• 20250119-145554
  • 20250119-142345
  • 20250119-142345_20250119150101
  • 20250119-150249
  • 20250119-152051
  • 20250117-013132
  • 20250117-015927
  • As20241225001545_comm
  • 20250115-143858
  • 20250113-081014

« 「核の共同管理」はいかが? | トップページ | ニュークリア・シェアリングは米国が反対するでしょう »

2017年9月 9日 (土)

ニュークリア・シェアリングは消去法の産物だ

Imgp1751

昨日の記事について続けます。 

ニュークリア・シェアリングということは、誰でも思いつくことで、特に珍しい発想ではありません。というのは消去法でこれしか残らないからです。 

古くは田母神氏がいますし、今ではかなりの論客たちが同じことを言い出しています。 

田母神氏は論客としてはどうにも好きになれない人ですが、軍事官僚出身だけあって他の右翼の人と違ってただの精神論で終わらないのはさすがです。 

日本の右派論客の核論議や敵地攻撃能力というテーマの悪い点は、とかく「持たねばならない」という精神論で終始していていることで、現実的技術的ネックを考えていないことです。 

田母神氏の場合、氏は対米従属を止める方途のひとつとしての核武装を強く主張しているので、米国の核前方展開であるニュークリア・シェアリングと相いれないのではないかと思います。 

だって田母神さん、米国の核戦略の枠内で配備してもらって、対米従属の鎖を断つも断たないもないでしょう。 

ま、それはともかく、私は去年の8月4日に「日本は核兵器を開発できるか?その技術的難点とは」で、日本の独自核武装の難点を縷々解説したことがありました。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-9519.html 

もう一度お読みいただければ幸いです。幸か不幸か、技術的状況にはなんら変化はありません。 

特に兵器級プルトニウムといって、Pu-239の割合が約93%以上に精製する設備を日本が持たないことが最大のネックです。 

そりゃ民生用原発から出るプルトニウム(Pu240)でも、1キロトン級のミニ原爆はできますが、日本が必要なのは相手の首都に到達できる戦略核、ないしは準戦略核です。 

トランクに入るようなミニ原爆など、テロリストご愛用です。

また、原発推進派の論客で核武装推進派という人は、実は自己矛盾しています。 

今の原発が使用済み核燃料処理をもう一回使う核燃料サイクルにするといっていますが、その理由はなんでしょうか。 

ひとつは直接処分の候補地が見つからないこと。

二番目に核燃料の国内自給率を高めるということ。

忘れているのは三番面として、原発でプルトニウムを消費してしまうことで、軍事転用の可能性をなくしてしまうということです。
六ヶ所再処理工場 - Wikipedia
 

Photo
ですから、前に一度書いたことがありましたが、民主党が「原発ゼロ」を言い出した時に、ホワイトハウスはそれを軍事転用するのかと疑ったのです。 

巨額の税金を呑み込んだ核燃料リサイクル施設は、軍事転用の可能性を疑われないためにできたのです。 

言い換えれば、日本はIAEA(国際原子力機関)から、「軍事転用の可能性なし」というお墨付きをもらうためにどれだけ巨額のコストと努力を重ねてきたかで、それを無にするということになります。 

来年に日米地位協定の改訂がありますから、ゴリゴリの反原発派の河野太郎外相がどのようなことを言い出すのか今から楽しみにしています。 

ただし、これらの先人の軽水炉にかけた歴史的努力をすべて無に帰し、国際世論からの深刻な孤立を覚悟し、なおかつ小型核兵器でがまんし、核実験はしなくてもメイド・イン・ジャパンの信頼性で突撃するなら、やってやれないことはないとはいえます。

私はこのような精神論的「竹槍核武装」には、とうてい賛成しかねます。

このように独自核武装のオプションがひとつひとつ消えていくと、残るのは米国の「核を持ち込んでもらう」しか残らなくなります。 

また、ニュークリア・シェアリングは、当然のこととして米国の賛成が必要ですが、ホワイトハウスはトランプと他のスタッフが分裂しているようです。

もちろんトランプは「いいんじゃないの」で、他のスタッフは「とんでもない」だそうですが、これについては別稿とします。

« 「核の共同管理」はいかが? | トップページ | ニュークリア・シェアリングは米国が反対するでしょう »

コメント

なんだかイイ感じにふてぶてしいトラ猫ですね。

 山形さんのトラ猫批評面白いですね。「ありんくりん」さんの心象風景でしょうかね? イイ感じです。

 皆さんのコメントが少ないのですが、北朝鮮情勢が読めないので、何を書いたらいいのか分からないといったところでしょうか?

