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小池百合子というマキャベリ政治家

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10月になりました。あと20日間で日本の政治地図は、大きな変化を迎えることは確かです。 

民進党が解体・消滅することは、もう既に決定しました。 

右にも左にも行けず、党としての背骨に当たるまとまった憲法観も安全保障観もなにひとつなかったこの党は、野合した以前の左右に戻るだけのことです。 

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枝野氏が遭難者のための新党を作るようです。その名も「栄光の」民主党ですから、悪い冗談のようです。

「民進党の枝野幸男代表代行は1日、希望の党に合流しない民進党前衆院議員らを集めて、新党を結成する方針を固めた。希望の党が民進党の全員合流を認めないことに反発した。希望に参加できない前衆院議員を救済するための受け皿を目指す。党名は「民主党」を検討している。(略)
新党は共産、社民両党との選挙協力を行う方針だ。枝野氏側は前原氏に2日昼までに民進党から希望の党に参加できるメンバーのリストを明示するよう要求。前原氏が明確にできなければ新党に踏み切る考えだ。」(毎日10月2日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171002-00000006-mai-pol

今日が枝野氏が「希望」への当落の回答期限とした2日ですから、今日中にこのまったく新鮮味の欠落した「新党」ができることになります。 

おそらくは、参院のリベラル議員まで含めての合流となりますから、数だけはそれなりに確保できるでしょう。 

なんといっても分党処理ができますから、本部金庫に眠る交付金のかなりの部分を押さえられるはずです。 

また社民・共産と野党共闘するようですので、小池新党への風がさほど吹かなかった場合に、一定数のリベラル議員はサバイバルに成功するかもしれません。

一方、小池女史は読みと違って、急速にメディアの水温が下がってきたことを察知したようです。 

民進党リベラルを「大虐殺」したあたりをきっかけにして、メディアはこれはおかしいとさすがに感じたようです。 

特に「三都物語」と歌謡曲のようなタイトルで打ち出した、9月30日の「大阪大虐殺事件」は、鈍感なメディアもさすが眼前で起きている事態のすさまじさに気がついたようです。

「大阪の選挙区におきましては、候補者は立てないという形でございます」。希望の党の小池百合子代表は30日、日本維新の会が地盤とする大阪の小選挙区で、候補者を公認しない考えを明言した。希望への合流を目指していた民進党の立候補予定者たちは行き場を失い、途方に暮れた。」(朝日10月1日)

小池氏は日本維新との選挙協力をするという建前で、大阪での立候補を取り下げました。 

民進党大阪は19小選挙区のうち、13選挙区に候補者を立てる予定でしたので、一瞬にして彼らの政治生命は風前の灯火となってしまいました。 

その中には10区の辻本氏も含まれています。

「私は現実的なリベラルの力と重要性を信じています。ですから、私はいきません。
小池百合子さんとは、女性政策などをいっしょにやってきて、実力のある政治家のひとりだと思っています。
小池百合子さんは寛容な保守のお立場から、私は現実的なリベラルの立場で、安倍政権を右と左からはさみうちにして倒せばいいんじゃないかな、と思っています。」(辻本氏ブログ10月1日)
http://blogos.com/article/249454/

ここまで来て小池氏に対して「寛容な保守の立場」を口にするのは、愚かなだけにそぞろ哀れすら誘います。初めてこの人を気の毒に思いました。 

辻本氏は、かつてのように社会党が潰れたら、社民党、社民党を追い出されたら今度は民主党、そしてちゃっかりと保守派のはずの前原氏に寄り添って副大臣にまでなったような政界遊泳がもう不可能なことにまだ気がつかないようです。 

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辻本氏は、小池女史という人物を深く勘違いしています。 

彼女が今やっている「大虐殺」は、小池氏ひとりが生き残るためのものであって、冷徹な打算に裏打ちされています。

小池氏は日本では稀な、目的達成のためには手段を選ばないマキャベリスト的政治家なのです。 

たとえば、小池氏が掲げる政策の3本柱は、「増税凍結・憲法改正・原発ゼロ」ですが、すべて空洞です。 

これらの政策は、自民に対して付加価値をつけるためだけに、とりあえず思いついたものにすぎません。 

なかでも一般受けしそうな消費税凍結という政策も、リフレ政策を理解してのものではなく、安倍氏が解散記者会見で、消費税の使い道をグダグダ言い訳することを知って、突然突込んだもです。

