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2017年9月18日 (月)

国連安保理閣僚会合の裏で

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最後の外交的努力が続けられているようです。 

私が「最後の」としたのはあくまでも外交的手段としてです。この安保理閣僚会議が不調に終わると、後はほとんど米国の一国的な制裁強化しかなす術がなくなることになります。

■北朝鮮核問題 国連安保理の閣僚会合 21日に開催で調整 | NHKニュース (9月18日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170917/k10011142811000.html

「国連の外交筋によりますと、アメリカの要請に基づいて、この期間中の今月21日午後(日本時間22日午前)に北朝鮮とイランをめぐる核不拡散をテーマにした安保理の閣僚会合を開催する方向で調整しているということです。
会合には日本の河野外務大臣やアメリカのティラーソン国務長官、それに中国の王毅外相やロシアのラブロフ外相らの出席が見込まれています。
安保理では今月3日の北朝鮮による6度目の核実験を受けて、11日に北朝鮮への原油の輸出は過去1年分を上限に認めるものの、ガソリンや重油などの輸出を半分以下に制限する新たな制裁決議を全会一致で採択しました。
しかし、北朝鮮への対応では圧力の強化を主張する日本やアメリカと対話の重視を主張する中国やロシアの立場は異なり、国連大使よりハイレベルの閣僚会合を開催することで、北朝鮮の核・ミサイル問題の解決の糸口を見いだせるのか注目されます」

Photo_24月28日 安保理閣僚会合で発言するティラーソン国務長官http://www.asahi.com/articles/ASK4X4S0XK4XUHBI018.html

いうまでもなく焦点は、前回の国連安保理制裁決議に中露をより強固な包囲網に取り込むために取り逃がした原油の完全禁輸です。 

米国は国際世論を作るために、実質的制裁を海上臨検などに絞って、譲った形になりました。 

ようやく知られてきた事実ですが、国連制裁はザルでした。要は、加盟国が国連決議に罰則規定がないことをいいことにして、馬耳東風と聞き流しているからで、その傾向はアジアやアフリカで酷いといわれています。

たとえば、つい先だって中国は北朝鮮の石炭の輸入を止めたと言われていました。しかし、止まっていません。 

北朝鮮は中国向け石炭を、自国船舶にパナマ国旗やジャマイカ国旗で偽装して積み出し、西ではなく反対の東のウラジオストクへ向い、そこで一泊した後に、出港地をウラジオストックに偽装して、中国に陸揚げしていました。 

すると書類上は、ただのロシア・ウラジオストック出港のジャマイカ船籍の貨物船となってしまうわけです。 

このような迂回偽装工作はいままで盛大に行われていていて、フィナンシャルタイムズによれば、北朝鮮はそのために香港にトンネル会社を設立し、そこに所属する船舶は数百隻に登ると述べています。 

このような、北朝鮮のトンネル会社は様々な分野に張りめぐらされており、金融取引、原油、繊維はもとより、ミサイルや核弾頭の部品の調達にまで広く利用されてきました。 

中国は知っていたかって?もちろんです。そもそも海軍が密輸に手を染めているような国が、そんな北の手口を知らないほどウブなはずがありません。 

中国は表面的には制裁強化に渋々同調したような顔をして米国の譲歩を引き出し、実際はこのような船籍偽装や密輸ネットワークを放置して、たぶんあの国ですから、袖の下のひとつももらっていたのでしょう。 

だからいままで北朝鮮は、制裁など痛くもかゆくもない顔ができたのです。

ですから、米国国連大使のニッキー・ヘイリーが、とりあえず石油禁輸を譲っても、船舶臨検を先に合意に持ち込んだのです。 

そしてもうひとつは、このような尻抜けを可能にさせているのは、国際社会のぬるい態度があります。

日本国内にも、「悪いのは戦争屋のアベだ」といっている某大学教授がいるくらいですから、国際社会にいたってはもっと怒っていないのです。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/post-ba2d.html 

