な違法行為をしています。

このような反対派の警戒線に依田氏は引っかかったのです。

あの道を依田氏が通ることは、往来通行権という国民の基本的権利に属することです。 

これは私が恣意的に言っているのではなく、ウィキにはこう述べられています。
往来を妨害する罪 - Wikipedia

「往来を妨害する罪とは、公共の交通に対する妨害行為によって成立する犯罪。刑法124条から129条(第二編 罪 第十一章 「往来を妨害する罪」)に規定されている」 

したがって、公道において恣意的に往来を恒常的に妨害し続け、なおかつ「お前は帰れ」と命じた側に非があるのは明白です。 

なぜならなんの権限も持たない私人が、公道において一般人の往来を制限し、かつ統制しようとしたからです。

これは刑法が定める、「往来を妨害する罪」に該当します。

このような不法行為とそれに抗議した側の紛争が、あの事件です。 

このことに一切触れないで、依田氏が地元で支持されているいない、トラブルメーカーだったからどうの、果ては統一協会がどうしたといった人格攻撃は、だからどうしたのだの類の無意味、かつ不毛な議論です。 

属人的なことは、各人の主観の領域ですから捨象すべきです。 

反依田氏側は、公道における私的検問、あるいは高江集落の道路封鎖が、いかなる法的論理において正当な行為になりえるのかを明確にしてからにしてください。 

Photo_2シュワブゲート付近の私的検問 車内に手を入れているのは山城議長。彼らは顔写真をご覧のよに、了解もなく撮影するのが常である。

暴力の度合いについても、裁判所が審判するべきことであって、審判が開かれていない現状で、場外からとやかく議論しても仕方がないことです。

原告側の証言・写真と依田氏の証言が乖離している以上、今の時点で部外者同士が議論しても水掛け論です。 

ですから、私が依田氏を応援しているのは、個人の自由を抑圧する集団的暴力と、警察の無作為に対して、個の資格で戦っているからです。

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山路敬介氏寄稿 沖縄県の政治状況と翁長知事の実相その3 「新風会」の凋落と、伸長する共産党の思惑

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中国が東シナ海に600隻もの大漁船団を出したようです。 

それを伝えるFNN(8月16日)です。
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20170816-00000457-fnn-int 

「沖縄県の尖閣諸島周辺へ向けて出港する、中国の大漁船団。武装した漁師が乗っている可能性もあり、尖閣の海が、再び緊迫している。
日本時間の16日午後1時、中国政府は東シナ海での漁を解禁。
この港を拠点としている、およそ600隻の漁船のうち、およそ半分が、沖縄県の尖閣諸島周辺に向かうという。
尖閣諸島周辺は、日本の領海の外なら、中国漁船による操業が認められている。
ところが、2016年は、200隻から300隻の中国漁船が押し寄せ、漁船とともに中国海警局の船も領海侵犯を繰り返す事態となり、当時の岸田外相が駐日中国大使を呼び、抗議した。
あれから、およそ1年。
2017年も、尖閣諸島周辺に向け出港した、中国漁船。
この映像を見た、東海大学の山田吉彦教授は「この船団はしっかりコントロールされた、統率した動きをとるものである。後ろに見える指示船と思われる船には、日本製のかなり高精度のレーダーが積まれていることがわかる。大きな規模の船団なので、滞在期間が長く取れる。中国の海域なんだということを定着させる思惑がある」と話した。
漁民によれば、距離や船の大きさに応じて、中国政府から補助金が出ていて、福建省から遠い尖閣諸島にも行きやすいという。
また、漁船には、「海上民兵」と呼ばれる武装した漁師が乗っていることがあるという。
漁民は「民兵か? いるよ。釣魚島(尖閣諸島)に行けば、あちこちにいるよ」と話した」
 

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中国の「侵攻」の手法は、このような手順を踏むことは、いまや軍事要塞化されてしまった南シナ海でわかっています。

①少数の漁船による領海侵犯
②侵犯漁船数の増加とその恒常化
③中国公船の領海侵犯
④公船と指揮船に統率された大漁船団の領海付近の侵犯
⑤④の領海内侵入
⑥海上民兵の「遭難」名目の尖閣上陸
⑦中国と公船の「救助」
⑧日本海保との衝突
⑨中国軍艦の出動

現在は④と⑤の間のレベルにあります。

書きませんでしたが、⑩になれば、もはや海保では対応不能で、海自が海上警備行動をとらねばなりません。

このような漁船団と中国公船による実効支配を固めつつ、中国はこれまでも並行して進めていた軍事侵犯を行うことでしょう。

今さらいうまでもありませんが、尖閣諸島は「沖縄県石垣市登野城2390-94」という地番を持つ沖縄県です。 

言い換えれば、この中国漁船団の「侵攻」は、沖縄県が管理する水域への「侵攻」でもあるといえます。

しかし、そのようなことはどこ吹く風とばかりなのが翁長知事なようです。 

                        ~~~~~~ 

            ■沖縄県の政治状況と翁長知事の実相 その3
                                           山路敬介
 

承前

 翁長氏の支持母体「新風会」の凋落と、伸長する共産党の思惑

三回連続で敗退した首長選挙は「オール沖縄」の衰退を示し報道と異なるその実態を顕著にあらわしたましたが、去年の県議選と先月の那覇市議選の方は「オール沖縄」内の知事支持母体である「新風会」の壊滅的状況を明らかにしました。
 

つまり、全体的に「オール沖縄」は退潮し、オール沖縄内の共産党が伸びて新風会が著しく後退したという図式です。 

新風会退潮の原因は明らかで、若手を中心とした多数派中堅以下の経済人の支持を失ったからです。

新風会は表向き、報道等により「辺野古に基地をつくらせない」としていたとされる仲井眞前知事の翻意・変節への反発から、県内保守勢力(主に自民党離反組)が分離・結集して成立したものと喧伝されて来ました。 

ですがその実態は、かねてから水面下で小異な対立点をまさぐりつつ「仲井眞VS翁長」の絵図を欲した翁長知事実現に向けた実行部隊でした。 

このようなハンパな保守勢力が共産党と組む場合、結果がどうなるか本ブログでは民進党への懸念を例に論じられて来たところですが、新風会はその典型的な失敗例となりました。 

先月の那覇市議選におけるある新風会候補など悲惨なもので、後援会は「共産党と共闘するならば応援出来ない」とし、後援会は解散。とうとう出馬そのものが出来なくなり引退しました。 

今や、会派としての那覇市議会新風会は消滅し、社・社・民に合流という憂き目となったのです。 

まさに「内側から食い破る」、共産党の面目躍如と言ったところです。 

共産党は公明党とは違うのです。そこに「話し合い」や「妥協」といった、緩いメンタリィーは存在しません。 

選挙協力欲しさに、政策的妥協が成立する事のない共産党と共闘を欲したすえの結果は明らかで、積極的な自由主義的経済政策は打てませんし、国からの正当な補助金を要請をする事もままなりません。 

翁長氏は経済政策について当初、「仲井眞知事方針の踏襲」というカタチで共産党にも一応これをのませましたが、続いて新規の色を出す事は困難な状況に追い込まれています。

さらに安慶田前副知事の失脚があり、憶測もありましたが断片的にも明らかになった事実からその経緯が語られる中で、深刻なオール沖縄内の確執の存在も浮かび上がりました。
 

県の経済政策が先行き左傾化・硬直化する見通しを懸念し、知事に失望もし、革新化する新風会にも見切りをつけた中堅経済人の不満があり、県を通さない「国との直接的なパイプ」を希求・要望して設立されたのが、安慶田シンクタンク「沖縄経済懇談会」設立の本当の趣旨です。 

 
これは翁長氏が主唱して設立されたものではなく、しかし経済人の新風会からの離反や、「自民党への鞍替え」を最小限に食い止める意味で事後的に了承したもののようですが、これでも新風会の没落は食い止められませんでした。
 

鶴保前大臣の後援会設立なども同様、この流れにあります。 

 
新風会から距離をおく支持者は経済人以外にもなお多く、現在新たに「おきなわ新風会」なる政策集団を設立などとの報道を目にしますが、長期に新風会が存続し続ける事は難しいと言わざるを得ません。

もっとも、元々「辺野古移設」以外は自民党と差異はなく、辺野古問題が収束すればその存在意味もありませんので当然です。
 

そこをわかって自民党との「色合い」をかえ、ゆえに「辺野古反対」に固執もするし、手元の一票をかき集めんとし、生き残るために新風会そのものが非自民的左傾化をしていく「悪循環のループ」は目も当てられません。

翁長知事は翁長知事で、新風会の退潮と比例して、その分を共産党をはじめとする革新系に支持基盤の埋め合わせを頼る以外にない状態に陥っており、それゆえ革新の主張を最大限とり入れた政策に傾くしかなくなっています。

革新系のうち特に共産党の目指すところは明確に「即時全基地撤去」であり、「日米同盟の撤廃」です。
 

共産党にとって、それらの主張を具現化させる為の第一歩としてのみ「辺野古新基地阻止」があるのであり、県が「辺野古反対」の主張を同じくするのであれば、当然に「本土からの金の流れ」を県みずからが遮断して主張に臨むべきである、というのが県民に隠されたその主張です。

これは、「やがて新風会勢力の伸長とともに、共闘しても共産党等を押さえ込めるだろう」とか、「共産党ともイーブンの話し合いや妥協が可能だろう」と考えた翁長知事の誤算です。
 

「腹八分、腹六分」のごとき甘っちょろい呼びかけは共産党には通用しません。 

 
国を相手にした執拗なファイティングポーズは革新系支持者へ向けたご「機嫌取り」の演技ですが、強い指導力を演出する事で支持者や事情を知らない県民へアピールという意味合いもあります。
 

 
しかし、後者においては、もはや「国」との対決気分に嫌気がさした正常な一般県民に対してはモロに逆に作用してしまい、同時に「共産党」という沖縄政治の最もタチ悪い部分のみ引き出してしまう事になりました。
 

それに引きずられる形での、「現在の沖縄政治の混迷」がある、と見るべきです。

                                            (続く)

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依田氏への誹謗に答える

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当初、山路氏論考の前に書いたのですが、長いので別記事としました。山路氏の論考は別記事でアップしておりますので、よろしくお願いします。

さて、コメントに依田氏事件を掲載したところ、HN改憲派氏、HN石川氏から依田氏批判を貰っているので答えておきます。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/08/post-9907.html 

私がこの事件を、東村の現地住民と、外部から道路占拠・私的検問をするために入ってきた反基地運動家たちとの間で発生した紛争と見ていることは記事に書きました。 

この事件は、むしろ高江集落の人たちとの間にいつ起きても仕方がなかったことであって、高江住民、特に生活のみならず生産まで妨害された農家には怒りが渦巻いていました。 

それを伝える沖タイ(2016年8月8日)記事です。

「高江区の農家の男性(75)はカボチャの植え付けに向かう途中で渋滞に巻き込まれ、本来10分で到着するはずの畑に1時間以上を要した。
「作付け期間は限られている。このままでは1年間の収入に響く」と嘆く。「決してヘリパッドに賛成ではない。ただ、彼らのやっていることはわれわれの生活の破壊。もう爆発寸前だ」と憤慨する。当初の機動隊への怒りの矛先は市民側に変わりつつある」

下の写真は高江住民が占拠集団に、「せめてわれわれだけでも通してくれないと生活が立ち行かない」と懇願するために作ったプレートです。

しかし、占拠集団からはまったく無視されました。地元民はここまで圧迫されていたのです。Photo沖縄タイムス2016年8月8日より引用

このような状況の中で起きた事件だということをコメント氏は無視して、依田氏のキャラクターにのみ焦点を当ててしまっています。 

コメント氏は依田氏がトラブルメーカーだったので、自分のいままでのトラブルを目立たせなくするためだったというようなうがった見方すらしています。

そしてあたかも依田氏が紛争を起こすべく、あの県道をわざわざ通過しようとしたかのような言い方をしています。 倒錯した言い方です。 

県道は万人が通行できる公道であって、そこで私的検問をするという行為を批判せずに、ただ公道を通過しただけの依田氏側を、「どうしてこんな場所を走っていた」と言わんばかりの言い方ではありませんか。 

公道を占拠して違法な私的検問をしていた側と、それに抗議した側を対等に置くことすらおかしいのに、さらに念がいったことには、まるで通ったほうが「悪い」はないでしょう。 

仮に、依田氏が反対派の阻止線に自動車で突入したというならともかく、ただ通行していただけの話で、反対派仕掛けたから惹起した事件なのです。

原因を間違わないでください。Photo_2

防衛局資料より

あの県道は東村住民の北部に通じる重要な生活道路です。

ここに抜けているコメント氏の視点は、道路占拠・私的検問といった明らかな違法行為に対する判断です。 

コメント氏の言い方を敷衍すると、北部へ通じる県道沿いの地域は、反対派の実効支配地であるから通るなと、通ったほうが悪いと言うことになります。道理が逆です。

こういうことを、「石が流れて、木の葉が沈む」といいます。

そもそも依田氏が、自分の宿にきた子供連れの外国人を、わざわざトラブルを起こす目的であの地点に連れていくなどということは、宿の経営者としてありえません。 

もしなんらかのトラブルがあった場合、特に外国人の場合、裁判沙汰になり、多額の賠償請求をされる可能性があるからです。 

コメント氏の言い方では、まるで裁判沙汰を起こす目的で、依田氏が自爆テロをしたかのように聞こえます。

あの事件以降、依田氏は「暴力男」はまだいい方で、サイコパスとまで言わました。その「暴行」とやらは全治3日です(苦笑)。

いいですか、全治3日の診断書など猫に引っかかれても出してくれます。

私としては、コメント氏がどうしてここまで依田氏を悪しざまに言いたいのか理解に苦しみますが、もう少し素直に全体状況を見たらいかがでしょうか。 

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また「警察を呼べ」とおっしゃいますが、あの時点で沖縄県警は高江の違法状況を完全に放置していたことを忘れましたか。 

県警が高江集落の道路封鎖や、周辺県道での私的検問を知らなかったとでも。 

県警の最高責任者が自治体首長、すなわち他ならぬ翁長知事だったからかと、かんぐりたくなるような腰の引け方でした。

手ぬるいを通り越して、反基地派におもねっていると評してもいいような態度を示してしたのが、当時の県警でした。

あれだけ長期に及んだ道路封鎖で、高江集落が区長を通じて何度となく陳情しても、有効な法的な排除を怠りました。 

県警はN1裏テントが国有林にたてられていても、そこで暴行が行われても、それを制止せず黙認し続けました。

このような法の及ばない地域を作ってしまった県警の責任は、強く批判されるべきです。

下の写真は去年8月5日に撮影された、防衛局職員への集団暴行事件のものです。

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関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/20165-b8be.html

実はこの時も、県警は現場のすぐそばにいましたが、暴徒と化した反対派を制止せずに放置しています。

ちなみに、このリンチの首謀者のひとりが、今回の依田氏事件の当事者です。

この県警の目にあまる事なかれ主義に業を煮やしたのか、全国から警備部隊が大量出張するはめになったのです。

その過程で起きたのが、例の「土人」発言ですが、これも大阪から派遣された若い警官が、反基地運動家の罵詈雑言に耐えかねての事件でした。

このような当時の高江の状況や、その周辺地域での私的検問といった状況をスルーして、依田氏を人格攻撃するのは倒錯しています。 

裏目読みではなく、素直に見てください。

 

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山路敬介氏寄稿 沖縄県の政治状況と翁長知事の実相その2 勝つはずがない訴訟のゆくえ

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山路氏の論考の2回目です。ありがとうございました。

このような精緻な分析ができる論者は、貴重です。

                       ~~~~~
              ■沖縄県の政治状況と翁長知事の実相 その2
                                       山路敬介(宮古)

承前 

訴訟のゆくえ 

すでに方々で言われるように、県・翁長知事側に全く勝目はありません。 

最高裁で既に「行政上の義務の履行を求める民事訴訟は不適法」との判例が存在するので、まず訴えそのものが却下される確率が高いと言えます。 

これは「訴訟さえ成立しない」事を意味し、巷間良く言われるいわゆる「門前払い」であって、早期に決着がつく可能性が高いと思われます。 

また、首尾よく訴訟が成立したとしても、第一義的に法の解釈権を有し「法を所管する」農水省の判断を覆すには、その解釈に「一見して明白な違法性」が認められなければなりません。 

この点で県側の主張は、「漁協以外にも潜在的権利者は存在する」ので、「漁業権は消滅していない」という左派お得意の「定義・権利の拡大」論法です。 

これを論理的根拠にすえた主張を展開する予定のようですが、そもそもそこに争点が到達する事もありません。 

なぜならば本件は新規許可でなく、期限切れした「更新許可」の問題だからで、すでに一旦、条件を満たして「県によって許可された案件」だからです。 

県が新規申請時に問題とならなかった他の権利者の存在を新たに主張するならば、事後に「別の基準」を当てはめる事と同義の二重基準性を孕む事になり、許可を受けた者の利益を不当に逸失せしめる不公正かつ不合理性な主張になりますので、このような主張が認められる事はありません。 

 
漁業権の区域・地域の範囲に関する主張部分も、そもそも日米地位協定で米軍の使用を認め、常時立ち入り禁止区域に設定されている海域ですので、「沖縄県が占有・管理している海域」という主張には無理があります。
 

 
また、那覇第二滑走路建設工事におけるケースで更新許可を申請している事をもって、「二重基準」であるとか「恣意的なもの」との主張を二紙でよく見かけますが、こういう本質を外れた議論を展開させる主張の仕方は、左翼弁護士の良く好むところです。
 

無意味な行政手続を廃する事は常に行われるべきですが、仮に国側が申請の必要のない事を認識していたとしても、県の求めに応じて申請・受理されているのですから、申請した国を「責むべき事由」にはなりません。 

少なくも、この種の主張は直ちに国側(水産庁)の判断が「違法である」との証明にはつながらないし、その根拠たり得ません。 

それでも一万歩譲って、この訴訟に県側が全面勝利したと仮定しましょう。 

しかしそれならそれで、国は岩礁破砕更新許可を再申請すればいいだけの話なのです。 

多少の期間の遅れが生じたとしても「埋め立て承認」が既に有効になされている以上、法的には許可せざるを得ないのであって、この訴訟自体をもって些かも「辺野古阻止」につながる実効性はないのです。 

このように二重三重に勝訴の見込みが無い事、「辺野古阻止」という観点からは効用のない事は県幹部も翁長氏も与党の議員連中も十分認識しているに違いなく、このような「濫訴」に等しい訴訟提起は、およそ「公」がする事ではありません。 

常識的判断が欠如した左翼弁護士にむしられるだけで、限りある県予算をドブに捨てる行為でもあります。 

一刻も早い普天間移設を切実に望む市民や、心ある県民にとって看過出来る事ではありません。 

 
ちなみに二紙の論調は例えば、「「本丸」撤回へ助走」(琉球新報 7/25 三面)などと白抜きの大見出しで報じますが、本文ではこの訴訟のどこに助走的要素があるのでしょうか?
 