 今日の記事で、核シェアリングについて述べられておりますが、これが核武装への近道でしょうね。 アメリカと共同で核の管理をしてもいいと思うのですよ。それはアメリカ追従とも言えましょうが、今後の日本の進む道はアメリカとの協調を抜きにしては考えられないことですから、しかたないと思います。と言うよりか、その方が日本にとっても都合いいところが多いと思われます。

 イギリスが日本に接近してきております。これも好都合なことですね。日英同盟の時代はイイ感じがありますしね。日英米で強い紐帯ができればと思います。それに加え、ロシアともいい関係ができないものかと思っております。

 それにしても、北朝鮮情勢気になりますね。

秋晴れの河川敷で息子のサッカー引率に追われていました。多摩川だけ見てるととても平和です。

実際、米国とヌークリアシェアリングをする場合日米間で条約を結ぶ他に国内法で追加や改正が必要な項目があるのかどうか、ご存知の方はいらっしゃいますか。
非核三原則に反しているとか残虐兵器だから違憲だとかではなくて。
あと、締結へ向けての国会と政府の関わり様なども。
安保反対の時とは違い日本は今標的ですから、極左でないフリをしているリベラルさんはどこまで反対世論を煽れるのか、厳しいと思います。

日本人はマジメ過ぎますわ。日本企業も海外へ進出する
のはイイのですが、「私ら貴国は不案内ですので、何分
どうぞよろしくお願いいたします」とか任せるもんだから、
「なら、好きにやってやんよ」と本当に好き勝手にされて
ボロボロにされています。ねえ、東芝さん?富士フィルムさん?

国内では、同じその言葉で十分に真意が伝わるのですが、
海外ではダメです。忖度なんて英語はあるのでしょうか?
世界的には、交渉事の一発目は、相手にとって「どないも
ならん」無理筋から始めるのが普通だとのこと。そこから
双方が妥協して(フリをして)落としどころに落とす。日本人
は正直に最初から現実案を出すので、最終妥協案では
押し切られた不利な契約になってしまう。民間だけでなく、
政府の外交もそんな失敗が多いと思えます。

日本の核武装についても同じです。「ニュークリア・シェ
アリング」が落としどころとしても、世界に向かっては
三味線を弾きまくらないといけません。言うのはタダです。
元手は要りません。「日本の技術の総力を挙げて、半径
50km地下1000kmまで、核兵器自体が地面を掘り進めて完全
破壊する新型の核バンカーバスターを研究検討しています、
どうだ、ザマーみやがれ!」とか言ってやればいいのに・・
中・露・朝はもちろん米も「チョイ待ち!」と言って
くるでしょう。外交の口先も立派な兵器だと思います。
タダなんだから。

やはり現実路線は米軍持ち込みの方法になりますかね。

アホンダラさん、成る程。

アホンダラ1号さん、相変わらず鋭くて面白いです。大風呂敷的口先外交、実にイイ!と思うんですが、外国以上に国内から発狂の声があがること間違いなしなのがなんとも。朝ピーとかヘンタイ毎なんとか、地方紙なのに勝手に国民代表になってしまう東なんとかや、沖なんとかや、琉なんとかやら。当然テレビも。

先程、TBS見てたら「北朝鮮の「電磁パルス攻撃」の脅威」とやらをやたら強調してましたね。過去に検証されたこともあるようですし、SF小説と断じる専門家もいるようですが、そんなことには全く触れてなく、ひたすら恐怖心を煽るものでした。なにを意図してるのかよくわからない。怒らせないようにむしろ援助しろとでも?

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 「核の共同管理」はいかが? | トップページ | ニュークリア・シェアリングは米国が反対するでしょう »