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2017年8月21日 (月)

山路敬介氏寄稿 沖縄県の政治状況と翁長知事の実相 最終回 翁長知事の再選はあるのか?

Img_0140
山路氏寄稿の最終回になります。 労作の提供に心から感謝ましす。  

私たちはえてして、保守だから翁長氏を批判する、逆にリベラルだから翁長氏を支持するという平板な見方に陥りがちです。

山路氏論考のきわだった特徴は、イデオロギーで曇らない「突き放した」立体的な視点が基調にあることです。

さて、山路氏の最終回です。 

                          ~~~~~~~~

  ■ 沖縄県の政治状況と翁長知事の実相その5
                                              山路敬介

承前

■ 翁長知事の再選はあるのか?

世論調査を行えば、今だに翁長知事の支持率は一定水準以上あると思われます。
 

少なくも現状の安倍首相よりはマシでしょう。 

ただ、それは対立候補がない状態においてです。 

翁長知事は「健康問題」を抱えているといわれますが、年齢相応の持病があるにしても現在のような有閑な職務に耐えられないほどではありません。 

しかし、私は沖縄自民党が興南学園の我喜屋優氏を担ぎ出すことが出来れば、翁長知事は「健康問題あり」として出馬しないと考えています。 

「負ける戦い」をしないのが翁長流だし、負ければ退任後の地位を左右します。 

辺野古移設について我喜屋氏は「約束は守るべき」という立場ですが、我喜屋氏相手の場合、両者が戦えば翁長氏は逆に10万票の大差で負けるでしょう。 

「辺野古移設反対」は沖縄の民意だと良く言われますが、それも大した意味ではないと言う事でもあります。 

 
私は、翁長氏は棺桶に入るまでには、自民党に戻るものと考えています。
 

そうでなければ子息の翁長雄治氏の将来がなくなるし、自民党県議や周辺議員の中にはそうした橋渡しをする用意のある方も複数います。

他にも、例えば安里繁信氏が対抗馬であってすらも、翁長氏は勝てないと思われます。 

しかし、残念ながら西銘恒三郎氏や安倍総理に近い島尻安伊子氏では無理です。 

一方、オール沖縄側には翁長知事以外、誰も「勝てる候補」はいません。

県・自民党本部はそこを良く考えて、傲慢な自家意識に囚われることなく候補者を擁立してもらいたいと思います。
                          

しかし、それより何より「県民意識の変化」は、単純に「結果を出せない知事」である事を良く見抜いた結果であって、その評価である点が一番大きな要因でしょう。
 

およそどこの首長に対してもそうですが、市民・県民の支持というものは、就任後においては、それまでの知事の主張の内容は実はどうでも良く、「どのように実行したか?」、「どれだけ実行できたか?」という点のみが評価基準です。 

その意味で、「埋め立て承認取り消し訴訟」による県側の全面敗北は取り返しのつかない失点でした。 

多くの県民にも何となく結果は予想出来ていたとはいえ、裁判の過程で先に譲歩してでも、滑走路の位置を変えるなり期限を設けるなりして、「一矢を報う」くらいの事は出来たのではなかったか?  

「絶対に勝てる」と約束した知事の言葉は食言に同じで、その事に対する評価は静かに深く県民に「翁長ばなれ」、「新風会ばなれ」となって蓄積されて来ています。

ほとんどの県民は「普天間の移設」や、全体的に米軍基地を減らす事に希望を持っています。
 

それでも元々は、「辺野古移設」そのものには強い関心を持ってはいず、これは「どうせ出来るのだから」という既定路線のあきらめムード的感覚からというよりも、「田舎に移るんね~」と言った程度の認識で、何やら「よそ事」であるような現実感にとぼしい感覚に近かったと思われます。 

ですので、当初からSACO合意の内容や本質を理解する人はごくわずかだったし、「辺野古移設」が全体的な基地負担軽減に繋がる「正式な条件」だ、という事も全く理解されていませんでした。 

そこを大々的に「辺野古移設問題」として、経緯を無視し虚実ないまぜにしてクローズアップさせたのは運動の成果というよりなく、弱い発信力しか持たない政府や、「二紙」に発言権を奪われた仲井眞県政の根本的欠陥を突くかたちで、沖縄マスコミの特殊性と左派運動の接着が最大限に機能した成果でした。

                                               (了)

 

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沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

山路さん
興南学園の我喜屋優氏とは野球部の我喜屋監督ですか?政界進出の話もあるとは知りませんでした。島袋投手を擁して春夏連覇した時の活躍は今でも強く印象に残っています。

本当に担ぎ出す動きがあるかどうかは私にはわかりませんが、沖縄ではまともに報道されることがない以下の発言がありますので、期待する人もいるでしょう。

「差別されているとは絶対に言いたくない」「独立は非現実的、常識ある沖縄になって」 我喜屋優・興南高野球部監督が語る
http://www.sankei.com/politics/news/170522/plt1705220014-n1.html