この訴訟が一体どのように「本丸撤回」に結びつくのか、全く説明がありません。 

本当のところ、「撤回」する気のない知事の本心を見据えた二紙が、運動体の立場に立って知事をけしかけている場面なのかも知れません。 

 
見出しの勢いとは180度違い、本文では「仮に今回の訴訟で県が勝訴した場合でも、国が岩礁破砕許可を申請した場合、それは認めざるを得ない」(県幹部)とあり、提訴の理由として「目の前で工事が日々進む中、何もしないワケには行かなかった」(同)と正直に語らせています。
 

いつもの事ですが、これでは「新聞」とは言えません。 

もっとも、「”暴力的運動”容認へ助走」と言うのが、本当に付けたかった見出しなのでしょう。 

 
それと関連してこの訴訟の大きな疑問は、もし翁長知事が本気で「埋め立て承認の撤回」をこれからやるつもりならば、今回の県側の主張は「撤回訴訟」の中で補足理由として組み合わせて主張すべき事が最も効果的だということです。
 

それが目的を達成する為には最善の訴訟戦略であり常道でもあろうに、なぜしないのか、 という疑念が強くあります。 

国にも「普天間の危険性の除去」以外に辺野古移設を急ぐ理由はあるし、それゆえ「焦り」も必ずあります。 

その「焦り」が、合法ではあるものの「漁業権の消滅」という強い解釈を水産庁から引き出す要因になった側面はあるのです。 

しかし、それが「違法かどうか」を今ここで争うならば、間違いなく「違法ではない」という判断にしかなりません。 

ここで問題を分けて確定されてしまってからでは、「撤回訴訟」において主張を補強する「大事な一つの柱」を失う事になるのです。 

県側としては「民意」だけでは撤回の理由足りえないとかねて判断しているし、承認後の「撤回」が認められるほどの深刻な違反事案の発見も覚束ない中、この件は「撤回訴訟」の中でこそ裁判長の心象部分に訴える事が出来る重要なファクターです。 

少なくも地裁レベルでは多大な効果があったはずで、それをあえて無意味に「捨てた」意味はなんだろうか、と考えないわけには行きません。 

 
何やら「国と握っている」かのような見方は性急としても、これはもう「撤回」をするつもりはないのではないかと、考えざるを得ません。
 

少なくも三月に知事が断言したような「承認撤回に賭ける決意」というものは、よほど「眉唾」と考えないわけには行きません。

余談ですが、このような「バカな県」に対して国が損害を賠償させる方法は常にありますが、産経新聞が言うような「翁長知事個人への賠償請求」は、県議会の通し方を見る限り遺漏はなく、「識名トンネル事件」や「国立明和マンション事件」にみるような住民訴訟を利用した方法では難しいと考えます。
 

他の直接的方法について菅官房長官が示唆的に述べた事がありましたが、過去に例がないので分かりません。

                                              (続く)

 

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山路敬介氏寄稿 沖縄県の政治状況と翁長知事の実相その1 翁長知事の「戦っているふり」とは

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山路敬介氏から頂戴した寄稿を、4回連続で掲載いたします。 

地元紙に踊る勇ましいシュプレッヒコール、一斉に掲げられるボードなどとは裏腹に、「オール沖縄」は手詰まり感に満ちているようです。

その最大の理由は、翁長氏が「この先」を見通す展望を提示できないからです。

翁長氏は口先ではあいかわらずの強気で「撤回」を言いますが、それは実はすでに空鉄砲であることは、翁長氏自身もっともよく理解しているはずです。

何度もこのブログで書いて来たように、もう辺野古移設問題は去年暮れの最高裁判決で終わっています。

翁長氏はその無能さ故に、国との協議期間として設けられた「和解期間」をまったく無駄に費やし、シュワブ・ハンセン敷地内移設など別方法の解決もあったに関わらず、何ひとつ新たな解決法を提起しようともしませんでした。

なぜなら、いまや翁長氏の最大の支持母体となってしまった共産党が、絶対に陸上案に反対するからです。

知事にとって腹芸のひとつも見せようにも、産党が「全基地撤去」以外いかなる解決も許さないことが明らかな上に、自らの派閥の新風会が事実上崩壊してしてしまっては現実的に打つ手なしだったわけです。

ですからズルズルとあーでもないこーでもないとグズって見せて、なんとか2期までつなぎたいというのが、今の翁長氏のほんとうの姿です。

戦いたくても戦えず、かといって収拾することもできないハンパな存在。それが今の翁長知事です。

具体的に考えてみましょう。

①去年暮れに受諾した最高裁判決の実施・・・共産党の反対で不可能
②闘争の継続・・・政府が対策済で一蹴
③陸上案など別の提案・・・和解期間ならまだしも今は不可能

つまりは彼には何もできないのです。すべてがどん詰まりの袋小路。

したがって翁長氏にできることは唯一、「戦っているふり」だけなのです。

翁長氏は、国と県の間に不信の壁を築いてしまいました。政府と太いパイプを構築すべき知事としては、それだけで失格です。

つまるところ、翁長氏は共産党流の「解決されては困る。いつまでも反基地運動ができさえすればいい」という永久革命路線に呑み込まれたにすぎないのです。

共産党はそれでいいでしょうが、マトモな民政をせずに闘争しか頭にない知事など、県民にとっては無用な存在です。

今、翁長氏がなすべきは、自らが神輿に乗ってこじれさせた移設問題の責任ある収拾以外ありません。

なお、写真と本記事の冒頭タイトル小見出しは、編者が挿入したものです。

               ~~~~~~~~~~ 

Photo8月12日「県民集会」で演説する翁長氏 

           ■沖縄県の政治状況と翁長知事の実相
                                       山路敬介(宮古)
 

はじめに 

8月12日に、「辺野古移設反対」と今般県がおこした「工事差し止め訴訟を支持する」ための「県民大会」が開かれました。 

もっとも「県民大会」というネーミング自体がフェイク同然で、主催は「オール沖縄会議」、最初から自民党や公明党に出席すら求めないという、実態上「一党派による政治集会」にすぎぬ代物でした。 

そこで私がほんのちょっと心配したのは、大会で翁長知事が撤回時期を具体的に明示するのではないか、という点でした。 

それは思ったとおり以上に杞憂だったようです。 

翌13日の地元二紙の見出しは踊ります。 

いわく「国の不条理撃つ」、「民意は揺るがず」、「埋め立て承認撤回へ 知事”決意”再び」、「翁長氏決意表明 必ず承認撤回」、等々。 

全くもう、ほとほとウンザリします。 

この大会で採択された「特別決議」や「大会宣言」の全文を読んでも、埋め立て承認の「撤回」は採択されていないのです。 

たしかに知事は登壇して「撤回をやる」としましたが、相変わらず時期については「私の責任で決定する」と、力強く言葉を濁しました。

後刻行われた会見でも同様で、時期の明言はありません。 

もともと3月25日には「撤回」は明言していて、その後は撤回時期を問われるたびに「撤回は十分にありうる」だとか、「あらゆる状況を勘案して検討している」、「撤回は視野に入れて検討している」などと、揺れているように感じさせる体たらくでした。 

実のところ本大会の開催理由は、オール沖縄内で勢力を増した最左派からの「撤回をしない知事」への不満をガス抜きするためであった要因が大きく、それでも3月25日の時点から今日まで事態は一歩も前へ進んでおらないのです。 

現実にはいまだに「雰囲気による撤回は出来ない」、「明確な根拠を得ないかぎり、撤回には踏み切れない」(県幹部 3/13琉球新報3面)のです。 

つまり翁長知事という人は、根拠(証拠)なしに支持者を前に「撤回をやる」と約束してしまっている、まれに見る愚かな知事なのです。 

さて、翁長知事もここまで再三「撤回」を言うのですから、「絶対に撤回しない」と私が断言する事は出来ません。 

しかしその時期は、さらに先延ばし戦術を凝らしたうえで護岸工事も先が見えて、裁判所が状況を「そもそも撤回する合理性がない」と、安心して判断を下せるようになる時点になるのでしょう。

Photo_7沖縄タイムス8月13日1面

 ■ 県・翁長知事にとっては裁判も「茶番」 ~ 名物化した沖縄の裁判

沖縄県は7月24日、国を相手にした岩礁破砕差し止め訴訟を提起し、併せて判決が出るまでの工事を差し止める仮処分を那覇地裁に申し立てました。 

この問題の発端は表向き県・翁長知事からみれば、国側が名護漁協の漁業権の放棄をもって「漁業権の消滅」と判断し、したがって「県の岩礁破砕許可は必要としない」との判断を下した点にあります。 

県・翁長知事側の主張は、「このような一方的な国側の法解釈は重要な知事権限を侵す「辺野古ありき」の恣意的なものであり、違法である」と決めつけ、いつものように即席に作り上げたような義憤を表向きの看板にしています。 

しかしその実は逆に、県・翁長氏側が岩礁破砕許可など知事権限を最大限恣意的に用いる事で工事遅延を目論み、「政治的な得点」を上げようと画策した事こそが発端です。

しかし、国にその機先を制られて、予定どおりの手慰みが不可能になった「焦燥感」から発した、実に子供っぽい「悪あがき」にすぎません。

例によって二紙は「怒れる知事」だの、「沖縄県VS日本政府」という演出を最大限に施しつつ、翁長氏もその求めに応ずるまま、その本心や実相を隠し「二紙」との共闘関係を外れないように苦慮する滑稽なさまは、「いつもの沖縄の風景」でもあります。
 

ときおり二紙と翁長氏、どちらがどちらを利用しているのか分からなくなる事があります。 

 
雑駁に言ってこの裁判の意味は、オール沖縄そのものの退潮の現実があります。

さらにオール沖縄内の革新系に吸収される危機感さえつのる知事支持母体である「新風会」系の巻き返し、オール沖縄内のパワーバランスの再調整・再結束のための「やってる感」を演出する政治的必要性に迫られたパフォーマンスにすぎません。 

常に変わらぬ翁長氏の「政治屋」としての力学中心、「方便」とその場しのぎの都合主義的方法論がその根底にあります。 

 
二紙の報道と違い、今ここに至って「辺野古移設阻止」など全く問題にならぬ事、本ブログで再三指摘されるように「取り消し訴訟」の完敗をもって、「辺野古移設問題」は完全終了したものである事を翁長氏はよく承知しているに違いありません。
 

「撤回」という手段を繰り出しても国に勝てるとは思っていないし、そもそも「撤回」をするつもりもないのではないでしょう。 

 
翁長知事は、これ以上「二紙」と同化して県民を謀る行為をやめ、「辺野古移設阻止」はもう不可能なのだ、という真実をはっきりと県民に伝えるべきです。

 

                                             (続く)

  

 

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snsn氏寄稿 今、これからのアベノミクスに必要なこと その3 規制緩和

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snsnさんの3回目です。 

内閣府から新しい経済統計が公表されました。

「ことし4月から6月までのGDP=国内総生産は、物価の変動を除いた実質の成長率が前の3か月と比べてプラス1.0%、年率に換算してプラス4.0%となりました。GDPがプラスとなるのは6期連続で、個人消費や企業の設備投資が全体を押し上げる形となりました。
内閣府が発表したことし4月から6月までのGDPの速報値は、物価の変動を除いた実質で前の3か月と比べてプラス1.0%となりました。この伸びが1年間続いた場合の年率に換算した成長率はプラス4.0%となりました。GDPのプラスは6期、1年半にわたって続いていることになり、6期連続となるのは11年ぶりです。
主な項目では、GDPの半分以上を占める「個人消費」が、雇用や所得の改善を背景に新車や家電製品などの販売が好調だったことから、前の3か月と比べて0.9%のプラスとなりました」(NHK8月14日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170814/k10011099011000.html96958a9e9381949ee3e69a869d8de3e6e2ehttp://www.nikkei.com/article/DGXLASFL14HTO_U7A810C1000000/

これ自体は、たいへんに素晴らしいことで、日本も数キロ先にデフレの長いトンネルの出口が見えたことは、素直に嬉しく思います。 

とくに、実質国内総生産が前期比1%増、年率換算4%増になった原因として、長年懸案となっていた個人消費や設備投資などの内需に活発な動きが復活したことです。 

その一方で、政府内部ではまたぞろ、この堅調な景気に乗じてプライマリーバランス黒字論=財政健全化方向を加速しようという動きもみられます。 

とんでもないことであって、デフレ脱却の崖からようやく指がかかったにすぎない状況で、財政拡大=大型補正予算を回避すれば、元の木阿弥になるのは明らかです。

というのは、実質成長3%と名目成長4%は、GDPデフレーター(物価指数)1%増が、政府目標だったはずで、デフレーター変化率は前期比0.2%、前年比-0.4%と決して改善していません。
GDPデフレーター - Wikipedia

反アベノミクス論者が、デフレの加速によってデフレーター(物価指数)が下がり、実質賃金を押し上げただけだ、つまりはデフレ脱却したのではなく加速したのだ、という論法も部分的には正しいといえます。

長くなりそうなので、ここで止めますが、今、プラマリーパランス(※)黒字論=財政健全化論に騙されて、アベノミクスの前進を止めてはなりません。
プラマリーパランス財政収支において、 借入金を除く税収などの歳入と過去の借入に対する元利払いを除いた歳出の差のこと。

                    ~~~~~~

       ■今、これからのアベノミクスに必要なこと その3 規制緩和
      
                                        snsn 

承前 

3.規制緩和  

本稿の最後はアベノミクス3本の矢③成長戦略→規制緩和です。これについては官邸のHPに成長戦略の資料がアップされていますね。http://www.kantei.go.jp/jp/headline/seicho_senryaku2013.html 

この分野は経済思想史上の混乱があり、少し回り道ですが整理したいと思います。 

(1)規制緩和に関する経済思想的なごちゃごちゃの整理

アベノミクスにおいて
①金融緩和、②財政出動が<需要>刺激策であるのに対し、③規制緩和は<供給>側の効率化であると言う性質の違い があります。
 

従って、①金融緩和②財政出動とは独立事象として実行することができます。

一部にはリフレ派は規制緩和を否定しているような見られ方もしますが、そんなことはありません。 

マクロ経済学の野口旭教授は、「エコノミストの歪んだ水晶玉」(2006年)で、規制緩和を含む構造改革について必要なことであり賛同するとし、しかしそれでデフレを脱却できるわけではなく規制緩和は中長期的な成長ドライバーであると述べています。 

かつてリフレ派が、小泉ー竹中構造改革を批判したのは、それだけで景気を回復させようとしたからであって”必要”な構造改革はやれば良いのです。 

この規制緩和については市場の効率性を重視し、小さな政府を志向する、いわゆる”新自由主義”的な経済思想が背景にありますが、この”新自由主義”という言葉は相当不毛なレッテル貼り攻撃を受けてきたと言えます。  

新自由主義の理論的な支柱であるミルトン・フリードマンについては、小さな政府、市場原理主義、人種差別主義者、保守派のナショナリストという イメージがこびりついており正しく理解されていません。
ミルトン・フリードマン - Wikipedia
シカゴ学派 (経済学) - Wikipedia

136140331539713228622_miltonfriedmaミルトン・フリードマン

田中秀臣氏、若田部昌澄氏の考証によって明らかになって いますが、日本では宇沢弘文氏や内橋克人氏がフリードマンの悪評を流し人種差別主義者と断定したり、アメリカでも ナオミ・クラインが独裁者ピノチェトの顧問をしたと悪評を書いていますが、いずれもデマや誇張、曲解に基づくものです。 

私の考えでは、左派知識人はケインズ型の大きな政府を志向する傾向にあるため、小さな政府を志向する市場原理は右派だという短絡的な認定に基づいているのでしょう。 

経済学説の対立はあってしかるべきですが、デマはいけません。  

経済理論的にみてフリードマンは”なんでも市場原理主義”ではなく、大恐慌の分析においては金融緩和と財政出動を主張しています(「米国金融史」)し、上で説明したような社会保障と税の統合を構想しましたのでケインズ的な側面を持っていた人物でもあります。 

