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2017年8月12日 (土)

有言実行国家北朝鮮は本当にグアムに向けて撃つのだろうか

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北朝鮮が、広島・長崎の原爆の日に合わせたかのように、広島市の上空を飛ばしてグアムに弾道ミサイルを打ち込んでやると宣言したために世界が揺れています。 

といっても日本のメディアは、加計の職員が官邸に挨拶に行ったほうがビッグニュースなようで(苦笑)、まことノーテンキですが、米国メディアは北朝鮮の弾道ミサイル一色です。 

CNNはトランプのこの発言を大きく伝えています。
http://cnn.it/2hOtrqQ 

”Trump: Maybe 'fire and fury' comment 'wasn't tough enough' ” 

「炎と怒りに直面する」ですか・・・、いつもながら過激な言い方ですが、米国メディアはトランプに関して煽って、過激な発言を引っ張りだそうとするきらいがあるので割り引いて聞いて下さい。

ロイター(8月10日)はこの発言がイレギュラーで、準備なくされたものだとしています。

「米当局者は米政権で北朝鮮問題を担当。ロイターに対し匿名を条件に、前日のトランプ氏の発言は「計画されたものではなく、自発的なものだった」 とし、「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の発言などに対応してレトリックをエスカレートさせることは検討されていなかった」と述べた。
ただ「米国の忍耐は底をついている一方で、あらゆる手段を用いて同盟国を守る米国の決意には上限がないことを
北朝鮮が理解することは重要だ」との見解を示した」

Photo火星12号 

では、周辺国はどう見ているでしょうか。 

ロシアのラブロフ外相はこう述べています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170811-00000092-jij-int 

「ラブロフ氏は「米国と北朝鮮の言葉の応酬は一線を越えようとしている」と述べ、双方が武力行使の可能性をちらつかせ、威嚇し合っている現状に懸念を表明。「常識が勝ることを望んでいる」と訴えた。また、軍事衝突が起きないように「われわれはあらゆることを行う」と強調した」(時事8月11日)

これをどう見るべきでしょうか。 

まず北朝鮮という国が、あんがい律儀な有言実行国家であることを思いだしましょう。 

北朝鮮が、「米国の極端な敵対行為により最悪の情勢が到来している状況下であらゆる手段と方法をこうじて自衛的戦争抑止力を一層強化する」(2006年10月9日)などと言うと、そのあとに必ず本当に核実験か弾道ミサイル実験をしてきます。 

Photo_2
コリアレポート・辺真一氏によれば、北朝鮮の過激な声明と実際の実験は、このように対応しているそうです。
https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20170811-00074401/

・1回目・・・声明2006年7月16日、7月6日核実験予告、10月9日核実験実施
・2回目・・・声明2009年4月14日、5月25日核実験
・3回目・・・声明2013年1月24日、2月12日核実験
・4回目・・・声明2015年12月16日、20016年1月16日核実験
・5回目・・・声明2016年9月1日、9月9日核実験
・6回目・・・声明2017年6月7日対北国連制裁決議、7月4日ICBM発射
・7回目・・・声明20017年7月14日、?

このようにいままで、北はやると言ったら2006年を除いてほぼ1カ月前後で本当にやってきました。言動についての信頼性はトランプより高いほどです。 

今回、国連安全保障理事会は8月5日に、北朝鮮の核・ミサイル開発に対する制裁を強める決議第2371号を、全会一致で採択しました。 

今回もたいした打撃を北朝鮮は受けないはずです。なぜなら、北朝鮮制裁を検討している専門家による安保理専門家パネルは、2月27日付の最終報告書でこう指摘しているからです。 

「北朝鮮は外国人とフロント企業を使って制裁を破っている」 

つまりは、外国人、外国企業を迂回した制裁逃れは公然と行われているにもかかわらず、北朝鮮の個人と企業しか対象にしないのですから、初めから尻抜けです。 

もっとも大きなポイントのはずの石油禁輸は、実施されませんでした。 

本気で国連が制裁する気なら、中国国内の送油施設を封印し、国際監視下におかねばなりません。 

北朝鮮向け原油は、中国・丹東市の「金山湾油タンク」から、馬市村の輸油ステーションへ送られて、加熱・加圧して豆満江を越えて対岸の北朝鮮・平安北道義州郡の烽火化学工場に送られて製油されています。 

