小池新党 リベラル大絶滅なのか?
すさまじい破壊力としかいいようがありません。私はこのような光景を初めて見ました。
私は小池女史を支持できないとする立場ですが、それとは別に彼女が引き起こしたことは、「リベラル大絶滅」という現象です。
まずは小池氏の発言から押さえておきましょう。
「●記者 民進党の前原誠司代表が「(民進党から希望の党に)公認申請すれば、排除されない」と発言したことに関し、小池氏は「安全保障、憲法改正で一致した人のみ公認する」と明言している。前原氏をだましたのか? リベラル派“大量虐殺”なのか?
●小池 前原代表がどういう発言をされたのか承知していませんが、排除されないということはございません。排除致します。
というか、絞らせていただくということです。それはやはり、安全保障や憲法観という根幹部分で一致していくことが政党の構成員として必要最低限のことではないかと思っています。
一人一人のお考えを踏まえながら判断したい。現下の北朝鮮情勢もこれまでの議論に加えて、リアルな対応を取っていこうという方々も(民進党には)いるようなので、そういったこともしっかりと希望の党で、今回出馬されたいという人は絞り込ませていただくということです。
ちなみにその作業は私どもからは若狭勝(前)議員、先方からは玄葉光一郎(前)議員が絞り込みの作業に入るということで実務的に任せていきます。
●記者リベラル派大量虐殺だ。「寛容な保守」ならハト派まで包み込まないと
小池 多様性に富んでいるということは、これで証明しているのではないですか。とても寛容な記者クラブで」(産経ビズ9月29日)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170929/mca1709291544020-n2.htm
小池氏は、聞き間違いがありえないほど明瞭に、「(新党から)リベラルは排除する」、リベラル議員の「大量虐殺」だと言われるのなら甘んじて受けると言っています。
すごいですね。絞り込みの責任者と言われている若狭氏などには言えない冷酷な台詞です。
では、このような小池氏の意志を受けて出された民進党本部の通達です。
「民進党が希望の党に事実上の合流方針を示したことを受け、動向が注目される大阪10区(大阪府高槻市、島本町)で立候補を予定している元国交副大臣の辻元清美氏(57)は、慎重に今後の行動を検討している。
陣営幹部によると、辻元氏は28日夜に大阪に戻り、29日も大阪府内で関係者らと接触している。29日朝、民進党本部から衆院選の立候補予定者に対し、10月1日までに離党届と希望の党への公認申請の書類を提出するよう指示があったという。
陣営幹部は「無所属で闘うのか、希望から出るのか、本人から伝えられていないので分からない。ただ、期限があるので一両日中に態度を決めないといけないと思う」と話した。」(朝日9月29日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170929-00000045-asahi-pol
民進党本部は、「離党して、改めて希望に公認申請して絞込みを受けろ」と言っています。 党に残留して民進党ででることは許されないということです。
これで、私が当初考えていたような、小選挙区における野党陣営が、希望・民進残留組、共産に3分裂することはなくなりました。
具体的にどのような絞込みをされるのかは不明ですが、常識的に考えて下の写真のようなことをした議員たちは「排除され」て、「大虐殺」されるということになると考えていいでしょう。
菅、枝野、辻元などのような、日本への帰属意識が希薄な諸氏が「排除される」かどうかが注目です。彼らが新党にくるようなら「絞込み」はザルだったということです。
まぁ、いったん受け入れて、比例下位に回してしまうという手もあることはありますけどね。
さて「希望」の絞込みをパスした議員は、民進党から「支援金」として持参金をつけてもらうことになります。
民進党は「希望」から公認された候補に対して、選挙事務所や選挙作業を「支援」するでしょう。
民進党の金庫には、政党交付金が一説で100億超眠っているわけですから、残して国庫に返還するくらいならキレイさっぱり使い切ってしまうつもりかもしれません。
つまり、「希望」と民進(もはや「旧」をつけるべきですが)は、資金提供は民進、「希望」は公認の看板を提供するという住み分けになります。
独自公認を放棄した民進党に現状でできることは、いかに多くの候補者を「希望」に送り込んで、選挙後の新たな政治地図の中に生き残りを計ることしか残されていません。
選挙の専門家によれば、衆議院の場合は1人の候補者当たり600万が必要最低限な選挙資金だと言いますから、民進党はその数倍の数千万を持参金で持たせることで、影響力を行使しようとすると思われます。
一方、「希望」にとっても、政党交付金がない以上、この「支援」は決して悪くはない話でないはずで、おそらく民進党はこれをカードとしてひとりでも多く突っ込むことを狙うことになります。
さて、面白いのはメディアです。
彼らがモリカケ騒動で追及してきた反安倍運動の結果生れたのが、この状況だというのは、そぞろアイロニーを感じまないわけにはいきません。
いままでのように反安倍だけで突っ走るなら、なにがなんでも小池に都知事を辞任してもらって衆院選に出馬してもらわねばなりません。
ひょっとしたら自民過半数割れ、安倍辞任という大戦果もないわけではないからです。
その立場で盛んに小池出馬を煽っているのが、毎日、TBS、テレビ朝日などです。
毎日などは先走って、9月28日朝刊では一面に「小池氏が出馬も、『受け皿』で高まる待望論」とぶち上げています。
小池氏当人が否定しているのに、もう出馬が決まったみたいですね(苦笑)。
彼らのはしゃぎっぷりに対して、「加計疑惑」の火付け役だった朝日は、同日の9月29日朝刊一面には、「小池氏の出馬も焦点」と妙に客観的なスタンスをとっています。
勘が悪い毎日・TBSと違って、どうやら気がついたようですね、朝日さん。
朝日の9月29日の社説です。
「新党には右派色の強い議員が目立つ。憲法改正や歴史認識などで、自民党よりさらに『右』に位置する可能生もある。リベラルな議員の多い民進党とは明らかに立ち位置が違う」
朝日さん、そのとおりです。次の総選挙は、<保守vs保守>の戦いに収斂されます。
「希望」が政権の座につくことまでは想定しにくいですが、自民を過半数割れに追い込むことはあながち夢想ではありません。
とすると、選挙後の新たな政治地図は、自民・公明・維新・希望の連立政権の可能性がでてきます。
政権に長くいた小池氏は、政権に加わらねばなんの力もないことを熟知しているはずですから自民が大敗した場合、「希望」は必ず連立に参加します。
そして従来と決定的に違うことは、国会のレフトウイングが、共産党と社民だけになってしまうことです。
そしてこの国会における戦後リベラル「大絶滅」現象は、狭い国会だけに止まらず、所属議員を失った日教組や官公労などの既存左翼勢力や市民運動にも大きく波紋を拡げて行くと思われます。
他ならぬ朝日が火をつけた反安倍倒閣運動が、なにをもたらしたのか朝日さん、分かりましたか。
あなた方は安倍憎しのあまり、自分の頭に銃を向けたのです。
なお、まだこの現象は始まったばかりであって、状況は日々変化し続けていますから、あくまでも現時点における感想だということをお含みおき下さい。
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