このような金融緩和を主張するフリードマンはマネタリストと呼ばれ、これまた変なレッテルが長きに渡り貼られることになりました。

単純な語感からは お金の亡者的なイメージもありましたが、マネタリストが主張しているのはアベノミクスの金融緩和と同じことですからなんら特異な思想ではないのですが・・・。 

お恥ずかしながら、私自身若い頃は宇沢弘文ファンだったこともあり、フリードマンを批判する文章も読み、フリードマン=悪の権化というイメージ を持っていました。 

しかしその後自分でいろいろ調べて実態がわかってきました。自戒を込めて言いますが、レッテル貼りには注意深くありたいものです。 

(2)藤井聡・三橋貴明グループについて 

自民党の若手議員の研究会で講師を務めるなど藤井聡グループ(青木泰樹、三橋貴明等)の存在感が増していますね。  

特に三橋氏はネットなどで活発に情報発信していますね。 

私は三橋氏の主張で、公共投資をもっとやれ、国の借金は問題ない、財政ファイナンスをやれなどについては全く同意見です。 

というよりこれらはリフレ派が15年前から主張していたことであり、リフレ派にとっては馴染み深い政策パッケージになります。

しかしながら三橋氏の政策の底流に流れる思想面には非常に危ういものがあり、我々読者はそこに自覚的に彼の説を読むべきだと考えています。 

このブログでも三橋氏の名前をよく聞くようになったので、一度私見ではありますが整理させてください。まず三橋氏は3本の矢のうち、公共投資にもっとも力点をおいています。 

一方で金融政策については、やってもいいけど効果は薄いとし、規制緩和については完全否定です。 

また注目すべきは、彼の言う公共投資は60ー70年代によく見られた旧自民党的公共投資型ケインズ主義であり、かなり古いタイプの経済思想が今蘇って きていることに驚きを禁じ得ません。 

ここからわかることは、三橋氏は徹底的に統制経済型なのです。市場の機能をできるだけ排除したがるのです。 

それがよくわかるのが金融緩和政策の評価です。  

金利をコントロールするために日銀は国債を市場を通じて買っていますが、三橋氏はこれに反対であり日銀はダイレクトに国債を買えと言っています。 

つまり、財政ファイナンスです。この財政ファイナンス自体は私も賛成なのですが、三橋氏の世界観が市場を通すことを徹底的に嫌うことがわかる事例でしょう。 

この三橋氏の考え方を延長するとモロに社会主義になります。 

政治信条としては、天皇を「国体」と認識しており、また強硬な反グローバリズム、対米独立論を主張します。 

穏健派の中道右派とは言い難い極右思想の持ち主です。フリードマンを徹底的に嫌うのも、その考え方と整合します。 

ただここは、三橋氏も意図的な(?)誤解があり、上で述べた通りフリードマンとケインズにはそれほど違いは ありません。(市場の歪みを”短い短期”で見るか、”長い短期”で見るかの違いがありますがそれはまたいつかお話ししましょう) 

極右思想と社会主義というセットは、意外感がありますでしょうか?

いえ、実は戦前で岸信介とヒトラーが推進した政治経済モデルであり、珍しいことではないのです。  

現在三橋氏に勢いがあるのは、批判勢力だからだと思います。 

批判する人間は常に強い立場にいられる。しかし将来三橋的な世界観の政権ができた場合は、まず日本が社会主義になることを受け入れる覚悟がいります。 

このような国家像は、私個人としては受け入れがたい。 

従って現時点での三橋評価は、批判者としての論点は正しいが三橋政権になることは到底受け入れられないということになります。 

(2)今後の規制緩和分野  

今後巨大な産業になると想定されるのが人工知能(AI)です。 

特に汎用型AIの分野は、第四次産業革命と言われており、ビッグバンになる可能性があります。 

これについては゛人工知能研究者から経済学者に転じた井上智洋氏の著作が参考になります。 

2030年ごろにはシンギュラリティと言われる技術的特異点に到達し、汎用型人工知能が商用稼働すると言われています。 

これに向けて科学技術の投資を増加させる必要があるのですが、同時にいくつかの規制緩和あるいは規制の強化が必要となるのです。 

まず、汎用型AIが自動車や列車、航空機の運転をできるようにする必要がある。

また介護や医療、手術などの分野も同様な検討が必要です。 

それ以外にも要するに、人間の免許が必要な分野についても、汎用型AIで代替できるような規制緩和が必要になります。 

一方で汎用型AIのリスクを鑑みた規制の強化、ルールづくりも必要でしょう。 

汎用型AIが人間に対抗してきた場合の対応や個人情報の保護、汎用型AI間での対立などのリスク回避です。 

遠い未来のことではありません。私も個人的にあるセミナーに出ましたが、法律家やエンジニアが真剣に議論しており、その時代の到来を リアルに予感させました。 

重要な問題としては、相当数の失業者が出るということです。

「少子化が進むので深刻な労働力不足がー」といっている人がいますが、おそらく将来の事態は全く逆で、日本には労働力はなくともモノやサービスを自動的に生産し続けるような環境になるということです。 

この極端な供給過剰の時代には、低金利、円安など大規模金融緩和が必要となるでしょうし、政府紙幣によるベーシックインカムも必要でしょう。 
ベーシックインカム - Wikipedia

こう書くとSF的になりますが、その時代には汎用型AIがほとんどの生産をするので国民はアーティストのような人間ならではの仕事についたり消費をすればいいような時代になるかもしれません。 

私が最後に汎用型AIを持ってきたのには意図があります。  

汎用型AIについて読んでいただければお分かりの通り、ここでは金融緩和(円安、低金利)、財政政策(ベーシックインカム、科学技術投資)、 規制緩和(ルール緩和と強化)という3本の矢がバランスよく必要なのです。 

言い換えると汎用型AIのような巨大産業の推進において3本の矢は互いに矛盾せず、排除し合う関係でもない、むしろ協力し合う関係性なのです。 

3本の矢をめぐる無用な対立は終わりにして、新しい時代に向けた制度設計を考えたいものです。  

以上最後は夢みたいな話になりましたが、このような前向きな話題で終わりたいと思います。長文読んでいただきありがとうございました。

 

                                                 (了)

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snsn氏寄稿 今、これからのアベノミクスに必要なこと その2 公共投資を実施せよ

Img_0135
snsnさん寄稿の2回目です。活発な議論がなされて、うれしいかぎりです。 

今回は、アベノミクス「失われた2本目の矢」である財政拡大についてです。

図版は編者です。

●図1 財政緊縮・拡張度と内需の伸び率推移

               

Photo_3

田村秀男氏によるhttp://www.iza.ne.jp/kiji/economy/news/170813/ecn17081311160001-n1.html
※緊縮・拡張度は社会保障、公共事業、教育など一般会計の政策関係支出合計額の前年度との差額から税収の前年度との差額を差し引いて算出した。政府支出が多くなっても、民間の稼ぎを吸い上げる税収の増加分を下回れば緊縮型(数値はマイナス)、上回れば拡張型(同プラス)とみなした。

図2 公共事業の動向(主要国との比較)日本は黒線

 Photo_6http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5165.html

●図3 日本の公共投資(左軸、単位:十億円)と対GDP比率

Photo_7※93年までは平成12年基準、94年以降は平成17年基準、2015年は速報値
http://mtdata.jp/data_52.html

●図4 高等教育に対する公財政支出の対GDP比 文科省

Photo_2http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/attach/1335651.htm

                       ~~~~~~~
 

■今、これからのアベノミクスに必要なこと その2 公共投資を実施せよ 

承前

2.公共投資 

(1)公共投資を実施せよ 

前回の「アベノミクス、いわゆるリフレ派経済学についてのまとめ2」に詳しく書いた通り、アベノミクス3本の矢である 

①金融緩和→ゼロ金利、量的緩和
②財政出動→公共投資
③成長戦略→規制緩和
 

のうち、最も足りていないのが②財政出動→公共投資でしょう。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/07/3-dd41.html 

民主党政権ですら年次の歳出は95兆円〜100兆円水準でしたが、安倍政権では最高が100.7兆円で、今年に至っては97兆円と民主党以下レベルにまで低下しており、これでは”緊縮政権”と皮肉を言われても仕方のない実績です。 

本来のアベノミクスでは、①金融緩和だけでなく②財政出動も効果的に実施するはずだったのでありここはもう一度ネジを巻き直して欲しい。

前回、マンデル=フレミングモデルは必ずしも妥当しないのではないかという仮説をお話ししました。 

なおツイッターを見ていますと、同様の議論が活発になされており、マンデル=フレミングモデルが妥当する条件は変動相場制下であるが、現在の日本は為替レートをコントロールしており擬似的な固定相場制だからマンデル=フレミングモデルが当てはまりにくいのでは、という議論があり説得力があると思いました。 

今回は議論を一歩進めて、公共投資を何に使ったらいいのか考えてみましょう。 

(2)建築土木工事よりも防災・防疫への投資 

まずすぐに浮かぶのが、道路、橋、鉄道のような建築土木インフラ系でしょう。 

規模も大きく、雇用や関連事業者への発注額も大きいので直接的な経済効果が期待できます。 

しかし注意が必要なのが飯田泰之氏の分析によると、公共の建築土木工事が、民間の工事を圧迫している実情です。 

1兆円の公共工事をすると民間の工事が0,7兆円の減少を招く計算になります。この原因は建設・土木業界の人、モノといった供給力に限りがあり民間の工事を減少させてしまうからです。 

要するに公共工事に人手が取られてしまうわけですね。 

ここから言えるのが、公共工事自体がダメなのではなく建築土木工事に頼らない分野に集中することが大事なのではないでしょうか。 

例えば防災、防疫です。もちろんこれでも建築土木工事は発生するので一部民間とリソースの取り合いは生じるでしょう。 

しかし防災、防疫で重要なのは建築土木工事だけではなく、専門家の育成や、システム構築、ノウハウの蓄積といったソフト部分ですので民間と被らない分野を優先することで取り合いを回避できるのではないでしょうか。 

(3)教育への投資

高等教育の無償化は国際人権規約にも謳われており達成する義務のある事項ですが、日本はその締結自体が遅れに遅れた上に、財源のことで議論がまとまらず未だに実施できていません。

小泉進次郎氏が「こども保険」と言うインチキ施策を提示しましたが、あれは形を変えた新税です。 

ここは教育国債のような形で、高等教育の無償化を実現すべきでしょう。 

このような教育投資は子供を育てやすい社会を作り少子化問題の解決策にもなるのです。 

(4)科学技術予算の増加 

こちらのグラフに各国の科学技術研究開発費が出ています。 

Photo科学技術指標2016html版 | 科学技術・学術政策研究所 (NISTEP)http://data.nistep.go.jp/sti_indicator/2016/RM251_11.html 

各国が右肩上がりの中、日本は民主党政権時代の仕分けで一旦減少しているのです! 

これを元の軌道に戻す必要があります。 

教育投資や科学技術投資は1、2年の短期で成果をあげるものではありませんが5年、10年といった中長期では必ず国力に影響して きます。 

以上のように私としては、旧来の自民党的な建設土木系インフラ投資というよりはソフト投資の方に比重を置いて考えています。 

                                            (続く)

 

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snsn氏寄稿 今、これからのアベノミクスに必要なこと その1 消費税を廃止する

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snsn様から寄稿を頂戴いたしました。ありがとうございます。 

今回は私の前座なしで、3回にわけて掲載させていただきます。ご多忙の中、貴重な論考を寄せられたsnsn様にあらためて感謝いたします。 

読みやすくするための編集以外、原文そのままです。なお、図版と注は編者が挿入したものです。

                   ~~~~~~~~~ 

              ■今、これからのアベノミクスに必要なこと その1
                                             snsn
 

はじめに 

政治哲学者ハンナ・アーレントの著作を読んでいてどうしても納得できなかった点が、彼女の理想とする共和制においては 政治的領域に経済問題は入らないという点です。
ハンナ・アーレント - Wikipedia

私としてはコイツなに言ってんの?経済問題こそが最重要課題でしょう、と思っていたわけですよ。 

しかし最近よく考えると、経済成長をして適正な分配をし、みんなが幸せに暮らせるようにする経済政策は党派 関係なく当たり前のように実行すべき問題なんだなぁ、と思います。 

つまりその意味で、政治的な問題に”なり得ない”、”なるべきではない”、政治的な議論の”余地なし” であると。 

おそらくそんな風に碩学ハンナ・アーレントは考えたのではないかと思うんですよ。 

しかし今の日本では、経済問題が党派間や党派内の内ゲバの道具と化しています。 

私の支持するリフレ派内部ですら、分裂気味になってきています。  

ここはもう一度”みんなが幸せに暮らせるようにする”という原点に立ち返り、政争の道具とは切り離し経済政策を推進してほしいものです。 

政治家の発言というものは複雑なパワーバランスの上で発せられるため、安倍総理の増税発言は党内緊縮派、財務省あるいはアメリカのドル安政策 への配慮があるのかもしれません。 

あるいは前回私が指摘したような、金融緩和重視型リフレ派の内的ロジックによる増税アシストなのかもしれません。 

今のところは真意はわかりかねますが、私の考えとしては批判するしかありません。  

本稿は前回の続編的な位置付けであり、リフレ政策=アベノミクスは3本の矢をバランスよく実行するべきであるという認識のもと、 「今後のアベノミクスに必要なこと」を述べたいと思います。  

金融緩和については一定の成果もあり継続すれば良いので、今回はそれ以外の政策について説明します。 

 1.消費税を廃止する
 2.積極的な公共投資
 3.規制緩和
 

以上を、それぞれを順番に説明して行きましょう。  

1.消費税を廃止する  

(1)消費税の使途がおかしい 

財務省のHPには消費税の使途が書かれています。 http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/122.htm  

Photo財務省 消費税の使途

これを見ると、21兆円のうち、実に17兆円が社会保障費に使われています。 

いわゆる「社会保障と税の一体改革」です。 

まず言えることは、巷でイメージされている、消費税増税で国の借金を返すと言うのはごく一部だということですね。 

では、社会保障費に使うことは正しいのでしょうか? 一見、正しいようにも見えます。 

皆さんの生活実感でも年金、医療費の増大は心配でしょうから、それに使われるなら消費税増税 もしょうがないかな〜、なんて思うかもしれませんが、高橋洋一によると消費税を社会保障費の財源にしている国は先進国でも日本だけです。 

本来社会保障の機能とは、再配分による所得移転で、お金持ちAさんの所得を貧乏なB、C、Dさんに移転するというものです。 

また考え方の基本は保険的な制度であって、将来の大きなリスクに備えるために相互補助しましょうというものです。  

しかし消費税を財源にしてしまっては、消費時点で不特定多数から徴収したものを再配分するのですから、誰から誰へ移転したのか、 相互補助になっているのか、などトレースすることができないのです。  

また消費税の逆進性(貧しい人ほど負担が大きい)を考えると、貧乏人から徴収して貧乏人に所得移転しているのが消費税を社会保障の財源にする際の問題点です。 

一橋公共経済学の佐藤主光教授は、消費税が社会保障費に使われれば所得で戻ってくるわけだから増税のマイナス要因は相殺されデフレにならない などと説明します。 

しかしながらこれは転倒した考えですね。貧乏人から貧乏人への所得移転のどこが社会保障なのでしょうか?

Photo_2何のための負担なの? 厚労省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/ho...

