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日本人は正しく怒っていい時期だと思う

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今年の夏の終わりのような、憂鬱な日々が続きます。 

もちろん北朝鮮のことです。私自身こんな長期間、あの国のことについて書くつもりなどなかったために、正直やりきれない気持ちです。

書き続けてわかったことは、リスクのない解決方法は存在しないという冷厳な事実でした。 

このやりきれない不透明感、何もできない無力感、どこに何をぶつけていいのかわからない苛立たしさというのは、今のわが国全体の「気分」であるような気がします。 

その「気分」の根っこには、日本が当事者でありながら、いやそれどころか「三回目の被爆国」になりかねないにもかかわらず、なすすべもないことにあります。 

問題はあまりにも明瞭です。  

日本は北朝鮮によって国土をまたがれた弾道ミサイルの通過を受けた上に、ご丁寧にも水爆実験まで行われてしまいました。 

このように書くと、いやあれは米韓合同演習を強行したからだ、高高度だから領空ではない、などと聞いたような口を叩く人がいるようですが、馬鹿なことを。

それは北朝鮮の代弁そのままです。 

わが国は無通告で核弾頭が装着されている可能性すらある弾道ミサイルに、国土を蹂躙されたのです。 

そもそも、弾道ミサイル発射自体が国連安保理決議違反ですし、いかに高高度であろうと主権国家の領土上空を事前通告なしに通過するミサイル投射は戦争行為に準じるものと国際常識では理解されます。 

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逆を考えてご覧なさい。 

米国が無通告で日本海から朝鮮半島をまたいで渤海に落す弾道ミサイル訓練をしたら、正恩はためらいもなくこれを宣戦布告だと受け取って、ただちに戦争に突入するでしょう。 

そうならなかったのは、ひとえにやられた相手が世界に稀なる「草食国家」の日本だから、こんななめたまねが出来ただけです。

残念ですがひとつの国家として考えた場合、日本のほうが異常であって、北朝鮮のほうがまともな主権国家の態をなしています。 

Jアラートにすら「アベは空襲警報を鳴らした」とどちらを向いているんだという者がいるかと思えば、北朝鮮の言い草を平気でしゃべり散らす北朝鮮のエージェントまがいのコメンテーターものさばる、そんな腑抜けな国、それがわが日本です。 

もっと日本国民は怒っていいのです。日本人には怒る権利があります。

自戒をこめて言いますが、この私のように対北朝鮮対策を1週間も悩んだあげく、「リスクとコストを比較衡量せねばならない」などという思考の袋小路に入り込む必要はないのです。 

そんなことは、言われなくてもわかりきっているからです。

今現在、圧倒的に優位な力関係に立っているのは正恩の国のほうであって、日米は打つ手がありません。

たぶん年内に核保有国宣言を発し、世界もそれを追認せざるをえないこととなるはずです。

うなった場合に、日本に何ができるのか、何をすべきか、真剣に考えねばなりません。

こういう袋小路の状況において、幕末の草莽の志風にいえば「狂を発する」必要があります。

合理性とは別次元で、正しく怒ることによって状況そのものを揺さぶって突破口を見つけ出すことです。

正しく怒り、その怒りを、日本の独自核武装論の議論につなげて行くべきです。 

この際できるできない、国際社会からどう見られるといった議論はとりあえず置いておくべきです。 ここに引っかかると、私のように一歩も先に行かないからです。

ご承知のように、私は一貫して独自核武装反対論者でしたが、ことここに至って、それを度外視した対北・対中核抑止はありえないのではないかと思うに至っています。 

したり顔でやり過ごすのではなく、立ち止まって真剣に議論すべき時期に入ったのです。 

そして合わせて、憲法前文及び9条2項についても、改めてこのような規定を持ちつづけるべきなのかどうか、いったん安倍加憲論を横において、国民的議論をすべきです。 

戦後最大のタブーであった独自核武装論をリアルに議論できる時期は、今しかないはずですから。 

このような議論が起きれば、政府はそれを受けて、「わが国は核武装をする意志はありませんが、このような怒りが充満していることは抑えきれません」とシラっとして言えばいいのです。

国民が黙っているから、スーザン・ライスのような北の核容認論があたりまえのように米国内部から飛び出すのです。

もし日本国内で核武装論議が盛んになされていたら、まちがってもライス言うようなことは出ないはずです。

なぜなら、それは日本が米国の核の傘を離れて核武装するという、ある意味、米国の悪夢そのものに繋がるからです。

それとまったく同じことは中国にもいえることです。習の悪夢もまた、日本の核武装です。

つまり、独自核武装論の議論自体が抑止効果を持つのです。

私は独自核武装を望ましい未来だとはまったく思っていません。むしろ逆です。

しかし、その議論まで封じることはありません。

それがこのなんともたまらい時期の、唯一の救いではないでしょうか。 

 

