核武装した北朝鮮と共存していく道はあるのか?

ロイター(9月7日)の記事を転載します。特にこの部分に注目ください。
「ある米高官は、経済制裁、特に中国からの制裁と対話合意を組み合わせれば北朝鮮に核開発を抑制するよう説得できるばかりか、1996年の包括的核実験禁止条約(CTBT)に署名させることさえ可能かもしれない、と述べた。
この高官は「CTBTへの署名は、北朝鮮の核保有国入りを黙認することになるが、実験を止めさせられる。それと相互確証破壊を組み合わせることが、考え得る限りで最良かもしれない」と見ている」
北朝鮮に対して、経済制裁を強化しつつ核保有国間の「包括的核実験禁止条約」(CTBT)に導き、相互破壊確証関係に持ち込むという案です。
つまりは、今、朝鮮半島水域に展開している米空母戦闘群も、韓国に飛来したB-1も、北朝鮮に核を放棄させるための軍事的圧力ではなく、経済制裁強化もまた、なんのことはないCTBTに導く圧力にすぎないということになります。
とまれ、もはや国際政治の関心は、北朝鮮に「核を持たせない」から、「持った核を使わせない」に移行しているということです。
これが容赦ない国際政治の現実だと認識しましょう。
いわば米国は日本にこう言っていることになります。
「日本よ、米国は北朝鮮に核兵器の使用を思いとどまらせることによる抑止を選んだのだ。諸君らも核武装した北朝鮮と共存していく覚悟を持ちなさい」
予想したこととはいえ、こうもはっきり言われるとたじろぎます。
ホワイトハウスの意志はこの線でほぼ固まったと思われますが、後はトランプの意志だけのようです。
明らかな米国外交の敗北であり、オバマと変わらない腰抜けと彼の支持層に罵られるのは見えていますからね。
それにしてもオバマの「戦略的忍耐」という愚策が、この袋小路を生んだのです。オバマの時代だったら充分に止められたのです。万死に値ましす。
この核保有容認路線は必ず北朝鮮の裏切りで頓挫することは目に見えていますが、それしかないということのようです。
一方、私たちの国できることは限られていますが、まったくないわけではありません。
まず、防衛大・倉田秀也教授が述べるように
「いきなり核使用から始まるとは考えにくい。核使用は通常兵力による戦闘がエスカレートした後に想定される。
だとすればICBMを実戦配備しても、韓国は北朝鮮に対南武力行使をためらわせる強い意志を示さねばならない」(産経・正論 9月8日)
この韓国の部分を日本と読み換えれば、そのまま当てはまります。
次に、わが国に「核の刃を」向ける国の工作機関である朝鮮総連とその資金源に対して厳しい経済制裁の対象とすることです。
総連については、資産凍結を含む厳しい処置をとるべきです。
朝鮮総連を聖域に祭り上げた左翼メディアは大反発するでしょうが、今やらねばいつやるのでしょうか。
立ち止まって、考えてみて下さい。
このような喉元に「核の刃を」突きつけられた状況下で、諸外国からの情報提供に必須だった特定秘密法がなく、また米軍との緊密な危機対応をよりスムーズにする集団的自衛権も許されず、かつ、北朝鮮のテロを事前防止するテロ等準備罪がなかったとしたら・・・・。
今となっては、メディアと野党の逆上したような反対を押し切って、諸外国では既に常識以前の諸法制の守りを固めておいた政権の先見性に感謝せねばならないでしょう。
私もここまで短期間に危機的状況が煮詰まるとは、思っていませんでした。
そしてわが国は安全保障の根幹である日米同盟自体のあり方についても、再検討に入るべきなのかもしれません。
とまれ、米国に国際戦略の判断のすべてを委ねて思考停止できた牧歌的時代が終わりつつあることだけは確かなようです。
それにしても非核三原則が根底から揺らぎ、いかにして「持ち込んでもらうか」がアクチュアルなテーマになりつつある今、半世紀も前の冷戦期の核持ち込み疑惑をことさらに騒ぎたてるNスペの神経がわかりません。
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■米政権に残された選択肢、北朝鮮の核保有容認か
[ワシントン 7日 ロイター] - トランプ米大統領は、対話や経済制裁、軍事的圧力のいずれを通じても北朝鮮に核開発を放棄させるのは不可能だと悟り、同国を封じ込めて核兵器の使用を思いとどまらせるほかないとの結論に至るのかもしれない。
2日に北朝鮮が6回目の核実験を強行したことで、米国およびその連合国との緊張は一気に高まった。
米高官らは軍事行動の計画を明らかにしていないが、既存の先制攻撃計画では、どれをとっても北朝鮮からの猛烈な反撃を免れる保証がないと言う。
マティス国防長官は先週記者団に対し「外交的な解決策が尽きたわけでは決してない」と述べ、軍事的な選択肢は非現実的で短絡的だとの考えをにじませた。
米国とアジアの当局者らは、対話と経済制裁の強化が必要だとの考だが、それによって北朝鮮が自らの存続に不可欠と考えている核・ミサイル開発を抑えたり、いわんや放棄するとは考えられないとも認めている。
つまり米国と韓国、日本など同盟国は、目を背けたい質問を突きつけられている。「核武装した北朝鮮と共存していく道はあるのか。封じ込め、核兵器の使用を思いとどまらせることによって」
