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2017年9月13日 (水)

国連制裁決議 ニッキー・ヘイリーは取るものを取った

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ご存じのように昨日、国連の制裁決議が成立しました。 

それを伝える時事(9月12日)です。ご承知の方は引用したからお読みください。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170912-00000013-jij-int

「【ニューヨーク時事】北朝鮮による6回目の核実験を受け、国連安全保障理事会は11日午後(日本時間12日午前)、北朝鮮への原油・石油精製品輸出に上限を設ける米国作成の対北朝鮮制裁決議を全会一致で採択した。  

安保理の制裁決議は9回目だが、北朝鮮への原油輸出が制裁対象となるのは初めて。核ミサイル開発を急速に進める北朝鮮への懸念の強まりを背景に、米国が調整を急ぎ、核実験から約1週間という異例の早さで採択に至った。

 米国は当初「最強の制裁」(ヘイリー国連大使)を主張し、戦略物資である石油の全面禁輸や、金正恩朝鮮労働党委員長を渡航禁止や資産凍結の制裁対象とすることを求めていた。ただ、北朝鮮の不安定化を懸念する中ロとの交渉で米国が譲歩し、いずれの措置も見送られた。
 

 ヘイリー氏は採択後の演説で、「北朝鮮はまだ引き返せない状況ではない。北朝鮮が核計画の停止に同意すれば、未来を取り戻せる」と強調。その上で、「危険な道を進み続けるなら、さらなる圧力をかけ続ける」と警告した。中国の劉結一国連大使は、「北朝鮮は核ミサイル開発停止を求める国際社会の意志を真剣に受け止めるべきだ」と要請し、平和解決を改めて訴えた」

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ニッキー・ヘイリー国連大使は、元サウスカロライナ州知事でインド系の女性です。
ニッキー・ヘイリー - Wikipedia 

ヘイリー大使は、州知事をしていただけあって、政治的場数を踏んでいて、機転がきいて姐御肌。 

特に選挙期間中はトランプを支持していたわけでもないのに、その気っぷのよさを買われて国連大使に任命された人物です。

Photo_8ニッキー・ヘイリー国連大使

ヘイリー氏は、容姿はキャロライン・ケネディに似ていないこともありませんが、性格は真逆で、実にタフなネゴシエーターです。 

現在、外交素人であることがバレつつあるティラーソンより、彼女が米国外交を代表しているとみられています。 

「アメリカ外交のメッセージを発信すべきティラーソン国務長官は、メディアに対して極めてネガティブな姿勢を貫いている。通常は外国訪問の際にメディアを同行させ、そこで記者懇談会などを行うのだが、ティラーソン国務長官は同行記者の数を極端に制限し、しかも代表取材のような形ではなく、メジャーとは言えないメディアの経験の浅い記者を同行させるといった形で、メディアを遠ざけている」(Foresight4月20日) 

ティラーソンがこんな引きこもり状態な上に、本来ヘイリー大使をサポートすべき国務省が、機能不全に陥っています。 

「国務省の高官ポストが(これは国務省に限らないが)ほとんど埋まっていない上、各国の大使もオバマ政権で任命された大使は一斉に辞任させられたにもかかわらず、新たな大使がほとんど任命されていないなど、国務省が機能不全に陥っているという状況がある。また、国務省は意思決定過程から外され、職員の士気は下がっており、具体的な仕事もないため、食堂でコーヒーばかり飲んでいると『アトランティック』紙の記事でも報じられている」(同上)