 

(2)社会保障と税の一体改革の欺瞞 

「社会保障と税の一体改革」という言葉は民主党菅直人政権下で作られました。 

しかしながら、全てを民主党の責任に押し付けることはできません。 

高橋洋一の証言によると、消費税を社会保障の財源とする発想は、1999年の自自公連立政権時に財務省に頼まれた小沢一郎が了解したものです。 

それ以降、自民→民主と政権は変わっても基本構造は引き継がれて、今に至るものです。  

財務省がこの構造を維持し続けていると言ってもいいでしょう。
社会保障と税の一体改革 : 財務省
 
社会保障・税一体改革 |厚生労働省
 

アメリカでは「社会保障と税の統合」と言って、”所得税”を社会保障の財源としています。

これにより お金持ちから貧乏人への所得移転が明確になります。 

つまり民主党の作った「社会保障と税の一体改革」はアメリカの制度を上っ面の言葉だけ似せた中身は全く違う欠陥システムなのです。 

アメリカ型の「社会保障と税の統合」では、一定以下の所得の人は、マイナスの所得税という形で現金還付されますので、これこそ社会保障制度 と言えるでしょう。 

ちなみにこの税のシステムを考案したのは、ミルトン・フリードマンです。
ミルトン・フリードマン - Wikipedia
 

一般には新自由主義で市場経済のイメージのある経済学者かも しれませんが、実際は社会全体のコントロールを真摯に考えた人なのです。 
Photo_4中日新聞2005年.8月.25日

(3)消費税を廃止せよ  

前回の寄稿でも述べた通り消費税は、デフレを悪化させる要因になることが明らかになっています。 

クルーグマンやスティグリッツの言うように、 少なくとも5%まで落とすべきであり、状況次第では廃止すべきであると思います。
ポール・クルーグマン - Wikipedia
ジョセフ・E・スティグリッツ - Wikipedia

みなさま政治家や、マスコミ及びトンデモ学者の言うことを真に受けないでください。  

いわく、国の借金が大変なことになっている 、いわく、今、楽をして後の世代にツケを回すのか などの誤った、一見もっともらしい理屈に騙されないようにいたしましょう。 

騙そうとする人は、世界の破滅を大げさに吹聴します。 

消費税についてはアベノミクス支持派の中でさえ、”今はその時期ではないが将来は上げるべき”という漠とした考えが存在すると思いますが、その必要はないのです。 

むしろ、将来は下げるべきなのです。  

1000兆円あるとマスコミが騒ぐ”国の借金”も、日銀保有の国債を差し引く統合政府ベースの連結ではほぼ無借金を達成しており、 今後景気回復とともに所得税、法人税など税収は上がっていきますから問題はありません。
1000兆円の国債って実はウソ!? スティグリッツ教授の重大提言
 

必要となる徴税はお金持ちから貧乏人への所得移転を促すという意味では、累進的資産税、貯蓄への税、相続税などに移行すべきでしょう。 

                                             (続く)

 

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日曜雑感 憂鬱な三つの想定

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土曜日の記事に短く追加しておきます。

日本はグアムに弾道ミサイルを撃った場合、なんの手だても持っていません。

8月10日午前の衆院安全保障委員会の閉会中審査で、小野寺防衛大臣はこのように述べています。

「小野寺防衛相は、北朝鮮が米軍基地のあるグアムに向けてミサイルを発射した場合、集団的自衛権行使が可能となる「存立危機事態」に当たりうるとの見方を示した。
(日本の防衛力と米国の打撃力の)両方があって日本の抑止力が高まることを考えると、米側の打撃力が欠如することは日本の存立の危機にあたる可能性がないとも言えない」と述べた。さらに、「具体的な想定での話をする状況ではない。総合的な事態を勘案する中で、どの事態と判断するかは政府全体で共有していきたい」とも指摘した。」(読売8月10日)

Photo_6http://news.rcc.jp/?i=28250&

また毎日新聞は自衛隊がPAC-3を緊急展開していることについて、こんなことを報じています。

「配備先の海田市(かいたいち)駐屯地がある広島県海田町は広島市に隣接する。広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長(72)は「軍事的な挑発に対し、日本が行動を取ることが、北朝鮮に刺激を与え、核戦争へとつながるかもしれない」と危惧。「政府には国民の心配をあおらず、冷静になれと言いたい。話し合いで、北朝鮮に『このような行為はやめろ』と伝えてほしい」と訴えた。」

余談ですが、ここに出てくる共産党系被団協の親団体である原水協は、1960年代の初めに「社会主義の原爆はいい原爆論」を展開して、それを批判した社会党系原水禁と分裂した過去を持っています。
原水爆禁止運動の分裂をめぐって - 東京経済大学

※原水「禁」と「協」を逆に書いてしまいました。訂正します。 

よもやとは思うのですが、共産党は「北朝鮮の原爆はいい原爆」と思っているんじゃないでしょうね。

それはさておき、被団協(共産党系)さん、どうぞご安心ください。

日本はただ守りを固めているだけで、この人たちが言うような北朝鮮を「刺激する行動」などとっていません。というか、とりたくてもとれません。

日本はグアムに向かう弾道ミサイルを迎撃する能力を持ちませんから、PAC-3の配備は万が一軌道からズレて日本上空に落ちてきた場合に、備えているだけの話です。

そんなに「話し合い」を北朝鮮としたいのなら、朝鮮総連本部にデモをかけて「冷静になれ」と叫ぶことをお勧めします。まぁ、会ってもくれないでしょうが。

孫崎享氏も、「日本政府は意図的に国民の不安を煽っている」と言っていますが、この人たちにかかると、ミサイル危機を煽っている張本人が安倍氏のようです。

言うのも愚かですが、このミサイル危機の本質は、北朝鮮の金正恩にあるのは明白で、日本政府は至って常識的な対応を、能力の及ぶ範囲で最小限行っているにすぎません。

私は鏡の国にいるのでしょうかー(棒)。

さて、小野寺さんが言っている「存立危機事態」とは、以下のような状況が起きた「後」の話です。

仮に北朝鮮が、グアムに向けて北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合、三つのことが予想されます。

グアムに到達するまで約20分ですが、まず米軍は自動的に、大統領命令を待たずしてTHAADによって弾道ミサイル迎撃を行います。

続いて、発射地点が瞬時に割り出されて、周辺海域にいる巡航ミサイル搭載原潜数隻から通常弾頭による報復攻撃がおこなわれるでしょう。

これは発射基地のみならず、司令部、通信施設等に対しての限定的ピンポイント攻撃だと思われますが、その攻撃範囲はわかりません。

ここから先のエスカレーションは、大統領の判断となりますが、グアムが標的となった場合、常識的には大統領は指をくわえて見ていることは・・・、たぶんマティスの判断次第でしょうね。

彼がうんといわなければ、米軍は動きません。頷いた場合、「想像通りの事態」に発展していきます。

米国がその際、核兵器を使うかどうかは、北朝鮮の出方に対応した高度な政治的判断を伴いますのでなんともいえません。

日本が想定する存立危機事態とは、「想像どおりの事態」になった場合に、米軍の後方支援をすることを意味します。

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たとえば、上の写真のように日本の防空識別圏内では空自のF-2が米空軍のB-1をエスコートし、韓国防空識別圏で韓国空軍機にバトンタッチするようなことです。

もちろん米軍が必要とする基地提供、役務、物品の提供も含まれています。

このような状況にならないことを切に祈ります。

■追記 岡部いさく氏のツイッターによれば、米軍の動きが活発化しているそうです。https://mobile.twitter.com/Mossie633?p=s

「アメリカ太平洋軍。11日に岩国でNEO(非戦闘員退去オペレーション)の訓練を行ったんだって。軍人の家族や在外アメリカ人など非戦闘員を、退去のために呼び集めて、脱出させるための手順や態勢のチェックと訓練。「自然災害など」と書いてる。」

「グアム/サイパンに配置されてるアメリカ第3事前集積船戦隊の6隻が、ここ10年で初の2日間の編隊航行訓練をやったんだって。戦術運動や魚雷回避、夜間の通信、夜間のヘリコプター発着など。これ、朝鮮半島有事の増援装備輸送部隊だよ、動く気?」

ぜんぜん、短くないじゃん(苦笑)。

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日曜写真館 ベトナムの女性は強い

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有言実行国家北朝鮮は本当にグアムに向けて撃つのだろうか

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北朝鮮が、広島・長崎の原爆の日に合わせたかのように、広島市の上空を飛ばしてグアムに弾道ミサイルを打ち込んでやると宣言したために世界が揺れています。 

といっても日本のメディアは、加計の職員が官邸に挨拶に行ったほうがビッグニュースなようで(苦笑)、まことノーテンキですが、米国メディアは北朝鮮の弾道ミサイル一色です。 

CNNはトランプのこの発言を大きく伝えています。
http://cnn.it/2hOtrqQ 

”Trump: Maybe 'fire and fury' comment 'wasn't tough enough' ” 

「炎と怒りに直面する」ですか・・・、いつもながら過激な言い方ですが、米国メディアはトランプに関して煽って、過激な発言を引っ張りだそうとするきらいがあるので割り引いて聞いて下さい。

ロイター(8月10日)はこの発言がイレギュラーで、準備なくされたものだとしています。

「米当局者は米政権で北朝鮮問題を担当。ロイターに対し匿名を条件に、前日のトランプ氏の発言は「計画されたものではなく、自発的なものだった」 とし、「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の発言などに対応してレトリックをエスカレートさせることは検討されていなかった」と述べた。
ただ「米国の忍耐は底をついている一方で、あらゆる手段を用いて同盟国を守る米国の決意には上限がないことを
北朝鮮が理解することは重要だ」との見解を示した」

Photo火星12号 

では、周辺国はどう見ているでしょうか。 

ロシアのラブロフ外相はこう述べています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170811-00000092-jij-int 

「ラブロフ氏は「米国と北朝鮮の言葉の応酬は一線を越えようとしている」と述べ、双方が武力行使の可能性をちらつかせ、威嚇し合っている現状に懸念を表明。「常識が勝ることを望んでいる」と訴えた。また、軍事衝突が起きないように「われわれはあらゆることを行う」と強調した」(時事8月11日)

これをどう見るべきでしょうか。 

まず北朝鮮という国が、あんがい律儀な有言実行国家であることを思いだしましょう。 

北朝鮮が、「米国の極端な敵対行為により最悪の情勢が到来している状況下であらゆる手段と方法をこうじて自衛的戦争抑止力を一層強化する」(2006年10月9日)などと言うと、そのあとに必ず本当に核実験か弾道ミサイル実験をしてきます。 

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コリアレポート・辺真一氏によれば、北朝鮮の過激な声明と実際の実験は、このように対応しているそうです。
https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20170811-00074401/

・1回目・・・声明2006年7月16日、7月6日核実験予告、10月9日核実験実施
・2回目・・・声明2009年4月14日、5月25日核実験
・3回目・・・声明2013年1月24日、2月12日核実験
・4回目・・・声明2015年12月16日、20016年1月16日核実験
・5回目・・・声明2016年9月1日、9月9日核実験
・6回目・・・声明2017年6月7日対北国連制裁決議、7月4日ICBM発射
・7回目・・・声明20017年7月14日、?

このようにいままで、北はやると言ったら2006年を除いてほぼ1カ月前後で本当にやってきました。言動についての信頼性はトランプより高いほどです。 

今回、国連安全保障理事会は8月5日に、北朝鮮の核・ミサイル開発に対する制裁を強める決議第2371号を、全会一致で採択しました。 

今回もたいした打撃を北朝鮮は受けないはずです。なぜなら、北朝鮮制裁を検討している専門家による安保理専門家パネルは、2月27日付の最終報告書でこう指摘しているからです。 

「北朝鮮は外国人とフロント企業を使って制裁を破っている」 

つまりは、外国人、外国企業を迂回した制裁逃れは公然と行われているにもかかわらず、北朝鮮の個人と企業しか対象にしないのですから、初めから尻抜けです。 

もっとも大きなポイントのはずの石油禁輸は、実施されませんでした。 

本気で国連が制裁する気なら、中国国内の送油施設を封印し、国際監視下におかねばなりません。 

北朝鮮向け原油は、中国・丹東市の「金山湾油タンク」から、馬市村の輸油ステーションへ送られて、加熱・加圧して豆満江を越えて対岸の北朝鮮・平安北道義州郡の烽火化学工場に送られて製油されています。 

下写真には、金山湾油タンクと馬市村が写っています。赤線がパイプラインルートです。 

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 http://kazuohage.sblo.jp/article/164902193.html 

下の写真の赤丸で囲った施設が、馬市村北朝鮮向け送油パイプライン基地です。

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もし米国が北朝鮮に実効性のある制裁をしたいのなら、このパイプラインを制御するコンピュータシステムに侵入するサイバーアタックが有効でしょう。

また北朝鮮の大きな収入源である北朝鮮人労働者の出稼ぎ輸出も、現在の人数が認められてしまっています。 

ですから、残念ながら、今回の制裁がよしんば完全実施されたとしても、北朝鮮経済はまったく平常運転のはずです。 

今後ですが、いままでの「北朝鮮律儀の法則」に従うならば、なんらかのグアムに向けての弾道ミサイル発射をする可能性はたいへんに高いと思います。 

ただし、ロシアの軍事専門家である小泉悠氏が指摘するように(『丸』9月号巻頭論文)、あるとすればそれは威嚇のために海上や無人地帯に向けての警告射撃的発射です。

小泉氏はこう述べています。

「これを(ロシアの威嚇発射)北朝鮮にあてはめるならば、米韓による軍事力行使が差し迫った段階で日本海などに核弾頭装備の弾道ミサイルを打ち込み、デモンストレーション的な核使用(警告射撃的核使用)を行うオプションが考えられる。
このようなシナリオは、実際に被害を出さない以上、北朝鮮に対する報復攻撃を回避しつつ核抑止を発揮するグレーゾーン型オプションとして、米国でも真剣に検討されるようになった」

私も小泉氏に同意します。

おそらく、北朝鮮は1カ月以内にグアム近海に向けて、ほんものの核弾頭つきICBMを発射するかもしれません。

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日本の核保有論争の背景

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まずは、広島・長崎への核攻撃で犠牲になられた方々へ、心から黙祷を捧げます。 

さて、広島市・長崎市の市長が「絶対悪としての核兵器」を批判し、ついで核兵器禁止条約を批准しない方針の日本政府を批判しました。
核兵器禁止条約 - Wikipedia

「松井市長は政府に対し、条約の締結促進を目指し「核保有国と非保有国との橋渡しに本気で取り組むよう」に要求。「絶対悪」である核兵器の使用は人類として決して許されない行為と断じた。
 安倍首相は式典で、核廃絶のためには核保有国と非保有国の参画が必要とし「わが国は双方に働き掛け、国際社会を主導する決意だ」と強調。面会では、被爆者団体の批判に対し「非核三原則を堅持し、核廃絶の努力を続ける」とだけ述べ、条約不参加への直接の回答を避けた」(中日新聞8月7日)

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ではなぜ、日本政府が批准しないのでしょうか。 

理由は簡単です。世界の核保有国は一カ国たりともこの条約に加盟していません。下図の青色が加盟国です。

 

800pxtreaty_on_the_prohibition_of_nTreaty on the Prohibition of Nuclear Weapons ウィキより引用

核兵器保有国、別名・核クラブが加盟しない核兵器禁止条約など、たまに見かける「核兵器廃絶平和都市宣言」と一緒で、現実の有効性は皆無に等しいのです。 

ただし、ここで首相が「言及しなかった」という意味を考えて下さい。 

つまり、日本は外交カードとして、「核廃絶提唱国」というプラチナカードを手放す気はないですよ、ただし、今日本を守っている米国の核の傘まで否定する気はありませんよ、という微妙な表現なのです。 

「うんにゃ、奥歯に者のはさまった言い方をすんじゃねぇ、白黒はっきりしろ」とおっしゃるなら、日本は核兵器禁止条約に加盟するから、米国に対して核の傘をはずしてくれ、と要求しますか。 

中国や北朝鮮、そしてロシアもたいへんに喜ぶでしょうね。日本に対して核ミサイルをいつでも自由に撃てる権利を確保したも同然だからです。 

「いや待てよ、ほんとうに米国の核戦力は抑止力になっているのかわかんねぇぞ」とおっしゃるあなた、そう分からないのです。 

ある核戦略専門家が自嘲的に言ったように、「撃たれていないからあるのだ」としかいいようのない政治的・心理的なウェポンが、核兵器だからです。 

ですから日本は外交カードとして、「核廃絶」を叫びつづけ、いかに核攻撃後の広島・長崎が悲惨であったのか世界の人に知ってもらわねばなりません。 

こういうとなにか被爆者の悲劇を利用するように聞こえるかもしれませんが、日本が現時点で立てるスタンスがこれ以外ない以上、いかしかたがありません。 

一方日本も、自主核武装すべきだという意見もあります。純軍事的に見れば、核兵器を抑止できるのは、皮肉にも核兵器しかないのは事実です。 

ある国が核ミサイルで「日本を焦土化するぞ」と脅せば、一方も「ならばこちらも核で報復するぞ。死ぬ気でやれ」と答えるというのが、恐怖の均衡です。

こういう状態を相互確証破壊と呼びます。なんども書いてきましたね。これが米露、米中、中露、印パの間には成立しています。
相互確証破壊 - Wikipedia
 

この関係に米国を持ち込みたいのが、北朝鮮だということは先日書きました。 

広島・長崎市長は共に、この相互確証破壊のロジックを一回勉強してから、核兵器禁止条約うんぬんを言うことをお勧めします。現実を見ないでは平和はきませんから。 

北朝鮮がグアムを標的に核ミサイルを発射してやると息巻いています。

「朝鮮人民軍が発射する『火星12』は日本の 島根県、広島県、高知県の上空を通過する」「1065秒で3356.7キロ飛行し、グアム沖30─40キロの海域に着弾する」(8月9日国営朝鮮中央通信)http://www.sankei.com/world/news/170809/wor1708090021-n1.html

ブラックジョークの極みです。

両市長におかれましては、首相を批判する前に、北朝鮮に強く抗議してからにしてほしいと思います。

それはさておき、この両市長の対局にいるのが、自主核武装論者の皆さんです。 

米国頼みは不安だ、日本は独自核兵器を開発する技術力も財力もあるのだから、核兵器を保有しろ、と言っています。 

日本の核兵器についての法解釈をみてみましょう。 

政府は1954年12月22日の衆院予算委で、「自衛のための任務を有し、かつその目的のため必要相当な範囲の実力部隊を設けることは、何ら憲法に違反するものではない」(大村清一防衛庁長官の答弁)としました。 

これが「自衛のため必要最小限度の実力」という憲法解釈で、以後この「必要最小限」とはなんだという議論が活発に行われるようになります。 

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岸首相は、参院内閣委・1957年8月16日の藤田進委員長(日本社会党)に対する答弁で、憲法上保有可能な核兵器が存在しうる」と答える一方で、「核兵器は持たないということを明らかにしているのでありますから、その持たないために敗れるというようなことがありましても、それはやむを得ない」とも答えています。 

