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2017年8月18日 (金)

山路敬介氏寄稿 沖縄県の政治状況と翁長知事の実相その2 勝つはずがない訴訟のゆくえ

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山路氏の論考の2回目です。ありがとうございました。

このような精緻な分析ができる論者は、貴重です。

                       ~~~~~
              ■沖縄県の政治状況と翁長知事の実相 その2
                                       山路敬介(宮古)

承前 

訴訟のゆくえ 

すでに方々で言われるように、県・翁長知事側に全く勝目はありません。 

最高裁で既に「行政上の義務の履行を求める民事訴訟は不適法」との判例が存在するので、まず訴えそのものが却下される確率が高いと言えます。 

これは「訴訟さえ成立しない」事を意味し、巷間良く言われるいわゆる「門前払い」であって、早期に決着がつく可能性が高いと思われます。 

また、首尾よく訴訟が成立したとしても、第一義的に法の解釈権を有し「法を所管する」農水省の判断を覆すには、その解釈に「一見して明白な違法性」が認められなければなりません。 

この点で県側の主張は、「漁協以外にも潜在的権利者は存在する」ので、「漁業権は消滅していない」という左派お得意の「定義・権利の拡大」論法です。 

これを論理的根拠にすえた主張を展開する予定のようですが、そもそもそこに争点が到達する事もありません。 

なぜならば本件は新規許可でなく、期限切れした「更新許可」の問題だからで、すでに一旦、条件を満たして「県によって許可された案件」だからです。 

県が新規申請時に問題とならなかった他の権利者の存在を新たに主張するならば、事後に「別の基準」を当てはめる事と同義の二重基準性を孕む事になり、許可を受けた者の利益を不当に逸失せしめる不公正かつ不合理性な主張になりますので、このような主張が認められる事はありません。 

 
漁業権の区域・地域の範囲に関する主張部分も、そもそも日米地位協定で米軍の使用を認め、常時立ち入り禁止区域に設定されている海域ですので、「沖縄県が占有・管理している海域」という主張には無理があります。
 

 
また、那覇第二滑走路建設工事におけるケースで更新許可を申請している事をもって、「二重基準」であるとか「恣意的なもの」との主張を二紙でよく見かけますが、こういう本質を外れた議論を展開させる主張の仕方は、左翼弁護士の良く好むところです。
 

無意味な行政手続を廃する事は常に行われるべきですが、仮に国側が申請の必要のない事を認識していたとしても、県の求めに応じて申請・受理されているのですから、申請した国を「責むべき事由」にはなりません。 

少なくも、この種の主張は直ちに国側(水産庁)の判断が「違法である」との証明にはつながらないし、その根拠たり得ません。 

それでも一万歩譲って、この訴訟に県側が全面勝利したと仮定しましょう。 

しかしそれならそれで、国は岩礁破砕更新許可を再申請すればいいだけの話なのです。 

多少の期間の遅れが生じたとしても「埋め立て承認」が既に有効になされている以上、法的には許可せざるを得ないのであって、この訴訟自体をもって些かも「辺野古阻止」につながる実効性はないのです。 

このように二重三重に勝訴の見込みが無い事、「辺野古阻止」という観点からは効用のない事は県幹部も翁長氏も与党の議員連中も十分認識しているに違いなく、このような「濫訴」に等しい訴訟提起は、およそ「公」がする事ではありません。 

常識的判断が欠如した左翼弁護士にむしられるだけで、限りある県予算をドブに捨てる行為でもあります。 

一刻も早い普天間移設を切実に望む市民や、心ある県民にとって看過出来る事ではありません。 

 
ちなみに二紙の論調は例えば、「「本丸」撤回へ助走」(琉球新報 7/25 三面)などと白抜きの大見出しで報じますが、本文ではこの訴訟のどこに助走的要素があるのでしょうか?
 

この訴訟が一体どのように「本丸撤回」に結びつくのか、全く説明がありません。 

本当のところ、「撤回」する気のない知事の本心を見据えた二紙が、運動体の立場に立って知事をけしかけている場面なのかも知れません。 

 
見出しの勢いとは180度違い、本文では「仮に今回の訴訟で県が勝訴した場合でも、国が岩礁破砕許可を申請した場合、それは認めざるを得ない」(県幹部)とあり、提訴の理由として「目の前で工事が日々進む中、何もしないワケには行かなかった」(同)と正直に語らせています。
 

いつもの事ですが、これでは「新聞」とは言えません。 

もっとも、「”暴力的運動”容認へ助走」と言うのが、本当に付けたかった見出しなのでしょう。 

 
それと関連してこの訴訟の大きな疑問は、もし翁長知事が本気で「埋め立て承認の撤回」をこれからやるつもりならば、今回の県側の主張は「撤回訴訟」の中で補足理由として組み合わせて主張すべき事が最も効果的だということです。
 

それが目的を達成する為には最善の訴訟戦略であり常道でもあろうに、なぜしないのか、 という疑念が強くあります。 

国にも「普天間の危険性の除去」以外に辺野古移設を急ぐ理由はあるし、それゆえ「焦り」も必ずあります。 

その「焦り」が、合法ではあるものの「漁業権の消滅」という強い解釈を水産庁から引き出す要因になった側面はあるのです。 

しかし、それが「違法かどうか」を今ここで争うならば、間違いなく「違法ではない」という判断にしかなりません。 

ここで問題を分けて確定されてしまってからでは、「撤回訴訟」において主張を補強する「大事な一つの柱」を失う事になるのです。 

県側としては「民意」だけでは撤回の理由足りえないとかねて判断しているし、承認後の「撤回」が認められるほどの深刻な違反事案の発見も覚束ない中、この件は「撤回訴訟」の中でこそ裁判長の心象部分に訴える事が出来る重要なファクターです。 