 こんなていたらくでは、まともな本国からの訓令(インストラクション)がこないので、彼女の裁量で取り仕切っているという状態のようでてす。 

やれやれですが、逆に分かりやすいとも言えます。 

今回の国連安保理決議のキモは、中露を北朝鮮包囲網に引っ張り込むことです。 

そのためにヘイリーは、絶対に中露が呑めないような高めのハイボールを上げて見せました。 

それが原油全面禁輸と金一族の資産凍結です。中露にこれに食いつかせてガス抜きをして、本命であったと思われる海上臨検を飲ませてしまいました。 

中国の意志は明瞭です。

できるだけこの混迷する北朝鮮状況を引き延ばし、南シナ海・尖閣への膨張から眼を逸らすことです。 

混乱が進めば進むほど、中国は米国が経済制裁などですり寄って来ると見ていますから、習にとってこれほどおいしい話はないはずです。 

できるなら、6カ国協議を再び再開して、延々と北朝鮮をどうするかで「対話」を持ちたいはずです。 

そのような「対話」の場ができてしまえば、その間米国は北朝鮮への軍事オプションが封じられたままで、中国に妥協を重ねねばならなくなります。 

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一方、ロシアの腹づもりも明瞭です。 

ひとことでいえば、米国からウクライナ侵攻以降の経済制裁を解除させる妥協を得ることです。 

北朝鮮はそのための道具にすぎません。ハネさせて、まぁまぁと抑えるふりをして、米国に見返りを求めるヤクザだと思えば、やや近いのではないでしょうか。 

プーチンの国は今や半ば沈没しかかっています。原因は唯一の外貨の稼ぎ頭の原油価格が暴落したからです。 

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ロシアの景気は2016年中頃に底打ちし、いまは多少回復して今年第一四半期の経済成長率は0.5%で、どうにか2四半期連続でマイナス成長という悪夢を出したような状況です。 

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こんなていたらくのロシアの足下を見て、ヘイリーが繰り出したのが今回の制裁決議でした。 

彼女の獲得したいものは2点です。 

まずひとつめは、安保理全会一致という鉄板の構えで、以後の米国の行動についてのお墨付きをもらうことです。 

これはやるかやらないかは別にして、仮に軍事オプションをとらねばならない時に、大きな国際法上の合法性を担保します。 

次に、海上臨検です。これで北朝鮮に流入するミサイル部品の流れを食い止めることができ、逆に北朝鮮の唯一の輸出品であるミサイルや麻薬の流出を止めることが可能です。 

これで北朝鮮のブラック・ビジネスは、壊滅状態になることでしょう。北朝鮮の覚醒剤や麻薬は日本社会を汚染し尽くしていますから、まことにざまぁみろです。 

そしてなにより、この海上臨検をするのが実質上米海軍だけだということです。 

北朝鮮が不用意な抵抗をして「一発目」を撃てば、正当防衛の条件が成立します。 

労働者派遣についても安保理届け出義務が認められたので、中露にとって既にゴマンと流入している北朝鮮労働者の措置に苦慮するはずです。 

このように見てくると、米国はしっかりと取るべきものは取ったと評すべきでしょう。

           ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

【ニューヨーク時事】国連安保理が11日、全会一致で採択した北朝鮮制裁決議の要旨は次の通り。
 一、北朝鮮の核実験を最も強い言葉で非難する。
 一、北朝鮮情勢の平和・外交・政治解決を強調する。
 一、北朝鮮へのコンデンセート(超軽質原油)と天然ガス液(NGL)の供給、販売、移転を禁止する。
 一、北朝鮮への石油精製品の供給、販売、移転の上限量を2017年10~12月は50万バレル、以降は年間200万バレルとする。
 一、北朝鮮への原油の供給、販売、移転について、過去12カ月分を年間上限量とする。
 一、北朝鮮による繊維製品(生地や衣料品の完成品、パーツ品に限定されない)の供給、販売、移転を禁止する。
 一、海外で働く北朝鮮労働者への就労許可発給を制裁委員会が認めた場合を除き禁止する。ただし、決議採択日以前に締結された雇用契約書がある場合は除くが、加盟国は制裁委に17年12月15日までに該当する労働者の人数と、契約満了予定日を報告しなければならない。
 一、公海上で船舶が決議違反の物資を運んでいるという合理的な情報がある場合、旗国の同意の下、加盟国が臨検を行うことを要請する。
 一、北朝鮮の個人・団体との合弁企業(JV)の開設、維持、運営を禁止する。
 一、既存のJVは120日以内に閉鎖する。
 一、朴永植人民武力相と朝鮮労働党組織指導部、中央軍事委員会など3団体を資産凍結などの対象に指定する。
 一、北朝鮮の履行状況に応じ、制裁措置を強化、緩和、停止、解除する用意があることを確認する。
 一、さらなる核実験や発射にはさらなる重大な措置を取る決意を表明する。

 

 

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コメント

私の記憶違いかもしれませんが、今回の制裁措置から海上臨検は省かれた気がするのですが?臨検はさすがに戦闘行為に発展する可能性があるので、中ロが嫌がってアメリカが譲歩したのではなかったかと思います。

北朝鮮からの密輸の覚醒剤が日本社会を不幸にしてること、早くどうにかしてほしいと望みます。

臨検の件、産経ニュースにありましたので、コピペします。
【石炭などの密輸を防ぐため、公海での貨物船の臨検措置も規定。貨物船が、禁輸品目を運んでいるという合理的な情報がある場合は貨物船の属する「旗国」の同意のもと、加盟国が臨検を行うことを要請した。】