巷間、メディアのシンパから記者会見原稿が流れたと言われています。

小池氏は、消費増税が「消費税法」として法制化されていて、それを延期するには付帯事項18条の景気条項を使うしかないのを知っていて、あえてそれにぶつけたのです。 

日本経済はアベノミクスによって弱々しい足どりながらも、やっとすべての経済指標がプラスに転じていますから、安倍氏がいままで2回使ったような景気条項は使えないということを知ったうえでやっていることです。 

もし小池氏が、まともな経済政策をもっていたのならば、「ポスト・アベノミクスに代わる」などという、文法的にも政策的にもネジれたことなど言うわけがありません。 

原発ゼロに至っては、いままでこの人が言うのを聞いたことがなかったので、おそらく小泉翁の入れ智恵でしょう。 

時限を切らず、方法も提示せずに「ゼロ」を言うなら、誰にでも言えます。 

改憲だけはましな政策ですが、石破氏合流という噂も流れていますので、ただの「2項削除」改憲なら、これもまたハードルを高くしてやらない言い訳にできてしまいます。 

このように、小池新党の政策はただの思いつきであって、ひたすら自民党との違いを際立たせるための受け狙いのマーケティング戦略にすぎません。 

彼女が突如反安倍になったのも、一転して急に右にブレて「リベラル大虐殺」を開始したのも、すべては自分がメルケルごとき「民主主義的女王」になることを夢見てのことです。

小池氏流にいえば、「清水の舞台から飛び下りたつもり」で知事を辞任し衆院出馬するとしたら、今週いっぱいしか時間は残されていません。

「希望の党の若狭勝前衆院議員は1日のNHK番組で、衆院選後の首相指名選挙に際し、連立政権樹立も視野に対応することを明らかにした。一方で、小池百合子代表(東京都知事)の衆院選立候補について「今回は出ないのではないか」との認識を示した。希望の党の公認候補の擁立作業については「資質を見極め、どの程度になるか積み上げている」と述べ、衆院の過半数にあたる233人に及ばないこともあり得るとの認識を示した。」(毎日10月2日)
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171002/k00/00m/010/139000c?inb=ys

小池氏のようなマキャベリ政治家にふりまわされるのはケンノンですが、すべては今週中に決まることです。

 

 

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コメント

昨年民進党のマークが発表された時に、
赤い人と青い人が「お前行けよ!」「いやいやお前が行けよ!」で、赤い人が押し出されて蓮舫が前に立った!なんて笑って見てたんですけど、
いまや「赤いのは今すぐ出てけよ!」「えっ、ええっ?何なの!?」グイグイッ「頼むから出てってくれぇー!」と叫びながら青い人も倒れかけてorz状態に見えます。

投稿: 山形 | 2017年10月 2日 (月) 06時39分

>小池氏は日本維新との選挙協力をするという建前で、大阪での立候補を取り下げました。

この部分に関しては、小池さんを褒めますw
だって大阪十区って辻本が居るし。
辻本どうするんだろう。新たに出来る予定の枝野☆民進党に入るのかしら?w

しかし、民進ってすごいね。勝手に希望に乗り込もうとして勝手に壊れていく。こんなのに振り回されていた日本ってある意味平和ですわ。

投稿: やもり | 2017年10月 2日 (月) 10時32分

 報道では色々な解釈が日々なされますが、今日の記事内容の方が非常に納得性も高く、かつ現時点で一番真実に近い見立てだと思います。

≫「小池氏が掲げる政策の3本柱は、「増税 凍結・憲法改正・原発ゼロ」ですが、すべ て空洞」で 、「これらの政策は、自民党 対して付加価値をつけるためだけに、とり あえず思いついたものにすぎません。」

全く、そのとおりですね。
増税凍結は肝心の財源を明示出来ず、憲法改正も原発ゼロも、まず「お題目限り」です。

正に「受け狙いのマーケティング戦略」にすぎないのであって、しかし自民党から保守層の一部を引き剥がす「いくらかの効果」はハッキリありました。
そこが何ともやるせないです。

ただ、錆びた刃物(容共政治家)を、ちゃんと危険物として分別した点は評価して良いのかと。

一方、維新の松井知事は橋下氏よりも小池氏の本質を良く見て、美味しい部分だけは拾いましが、距離感を保って警戒心は怠りなく保持してます。
公明党も冷静です。

「希望」は結局80~110議席くらいは取るのでしょう。
で、その先は維新と公明に手を入れつつ、次回の衆院選を「政権選択選挙」と位置づけ備える腹ですね。

維新の松井氏や、公明の次代を担う石井国交大臣などの動向を見る限り、今後とも小池氏の思惑に乗るような危惧はありませんね。
心配はむしろ、次々回の衆院選までに自民党左派から迎合する勢力が必ず出るだろう事です。