 

 

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コメント

鬱を脱して、正しく怒る、60&70年安保世代の心に響く言葉だろうなと感心しました。

私はこのシリーズ記事を袋小路というよりブログ主さんがその世代のドリーマーへ向けて、リアリスト転向への説得を切々と語っていると思いながら拝読していました。
私にとっての鬱というのは、この刷り込まれた運動世代は決して夢から醒めないだろう、という絶望感からきています。下の世代では熱不足でどうしても説得も押し込みもしきれないのです。
同じ世代の醒めた方々にしか出来ない熱弁をこれからも宜しくお願いします。


投稿: ふゆみ | 2017年9月 6日 (水) 08時19分

「PAC3に116億、Jアラートに92億を払うより、
金正恩に小遣いやって懐柔し、日本を射程から外してもらう方が
安上がりで確実なミサイル防衛になったりして。
ロシアや中国はそれくらいの裏技を使っているだろう。」

作家であり法政大学の教授でもある島田雅彦氏が
SNSで上のコメントを発信し、案の定炎上したようです。
「〜になったりして」という語尾からして本気ではないのでしょう。
左翼のええかっこしいが好みそうな典型的な物言いではありますが、
こんな人間が教育に携わっているのかと思うと只々空恐ろしい。
法政大学には山口二郎なる反安倍の狂信者もいましたね。

個人的には日本の核武装には違和感を覚えますが、
今日の北朝鮮の振る舞いを見るに至っては、
少なくとも国会で議論すべき時期には達したと思います。
賛否は別にしてタブー化は許されないでしょう。

投稿: 右翼も左翼も大嫌い | 2017年9月 6日 (水) 08時57分

もし北に核を許すなら、最低限アメリカからの戦術核(短距離核兵器)レンタルぐらいの約束を取り付けておかないといけないでしょうね。日米安保を維持しながら核の傘を維持する妥協案です。これなら、明日にでもできるんですよ。ただし、非核三原則という難物があり、メディアによる倒閣運動という内なる敵がありますが、国民が支持すれば済む話だと思います。

まあ、アメリカや中露には北の核開発止めないと日本が自前核持つぞという脅しをかける外交すするべきなんですよ。(まあ、正面切ってじゃなく、裏交渉でですが)

投稿: ednakano | 2017年9月 6日 (水) 10時22分

日本に必要なのは、核武装というより「犠牲を恐れず戦う覚悟」です。

それが世界を変えたのに、戦後日本はひたすら洗脳して戦いは犠牲を呼ぶから絶対ダメだと刷り込まれたのです。

核武装は、その覚悟なければ成立しえない存在です。

※犠牲には、自国はもちろん、相手国も含まれます。

投稿: かつて… | 2017年9月 6日 (水) 10時51分

 「日本は核武装する気持ちもないし、自から絶対に出来ない」と見切られただけで、相当に損失ですね。

ただ逆に、歴史的に中共は、日本の軍事力に対する恐れ(核武装懸念含む)を米国に言い立てつつ、その線の詭弁から米国との接着に成功し、自身の軍事力強化もフリーで容認させて来たのです。

結果として核武装が優位かどうかは別にして、常に論じ続けられば「本当の敵」が誰であるかを含め、これまで信じ込まされていた様々な問題点が見えてくるはずです。

ところがNHKなどは未だに中共様の精神的支配を脱しきれておらず、つい先日も意図的誤訳をやらかしてます。

 正しい議論をするために環境整備が必要と思っていましたが、これは逆で、環境整備するためにも議論を始めるべきですね。

投稿: 山路 敬介(宮古) | 2017年9月 6日 (水) 10時52分

日本人は正しく怒っていい、賛同します。(有名無実でしょうけど)大っぴらに「非核三原則の見直し」の論議くらいはやってもよいかと。

ふゆみさんのおっしゃる「ドリーマー」の負の遺産がこういう人物↓を生み出してしまったようです。日本を圧迫する近隣国(そういう国の批判は絶対にしない)が現実に存在するのに怒りがあさっての方向にいっちゃってます。

宮古島市議また問題発言「自衛隊員がたくさん来たら居酒屋でバイトしてる高校生とか大丈夫かなあ、女の子たち大丈夫かな」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170904-00000539-san-pol

自衛隊も人殺しの訓練を受けているから危ないとかいうことのようですけどね。じゃあ、兵役が義務の韓国人男性や国民皆兵のスイス人などは入国拒否せよとでも言うんですかね。バッカじゃねーの!?

米兵の犯罪には当然怒りますが(米兵じゃなくても怒りますけど)、今となってはアメリカに占領されていなければ宮古島くらいまでは違う国(先島の竹島化)になってたかも、なんて妄想もしてしまいます。

投稿: クラッシャー | 2017年9月 6日 (水) 11時08分

クラッシャーさんへ
 沖縄では、居酒屋で女子高校生がバイトしているのですか?大丈夫かな?