便宜置籍船国の同意を得て米国主導で臨検ができるようになる、という理解で合っているのでしょうか。
サブスタンダード船や便宜置籍船を沢山持つ国は中米の細々した国々と南アジア、アフリカ辺りがリストに並んでいます。
商人はそれでも売り買いをするでしょうが、相当やりにくくなるのではと思いました。

 すこし明るい兆しが出てきたような気がします。石油の全面禁輸は無理でしょう。これ以上の制裁もやめた方がいいのでは。

 かつて日本帝国が暴発したのも経済制裁でした。これは一種の戦争行為でもあると思いますね。ひどい制裁は現実の戦争に結びつくでしょう。

 北朝鮮はどう出てくるのでしょうか、気がかりです。

 ロシアへの経済制裁は解除した方がよいと思います。私はプ-チンのロシアに同情的な面があります。と言いますのは、アメリカはウクライナの親ロシア政権を倒すためCIAによる工作をしたのですからロシアが怒るのも無理はないと思われたこと、またクリミア半島を併合したのも、多くの住民がロシア系であり、ロシアとの合併を望んでいたのですからまったく道理がないとは言えないのですね。

 これは中国が尖閣諸島の領有権を主張したり、沖縄を中国の一部であると主張するのとは大分違うものです。こちらは、何の根拠もないのです。沖縄県民は中国への併合は誰も望まないのですからね。

 北朝鮮が安保制裁に反する行為をしたりすれば、アメリカの北朝鮮攻撃の材料にされてしまいそうです。 

 ヘイリ-国連大使にエ-ルを送りたいと思います。こんな時にはアメリカという国の偉大さを感じさせられます。人種を問わず、有能の人が活躍できる国ですね。それにしても、トランプ政権が各国への大使をまだ置いていないというのはすこし驚きました。それでも、アメリカは大丈夫だということでしょうか?

 

北朝鮮政府が海上臨検を拒否した場合は対象となる船舶および積み荷を凍結できるという情報もあるらしいので、もしそうであればかなり拘束力の強い規制だといえると思います。

http://www.mag2.com/p/news/264242/3

 mag2newsで、高野孟氏が次のように言っております。

> 平和協定が結ばれて、それに付随する軍備管理・軍縮プロセスとそのための相互査察・信頼醸成システムが作動すれば、北が食うや食わずで核・ミサイル開発をしなければならない根拠が消滅する。元を絶つのが問題解決の早道である。

 高野氏は北朝鮮の現状を認めるとの観点からそのように言うのでしょうが、私には北朝鮮の現状を肯定することはできません。こんな国を一人前に扱うとすれば、今後の国際社会は落ち着くことはないでしょう。ですから、北朝鮮の体制の変更は絶対に必要だと思うのです。

 また私は中国の体制も将来は民主主義の方へ向かうべきだと考えますし、韓国の反日姿勢もぜひとも改まるべきだと思っております。時間はかかるかも知れませんが、日米は協力してその方向へ進むよう努力していきたいものです。

 高野氏は、ミサイル防衛システムの欠陥を挙げております、ここのところは傾聴すべきこともあるのかと思いました。

ueyonabaruさん、クリミア半島の人口内訳についてはwikiとか読んでみてくださいな。
ロシア帝国に飲み込まれた後も、スターリンによる強制移住までは半数がタタール人だったのが今5%以下。
それも歴史だというのも事実ですが、であれば北方領土はそのうち出稼居住する北朝鮮人の意見を聞く道理が出ます。

ふゆみさん

 タタ-ル人がクリミアにはいたということは聞いてはおりましたが、実際にはスタ-リンによるロシア人の強制移住があったのですね。単にロシア人が多いというのではクリミア併合の正当性を示すものではありませんね。了解です。

ueyonabaruさん、確認感謝です。私も知識薄いので異論があるやもしれません。
本題に戻ると、
http://www.sankei.com/smp/politics/news/170507/plt1705070006-s1.html
ここに出てくるような、日本人が中心になっている密輸取締の穴をどんどん塞ぐ事が、向こう数年間の治安維持と併せて役に立つのではと思います。

ふゆみさん

http://www.sankei.com/smp/politics/news/170507/plt1705070006-s1.html

 産経ニュースを見ました。サンケイ、いい仕事をしております。今後、これをチェックしていきたいと思います。それにしても、他の新聞社の報道姿勢はおかしいですね。事実は伝えてもらいたい。日本人を右の方へ煽るということで心配し、情報操作をしているのでしょうかね? もしもそうなら、余計な心配はしなくてイイと言ってやりたい。あなたたち新聞社の知性よりそんなに劣っていないのが国民だ。

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