小池氏のことですから、6日までは何をやって来るかわかりませんが、第一ラウンドは決着が付いたような気がします。

それにしても、小池のような「擬態の政治家」に緊迫する日本の安全保障環境を委ねたり、裏で刃を突き付けあっている世界の外交舞台に立たせる事を「了」とする、そうした国民がまだ多くいる事に失禁しそうになりますね。


投稿: 山路 敬介(宮古) | 2017年10月 2日 (月) 10時49分

舛添氏がテレビで小池氏は知事を辞め衆議院選挙に立候補すると断言したそうですね。

小泉進次郎氏はとしまえんで小池さんは無責任のジレンマに陥ってると批判。
立候補したら都政の投げ出しで都民を裏切る、立候補しなきゃ民進党を合流させた前原氏の気持ちを裏切るなど無責任の列挙をした。

枝野氏は立憲民主党(仮称)を立ち上げ、希望の党を希望しない人達でやる、比例で票を伸ばしたい。

小池潰しをするのか分かりませんがマスコミの印象操作がどのような方向に動くのか、読めない選挙になりそうです。

投稿: 多摩っこ | 2017年10月 2日 (月) 12時00分

 色々と考えておりましたが、昨日のアホンダラ1号さんの見解に妙に惹かれるところがあり、わたしも一言、

 小池さん支離滅裂な論理ですがなぜか強いのは何故か? 不思議です。アホンダラさんがおっしゃるように選挙は論理の正しさだけではないようですね。都知事選における小池さんの戦いぶりはまことに見事なものでした。小泉郵政改革のときに、刺客として敵地に乗り込み見事自民党の大物政治家を殺したこともあります。強いのです。 

 彼女の掲げる政策は穴だらけでしょうが、強い彼女は、大きな世替わりの時代になにかしでかしそうです。ですから、彼女を侮ってはいけないでしょうね。

 憲法改正という大事業を成功させるためには、彼女の力も必要だと思います。安倍さんだけでは弱いと思いますね。

投稿: ueyonabaru | 2017年10月 2日 (月) 12時23分

 とてもはっきりしたことが一つあります。
「日本では、ボスのいう事を聞く人間以外は非常に受かりにくい国政選挙をしている」
小物だけになるはずですね。

投稿: 仙 | 2017年10月 2日 (月) 12時30分

「日本では、ボスのいう事を聞く人間以外は非常に受かりにくい国政選挙をしている」

それで正しいと思います。それでも(あれこれ知恵だして)受かる人間こそがリーダーになるのですから。

小池はそうしたわけです。

投稿: かつて… | 2017年10月 2日 (月) 12時59分

分党して左右に分かれて選挙後に「出来がイマイチ」と小池氏にリセットされた場合、再合体して一年後あたりに「ともに民主党」とか名乗ってそうです。人数は半分以下に減ってるんでしょうね。その活動費が150億円、解党して国庫に戻してよ!と思います。

まさに彼女は擬態の政治家です。そう呼ぶのももったいない、新興マルチの立ち上げおばさんです。
いるでしょう、ア〇ウェイはもう大きくなって美味しくないから〇〇ウェイってねずみ講を募って売り逃げする人。商品は何でもよいのです。安全とかクリーンとか健康とか似非科学とセットで似合うものなら。
先に入れた者は後から来たものからお金を吸い上げて、ある程度儲けたら団体ごと捨てるところが本家ア印より悪質です。
私は知事選でまんまとマルチに騙されて1票やってしまったうかつ者でした。でも掴まされた品々がとんでもない事を知っています。大局を見るなら現実も見ましょう。

彼女に安全保障が扱えるなら、どうして今知事として一切東京のミサイル危機やテロ防災にタッチしないのでしょう。
防衛大臣をやったのはたったの二か月間です。みんな肩書に騙されています。

彼女が国民の命を守るというなら、どうして築地の今にも崩れそうな市場の屋根を放置して、しかも外人記者クラブにむかってネズミの走る市場などと笑顔で口走るのでしょう。その上実務者の元市場長の副知事職をクビにするんですよ。
そのうち東京湾に投げ込まれると過去に語っていましたが、東京都民の命や暮らしを先に湾に沈め始めています。

パンダの名前を決めたり五輪のボランティアユニを変えたり電柱の写真を集めたりするのは、ゆるキャラの仕事なんじゃないのと息子が言いました。
おんなじテンションでプーチンや習近平やトランプと、ましてや再英文、メイやメルケルと並ぶなんて、考えただけでくらくらします。鳩山級に恥ずかしい人物です。