少なくも地裁レベルでは多大な効果があったはずで、それをあえて無意味に「捨てた」意味はなんだろうか、と考えないわけには行きません。 

 
何やら「国と握っている」かのような見方は性急としても、これはもう「撤回」をするつもりはないのではないかと、考えざるを得ません。
 

少なくも三月に知事が断言したような「承認撤回に賭ける決意」というものは、よほど「眉唾」と考えないわけには行きません。

余談ですが、このような「バカな県」に対して国が損害を賠償させる方法は常にありますが、産経新聞が言うような「翁長知事個人への賠償請求」は、県議会の通し方を見る限り遺漏はなく、「識名トンネル事件」や「国立明和マンション事件」にみるような住民訴訟を利用した方法では難しいと考えます。
 

他の直接的方法について菅官房長官が示唆的に述べた事がありましたが、過去に例がないので分かりません。

                                              (続く)

 

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コメント

胸の悪くなる様相ですね。
このように、勝ち目がなくとも理が破綻していようとも自治体の長の振る舞いだけで国事を頓挫させる事ができる。警察組織も司法も死に体にできる。
そういう実績を果たす事で、別の土地でも同じ事を実現できる目処が立つので、翁長知事をまだまだ極左は担ぐのではと思いながら拝読しています。
同じ破綻システムを極右が使っても、目的を達成できる訳で、数日前管理人さんや山路さんがコメントされていた「両極は同じ道」ですね。
思い詰めては解が逃げると頭を冷やしてはいるものの、

すみません(^^;)
いるものの、普天間と辺野古に暮らす方々の生活を思うと長引かせたくないのにと、ジリジリしてしまいます。

> このような「バカな県」に対して・・・

本当に「バカな県」ですね。こんな人を知事に選んでしまうとは・・・。
私も当時、沖縄県の有権者でしたから共犯かもしれませんが(^^;;

県知事個人への損害賠償請求は難しいかもしれませんが、沖縄県に対しては何らかの損害請求はやって欲しいところです。反対派のために工事の警備費とかとんでもない金額が掛かってますし。
その上で、米軍基地があることによる損害への補償はしっかりと上積みしてあげてほしい。政府も「基地と予算はリンクしない」などという綺麗ごとを言うのはやめて、しっかりと基地被害には向き合ってほしいと感じます。実際に我慢しながら生活している住民に対しては。(被害者面した県外左翼には必要ないので。)

余談に関する感想になってしまい申し訳ありません。最後の結論まで読むのが楽しみです!

まあ、北が発射した1発のミサイルの制御システムがトチ
狂って、日本の山深い何処かの廃村に墜ちたなら、この
類の全てのゴタゴタが解決するのになぁー、と無責任な
事を考えています。もちろん、この事故による人的被害は
出ないものと勝手に決めつけています・・

こんなアクシデントでもない限り、日本のサヨク脳問題
は片付かないと思うので、頭が頭痛でイタイです。いざ、
本番となってからでは手遅れですから、将来あると思わ
れる有事に万全なる対処をする為にも、早くサヨク脳に
立派なリベラルとして目覚めて欲しい。

末端の警察や司法は、本当にエ~加減ですから、もっと
住民による監視が出来るよう(可視化や第三者立ち合い
など)にしないと、相変わらず無実の人が大勢有罪や死刑
になってしまいますわ。

 ふゆみさん

 大人たちがこの有様では、何より子供の教育に悪いです。

でも、先行きの希望もあるのですよ。
興南学園の我喜屋優氏あたりが知事選に出馬してくれれば、沖縄県はそれこそガラッと変わる可能性もある。
 
 個人でも自治体でもそうですが、我喜屋氏の「前向きに生きる事が未来につながるの」の精神が今の沖縄に一番、有用だと思っています。

 ひこ~さん

≫沖縄県に対しては何らかの損害請求はやって欲しい

 そうです。
これが本土の方の偽らざる心境だと思いますね。

もう被害者ヅラするのにはウンザリです。
 甘ったれる事を通じて、どこまで自分自身を粗末にするのか。
 その結果の歪みが、これまでいかに県民自身に「負」として返って来たか、そこを政治家こそ言わなくてはならないのだと考えます。

 アホンダラ1号 さん

 私も度々、アホンダラ1号 のように考えますね~。
 山奥の廃村の住人(たぬきやイタチ)には悪いですが、「平和がもたらした退廃」というのもまた隣国に付け入る隙を提供してますね。

 末端の司法・警察だけじゃなく、沖縄では頭のてっぺんまで「エ~加減」ですから、もうすべてマンガの世界みたいなものですわ。(笑)

> 興南学園の我喜屋優氏あたりが知事選に出馬してくれれば、沖縄県はそれこそガラッと変わる可能性もある。

 わたしもフトそのことを思いついたことがあります。
我喜屋優氏は政治には素人ですので、副知事クラスに
行政経験者の高良倉吉氏が入り補佐すれば良いですね。高良倉吉氏はまたも副知事では可哀そうではありますが、沖縄県のためにひと肌脱いでくれる器量があるかもしれません。

 高良倉吉氏は私の高校の二期後輩で人柄もご立派な方だと思っております。地味な性格ではありますね。

HS信者であることを隠蔽し自身のアイデンティティーを偽る人間に県政を語る資格なんかないでーす♪
http://www.beach.jp/circleboard/ac86119/topictitle

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