さすが安倍氏の祖父。どっちなんだ、といいたくなりますが、このどちらにもとれる認識は、日本政府の態度を以後も規定していきます。 

参院予算委、1978年4月3日の矢追秀彦議員(公明党)に対する、真田秀夫内閣法制局長官の答弁で、これが現行の政府解釈です。 

「核兵器であっても仮に右の限度の範囲内にとどまるものがあるとすれば、憲法上その保有が許されることになるというのが法解釈論」であるが、一方、「政策的選択の下に、国是ともいうべき非核三原則を堅持し、更に原子力基本法及び核兵器不拡散条約の規定により一切の核兵器を保有し得ないこととしている」。 

集団的自衛権のように「あるがない」と一緒で、核兵器保有は「出来るが出来ない」ということです。 

日本人だなぁと妙なところに感心してしまいますが、つまりは政府解釈の変更の余地を残しているというのが味噌です。 

これを捉えて、朝日新聞(7月25日)は、この政府見解について「『核保有 否定されず』脈々 政府解釈『必要最小限なら』学者から疑義」という記事を書いていますが、例によってちゃんと勉強していません。 

まず、1950年代の核保有論議の時代背景を考えてみませんか。 

当時は、今考えると空恐ろしいものがありますが、核爆弾を搭載して飛来する戦略爆撃機を落すために、対空ミサイルにも核を積むというトンデモの時代でした。 

同じように、核ミサイルを撃って来る戦略原潜にも、核魚雷や核爆雷で対応しようというぶっ飛んだ時代でした。 

当然のこととして、ウンカのように襲来する戦車軍団にも、地対地核ミサイルで吹き飛ばそうとかんがえていたわけです。

これは米ソが核戦争の恐怖を、日本人のように身を持って知らないということと、兵器の精度が大甘だったためです。 

ちなみに、戦略爆撃機にも原子炉を積んで飛ばすというイカレぶり、これが「アトミック・エイジ」です。 

落ちたらどうするんだァ。正気の沙汰ではありません。 

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このような陽気な狂気に覆われていた時代の産物が、1950年代の日本における核保有論争だったのです。 

ついでにいえば、ドイツなどが持っているニュークリア・シェアリングも、米軍機と同じ基地に核爆弾を貯蔵しておく必要から生れたもので、やはりこのアトミック・エイジの刻印を負っています。

それから半世紀。兵器の精密誘導技術の発達は著しく、もはや核兵器でチュドーンとまとめて吹き飛ばす必要性は消滅しました。

したがって、かつて「必要最小限の実力として」核兵器を考える前提そのものがなくなったのです。

日本の独自核保有については、ほかにも難点が沢山ありますが、今日はとりあえず政府解釈のみで止めます。 

 

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首相はなぜ謝罪したのか

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昨日の記事の捕捉をします。 

謝罪する必要などないという意見を多く頂戴しました。

おっしゃることは理解できます。あの事件を一種の冤罪事件と考えている国民にとってはすべきでなかったと考えるのは、当然のことです。 

私もそう思っています。8秒間も頭を下げる必要は、論理的にはありません。 

では、そこまでしてなぜ首相は謝罪・反省をしたのでしょうか。

その理由は、舛添前知事のケースと比較してみるとわかります。 

舛添氏もメディアの格好のオモチャにされて、週刊誌やワイドショーで連日面白おかしく、「子供の絵本を公費で買った」「公費で旅館に行った」ていどのネタで蜂の巣にされていました。 

舛添氏には特に政策的にミスがあったわけではなく、辞任せねばならないような理由はなかったはずです。しかし、 舛添氏に対する批判は、公私混同から始まって、「結局あんた、自治体外交とかにうかれて、なにも都民のために働いていないじゃないか」と思われたことです。

まともに汗をかいていれば、政治資金の使い方に多少の公私混同があっても有権者は気にしなかったでしょう。

ここが、嫌われ度からいえばダントツの石原氏との大きな差で、石原氏はさぼっていようと、傲慢だろうとやるべきことはしていました。

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ところが舛添氏は初動対応を間違ってしまったために、「もっと大きな疑惑を隠している」という疑念を国民に植えつけてしまいました。 

「疑念」とは不定形です。形がある物証があって、違法行為だとされるようなものではないから、逆に晴らすのが難しいのです。

もちろん、そう印象誘導したのはメディアです。しかし、そんなことを言っても仕方がないと思います。 

メディアの正常化は絶対に必要ですが、今、可能でしょうか。はっきり言って、現時点では彼らの情報独占を崩すことは不可能です。 

今はメディアのあり方についての世論の構築を急いでいる初歩的段階で、ファクトチェック機関も立ち上がったばかりです。 

このようなメディアのあり方を問い、メディアによる情報独占を変えていくムーブメントがもっと成熟をしないと「正常化」は無理です。 

今ここで、メディアの正しいあり方が前提条件になると、いわば百年河清を待つことになりかねません。 

舛添氏もメディアが狡猾に仕掛けた蟻地獄にスッポリ入って、言い訳をするたびに、みずから墓穴を掘っているような状況でした。 

そして追い詰められて第三者委員会もどきを作ったのですが、裏目に出ました。

私はあのときに弁護士ではなく、危機管理の専門家に相談すべきと思って見ていました。 

弁護士は法律屋ですから、違法があるのかないのかに焦点をあてます。国民というか、この場合は視聴者ですが、彼らにそんなことは関係ないのです。 

関心は、一に「おい、舛添、このもやもやした公私混同問題を晴らせ」ということです。

一方、危機管理の目的は法的な対処ではありません。危機的状況の拡大を止めることです。 

そのために法的対応もする場合があるのであって、それ自体が目的ではないのです。

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さて安倍氏も、舛添氏と似たような蟻地獄的状況に陥っていました。 

同じような初動ミスをして、同じような危機対応の失敗を連発しました。 

危機管理が得意なはずの安倍氏とも思えない硬直した対応ぶりで、おそらく身に覚えのないことを一方的に言われ続けたために、その不条理に内心怒り心頭だったのでしょう。 

つまり途中まで、安倍氏と舛添氏は同じ対応をしてしまっていたのです。 

おそらく謝罪しないで推移した場合、支持率は下降を続け安倍政権は年内に終了する可能性すらありました。

まさに朝日・文春・TBS・NHKの思うツボです。 

単に一政権の命脈に止まらず、北朝鮮の弾道ミサイル発射が連続して日本を見舞っても、このモリカケ疑惑から国民の視点は動かなかったでしょう。 

この愚民政治の饗宴を、誰かがどこかで止めねばなりませんでした。 

ここで首相がとった手法が、思い切った謝罪とテレビ行脚です。特に8秒間にわたって頭を下げた映像をお茶の間に送り込んだのは効果的でした。 

首相のメッセージは、ここで愚民政治の祭を断ち切るということです。 

そのためになんでここまでするんだ、ということをする必要があったのです。肉を切らせて、骨を絶つという格言そのままです。

危機管理としては、これ以上ないくらいに見事なパーフォーマンスだったと私は評価します。 

当然のこととして、朝日はなにをしようと言い続けるでしょう。

ただし、お気の毒なことには、モリカケは弾切れです。今は、首相の便宜供与なんかどこかに吹っ飛んで、加計の粗捜しに終始しているようです。バカか。 

謝罪にによって、局面は変わりました。

今後すべきは事実の検証による、被害の極小化です。

私は昨日書いたように、第三者委員会を作り、報告書を出すべきだとかんがえています。

このような客観的なたたき台かあれば、朝日・文春が「前川氏がぁ」と言おうどうしようと、その時は報告書○○頁を見てください、根拠のない噂はやめろで、一蹴できます。 

実は、政府も答えていますし、公開された諮問会議議事録もあって、その上に閉会中審査の葉梨氏、小野寺氏、青山氏、そしてなにより当事者である加戸・前愛媛県知事自身の決定的ともいえる証言まで出揃っているのです。

しかし、メディアが「報道しない自由」、言い換えれば隠蔽をした結果、国民は知らないだけです。

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一般社団法人日本平和学研究所によるhttp://housouhou.com/2017/08/06/1666/

上図のようなメディアによる悪辣な情報隠蔽があった場合、客観的叩き台がいるのです。 

私がイメージしているのは福島第1事故の事故調報告書のようなものです。 

あのようなものが出てこないと、噂の再生産になってしまって収拾がつきません。 

福島事故の時は、政府事故調報告書が出て、ほんとうに討論しやすくなりました。私は当時、渦中にいたので、実感でわかります。 

今回は福島事故よりはるかにシンプルですから、それほど時間はかからないでしょう。 

日報に関しては、自衛隊という国防上の特殊性は大いに考慮すべきで、山形さんの危惧も大いに理解できます。(当初私は山形氏の意見と同じでしたもんで) 

本来、まともな「軍隊」ならば、軍法会議で処理されるべき案件なのです。 

さもないと防衛機密や、隊員の安全などが担保されません。 

しかし、「軍隊」ならざる自衛隊にも、今できる事故発生時の情報開示はあるはずで、それを私は問うています。 

他の第三者委員会と違って、セキュリティ・クリアランス(特定秘密取り扱い資格)の導入や特定秘密保護法の法的縛りが必要でしょう。

とまぁ、このような議論ができるのも、首相の謝罪という名の仕切り直しが効いたからです。

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政府はモリカケ・日報問題の第三者委員会を作れ

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安倍氏が謝ったことについて、青山繁晴氏は濡れ衣なのに謝るなぁ!と激怒(彼はいつも激怒していますが)していますが、たしかに正論ですが、私は間違っていないと思います。 

青山さん、ここは欧米ではないのです。謝ると法的責任が生じて、法廷で不利になるという社会ではなく、かといって、中国のように謝ると社会的に抹殺されるという国でもありません。 

日本はどこまで行っても日本で、安倍氏が「おごりがあった」として謝ったのは2点です。 

ひとつは昭恵夫人が森友学園の名誉校長に祭り上げられたことにもっと慎重であるべきだったこと、もうひとつは国家戦略特区において友人が関係者だったことに対して「李下に冠を正さず」だったという点です。 

後者の「李下」うんぬんは前川氏が閉会中審査で使った表現なので、一部前川側の言い分に対して引き取った形になりました。 

まぁ、いいんじゃないでしょうか。朝日-TBS-文春メディア連合は、まさかここまで安倍氏がすんなりと真正面から謝罪するとは読んでいなかったと思います。 

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このような場合、いくつかしか選択肢はないのです。

蓮舫氏のように強気で居直って戸籍開示は差別だと主張するか、沈黙したままグダグダになるまで待つという砂丘に頭を突っ込むダチョウ戦法です。 

これをすると後引きして、結局は自滅コースを辿ります。

蓮舫氏の場合、論理構築がいいかげんですから、だれも納得しませんし、後者ならただ逃げているだけですから、追及は延々と続くことになります。 

安倍氏はここで一線を引いてしまいたかったので謝罪してたのでしょうが、まだまだ国民に植えつけられた疑念を払拭するには至っていません。 

たしかにモリカケ疑惑は根拠もデタラメ、物証はなしで責められる筋合いではありませんが、重要な問題もはらんでいたのはたしかです。 

モリカケ問題は、要は権力者が自分の権力基盤を固めるために縁故者に便宜をバラ撒いているのではないかという疑惑です。

事実なら民主主義の根幹に関わります。 

沖縄では、翁長氏が就任直後真っ先にやったのが、支援者に対する大判振る舞いでした。これについては、記事にまとめてありますのでお読みください。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/2-478e.html 

さて強弁も逃避もダメなら、モリカケ問題をここで断ち切るには、どうしたらいいのでしょうか。

難しくかんがえることはありません。正攻法でいくことです。国民が眼で見て納得できる調査をすればいいのです。

そのために必要なことは、路上のアイスのように脳味噌がグチャグチャに融解してしまったメディアから主導権を取り上げることです。

ワイドショーの電波芸人たちから、イニシャチブを取り上げねばなりません。

メディアが大好きな噂話ではなく、事実を明らかにする仕掛けがいります。それが第三者委員会方式です。

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森友問題では、不動産鑑定士などを入れた第三者委員会を立ち上げて、森友小学校建設用地でボーリングを実施して、値引き分に相当するゴミがあるかどうかを鑑定してもらいます。

こういう時こそ、テレビでボーリングしている様を中継してもらいましょう。

また隣地の公園の値引きなども勘案して、値引きに至った全体像を明らかにすれば分かることです。

つぎに加計学園については、これも第三者委員会を作って、牧野文書がなぜ作られたのか、どのような意図があったのかを牧野課長補佐に証言させ、文科省が獣医学部新設にどのような対応をしたのか、しなかったのかを明確に国民に示すことです。

前川氏の眼を通した主観ではなく、現実にどうだったのかという事実経過を分かりやすく開示することです。

つぎにPKO日報問題も同じやり方ができるはずです。

日報問題で問題にされたのは、国家が事実を正直に明らかにしていないのではないか、隠蔽したのではないか、というものでした。 

モリカケに関しては、完全公開されている諮問会議の議事録も読めないメディアに言われる筋合いはありませんが、PKO日報問題についてはやや違います。

現場部隊が情報開示を拒んだ理由や、それを上級司令部が承認し、それについて防衛大臣がきちんと把握していなかったことは、隠蔽体質として問題視されても致し方ないことでした。

おまけに内部のリークでメディアが騒ぐという、「防衛省版前川」がいたという醜態までさらしました。

この問題についても、小野寺新大臣が特別防衛報告で済ませずに、きちんとした第三者委員会を作って調査報告にまとめ、国民に政府報告書として提出することです。

これを改造内閣のできるだけ早い時期に、実施することをお勧めします。

とまれ、一刻も早くこのモリカケ日報の泥沼から出て、北朝鮮情勢に対応しないとたいへんなことになります。

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依田氏起訴を考える

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この8月6日に、那覇地検が依田啓示カナンファーム代表を傷害罪で起訴しました。 

たいへんに問題のある起訴であったと思います。 

事実関係を洗ってみます。本土紙がまったくスルーする中で、唯一産経が(8月6日)記事で速報しています。

「那覇地検は6日までに、沖縄県東村高江に予定されていたヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の建設に反対し、村道を封鎖し検問していた基地移設反対派の男女2人を殴ってけがをさせたとして、傷害の罪で沖縄県東村平良、カナンファームの依田啓示代表(43)を在宅起訴した。
起訴は7月31日付。起訴状などによると、依田代表は平成28年9月17日午後0時10分ごろ、沖縄県東村高江の東村立高江小中学校東北東約640メートルの道路上で、反対運動をしていた同県大宜味村の男性(51)の首を手で押して転倒させ、全治3日のけがを負わせた。また、活動家の女性(55)の顔を殴打するなどの暴行を加え、全治3日のけがを負わせた。
 依田代表は起訴事実を否定している。傷害容疑とともに送致されていた器物損壊容疑は起訴猶予、窃盗容疑は嫌疑不十分で不起訴」

起訴文だけ読むと、依田氏がわざわざ出かけて、反対運動男女を負傷させた右翼男のように読めてしまいます。 

ほんとうはどうだったのでしょうか。前提から確認しておきましょう。

まず人となりです。依田啓示氏は、カナンファームという宿泊可能な循環農法農場を営む農業者です。事件後に積極的に沖縄の保守運動で発言したために誤解されがちですが、事件当時依田氏は運動には無関係なひとりの農業者でした。

保守思想を持っていたからこの事件が起きたのではなく、この事件が依田氏を保守の立場にしたのです。

さて循環農法というのは、生活・農業・畜産の生産工程で出た廃棄物を、バクテリアや微生物を使って有効なものに転換させ、次の工程に活かしていく農法です。

この循環農法は、言うは易く、現実にやってみるとたいへんな農法です。これに挑戦している農業者は全国でもまだ少数で、氏が環境保全型農業の先駆者のひとりであることが分かります。
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依田氏はこう語っています。
http://oishiinohimitsu.com/ep03_05.html

「僕は自然農法をやっているけれど、環境活動家でもなんでもないんです。
ただ、大切にしているのは、“継続可能かどうか”という点です。
環境にも人間にも一方的に“相手”に負担を強いるようなことはやりたくない。自然にそったやり方をすれば、結果的に自然にも動物にも人間にも“資産の公平的な分割”につながって、継続可能な農業になると思っています」

かつて私は、この言葉を読んだ時にほっとした記憶があります。

実は私はエコ業界に多い、頭デッカチのエコ論を振りかざす人たちに辟易しています。

ですから依田氏のように、まじめに自分が日々相対している土地や作物、あるいは家畜と向かい合って、彼らから多くを奪わない、公平にその命を分け合っていこうとする人柄はたいへんに希少なのです。 

おそらく依田氏は、農業者として最大の宝である<現場性>を豊かに持つ人ではないのでしょうか

この忌まわしい事件が起きた現場は、東村立高江小中学校近くの路上です。

小中学校は小学校と中学校が合わさったものですが、ここからも過疎の村で起きたことが窺い知れます。

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続いて依田氏のカナンファームの位置をみてみましょう。

わずかの距離しか離れていない、同じ村の事件であることがお分かりになると思います。

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この事件の<現場性>はこの地図を見ると見えてきます。

依田氏を訴えた反基地運動家の男女らは村の外からやってきて、村の道に居座り、走行する車両を一台一台止めては、運転席に高江ヘリパッド建設の関係者がいるかどうかを「検問」し、そして追い返すという私的検問をしていました。

下の写真が撮影された運動家たちの私的検問の風景です。

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もしあなたが子供も含むお客さんを乗せて、平和な村の道を走っていたとします。