投稿: ふゆみ | 2017年10月 2日 (月) 13時02分

枝野さんが新党結成らしいです。「希望」に行けなかった左系の方々が参集するらしいですが、一つ疑問が。
民進の支持母体である連合はどうするのでしょうか?
やっぱ、民進党からの流れで枝野新党?でも、候補者の中には希望に行った人もいるでしょうに。民進だけじゃなく労働界の再編もあるかしら?そもそも賃上げも出来ない労組なんて要らないし、一国の首相が財界に賃上げ頼む国ですものね。
昨日のTVで小池さんが選挙に出るか出ないかは、希望の候補者で過半数を超えるか否かが分岐点と言ってました。国会である程度の影響力が握れると判断したら出馬するし、そうでない場合は止める。比例の名簿一位は空欄のままだと言う情報もありますし。
いずれにしても、自分の利になることにしか興味がないのが小池さんと言う人物じゃないんでしょうか。

投稿: 一宮崎人 | 2017年10月 2日 (月) 14時23分

>一宮崎人 さん
連合は、その成立からして共産党は不倶戴天の敵。(共産党系の労働者は全労連を作りました)

実際の話、神津会長なんて「志位さんと、僕らが応援する候補者が握手することなんて許せるものじゃない」とまで言っています。
なので、リベラル系の人があぶれて新党を作ったとして、それと共産党が手を組むことがあったら、絶対にそちらの応援はしません。

それとは別に、政策が合っていれば、自民・公明の候補者も応援しています。

さて、小池氏は原発ゼロを謳っていますが。
実は連合は最終的には原発ゼロを目指してはいても、神津会長曰く、
>現実に即して「安全性が国の責任の下、確認され、地元の同意が得られたものは再稼働もありうべし」
という立場です。
小池氏が期限を切って原発ゼロを言わないのは、連合の力を借りようとしている証ではないかと思います。

実際のところ、連合を味方に付けたいならば、具体性のない原発ゼロよりも、「高プロ」阻止の方が効果的だと思いますけれど。

投稿: 青竹ふみ | 2017年10月 2日 (月) 16時49分

 連合は「希望」との政策協定をせず、元民進党議員の個別支援をする方向で決定したようです。

官公労系と民間労組系の股裂きを避ける苦肉の策ですが、問題先送り感が強いですね。
そのままでは政治政策への関与が薄まるのは必至なので、選挙後に判断するという事でしょう。

投稿: 山路 敬介(宮古) | 2017年10月 2日 (月) 18時31分

希望の党ってネーミングも至って抽象的ですが、
語っていることも曖昧模糊としています。
やれ原発ゼロだの消費税凍結だの秀逸なのが寛容な改革保守だって。
なんのこっちゃとツッコミの一つも入れたくなりますよホント。

とはいえこの一連の騒動で一番男を下げたのは民進党の前原代表でしょう。
代表になって間もないというのに、昨日今日できたペーペーの新党におもねり、
声高らかに交流を発表するや、小池知事に肘鉄を喰らわされて
同胞の左派グループにまで総すかんを食うという。
まあ自分の人徳のなさを恨むしかありませんけどね。

投稿: 右翼も左翼も大嫌い | 2017年10月 2日 (月) 19時56分

自由党も壊してしまいましたね。
ずっと小沢氏の師事を仰いでいた発言までしちゃった前原が、金も泥も被って奈落の底に落ちるのか。
この様を高笑いする者は小池百合子と同じ餓鬼道に落ちますよ。

投稿: ふゆみ | 2017年10月 2日 (月) 23時05分

政治とは、「シンボリックなものの操作を通じてなされる、利害の調整過程」だと思います。小池女史は、シンボリックなものの操作には大層秀でていますが、肝心の利害の調整が全くできません。利害を調整する政策・法案を作れないのは、政治家として致命傷です。本来、このような人を政治家とは呼びません。なぜ、このようになってしまうのか?それは、常に自分ファースト・自分オンリーであって、公に服する、即ちパブリックサーバント的な部分が完全に欠落しているからです。管理人様の分析は、ごもっともですが、マキャベリズムとは、己の属する共同体を、周りのライバルに伍して生き延びるために手段を選ばないリアリズムに徹した政治手法だと思います。小池女史には、己の属する共同体なぞ、そもそもなく、それゆえに政治手法そのものがありません。

投稿: ぼびー | 2017年10月 3日 (火) 03時55分

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