下写真には、金山湾油タンクと馬市村が写っています。赤線がパイプラインルートです。 

Photo_4

 http://kazuohage.sblo.jp/article/164902193.html 

下の写真の赤丸で囲った施設が、馬市村北朝鮮向け送油パイプライン基地です。

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もし米国が北朝鮮に実効性のある制裁をしたいのなら、このパイプラインを制御するコンピュータシステムに侵入するサイバーアタックが有効でしょう。

また北朝鮮の大きな収入源である北朝鮮人労働者の出稼ぎ輸出も、現在の人数が認められてしまっています。 

ですから、残念ながら、今回の制裁がよしんば完全実施されたとしても、北朝鮮経済はまったく平常運転のはずです。 

今後ですが、いままでの「北朝鮮律儀の法則」に従うならば、なんらかのグアムに向けての弾道ミサイル発射をする可能性はたいへんに高いと思います。 

ただし、ロシアの軍事専門家である小泉悠氏が指摘するように(『丸』9月号巻頭論文)、あるとすればそれは威嚇のために海上や無人地帯に向けての警告射撃的発射です。

小泉氏はこう述べています。

「これを(ロシアの威嚇発射)北朝鮮にあてはめるならば、米韓による軍事力行使が差し迫った段階で日本海などに核弾頭装備の弾道ミサイルを打ち込み、デモンストレーション的な核使用(警告射撃的核使用)を行うオプションが考えられる。
このようなシナリオは、実際に被害を出さない以上、北朝鮮に対する報復攻撃を回避しつつ核抑止を発揮するグレーゾーン型オプションとして、米国でも真剣に検討されるようになった」

私も小泉氏に同意します。

おそらく、北朝鮮は1カ月以内にグアム近海に向けて、ほんものの核弾頭つきICBMを発射するかもしれません。

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コメント

終戦の日が近づくにつれ連日、NHKをはじめとするTVは空襲など戦争体験を語り、戦争の悲惨さを訴えます。しかし現実の世界で想定されている戦争は、本記事にあるようなミサイルによる攻防です。

このギャップが、なんかもの悲しくさえ思えます。先の大戦では攻撃の姿がリアルに見え、多くの人々に戦争の記憶となっていました。ところがミサイルというものは、突如空の彼方から降ってきます。

それまではTVなどによって「北朝鮮がミサイルを・・・」とかの"情報"が流れるにすぎません。つまり、この情報に関心がない人にとっては、戦争の危機感をまったく感じることができないのでしょう。

だから、こんなに北朝鮮情勢が緊迫していても、くだらない学園もの騒動を延々とやっていられるのではないかと思います。

以前、どなたかのコメントにもありましたが、政府広報チャンネルが欲しいですね。

ぱよくの一部が、きっと、トランプが煽っているのは、裏に安倍がいるに違いない。そして、北朝鮮にミサイル撃たせて、モリカケを誤魔化させようとしているのに違いないと、叫ぶことでしょう。

北朝鮮がミサイル撃っても、安倍をかばうためだと叫びそうです。

どこまでも世界の中心にアベのせいだと叫びたい彼らの期待に答えて、この際北朝鮮にはミサイルの数発ぐらいぶっ放してもらいたいものです。

日本に被害がないようにですがね。ええ。御都合主義ですけれど。

トム・クランシーの小説「米中開戦」のように、南シナ海の実効支配確立と台湾併合が中国の意図するところであれば、北朝鮮の核による挑発は、米日を翻弄して隙を作らせる格好の材料であり、中国が北朝鮮を密かに支援する動機となっているのではないかと思えてきます。

それにつけても、沖縄県、「辺野古新基地反対県民集会」ですか?。ミサイル撃ち込まれて、あとに残るは、風に舞うズラ一枚なんてならないよう祈りたい気持ちです。

自己中心的で傲慢高圧的な政治という意味ではドナルドランプも金正恩も似ているけれど、無意味で高慢なプライドで戦争を起こすことだけはやめてほしいです。

グアムに住んでいる罪のない住民に対する迷惑を考えたことはないのでしょうか。

もしかしたらドナルドランプはグアムはアメリカとは思っていないのかもしれない。西海岸のカリフォルニア近辺にミサイルの照準を合わせられたら、平和的解決を探ってくれるかもしれないけれど。

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