すると正体不明の者たちが突然路上にバラバラと飛び出して、大声で「止まれ」と命令します。

そして、あろうことか天下の公道で「お前ら、帰れ」と命じます。警官ならまだしも、まったくの私人にこんなことを命じる権限があろうはずがないのは子供にでもわかるはずです。

これが依田氏が遭遇した状況だったのです。

車に同乗してきた小さな子供は怯えて泣き始めました。「私たちはこの村の者だ。通してくれ」と抗議した依田氏と、この運動家たちとの間に悶着が起きました。

この事件が通行の少ない山間の道だったために、見過ごしがちですが、これが那覇の国際通りでやったらどうなるでしょうか。

第一できやしません。怒ったバスやタクシーの運転手に道から連れ出されますし、あっと言う間に警官に道路交通法違反で逮捕されるでしょう。。

しかし、彼ら反基地運動家たちは、東村のへんぴな道なら我が物顔で可能だと思い違いしていました。

沖縄北部は、中東かなにかの民兵出没地域でしょうか。

というのは、当時彼らは私的検問だけではなく、高江集落に続く県道自体を封鎖していたからです。

下の写真は沖縄防衛局が、公式にアップしている写真です。

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反基地運動家たちは、住民が使う山の裏道までも車で封鎖し、通行する車を検問し、とうとう地元と事件まで引き起こす始末でした。

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それを報じた、沖縄タイムス北部支局の城間記者の記事(2017年8月8日)です。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/61153

「県道70号では8月から、市民が「牛歩作戦」として、工事車両の前を時速10キロ未満の速度で走る抗議行動を展開。
機動隊の交通規制もあって県道は渋滞し、出荷や作付けする農家を中心に地元住民の往来に支障が出ていた。(略)
高江区の農家の男性(75)はカボチャの植え付けに向かう途中で渋滞に巻き込まれ、本来10分で到着するはずの畑に1時間以上を要した。
「作付け期間は限られている。このままでは1年間の収入に響く」と嘆く。「決してヘリパッドに賛成ではない。ただ、彼らのやっていることはわれわれの生活の破壊。もう爆発寸前だ」と憤慨する。当初の機動隊への怒りの矛先は市民側に変わりつつある。
 ヘリパッド建設予定地に近い国頭村の安波小学校では5日、「牛歩作戦」の影響で教員1人が授業に間に合わず、学校側は授業を急きょ変更した。
宮城尚志校長は「反対運動を否定しないが、もっと別にやり方はないのかと思う」と首をかしげる。
 高江共同売店では物品の入荷日を抗議集会のある曜日は避けるようにした。仲嶺区長は「区民のストレスは限界に来ている。早くヘリパッドを完成させた方がいいとの声も出ている」と打ち明ける。
通勤、保育園送迎、通院などに支障が出ていると苦情は絶えない」

農家は自分の農地に行けないために作付け適期を奪われる、子供の通学や授業にすら支障が出る、唯一の商店である共同売店は品薄になる・・・、まさに「村殺し」そのものです。

困り果てた高江の住民は、村の人間だけでも通行させてくれと、下の写真のようなステッカーを作って反対派に懇願しましたが、「区は村を通じ県警に通知。市民側にも伝えているが、仲嶺久美子区長は「農家から効果があったとの報告はない」といった有り様でした。

Photo沖縄タイムス同上記事より引用

住民は区を通して県警にも連絡したそうですが、県警が手をこまねいていたために、路上封鎖は延々と続きます。

まさに大げさな言葉ではなく、反対派による実力による「実効支配」下にこの一帯の地域は置かれていたのです。

ちなみにこの「村殺し」の指揮をとったのが、「非暴力運動を理由に不当逮捕」されていると主張している山城博治氏です。

このような状況で起きたのが、この依田氏事件でした。

暴行容疑については、追って裁判で明らかになるでしょう。

依田氏は「相手に先に押されたもので、携帯電話で女性から写真を撮られ、取り上げようともみ合った際に手が当たったものと主張」(産経同上)し、重傷を負ったという反対派活動家の言い分と食い違っています。

この起訴は長期間に渡って、事実上高江や北部の山村で実力による「実効支配」を続けてきた、反対派の暴力のエスカレーションを容認してきた沖縄県警の責任を回避するものてす。

県警がまともな法による取り締まりをしていたなら、この依田事件は起きようはずがなかったのです。

最後に依田氏の肉声をお伝えして終わりにまします。

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「起訴されました。 昨日起訴状が届きました。 過激派の検問を邪魔したことで、罰せられるようです。でも、僕には力強い全国の皆様がいます。 とことん闘いますので、これからもよろしくお願い致します!」

※関連記事
救急車報道について
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/post-c05b.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-8025.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/post-4fdb.html

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現実的選択としてのイージス・アショア

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安倍氏が敵基地攻撃能力について、当座否定的な考えを示したようです。 

それを報じる朝日(8月6日)です。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6249592

「首相は広島市内であった記者会見で報道陣の質問に答えた。北朝鮮による核・ミサイル開発を念頭に「現実をしっかり踏まえながら様々な検討を行うべきだ」としたうえで、「敵基地攻撃能力の保有に向けた具体的な検討を行う予定はありません」と述べた」

この問題について安倍氏の考えは、定まっていないようです。 

実はかなり前から与党内で敵基地攻撃能力の保有を促す提言はなされてきましたhttp://www.sankei.com/politics/news/170330/plt1703300025-n1.html

「自民党安全保障調査会の今津寛会長らは30日、官邸を訪れ、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、発射拠点を攻撃する「敵基地攻撃能力」保有の早期検討などを政府に求める提言を、安倍晋三首相に手渡した。
 首相は「(北朝鮮の)新たな段階の脅威を深刻に受け止めている。本日の提言をしっかりと受け止め、今後も党とよく連携したい」と述べたが、能力保有の是非には言及しなかった。 菅義偉官房長官は記者会見で「大変重要な提言をいただいた。弾道ミサイル対処能力の総合的な向上のために検討を行っていきたい」と強調した」(産経3月30日)
 

安倍氏は今年3月2日の参院予算委員会で、「国民の生命と財産を守るためには何をなすべきか、様々な検討を行っていくべきだ」(産経3月3日)と述べています。

そして今回、安倍氏は、「様々な検討」の対象から敵基地攻撃能力を保留したということになります。 

つまりは、敵基地攻撃能力は保有しない、防衛大綱の見直しはする、となると選択肢は弾道ミサイル防衛(BMD)の強化だけしかのこらないことになります。

必然的に、パトリオットPAC3の増強と、イージス・アショア(Aegis Ashore 陸上型イージスシステム)の導入ということになります。

Photo_2ミサイル防衛局 [PDF]より) 
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50788821.html

元来イージス艦に搭載していたイージスシステム(イージス・フロートAegis Afloat)を、ミサイル防衛(BMD)部分を、地上に移植しようというものです。

いままで沢山の実験を重ねてきて折り紙つきのイージスシステムのSPY-1レーダー、C4Iシステム、Mk 41ミサイル垂直発射システム(VLS)、ディスプレイ、電源・水冷装置などを、そっくり地上に設置しようとする考えです。

アーレイ・バーク級イージス艦の設備がそのまま陸上でも使用されます。よっこらしょと移すとこういう外観になるようです。

Photo_4http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50788821.html

艦船搭載型との大きな違いは、設置型なために、常に監視・警戒・迎撃ができることです。

哀しくやイージス艦は白波を蹴立てて疾走してカッコイイのですが、いつも必要な位置に、必要な隻数がいるわけではありません。

海自の4隻のBMD艦は、作戦航海・整備休養・訓練などのローテーションで回っていますから、4隻丸々日本海にいることはありえません。

いつ何時起きるか分からないミサイル発射に対応できる位置に、常にいられる保障がないわけです。

地上型イージス(イージス・アショア)はこの欠陥を補うもので、米国においてはSM-3ブロック2Aが配備されて、既に2015年12月9日に標的ミサイル迎撃実験に成功しています。

この最新型のSM-3ブロック2Aを導入して、日本海側の舞鶴基地に配置した場合の迎撃範囲は、「海国防衛ジャーナル」様(2017年05月01日)によれば以下です。
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50788821.html

Photo_5「海国防衛ジャーナル」様による。

上図は舞鶴を中心にSM-3ブロック2Aの探知範囲の2000kmの範囲を描くと、このように日本全国をカバー可能となります。   

また、気になる価格ですが、日本はこのシステムを米国から有償援助調達(FMS)で輸入することになり、その価格は「海国防衛ジャーナル」様(2017年05月01日)の試算によれば、8億2千万ドルていどと見積もられています。

一基800億~900億円ということになります。これを高いというか、国民の安全を考えれば安いとみるかは分かれるところです。

私は実現するには技術的障害があまりにも多く、かつ、いつになったら国民的合意をえられるかわからない敵基地攻撃能力などに深入りするより、とりあえず、現実的なイージスアショアで対応することが現実的ではないかと思います。
 関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-42bf.html

しかし航空機による空爆はナンセンスですが、相手の防空網の射程外から発射するスタンドオフ攻撃能力を持つトマホーク巡航ミサイルは、具体的に獲得に向けて検討するべき段階だとは思っています。

これについては長くなりますので、別稿で詳述するつもりです。

ただし、これについても簡単に考えないで下さい。

敵基地攻撃能力の獲得は、日本が日米同盟を超越して独自の攻撃オプションを持つことを意味しますので、国際政治力学上も難しい問題を持っていることを付け加えておきます。

■謝辞 本日の記事は「海国防衛ジャーナル」様の知見に多くを負ったことを感謝いたします。ありがとうございました。

 

 

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日曜雑感 首相予定どおり消費増税と発言 豪州でオスプレイ事故

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日曜なので、短く感想を書きます。

■昨日、首相が予定通り19年に消費増税をすると発言しました。https://this.kiji.is/266357104092644854

既定路線どおりと言えばそうで、それ自体は驚くことはないのかもしれませんが、時期が悪すぎます。

これではブースター・スタートどころか、逆噴射になりかねません。強く批判します。

いかに与党内部で攻防が存在しているのか伺いしれますし、首相がいかに政権維持と経済政策で危ういバランスをとっているのがわかります。

首相がこういうことを言うこと自体が、貯蓄性向を強め、個人消費を手控えさせ、景気を冷え込ませるわけですので、褒められません。

また直前撤回でサプライズなどということを考えるほど甘い政治家ではないと思いますが、なにを首相が胸中に秘めているのか理解に苦しみます。

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■オスプレイがオーストラリアで着艦に失敗し墜落しました。

オーストラリア東部でV-22オスプレイが空母レーガンドック揚陸艦グリーンベイに着艦しようとしたときに墜落、搭乗していた26人中3人死亡3名が行方不明です。無事をお祈りします。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170806-00000003-asahi-soci

原因は調査中です。分かり次第お伝えします。

誰がどう騒ぐのかわかるだけに、イヤになります。

すでに前泊氏などは詳細がわからないうちから騒いでいるようで、今日あたりの沖縄2紙はこれがトップかもしれません。

このオスプレイは普天間基地に所属しているというだけの話であり、沖縄での運用となんの関わりもありません。

ごく普通に本土でも沖縄でも飛んでいるUH-60ブラックホークは、今年すでに4機落ちています。

航空機事故は、運用上の事故は常にありえるのであって、それが機体の欠陥かどうかはそのつど調査せねばわかりません。

だからこそ安全運行のための、多くのレギュレーション(規則)が存在しているのです。

オスプレイ危険機説については、関連記事をご覧ください。
※関連記事 「オスプレイは危険機か?その1 パイロットの操縦ミスだったモロッコ事故」http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-9b2e.html

●在日米海兵隊ツイッター

「オーストラリアで展開中の米海兵隊に所属するオスプレイが現地時間の8月5日午後4時頃、通常の訓練中に着水し、すぐさま救助隊が出動し、乗っていた隊員26人のうち23人は救助され、3人を捜索中という一報が入りました。 詳細は分りませんが、無事を祈るばかりです!」

●デイリーテレグラフを転載しておきます。
http://www.dailytelegraph.com.au/news/nsw/us-military-helicopter-crashes-off-queensland-two-feared-dead/news-story/885fa149cbf29da4e02c18e07a0bfeb7?nk=00db0fa13fd744074c9e67499851095d-1501970186

”AN AMERICAN military helicopter has crashed off the coast of Queensland, with at least three US Marines missing, feared dead.
The helicopter — an MV-22 Osprey tiltrotor helicopter, which can operate from aircraft carriers — was in Australia to be part of the giant Australian-US military exercise Talisman Sabre, which has just concluded in Queensland.
Military sources said the accident happened as the aircraft attempted to land on the USS Ronald Reagan ship.late afternoon on Saturday.
The Sunday Telegraph understands 23 of the 26 personnel on board had been accounted for.
A search and rescue effort was under way last night, with boats and warships searching for the missing Marines.
The US Marine Corps released a statement last night saying there was an “active search and rescue operation ongoing for servicemembers involved in an MV-22 mishap off the east coast of australia.
Ship’s small boats and aircraft from the 31st Marine Expeditionary Unit and Bonhomme Richard Expeditionary Strike Group are conducting the search and rescue operations.

The V-22 has had a controversial safety record, with the latest crash one in a string incidents that have resulted in 39 fatalities over 26 years.
During testing between 1991 to 2000 there were four crashes that resulted in 30 people being killed. Since becoming operational in 2007 there have been five further crashes and several other incidents that have resulted in a further nine deaths.
Four Bell-Boeing MV-22 Osprey aircraft were in Australia from US Marine Medium Tiltrotor Squadron 268, landing in Darwin at the end of April.
The aircraft, resembling a cross between a helicopter and airplane, has capabilities including taking off vertically and travelling much faster than a helicopter.
In July the aircraft was posted to Queensland as part of the military exercise Talisman Sabre, involving 33,000 personnel, 33 ships and 200 aircraft from Australia, the US, New Zealand, Japan and Canada.
The battle phase of the training exercise centred around the Shoalwater Bay Training Area in Central Queensland.
Personnel from HMAS Canberra conducted trials with the Osprey to increase capability between US and Australian military aircraft.”

仮訳
「米軍のヘリコプターがクイーンズランド州の海岸から墜落し、少なくとも3人の米海兵隊員が行方不明になって死亡する恐れがでた。
ヘリコプターは、航空会社から操縦できるMV-22 Ospreyのチルトローター・ヘリコプターで、オーストラリアでは巨大な豪州・米軍の訓練タリスマン・セイバー(Talisman Sabre)に加わっていた。
タリスマン・セイバーはクイーンズランド州で実施されている。

軍の筋によると、この機体が米ロナルド・レーガン号船に上陸しようとしたときに事故が起こったという。
サンデー・テレグラフは、搭乗した26名のうち23名が説明されていいる。
昨夜、捜索救助活動が行われ、米海兵隊は、昨夜、オーストラリア東海岸のMV-22事故に巻き込まれた兵士のための活動的な捜索救助活動があったと発表した。
船舶の小型ボートと航空機は、第31海兵遠征部隊とボノム・リチャード遠征打撃群から捜索・救助活動を実施しる。
V-22は安全性の論争の的になっていた。最新の衝突事故で26年にわたって39人が死亡した。
1991年から2000年の間の試験では、4人の死傷者が発生し、30人が死亡した。 2007年に操業を開始して以来、さらに5件の事故が発生し、さらに9件が死亡した。
4機のMV-22オスプレイは、4月末にダーウィンに上陸していた。
ヘリコプターと飛行機の交差点に似た航空機は、垂直離陸やヘリコプターよりもはるかに高速な移動などの機能を備えている。
7月には、航空機は、オーストラリア、米国、ニュージーランド、日本、カナダから33,000人の隊員、33隻の船舶、200機の航空隊タリスマン・セイバー(Talisman Saber)の一員としてクイーンズランド州に展開した。
訓練訓練の戦闘フェーズは、中央クイーンズランド州のショールウォーターベイトレーニングエリアを中心に行われた。
HMAS(豪州海軍)キャンベラからの要員は、オスプレーとの試験を行い、米軍とオーストラリアの軍用機の能力を増強した。」

 

■篠原章 『外連(けれん)の島・沖縄――基地と補助金のタブー』

まだ予約段階ですが、振興予算と基地反対運動との関わりについて書かれた書物がまったくないので、たいへん面白い一冊になりそうです。 私はもう予約しました。 

「けれん【外連】
(1) 歌舞伎や人形浄瑠璃で、見た目本位の奇抜さをねらった演出。また、その演目。早替わり・宙乗り・仕掛け物など。
(2) ごまかし。はったり。
『補助金はいらん』と一言いえば、辺野古移設の問題は大きく動く可能性があります。補助金は事実上基地負担の代償ですから、沖縄県が補助金受け取りを拒否すれば政府も困ります」(本文より)
沖縄振興予算をがぶ飲みするのは誰か。
基地負担の見返り=振興予算を認めた仲井眞前知事が、「沖縄の心を売った」と罵られた理由とは?
「日本というくびきから外して」といいながら永田町と霞ヶ関に通いつめ、すでに第六次(2022年度以降の10年間、総額3兆円超の見込み)振興予算延長を獲得!
沖縄支配階層の守護神がくりだす奸計(かんけい)と政略の、誰も指摘しない「不都合すぎる真実」を白日のもとにさらし、基地も補助金も減らす、真の自立の道を探る。         

  <内容説明>
  「国王」翁長知事の肖像――
  ・基地反対を武器に振興予算延長
  ・結局、普天間基地存続に帰着する危険な構図
  ・本気で辺野古移設を止める気がない法廷戦術