トランプ大統領は7日の記者会見で、交渉の手の内は明かさないとした上で、米国の軍事行動によって問題が解決されれば、北朝鮮にとって「非常に悲しい日」になると発言。「軍事行動は間違いなく選択肢だ」が、何事も不可避ということはないと述べた。
<抑止は可能か>
ただ、冷戦時代の抑止力モデルが北朝鮮のようなならず者国家相手にも適用できるかどうかは不明だと、トランプ政権高官は言う。
高官はトランプ氏の会見後、記者団に対し、「大統領はその選択肢を採りたくはないだろう」と述べ、「われわれは、北朝鮮は抑えが利かないのではないかと非常に懸念している」と続けた。
抑止力を強める選択肢の1つに、米国の老朽化した核兵器を近代化し、北朝鮮が米国や米軍基地、同盟国に核弾頭搭載ミサイルを発射した暁には同国が破滅する状況を確保することが挙げられる。
もう1つは、米国のミサイル防衛を強化すること。特に多数のミサイルを迎撃できる技術の試験、調査、開発への投資を増やすことだ。
専門家によると、いずれも中国、ロシアとの軍拡競争を誘発しないよう配慮する必要がある。
ホワイトハウスが封じ込め戦略の準備を整えている兆候は見られない。
ある米高官は、経済制裁、特に中国からの制裁と対話合意を組み合わせれば北朝鮮に核開発を抑制するよう説得できるばかりか、1996年の包括的核実験禁止条約(CTBT)に署名させることさえ可能かもしれない、と述べた。
この高官は「CTBTへの署名は、北朝鮮の核保有国入りを黙認することになるが、実験を止めさせられる。それと相互確証破壊を組み合わせることが、考え得る限りで最良かもしれない」と見ている。
残る疑問は、トランプ氏がその選択肢を採るかどうかだ。
「自制と手堅さという言葉は普通、ドナルド・トランプという名前が出てくる文中では使われない」と語るのは、ブルッキングス研究所のロバート・アインホーン氏。
「いずれは他に選択肢がないことを悟るだろうか」と案じる。
マンスフィールド財団のフランク・ジャヌージ理事長は、もっと楽観的だ。「衝動的な行動を起こすのではなく、(北朝鮮に対する)抑止と封じ込めという難しい手順を進める忍耐力がトランプ氏にあるだろうか。私はあると思う。彼が物にした商談のいくつかは、結実に数年間を要している」
(Arshad Mohammed記者 Phil Stewart記者)
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>「日本よ、米国は北朝鮮に核兵器の使用を思いとどまらせることによる抑止を選んだのだ。諸君らも核武装した北朝鮮と共存していく覚悟を持ちなさい」
核若しくは通常兵器による戦闘になるよりは格段マシだと私は思います。
半島・列島どちらが戦場になってどこがボロボロになっても、島ごと蒸発しない限り隣同士として共に在りますから。
国対国の戦争にならなくてもテロの芽は更に芽吹いていくでしょうから、外国人の出入国を縛る昨今の安全保障法とは別に国内をもっとしっかりカバーするスパイ防止法を私は熱烈に希望します。
心がどんなに北朝鮮を愛していても自由ですが、核開発や情報漏洩、邦人拉致を手助けする自由や、それに抗う別の者を脅迫暴行する自由も、許してはいけないです。憲法よりも先だと思います。
投稿: ふゆみ | 2017年9月11日 (月) 17時10分
北の将軍様をすぐに押さえつけるのは無理でも獅子身中の虫は潰さねばなりません。やはりスパイ防止法が必要であると私も考えます。
都内の朝鮮大学校「日米を壊滅できる力整える」 金正恩氏に手紙、在校生に決起指示
http://www.sankei.com/politics/news/160920/plt1609200005-n1.html
平壌に行って「金正恩委員長万歳!」と叫んだ2人の元大物国会議員
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170911-00052781-gendaibiz-kr&p=1
日本の元代議士、日森文尋・元社民党国対委員長(68歳)
「朝鮮は日本を攻撃するとは言っていない。そもそも朝鮮は、過去2000年の歴史で、小石一つ日本へ投げたことはない。日本は何度も侵略したにもかかわらずだ」
こんなのが国会議員してたとか、頭がクラクラしてきた。拉致被害者に言ってみろよ、クズが。元寇とか応永の外寇とかも知らんのでしょうな。日本に入れるなこんなの。
投稿: クラッシャー | 2017年9月11日 (月) 19時06分
結局消極的な北の核容認ということならば、日本の核武装については議論をタブー視せずに進めていく必要がある。
ただし、北の核は真の独裁者の手の中になるというの意味での危険性が、中露の核よりはるかに危険であることを考えておく必要がある。
アメリカのシンクタンクが盛んに日韓の核武装容認論を言うのは、北との妥協という選択肢を選ぶ場合、日韓に自己防衛のげたを預ける前触れかもしれない。いずれにせよ共闘での核戦争の緊張はアメリカ本土から見れば他人事だから。
投稿: ednakano | 2017年9月12日 (火) 10時07分