我喜屋氏は沖縄では県民の悲願であった甲子園春夏連覇(特に夏の優勝)を成し遂げたカリスマヒーローなので沖縄二紙もうかうかと非難できません。

久しぶりに投稿します。山路さんによると翁長さんは劣勢で、保守側は我喜屋氏で勝てると言う大変期待が持てる分析、頼もしい限りです。
しかし、名護市長選にしろ知事選にしろ大差で勝てる程、潮目が変わったとは思えません。気になるのは、前に当ブログでも取り上げました、我那覇真子さんの平和ボケ中華マンツイートの件です。
ここに来て最近、オスプレー着水事故に対する照屋自民党県連会長の防衛局への対応について批判のツイートをしています。どうも県連に不満があるようです。
彼女のツイートは、確実に影響力が有りこれから選挙に向け結束しなければなら無い時に、我那覇氏が県連と上手くやって行けるのか心配です。この事について、山路さんの情報 考察があればお願い致します。

 中華三振さん

 今のところ、我喜屋氏が知事選に色気を見せているという事はないようです。
だだ自民党の一部から「勝てる候補」として取りざたされているに過ぎない段階だろうと思いますね。

ただ、知事選にふれたものではなかったけれど革新系は先の琉球新報の記事以来、自民の我喜屋氏擁立に対して警戒心を持つようになってますね。

 クラッシャーさん

この記事に噛み付いたのが琉球新報で、逆に早いところ「首輪」をはめてしまいたい意図が透けて見える批判記事でしたね。

出る出ないは相当先の事となるでしょうが、我喜屋氏が知事なら「明るい沖縄」になる事は間違いありません。

おっしゃるとおり、沖縄県民に絶大な人気ですし、今の県民に必要なメンタリティを持っています。

私は、イチ押しです。

山路さん

> 私は、翁長氏は棺桶に入るまでには、自民党に戻るものと考えています。

 もう自民党に戻ることはないと思いますが・・・・・。政治家の世界とはそんなものでしょうか。普通の人間であれば、そういことは出来ないのではないでしょうか? 

> しかし、残念ながら西銘恒三郎氏や安倍総理に近い島尻安伊子氏では無理です。

 西銘氏でも駄目なんでしょうか?

> その意味で、「埋め立て承認取り消し訴訟」による県側の全面敗北は取り返しのつかない失点でした。

 沖縄の新聞を読んでいると、最高裁判決でも無視することが可能なような論調でした。県民世論に従うべきであるとの書きぶりでした。県警が取り締まりを躊躇し、知事が強気な発言を続けている状況では、ホントに左翼陣営の言うとおりになるのかと憂鬱にもなりました。

 山路さんの分析では、事態は落ち着くべきところへ行きそうだということなので、一安心です。新聞しか読まない県民は、翁長知事は最後まで抵抗するだろうと思っているのだろうと思いますね。新聞の偏向報道はすごい力があると言わざるを得ません。このことから、新聞を正す運動がとても大事なことだということになりますね。

> ですので、当初からSACO合意の内容や本質を理解する人はごくわずかだったし、「辺野古移設」が全体的な基地負担軽減に繋がる「正式な条件」だ、という事も全く理解されていませんでした。

 そうですね。saco合意の重要さが分かりました。私もこれについてはよく理解していなかったようです。

 それにしても、3000億円の予算が事態を左右したことになります。名護市長はsacoの予算を受け取らないということですから、名護市長と知事の間に溝ができるかもしれませんね。

 宜野湾市民 さん

 おっしゃるとおり、名護市長選で自民党系が勝つ事はもうないだろうと思います。
ただ、翁長氏のオウンゴールも相まって首長戦は候補者次第という側面が大きく、我喜屋氏ならば完勝だろうと申し上げました。

一方、自民県連では西銘恒三郎氏を推す声が相変わらずありますが、保守系の勢いが本物だとしても、西銘氏では翁長氏に勝てないだろうと考えています。
つまり、そういう事なんです。

私は我那覇さんらの主張の大部分に共鳴していますし、会にもほんの少々寄付も致しました。
我那覇氏の自民党批判も、大方正鵠を得ていると考えています。
爾来、自民党は長く県政をになって来たのですから批判されて当然だし、むしろどんどん自民党に届くように批判すべきです。
 しかし、そうした批判をする事と、我那覇氏らを支持する人々の実際の投票行動は別です。

未だ我那覇氏らの運動は票田のぶ厚い部分にまったく届いていないし、一大勢力ではありません。
もし仮に我那覇氏らが自民党とは別に独自候補を立てるとしても、「保守分裂」などと取り沙汰されるような大そうな状況を作り出せる事はありません。

仮に我那覇氏が「日本のこころ」とか、独自候補を擁立するなら、我那覇氏らが本来やろうとしていた事がダメになるので、ぜひ止めたいと思いますね。

 ueyonabaruさん

 状況は日々変化しているので、とても安心できる状態ではないですが、ブログ主様が言われるように自民党が「候補者選定を誤らなければ」、という事だと思います。

「翁長氏は棺桶に入るまでには、自民党に戻るものと考えています」ってのは、言い訳がましいですが一種の比喩だと考えて頂ければ。(汗)