<目次より>
第1章 「外連(けれん)」の島・沖縄
第2章 英雄か悪漢か――翁長沖縄県知事の肖像
第3章 基地移設の矛盾と欺瞞(ぎまん)
第4章 行政処分の応酬と法廷闘争
第5章 琉球独立運動の悲劇
第6章 「被害者原理主義」が跋扈(ばっこ)する沖縄の歪んだ言論空間
第7章 基地負担の見返り=振興予算が沖縄をダメにする

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日曜写真館 サイゴンの市場

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カメラの面白さというのは、その場の空気や光、そして音すらもとどめておくことができることです。

今日の写真はサイゴン(ホーチミン)市でコンデジで撮ったものですが、いいなぁ。

いえ決して私の腕ではなく、カメラはが私の「眼」そのものになっているからです。

最近ちょっとカメラに関してはスランプで、妙にアートしちゃうんですよね。

いかん、初心に戻らねば。




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政権支持率回復 いったんマイナスに振れたものがやっと0になったにすぎない

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読売と共同の世論調査が出ました。 

今日明日で出揃うでしょうが、たぶん似たようなトレンドになると思われます。 

これを見る限り政局の混乱から、その修復・挽回プロセスに入ったのかもしれません。 

「安倍内閣の支持率は42%で、第2次内閣発足以降で最低だった前回調査(7月7~9日)の36%から6ポイント上昇した。
 支持率は、安全保障関連法成立直後の15年9月調査の41%とほぼ同水準。不支持率は48%(前回52%)に下がったが、なお不支持が支持を上回っている。不支持の理由で「首相が信頼できない」は54%となり、第2次内閣以降で最高だった前回の49%を上回った。」(読売8月4日)
https://news.nifty.com/article/domestic/government/12213-20170804-50075/ 

「共同通信社が3、4両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は44・4%だった。前回7月の調査より8・6ポイント上昇した。不支持は9・9ポイント減の43・2%で、ほぼ拮抗した。今回の内閣改造、自民党役員人事を「評価する」との回答は45・5%で、「評価しない」は39・6%だった。」(ロイター8月4日)

 精密な統計グラフを作られている、地質学者の藤原かずえ氏の8月4日のツイッターによれば、内閣支持率とその標準偏差は下のようなグラフになります。https://mobile.twitter.com/kazue_fgeewara/status/893448397574635521/photo/1 

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藤原氏が述べるように、これ自体は統計的なフラクチュエーション(ゆらぎ・ばらつき)であるかもしれませんし、いわゆる御祝儀相場の可能性もあります。 

ただし藤原氏は、一定期間の幅で観測すれば、 

「支持率の底値を知る指標となる過去16週の支持率の標準偏差は過去4週にわたって高止まり、今週はピークをわずかに下回っています。つまり支持率は底値を打った可能性があります」 

私もそうだと思います。延々とモリカケ一本で世論操作をしてきたメディアと野党は、いまや弾切れ・出尽くし状態となっています。 

それはいまやメディアが、「加計は三流大学でぇ。まともな獣医学部なんかできっこないぞぉ」といった、あさっての方向に弾を乱射し始めたことでもわかります。 

そもそも、この加計問題は安倍氏が便宜をはかったか否か、そこに越権行為や違法性があったのかどうかが問題とされたんじゃなかったんですかね。 

加計学園がどんな学校法人だろうと、なんの関係もありません。 

やっとモリカケ騒動による政局の著しい混乱も、修復過程に入ったのかもしれません。 

このモリカケ事件勃発から始まる、一連の負のスパイラルを作ってしまったのは政権自身です。 

メディアの偏向があったなどという、弱々しい言い訳を政府はするべきではありません。危機管理上、しゃもない失態続きを演じたのは政府自身だったのですから。 

森友事件においては、かなり早期の段階から財務省近畿財務局に問題があったのは明らかだったわけですから、その理由を麻生財務相は調査して明確に公表すべきでした。 

あの時点で火を消しておけば、後に昭恵夫人に飛び火することはなかったはずで、もうこうなったらミソもクソもあったことかという事態になってしまいました。

世論調査の各社グラフを見ます。このように各社を重ねると、全体のトレンドが分かります。 

Photo_3第二次安倍政権の支持率推移(2012年12月~2017年6月)・各世論調査

「2017年3月以降の急激低下
上昇傾向だった支持率が2017年3月頃から急速に減少傾向を示すようになった。要因としては、
森友学園疑惑が先駆けとなり、4月頃やや持ち直したものの、加計学園疑惑や共謀罪法案の強行採決などで一気に減少した。
減少幅は2015年7月8月よりも大きいが、2015年7月8月の支持率よりは未だ高い支持率を保っている。」(何でも統計 6月28日)

3月以来続いたメディアの新聞・電波・週刊誌という3D攻撃によって、政権はボディブローのように支持率を下げています。 

先に紹介した藤原かずえ氏が作成した支持率推移です。 

一貫して6割台で安定飛行をキープしていた支持率は、3月頃から徐々に低下し、やがて4割を切る下降トレンドに入ります。

 

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(1) 報道各社の生データを平均支持率で除算することで、データの偏向を除去する
(2) 全てのデータを週間隔に割り当てる(世論調査は基本的に週末に行われるので比較的容易にアロケイトできます)
(3) 一つの週に複数のデータが存在する場合には、それらを平均して一つの値にする
(4) データが欠如する週については前後のデータを線形補間して値を得る。

http://ameblo.jp/kazue-fgeewara/entry-12293518225.html

そして第1波の森友事件が弾切れになるやいなや、間を開けることなく続いて第2波の加計事件が持ち上がります。 

ここであろうことか、麻生氏の失敗とそっくり同じことをしたのが、政権中枢の菅官房長官でした。 

菅氏も「そのような文書はない」と一蹴してしまい、前川文書は吟味されることなく、隠蔽疑惑に変質していきます。

危機管理において、後に疑念を抱かれるような言い訳は絶対にしてはいけません。そこを衝かれるからです。

冒頭記者会見で官房長官が一蹴するなど論外で、財務局にさっさと謝らせねばならなかったように、原因究明を約束せねばなりませんでした。

加計事件の場合、2週間ていどの時限を切って約束した調査報告を公表する手順が望ましかったのです。

これをしなかったために、ひたすら「疑惑」は増殖していくことになります。

メディアはこのようにエスカレートしていきます。

①疑惑の火種を見つけると、内容を調査して報じるのではなく、やみくもに「首相は説明しろ」と投げつける。
②していないことを証明しろという「悪魔の証明」のために答えに窮すると、「首相は説明していない」と決めつける。
③窮すれば、「説明責任を果たしていない」と畳みかける。
④さらにそれを「疑惑の隠蔽」として報じて、「疑念がある」に進化させる。

その時期の7月15日、16日に出た共同通信世論調査です。 

・支持しない理由1位77.8%・・・「加計学園問題の政府側の説明が納得できない」
・          2位51.6%・・・「首相が信頼できない」
※首相の「腹心の友」が理事長を務める加計学園による学部新設を「問題だと思う」
・・・62.4%
 

このブログでも扱ってきたように、加計事件で公表された時系列に沿った諮問会議議事録を読むという基本をしないで、メディアによって大戦中の大本営発表もかくやという膨大なフェークニュースが投入されました。 

社団法人日本平和学研究所の調査による閉会中審査の報道時間は、前川氏が2時間33分46秒、加戸氏はわずか6分1秒だったそうで、それも音声は入らずコメンテーターにしゃべらせていたものもあったたそうです。

典型的な隠蔽です。

Photo一般社団法人日本平和学研究所によるhttp://housouhou.com/2017/08/06/1666/

もはや偏向報道などといった可愛らしいレベルではなく、ブレーン・ウォッシュ(洗脳)です。

その結果が、上の共同の世論調査のように、国民の7割もが「説明に納得できない」「首相を信頼できない」という世論に繋がっていきます。

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さて今後ですが、今回支持率が退潮に歯止めをかけたのは、首相がみっちりと謝ってしまったからです。

本来、濡れ衣なのですから謝罪すべき筋合いじゃないと思いますが、日本人の素直に謝れば許したくなるという国民性を考慮したのでしょう。

かつての石原知事三選時に請われて選挙参謀に就いた危機管理専門家佐々淳行氏の提言で、「反省しろよ慎太郎。でもやっぱり慎太郎」の故事を参考にしたのかもしれません。

その伝でいえば、「反省しろよ晋三。でもやっぱり晋三」ということになりますか(笑)。

それはさておき、現時点では下降トレンドに底が見えたていどですから、挽回フェーズに入っているとはとうてい言えません。

今後、安倍氏がやるべきは、いったんマイナスに振れたものがやっと0になったていどですから、これを上向きに変えるということは大変なことです。

政治記者に言わせれば、普通支持率2割台に落ちるとダメと言われているそうですが、安倍氏には秘策があるはずです。

なまじのぬるい挽回策では、またジリジリ下がって行くでしょう。

ならば、え、ここまでやるのかと国民をうならせる事後挽回策がひとつだけあります。

はい、そうです。消費税凍結と財政出動の大幅上積みです。これしかありません。

幸い今、財務省は森友事件で弱っています。

平時なら、財務省は消費税凍結と財政出動の大幅上積みにウンといわないはずですが、今なら強力なプレッシャーをかけられるでしょう。

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北朝鮮の「平和攻勢」と米国の現状凍結路線が一致したら

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昨日の朝鮮半島有事について、もう少し続けましょう。 

まず北朝鮮は一体なにを考えているのか、考えてみましょう。 

ひとことで言えば、「米国と核保有国同士でサシで交渉をしたい」ということです。 

あまり知られていませんが、北朝鮮は実は、「核先制不使用宣言」なるものをすでにしています。 

北朝鮮の言うことに耳を傾けてみましょう。2016年5月、第7回朝鮮労働党大会における金正恩の宣言です。 

いつも火の海にするとか、さぁ戦争だと叫んでいるので、案外まともなことに逆に驚かれるかもしれません。 

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「わが国は責任ある核保有国として、侵略的な敵対勢力が核兵器でわれわれの自主権を侵害しないかぎり(略)こちらから核兵器を使用することはしない。
国際社会の前で負う核拡散防止条約の義務を誠実に履行し、世界の非核化を実現するために努力する」(磯崎教仁共著『北朝鮮入門』2017年)

今世界でもっとも核軍拡に励んでいる国から、「世界の非核化を宣言する」などといわれると、吹き出してしまいそうになりますが、まぁ置きましょう。 

この正恩の「核先制不使用宣言」のキモは、冒頭の「責任ある核保有国」という部分です。 

先制使用(preemptive use)という概念は、まだ核戦争か始まらない前に先に核兵器を撃ってしまうことです。 

つまりいきなり日本やグアム、あるいは米本土西海岸に弾道ミサイルを発射するということです。 

常識的には、まず考えられません。倍返しどころか、数十倍返しにあうからです。 

核兵器というウェポンの特殊性は、「持ってナンボ、使ったらシャレならへん」という政治的兵器なことです。 

これについて正恩は十分に理解していると考えるべきです。北朝鮮はやっていることは狂気じみていますが、頭の中には常に冷えた打算があります。 

正恩が考えているストーリーはこうです。

①核弾道ミサイルを、米国に着弾するまで伸ばす。
②対米核抑止力を得たと宣言する。
③印パのように国際社会、なかでも米国に「核保有国」だと認めさせる。
④核保有国同士として米国と対等な交渉テーブルに着く。

現在、この①の最終段階にあります。 

おそらく、年内にあと数回のICBM実験を行い、核実験も実施するでしょう。

そして②の「対米核抑止力を獲得したぞ」と、高らかに宣言するでしょう。 

国際社会は基本的に無関心です。ヨーロッパ諸国は対露関係で精一杯ですし、なにぶん北のミサイルは届きません。 

ロシアにとっては、米中を牽制でき、しかも日米同盟に楔を打ち込むことが可能なので、最後まで国連制裁にすら反対し続けるでしょう。 

中国はご覧のとおりです。いままでなにもしてこなかったし、今後も何もしないでしょう。トランプは100日猶予にだまされて、対中経済制裁という油揚げをとられたのです。 

北朝鮮が北京に核ミサイルを向けず、印パのように地域の枠組みに入ってくれれは、日米同盟が分断されるうまみをもっとも得ることができるのは、中国です。 

したがって、レックス・ティラーソンが今やっている外交努力は無効に終わり、「核保有国宣言」をした正恩は米国に対してなにを呼びかけるでしょうか。 

正恩にこじゃれた言い回しができる米国留学組のブレーンがいれば、「朝鮮半島非核化イニシャチブ(←朝日やハトさんの好みの表現)」くらいはいいそうですね。 

ここで正恩は、「非核化」の第一歩として「寛容」にも、できたばかりで実戦配備中のICBMを削減してもいいというカードを切ってきます。 

そして米国に見返りとして、核保有国の承認、朝鮮半島への核兵器持ち込みの禁止、そして米韓合同軍事演習の中止、在韓米軍の撤退などをもとめるでしょう。 

そもそもこの交渉は核保有国として認めるのが前提ですから、案外米国が呑んでしまうかもしれません。 

ところが実はこれは大変なクセ球で、言外にIRBM(中距離弾道ミサイル)は削減対象にならないと言っているのです。 

Bnuf145_capjou_j_20170710094609_2ロバート ・ゲーツ元国防長官

実は、米国内にもこの北朝鮮の思惑に共鳴するプランが存在します。

ロバート・ゲーツ元国防長官は、ウオールストリート・ジャーナルとのインタビューで、こう述べたとされています。

「中国が依然としてカギを握るだろう。
中国に対して
①旧ソ連とキューバ危機を解決したときと同様に、北朝鮮の体制を承認し、体制の転換を狙う政策の破棄を約束する用意がある。
②北朝鮮と平和条約を締結する用意がある。
③韓国内に配備している軍事力の変更を検討してもいい
と提案する。
この見返りに、米国は北朝鮮の核・ミサイル開発計画に対して強い制約、つまり基本的には現状での凍結を要求し、国際社会や中国自身が北朝鮮にこれを実施させることを求める必要がある」

これは「現状凍結」路線とでも言うべきものです。

そしてゲーツは具体的には米国本土へのミサイル防衛を強化しながら、北朝鮮とテーブルを作れと言っています。

「レックス・ティラーソン国務長官とジム・マティス国防長官がこの計画を中国に示し、中国が支持すれば、その時初めて北朝鮮との直接協議が始まる」

これは韓国はおろか、日本の頭越しの「和解」です。

日本を標的にしたIRBMの削減は求めない以上、ハッキリいえば、日本に対する裏切り行為といっていいでしょう。

このようなプランにトランプが乗った場合は、日米同盟は形だけは残るでしょうが、日本は米国に対して根深い不信を持つことになるでしょう。

そして日米同盟は、中露朝の歓声に包まれながら、もろくも瓦解していくことになります。

そして日本国内には、いままで机上の空論の域を出なかった独自核武装が、現実味を帯びて台頭します。

これが、今ある北朝鮮をめぐる最悪シナリオです。 

 

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河野太郎外務大臣を迎える東アジア情勢とは

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内閣改造が行われました。 

面白いのは石破派から農水大臣に齋藤健氏が入閣したことです。経済産業省出身で、党農林部会長をしていました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170802/k10011085121000.html 

2016年6月の改造では、これも石破派の山本有三氏が入っていますから石破派の指定席となっています。 

政局しか見ないメディアは、「アベによる石破派の分断だ」と報じるでしょうが、石破氏の日本農業改造論には評価すべきものも多く含まれていて、安倍氏は案外そのあたりを見ているのかもしれません。 

政局的にひとつ上げれば、岸田氏が党政調会長に入ったことで、いわば自民党株式会社の専務となりました。

もし安倍氏の念頭に後継禅譲があるなら、あんがい岸田氏かもしれませんね。

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驚いたのは野田聖子氏ではなく(どーでもいいです、あの人は)、河野太郎氏が外相の要職に入ったことです。 

ムンジェイン大統領がこのクセ球人事をどう見るのか、はなはだ見物です。 

河野太郎氏の父親こそ、日本側で慰安婦問題という超巨大フェーク・アイコンを作ってしまった最大の責任者のひとりですからね。 

父は父、息子は息子ですから、その堪能な英語力と外国人脈を活用して、ガラス細工の平和の上に立っている日本を支えて下さい。 

さて、眼を政局から東アジア全体に移します。 

私は再び朝鮮半島情勢が、きわめて緊張した局面に入ったと考えています。 

その理由は三つあります。 

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 ひとつはいうまでもなく、金正恩の異常な原爆への愛です。映画のタイトルではありませんが、彼はもう心配するのを止めて、核兵器による均衡へとまっしぐらに進んでいるようです。 

つまり、煮え切らない周辺国とは違って正恩の目的は明確で、相互確証破壊(MAD)の関係に米国を引き込むことです。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/index.html 

いったんこの関係に入ると、「核による平和」が訪れます。相互に相手の核報復能力を軽視できないために、核戦争を恐れて通常兵器による戦争も回避するようになるからです。 

米中露の関係がこれです。小規模なものでは、印パ関係もこれにあたります。 

正恩はこの相互確証破壊という、「核による平和」に手が届こうとしています。 

これはわが国においては悪夢です。核を持った北朝鮮が、ありとあらゆる難題をわが国吹っ掛けてくるだろうことは目に見えているからです。

もしこれを米国が手をこまねいていたならば、日米同盟の意義も色あせるでしょう。 

韓国にとっても悪夢なはずですが、この国の国民はニュークリア・ナショナリズムという民族宗教をもっていますから、「核を持った朝鮮」の到来はむしろ嬉しいのかもしれません。 