投稿: 東北の片田舎者 | 2017年9月 6日 (水) 14時14分

核武装について思うこと。
その一歩手前の潜在的核保有国を極めるという手があるのではないか?

アメリカのお偉いさんが以前言っていました。「日本はその気になれば一晩で核保有できる」
本当に一晩かどうかは分かりませんが、日本の技術と資金があれば短期間で核兵器は開発できることは確かでしょう。日本が「潜在的核保有国」だと言われる由縁だと思います。

それならば、その道を極めて本当に一晩、あるいは数時間で核ミサイルがつくれる状態に持っていくことも可能ではないか?と思います。パーツと技術を全部集めておいて、いざとなったらすぐにすぐに出来上がってしまうようにするのです。この状態ならまだ核兵器は完成してないのだから核保有国ではない。
しかも、固体ロケットまですでに保有しているからミサイルまではすぐ手が届く。

核実験はどうするか?そんなものは必要ありません。
いざとなればぶっつけ本番で十分です。「日本のことだから成功するに違いない」と世界が思えばそれで十分な威力なのです。所詮核は「実際には使えない兵器」なのですから。

誰もこんなことは言いませんが、可能な道ではないかと思っています。

投稿: 駄馬 | 2017年9月 6日 (水) 14時22分

核武装論議が盛んですが、自分は基本的に核武装には賛成できません。世界唯一の被爆国日本という立場、それ故に核不拡散と言う立ち位置は捨てるべきではないと思います。ただ、現にある危機に対してどう対処すべきか?駄馬さんの意見よりもっと現実可能で、尚且つ世界にインパクト与える方法、日米同盟に亀裂をもたらさない方法、自分が考えるのは非核3原則を2原則にするだけでよいのではないでしょうか?作らず持たずは堅持するが持ち込まずはとっとと破棄すりゃ、事がすみます。
持ち込んで良いよって言えば、アメリカは堂々と日本に核ミサイル配備できますから。北の将軍様だけじゃなく中国ロシアもそれは困るのではないでしょうか?

投稿: 一宮崎人 | 2017年9月 6日 (水) 16時15分

皆さま。今日の記事は私にしては珍しいagitationなので、言葉足らずだったかもしれませんので、捕捉しておきます。
私は核武装を「議論」することに対して、オープンであれと主張しています。

ひとことで「核武装」といっても、様々なレベルがあります。

①製造から投射手段まで一貫した独自核武装
②それを供与された核武装
③製造も投射手段も持たず、核爆弾の配置のみを許す核武装。いわゆる非核3原則の「持ち込ませない」を削除する。
④核爆弾の管理まで含めた「共管」体制


このようにいろいろな段階があるので、いきなり①が是か非かという議論をするとかえって分からなくなります。

投稿: 管理人 | 2017年9月 6日 (水) 16時38分

 色々と考えることもありますが、もしもトランプ大統領が覚悟を決めて、次のように北朝鮮に宣告したとき北朝鮮はどう応えるのでしょうか?

 「北朝鮮が核を放棄しなければ、30発の核弾頭付きのミサイルを落とす。核を放棄してもらいたい」

 トランプ大統領にその言葉が言えるのかどうかですね。キュ-バ危機のときに、ケネディ-大統領がソ連に対してキュ-バにミサイル基地を造ることは絶対にゆるさないと毅然としてソ連に対抗した事例があります。
ソ連は引き返しましたよね。これは私が高校生の時でしたので憶えております。

 トランプ大統領がケネディ-大統領のように精神が強いのであれば、ケネディ-のように北朝鮮に宣言し、そして勝利することが出来るでしょう。

 もちろん30発の核弾頭をホントに投下するという覚悟がなければならないでしょう。
 

投稿: ueyonabaru | 2017年9月 6日 (水) 18時52分

核ミサイルも脅威ですが、日本の沿岸部には原発がたくさん(特に日本海側の近いところ)あり、北朝鮮は核を使わずとも通常ミサイルで原発を同時多発攻撃すれば日本をほぼ壊滅させるに足りますでしょうか。


一宮崎人さんのおっしゃる日本国内に核を持ち込ませる案、石破氏も核の傘に守ってもらうのに持ち込ませないのは矛盾しているとか…言ってました。

核武装をどうするのか、やるなら日本の自前か米軍に配備させるのか。
マスコミはオール反対、広島や長崎の方々も反対でしょうな。

でも日本はいつまでも一方的に銃口を突き付けられた状態ではダメなんですよね。
こちらからも相手に銃を向けてやらねば…。

投稿: 多摩っこ | 2017年9月 7日 (木) 02時09分

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