ですが、そういう労を取りたい議員が複数いることも事実でして、何より息子の雄治君の将来を考えていますね。

「親子三代」は、二階幹事長の殺し文句です。


≫「新聞を正す運動がとても大事なことだということになりますね」

まさにそうだと思います。
我那覇氏らの運動は、もう一度その原点に立ち返ってもらいたいと考えています。

クラッシャーさん
山路さん
お二方どうもありがとうございます。
故 栽弘義監督率いる沖縄水産が果たせなかった悲願の甲子園優勝(春は沖縄尚学が優勝をしていますが)を果たした我喜屋監督には期待が高まるのも無理はないですよね。

山路さんありがとうございます。
私も我那覇さんを支持していますし、講演にも参加しています。ただ心配なのは名護市長選であり、我那覇さんの地盤である名護市で保守系候補者が勝つにしても僅差になると思われる程、厳し戦いであり稲嶺市長の知名度には凄い物が有ると思います。
ここで自民党県連と何らかの遺恨を残す様な事になると、将来の我那覇さんの活躍が心配になるのは、私の取り越し苦労でしょうか。

 宜野湾市民さん

 危惧はわかりますが、来る名護市長選における自民党のドタバタは批判されて当然です。
自民党には十二分に対処出来る時間があったにもかかわらず、実質的には何もしておりませんでしたよね?
そこを批判出来ない我那覇氏ならば、むしろ全然将来の見込みはありませんよ。

早く言えば自民党がしっかりしておれば、今の沖縄政治の混沌はないワケです。
そこを我那覇氏は自民党議員よりも良く知ってるし、個別具体的にツボを押さえてるように聞きますが、利用出来るものを利用するような悪知恵も働かないんですよねぇ。

山路さん、遅くなりましたが、翁長県政に関する考察ありがとうございました。

私は仲井真県政時代の3年間、宜野湾市に住んでいたのですが、その時に感じたのは「現実路線」でした。
補助金の使い方にしても経済の「基盤」となるものを重視していたと感じてます。

ゆいレールの延伸では、浦添市の利便性だけではなく、西原で高速道路と接続することによる渋滞緩和、さらには北部振興の起点づくりにもなります。鉄道新設よりも現実的な政策でしょう。
空港貨物輸送のハブ拠点化も、物流量の増加だけではなく、貨物便を利用した深夜便の設置など新たな需要を見出しました。那覇空港第2滑走路が完成すれば、更に深夜便も増えていくのではないでしょうか。

ですが、せっかく整備された基盤も、翁長県政に代わってからはどのように発展させて行くのかというビジョンが消えてしまったような気がします。
補助金を使って箱が完成したら終わり・・・という、昔ながらの補助金漬け体質に戻ってしまったと。


私は山路さんとは違って、まだまだ沖縄県に補助金は必要だと思ってます。ただし、それは補助金を使って生活するため、利権のためではなく、これから沖縄が発展するための基盤を作るためのもの。まだまだ足りてないものは多いでしょう。そして、その基盤を使ったビジョンを描くのは沖縄県民自身でなくてはなりません。

私は建築屋ですが、沖縄のことは沖縄の人にしかわかりません。本土と比べれば気候は違う、台風の風の強さもさらされる時間も違う、湿度は高いし紫外線は強いし塩害は酷い、最新型の機器を導入しても修理部品が手に入らなくて壊れたら数週間壊れたまま・・・etc.
本土の人間が設計してもろくな建物にならないわけです(私のようなヘボでなく優秀な設計者は別かもしれませんがw)。
なので、国から「一括交付金」という形で沖縄県の裁量で使える金が出ることは悪いことだとは思ってません。
ただ、「沖縄県の裁量」をはき違え、自分の利権のために分配してしまうような首長、経済を知らず何のビジョンも描けなくてお荷物になる箱しか作れない公務員が自由に使ってしまうのは問題だと思います。


米軍基地についても同様です。
全基地撤去などという空想論から脱却して、基地縮小という現実路線への舵に戻せるのか?
共産党に言わせれば、辺野古は「滑走路が2本に増強され、弾薬庫と強襲揚陸艦が接岸出来るという新たな機能が追加されたから軍事機能を強化した新基地」だそうです。
もし「基地縮小」という現実路線を取っていれば、辺野古の滑走路新設を承認したことで更なる基地縮小の交渉が出来たでしょうに。
例えば、今まで使っていた弾薬庫は必要ありませんよね?とか、輸送艦も横付けできるなら那覇軍港移設も縮小したり、民間との共用にして有事にだけ米軍が使えるようにすればいいですよね?とか。

国に反対!米軍に反対!だけではなく、本当に沖縄の将来を考えて県政を舵取りしてくれる沖縄県知事が誕生することを願っています。

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