Rケリー長官とトランプ大統領 

第2に、米国の状況に大きな変化が現れました。 

ジョン・ケリー前国土安全保障長官が、首席補佐官に就任しました。ケリー氏は海兵隊退役大将で、国防長官マティス氏の後輩に当たります。
https://jp.reuters.com/article/usa-trump-kelly-idJPKBN1AD2Q3 

ゴタゴタ続きのトランプ政権を支えているのは、旧軍人グループです。 

そのボス格のマティス国防長官は口舌の徒でない証拠に、2月に中東のISを10か月間で壊滅する作戦計画をトランプに提出し、そのとおり実行しました。 

2017071200000005wordleaf0787e6debc5モスル陥落 

ご承知のように、7月9日には、IS第2の都市モスルが陥落し、首都ラッカは陥落は時間の問題となっています。 

ISは中東戦線から退き、フィリピンのミンダナオ島などに拠点を移動しようと目論んでいますので、ISの脅威は去ったわけではありませんが、少なくとも今中東方面に貼り付け状態にあった空母打撃群をシフトすることが可能となりました。 

いままで、朝鮮半島の米国海軍力は、事実上横須賀を母港とするロナルド・レーガンの1個空母打撃群だけが朝鮮半島をケアしていましたが、一挙に状況が変化します。 

最新型空母であるジェラルド・R・フォードを含む、空母打撃群3セットを一挙に朝鮮半島海域に投入できる余裕が生れました。 

3から4セットの空母打撃群が、朝鮮半島海域で作戦できることになり、これにより、少なくとも海軍力の準備を完了出来る条件が整いました。 

一方ムンジェインも、いつものように朝令暮改ですが、今のところTHAADの追加配備に合意しました。 

また米国は、大陸間弾道ミサイル迎撃実験に成功しています。http://www.bbc.com/japanese/40102464 

Photo2016年1月にカリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から発射された、長距離地上発射型迎撃ミサイル BBC

かくして、米国は朝鮮半島に軍事力を集中できる条件が、急速に整いつつあります。
 

このまま推移すれば、数カ月後には北朝鮮に対する軍事攻撃が可能となります。 

そして3番目には、トランプの支持率が落ちてきていることです。

米国の有力な世論調査会社てあるラスムセン社は、このような最新レポートを出しています。 

”The Rasmussen Reports daily Presidential Tracking Poll for Wednesday shows that 38% of Likely U.S. Voters approve of President Trump’s job performance. Sixty-two percent (62%) disapprove.

ラスムセン社は、水曜日の毎日の大統領支持率が、米国人投票者の38%がトランプ大統領を支持するとした。一方、 62%が不支持である。
http://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration/prez_track_aug2#

この人気の陰りに対してコアな支持者を食い止めるために、トランプができることは大変に限られてきました。

内政的には、オバマケア廃止法案のように手詰まり感が充満しているために、外交・軍事方面に行くこともありえます。

だとするなら、トランプにとって選択肢はひとつしかありません。

当座、ティラーソン国務長官は、中国をにらみながら北朝鮮との交渉を模索するでしょうが、正恩がこの段階で受けるとは思えません。

ティラーソンはワシントンポストが主張するような、北朝鮮を除く関係国会議をしたいのかもしれません。

”Here’s a contrarian thought: President Trump had the right instinct to insist that China help resolve the nightmare problem of North Korea. A peaceful solution is impossible without help from the other great power in East Asia.”

トランプ大統領は、中国が北朝鮮の悪夢の問題を解決する助けとなることを主張する正しい動物的本能を持っていた。東アジアの他の大国からの助けがなければ、平和的な解決は不可能だ。
https://www.washingtonpost.com/opinions/trump-is-right-about-china-and-north-korea/2017/08/01/66a1a5f6-7700-11e7-8839-ec48ec4cae25_story.html

しかしこのまま時間ばかり稼がれてしまえば、年内にもう数回のICBM発射実験と核実験を実施されて、ゲームオーバー、ウィナー・キム・ジョンウンということになります。

いずれにしても、ここ数カ月以内にその答えは分かるでしょう。

そしてわが国にとっては、戦後最大の国難が待ち構えています。

河野太郎外務大臣を迎えるのは、さわやかな「湘南の風」ではなく、このような東アジアなのです。 

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「加計ありき」ですよ。だから?

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私は前回7月10日の閉会中審査が、加計事件の分水嶺だったと後に言われることになると思います。 

いうまでもなく、メディアの皆様方が見事に隠蔽なさった加戸守行・前愛媛県知事の証言が出たからです。 

よほど国民に見せたくなかったとみえて、見事に「報道しない自由」を力一杯行使されたようです。 

なぜでしょうか。 

加戸氏の国会証言を素直に読めば、加計事件は愛媛県独自のルートで進んでいたことがわかってしまうからです。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/07/2-f102.html 

今なおメディアは「加計ありきだった」という点こそが、最大の争点だとしています。 

はい、メディアの疑惑は半分は当たっているのです。そのとおりです。「加計ありき」でした。

ただ、安倍氏との関係は無関係という関係しかなかったというだけです。

Kato2http://snjpn.net/archives/25985

加戸前愛媛県知事は、獣医師、なかでも牛豚を扱える産業獣医師(※公務員獣医師・共済系獣医師)が東日本に偏在し、西日本なかでも四国が極端に少ない現状に危機感を持っていました。 

それはトリインフルエンザや口蹄疫といった強力な伝染病が、瀬戸内海を越えようとしていたからです。 

かつてのように本州から海で隔てられていたら防疫は比較的やりやすかったのですが、本州四国連絡橋でいまや一体となってしまっています。 

便利になった反面、旧態依然たる四国は防疫上大変に危険な地域になっていたのです。 

そこで加戸前知事は今治市とタッグを組んで、産業獣医師を育成するための学校建設を考えました。 

まずは来てくれる学校が必要です。あたりまえです。候補がなければ話が始まりません。 

文科省に申請は出しました。候補はいませんでは、シャレになりません。 

そうでなくとも文科省は日本獣医師会と「獣医学部をつくらせない岩盤同盟」を作って、なんと52年間も新規参入をブロックしてきたからです。 

その結果、獣医学部の定員900人くらいのところに1300人も突っ込んで、平気で水増し入学を恒常化させていたわけです。 

こんないいかげんな獣医学部の品質管理しかしていないくせに、新規参入に対しては石破4条などという獣医師業界の利害そのものの壁を新たに作ったのですから、タチが悪いですね。

そもそも水増しをしている現状を放置しながら、それでも増設を認めないという神経がヘンです。

これは獣医師業界が自由診療のために、医師が増えると価格競争になることを恐れたからで、文科省は業界とべったりと癒着していました。

それははもかくとして、加戸氏は本州四国連絡橋を超えた向こう岸にある岡山の加計学園(岡山理科大学)が来てくれることになって喜びました。 

それも愛媛県のほうから加計に行ったのです。今治選出の愛媛県県議が加計学園の事務局長と友人だった関係を使ってなんとか来て貰えないかと頭を低くして頼んだのです。 

ここは大事なところですから、加戸氏の国会証言を引用します。

誘致の問題に関しまして、昨日の予算委員会で申し上げましたように、もともとは愛媛県の県会議員が、加計学園の事務局長と、今治での同級生で、ございました。
その関係で、平成17年の1月に、県会議員が話を持ちかけまして、今治での大学誘致、進出を。それを2年間経て、検討の結果、昭和19年1月に、獣医学部で、つくりましょう、つくりますという構想が出てまいりまして、当時、安倍政権下でございました」

念のために申し添えますが、この加戸氏証言でいう「安倍政権下」というのは第1次安倍政権のことです。

愛媛県と加計学園が繋がったのは、県議と学園事務局長との関係があったからなのです。

Photohttps://withnews.jp/article/f0170604000qq000000000...

そして学校用地のための土地も、今治市の学園都市構想予定地になりました。 

地方に行くとよくある話ですが、行政が工業団地や学園都市構想を持って用地を準備しても、肝心な法人が来ないのです。 

そういう空き地が今治市にあって、そこに建ててほしいと愛媛県は考えたのです。 

ですから、「加計ありきだったのか」と問われれば、そのとおりです。だって加計しかいなかったから仕方ありません。

え、京都産業大学があるだろうって?あそこが手を上げかかったのは去年ですよ。11年も時間がズレています。

愛媛県からすれば、そのとき京産大が名乗りを上げてくれたら万々歳だったでしょうね。

いなかったんですから、しょうがない。京産大の学長も準備不足だったと正直に会見しています。

申請を審議する諮問会議で加計に決定したのは、京産大よりはるかに前から申請してきていて、プランが練れていたからです。こういうことを「申請の熟度」と呼ぶそうです。

メディアは「加計が先あったのだから、それは安倍氏が便宜をはかったからだ」みたいな言い方をよくしますが、次元が違う話をゴッチャにしています。

この獣医学部新設計画において加計学園は初めから「あった」のです。首相が「便宜を計る」もなにも、愛媛県はまったく別ルートで奮闘していただけの話です。

安倍氏が加計理事長と「オトモダチ」だったから、加計学園を突っ込んだのではないのではなく、あくまでも誘致したのは愛媛県側です。

さて、来る学校も決まった、用地もある、しかし肝心要の文科省の認可が下りないのです。 

なぜなら、文科省は絶対に獣医学部の新設は認めないという省是のようなものがあって、「告示」という形で国民が知られないように法制化していました。

事件当初私も知らなかったのですが、「獣医学部新設を認めない大学設置基準」などという奇怪な「告示」までありました。

これについて、日本共産党「赤旗」から説明してもらいましょう。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-03-13/2017031301_01_1.html

「文部科学省や農林水産省は、大学獣医学部の新設を抑制する方針をとっています。獣医師への社会的な需要と獣医数のバランスを図るのがその目的。文科省告示「大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準」は、歯科医師などとならんで獣医師養成の「大学等の設置若しくは収容定員増」を認めないとしています」(赤旗2017年3月13日)

この「大学設置基準」の緩和を特区に限って可能とする、国家戦略特区構想なんか安倍が作りやがって、というわけてす。

絶対反対だった日本獣医師会は、会長短信にこのようなことを書いています。

「この間、私(※蔵内会長)や日本獣医師政治連盟の北村委員長を始めとした本会の役職員は、できれば獣医学部新設決定の撤回、これが不可能な場合でもせめて1校のみとするように働きかけをしました」

ここで注意してほしいのは、「せめて1校のみにする」という案は、他ならぬ日本獣医師会側が出したことです。

加計1校に絞る結果になったことも、安倍氏とはなんの関係もなかったわけです。

かくして、愛媛県と今治市のロング・アンド・ワインディング・ロードが、延々と12年間も続きます。

そしてやっとの思いでゴールにたどり着いたと思ったら、こんどはメディアから加計疑惑で袋叩きにあうのですから、愛媛県もたまったもんじゃありませんね。

今日はここまでとしましょう。

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事実を背景としない「暴露」や「告発」は無

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興味深い意見を沢山頂戴して嬉しいかぎりです。 

ファクトチェックについて勘違いして頂きたくないのは、「政治的に正しいか否か」ということとはまったく次元が違うということです。 

今回、コメントでもノイズのようにアベノセイダーズが入ってきましたが、左右の別なくファクトチェックを政局で捉えようとするかぎり、必ず躓きます。 

今回のファクトチェック・イニシャチブ(FIJ)設立総会には、朝日がメディア最多の20名ちかい大部隊を送り込みました。 

朝日紙面にはすでにファクトチェックという言葉が散乱し始めていますし、まだ芽生えたばかりのこの概念を朝日の流儀に染め上げてしまいたいようです。 

ちなみに産経は1名の記者も送らず、保守系メディアがこの米国のリベラル色が強い概念に警戒心をもっていることがわかります。 

それはさておき、ファクトチェックという時、強調しておきたいことは、ぼびーさんも言っておられましたが、「真実」そのものではないことです。

真実というゴールにたどり着く前の「事実認定」にすぎません。 

私はメディアに、「公正中立」などといった空虚な立場を求めません。神ならぬ俗世のニンゲンどもが作るメディアが、神の眼など持てるはずもないからです。 

昔、レッドフォードが主演した映画『コンドル』のCIAエージェント役がありました。

といっても、彼は敵地に潜入しているわけでもなく、一日平和なオフィースで普通の新聞や公開情報の山から、相手国の動向を探っているのが仕事です。 

こういう活動のことを、オシント(OSINT、open-source intelligence)と呼びます。
オープン・ソース・インテリジェンス - Wikipedia

現場の記者たちは、本来この公開情報を基にして、足で歩いて人に会い、さらに情報を蓄積しているわけです。 

また人と会って情報を得ることを、ヒューミント(HUMINT、Human intelligence)と呼びます。
ヒューミント - Wikipedia 

これは特にインテリジェンス業界独特のものではなく、メディアも同じで、公開情報による分析(オシント)に関して言えば、私たちネット言論にも共通します。 

逆に言えば、足で稼がないようなメディアの記者など、無用だということになりますね。 

では、なんのためにメディアが「足で稼ぐ」のかといえば、事実を収集し、積み重ねるためです。 

事実を根拠としない論評は無です。事実を背景としない「暴露」や「告発」もまた無です。 

例をとってみましょう。 

今回の森友・加計事件では、空前の規模でジャンク情報が溢れました。一部のメディアを除いて、すべてのメディアがリテラか日刊ゲンダイ化したような有り様でした。 

あまりに多すぎて迷うほどですが、その中でひとつとり上げておきます。

Photo菅野完氏 籠池氏の振付師・報道担当としても「活躍」した。

森友事件かが発生するガスを作ったのが、菅野完氏らが言い出した、「日本会議黒幕説」でした。 

森友事件の序曲に、この菅野氏らの「日本会議黒幕論」が基調低音で流れていたのを思い出してもらえるでしょうか。 

この類書は2016年5月から7月にかけて多く出版されました。ざっと6冊あるようです。 

この中で菅野完氏の『日本会議の研究』はベストセラーになっています。皮肉にも版元は、産経系列の扶桑社です(苦笑)。 

菅野氏たちは、「極右安倍が日本の右傾化を進めており、彼が加わる極右日本会議がその黒幕だ」と主張したわけです。 

「黒幕」とは曖昧模糊とした言葉ですが、ここがミソです。

菅野氏たちはふたつの要素を曖昧にしたままで、強引に接着しているのです。 

「日本会議と安倍首相の政治的スタンスが似ている」ということと、「日本会議が安倍政権の政策決定に深く関与している」こととはまったく別の問題です。

保守系団体が掲げる政治目標はだいたい一緒で、保守系政治家も理念的なことを聞かれれば、皆似たようなことを言います。

政治家は票集めのために、色々な議員連盟に顔を貸すのもまたよくあることです。

あたりまえですが、ただ似ているからと言って、「政策決定に日本会議が関与した」ということにはまったくならないのです。

この前者と後者を結ぶには、オシントとヒューミントをせねばなりません。

こんなふうにです。

某月某日某所において、日本会議の某が安倍首相ないしは側近と接触し、○○の政策を依頼し、それが数カ月後に実現された。

あるいは、日本会議某はその際に安倍系列の某議員に資金提供を申し出た。

な~んてことが立証されれば、安倍氏は日本会議の傀儡で、日本を動かしているのは日本会議だということが立証されるわけです。

Photo_3https://abematimes.com/posts/1640697

このオシントを、加計事件における石破氏に当てはめてみます。

当時、地方創生担当大臣・規制改革担当大臣だった石破氏が、2012年12月に日本獣医師政治連盟から100万円を献金され、その後に例の事実上の参入拒否のために使われた石破4条件を作りました。(7月17日産経による)http://www.sankei.com/premium/news/170717/prm1707170008-n1.html

また平成27年度第2回理事会議事録には、日本獣医師政治連盟の北村委員長が加計学園の獣医学部新設の特区認定について、 こう述べています。

「蔵内会長は麻生財務大臣、下村文部科学大臣と折衝をし、私(北村)は石破大臣と折衝をし、1つの大きな壁を作っていただいている」

こここまで因果関係が見えてくると、石破氏と獣医師会との関係に疑惑をもたれても致し方がないところてす。

ところが残念なことには、これらの日本会議陰謀論の書籍には、一行もそんなファクト&エビデンス(事実と証拠)は登場しません。

結論がすでに「安倍は極右だから極右団体に操られているに違いない」といったていどの思い込みで、陰謀説を流布しているだけなのです。

さて皆さん。これと瓜二つのことが、今も進行していますね。

加計理事長と安倍首相が「オトモダチ」だから、首相は便宜を図ってやったに違いないという根拠薄弱な「告発」です。

もし加計と安倍氏を結びつけたかったら、日本会議黒幕説と同じようにそれを結びつける決定的証拠をオシントして提示せねばなりません。

加計事件では、朝日、毎日の記者は、ヒューミント=「足で稼ぐ」どころが、今治にも行かず、加戸前知事にも取材しようともしませんでした。

不利な材料がでてくるからです。

それ無きところで水蒸気のような「疑惑」と「告発」を、次々に繰り出してくる作法もまた立派なフェークニュースなのです。 

 

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