ヨーロッパさえ危機感はゼロに等しく、対岸の火事のようにみていた有り様です。 

なぜでしょうか。理由は簡単。自分の国は北朝鮮の弾道ミサイルの射程外だからで、しかもそれなりの経済関係があるからです。 

ヨーロッパの繊維産業は北朝鮮を下請けにして、法外な安値で作らせていました。 

このようなことが、北朝鮮の独裁体制を延命させ、核実験や弾道ミサイル発射といった横車を押し続けてこられた原因のひとつとなっていました。 

これを停めるには、それらの国に「恥ずかしいことだ」という自覚を持ってもらわねばなりません。 

それが国際世論の形成ということの意味です。 

特に最大の関係国であり、金一族をここまで育ててきた中国には大いに恥じ入ってもらわねばなりません。 

これまたもちろん,中国は世界最強の鉄面皮国ですから、素直に「恥じ入る」タマではありません。

Photottp://jp.reuters.com/article/column-mnuchin-idJPK...ムニューシン財務長官

だからこそ、米国は独自制裁としてムニューシン財務長官に、金融制裁を命じたのです。

 ムニューシンはこう述べています。

「国連決議違反の場合、中国当局に経済制裁=米財務長官 ムニューシン米財務長官は12日、国連安全保障理事会が11日に採択した対北朝鮮追加制裁決議に従わなければ、当局による米金融システムや国際ドルシステムへのアクセスを禁止するなど対中経済制裁を強化すると発言した。
 長官は12日、CNBC放送局がニューヨーク市で主催した「デリバリング・アルファ・カンファレンス」に出席。長官は、11日に国連安保理で、中国とロシアを含む全会一致で採択された対北朝鮮制裁決議について「歴史的だ」と述べた。
 長官は「中国(当局)がこの制裁決議を遵守しなければ、われわれは中国に対して追加制裁を課し、米国および国際ドルシステムへの進出を禁じる」と述べた。
 中国当局は長年、北朝鮮の貿易を支えてきた。北朝鮮の対外貿易の9割は中国向けだ。
 米メディアは国連関係者の話として、国連の制裁措置で北朝鮮からの石炭など輸出を禁止したにもかかわらず、今年2~8月末まで、北朝鮮は中国などに約2億7000万ドル規模の石炭や鉄などを輸出したと伝えた。」(ロイター9月15日)https://jp.reuters.com/article/idJP00093300_20170915_01320170915
 

「中国が国連制裁を徹底的に履行しない場合、我々は中国を追加で制裁する。中国が国際ドル通貨システムに接近できないようにする」だそうです。スゴイですね。

中国を名指しの上に、「制裁を履行しないなら国際ドル通貨システムに関わらせない」というのですから。基軸通貨国でなくては言えないブラフです。

Photo_3
その上に、さらに細かく下院外交委員長ロイスは9月12日に開かれた外交委公聴会で、中国の招商銀行、農業銀行、建設銀行、丹東銀行、大連銀行、交通銀行、錦州銀行などを名指しで制裁候補にリストアップしたと言っています。

これらはすべて中国の国営の大銀行です。

彼らがいままでのように、のほほんと北朝鮮、密輸貿易の決済に関与し、マネーロンダリングしてきた長年の代償を払っていただこうじゃないか、ということてす。

その代償とは、国際決済通貨のドルに「接近させない」、つまりはドル決済を一切認めないということです。

それが実施された場合、確実に中国の金融秩序は崩壊の危機に瀕します。名指しされた中国の各銀行は慌てて、対策を講じているようです。

「[上海 12日 ロイター] - 中国の4大国有銀行は、北朝鮮の新たな顧客への金融サービスの提供を停止した。支店の行員らが明らかにした。
中国建設銀行(CCB)の遼寧省にある支店で窓口業務を担当する行員は、同行が8月28日に「北朝鮮との業務を完全に禁止した」と語った。
また、中国工商銀行(ICBC)は7月16日以降、北朝鮮人とイラン人を対象に口座開設を停止しているという。顧客相談通話サービスに応答したスタッフが明らかにした。理由は説明せず、これ以上の質問にも回答しなかった。
中国銀行の行員によると、同行の遼寧省・丹東市にある支店は昨年末に北朝鮮の個人・企業の口座開設を停止した。既存口座については預金や引き出しができなくなっているという。
同じく丹東にある中国農業銀行の支店の行員によると、同行でも北朝鮮顧客の口座開設はできないという 」
http://jp.reuters.com/article/china-banks-northkorea-idJPKCN1BN0QS

これが、前回の国連制裁決議について、トランプが「これはただの小さな1歩に過ぎない」と述べた真意です。

米国は今回の国連安保理閣僚会合で、もう一回原油の全面禁輸を中露に提案し、従わなければ規定方針どおり中国への独自制裁に踏み切ることになります。

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コメント

 今日の記事に書かれた制裁が中国側になされるとすれば、小さな一歩ですが実質的な一歩になるのだと思います。グロ-バルな経済の一体化が進んでしまった今の時点でドルが使えなくなってしまうことにでもなれば、中国は大打撃を受けるでしょう。このアメリカの中国への攻勢は今後いくつも続けてカ-ドが切れる筈です。

 北朝鮮がどう決着するかはまだ分かりませんが、仮に金正恩が取り除かれ北朝鮮の戦後処理の段階になり、それも終わると、次にはアメリカと中国との対立が続くことになりますが、ここでもアメリカは手を緩めることはしないのかもしれません。この対中経済制裁カードは対中国折衝の武器として使われるでしょう。

 要するに中国封じ込め政策ですね。オバマですら中国を封じ込めようとしていたのですよ。TPPは中国封じ込めの政策だったのでしょうよ。

 日本はアメリカと共同歩調をとるのがベタ-な選択です。アメリカ追従と言われても良い。日米同盟の強化と日本の防衛予算を二倍にすべきです。焦ることはない、日本の出番はきっとやってくる。


 

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