北朝鮮が秘密交渉テーブルで主張していることとは
ティラーソンとトランプの間に対北政策の齟齬があるのかということを問われれば、私は微妙ですが「ある」と考えています。
問題となったのは、ティラーソンの8月7日の発言です。
「米国務長官は7日、北朝鮮が一連のミサイル発射実験を中止すれば米国は北朝鮮と話し合いをする用意があると述べ、対話のドアは開かれているとの姿勢を示した。 」(ロイター8月7日)
これは国連の8月5日の制裁決議を踏まえてのものです。
「アメリカ政府は北朝鮮の政権交代を目指さず、政権崩壊も求めない。朝鮮半島再統一の加速は求めず、38度線の北に米軍を派遣する口実も求めていない」と述べた上で、「アメリカが対話を望んでいるということを、北朝鮮がいつか理解することを望む」(ニューズウィーク日本版8月4日)
いままで具体的に「対話の条件」を言ってこなかったために、驚きをもってうけとられ、米国有力メディアは一斉に、「アメリカが対話のドアを開けた」との見方を伝えました。
これに対しての北朝鮮の反応ですが、直接の言明はないものの、まぁ、想定内です。
「これについて北朝鮮からの直接的な反応はないものの、米国が攻撃を仕掛ければ、北朝鮮は米国を「ひどい目に遭わせる」と表明。北朝鮮は、米国が北朝鮮への敵対的な政策を維持する限り、核開発プログラムを交渉のテーブルに乗せることはないとのこれまでの姿勢を改めて示した。ただどのような行動をとるのか具体的には言及しなかった。」(同上)
「ニューズウィーク日本版」(8月4日)は、遠藤誉氏の論説を掲載しています。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8131.php
ここで注目されるのは、遠藤氏が米朝が「2トラック外交」をしているということを明らかにしたことです。
遠藤氏のソースは2016年8月28日、ワシントンポストは「Inside the secret U.S.-North Korea 'Track 2' diplomacy(米朝秘密トラック2外交)」です。
この記事でワシントンポストは、水面下において米朝が頻繁に接触している事実を暴露しました。
ただしお含みおき願いたいのは、このWPの記事が2016年月というオバマ政権末期に書かれたものだということです。
おそらく現在でも国務省が継続しているでしょうが、トランプがこれに重きを置いているのかははなはだ疑わしいと思えることです。
それはさておき、トランプ就任は2017年1月ですから、既に彼が就任する以前から国務省サイドではこのような「2トラック外交」をしていたことになります。
ではその内容ですが、このようなものであったと、遠藤氏は述べています。
「ワシントンポストの情報によれば、2011年に金正恩政権が誕生して以来、平壌(ピョンヤン)(=北朝鮮)は一連の「トラック2外交」を通してワシントンと連携を保ち続けているとのこと。
「トラック2外交」であるにもかかわらず、北朝鮮は常にハイレベルの外交官をこういった会議に派遣してきた。
アメリカ側の参加者はすべて元政府高官か朝鮮半島問題や核問題の専門家たち。その意味では北朝鮮の方が力を入れているということができる。
会談場所は主としてベルリンかシンガポールで、北京ということもあった。」
少し説明を付け加えれば、「トラック2外交」とは、外見上は緊張関係のある両国関係を打開するために、正面ドア以外に、もう一つの秘密のドアを作っておく外交手法です。
俗にいう「水面下の交渉」ですが、正面ドア(トラック1外交・Track 1 Diplomacy)が、国務省の外交官や政治家によることに対して、秘密のドア(トラック2外交・Track 2 Diplomacy)は引退した政治家、軍人、学者などが私的な肩書で接触することを指します。
北朝鮮はこの「秘密のドア」がことのほか好きなようで、米国が引退した政治家や学者を派遣したのに対して、「北朝鮮は常にハイレベルの外交官をこういった会議に派遣してきた」(前掲)そうです。
このハイレベルの高官とは、北朝鮮外務省の北米副局長だった崔善姫(チェ・ソンヒ)などであると推測されます。
崔善姫北米副局長
ちなみに神保謙氏によれば、彼ら北朝鮮の外交関係者の多くは米国留学組であり、英語が堪能なことはむろんで、物腰も大変に洗練されおり、米国外交にも精通しているそうです。
「エリンギ政権」だなどと侮る人がいますが、こういうバックドア・トラックでは微妙な交渉も継続できるのが北朝鮮のもうひとつの顔なのです。
興味深いのはこの部分です。
「米韓研究所の核問題研究家であるJoel Wit(ジョエル・ウィット)氏は「北朝鮮は主に停戦協定を平和条約に持っていくことに強い関心を持っている。彼らは核兵器計画を、平和条約を交渉する中で検討することを願っている」と言う。
2016年2月にベルリンで開催された「トラック2外交」に参加し、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)氏(同年5月から外相)と話し合ったウィット氏は、「ピョンヤンは対話を受け入れるシグナルを出している」と述べている。」(前掲 太字引用者)
また具体的に核について、北朝鮮はこう述べています。
「2016年6月には北京で北東アジア協力対話に関する米朝の非公開会議があり、北朝鮮の代表として出席した北朝鮮外務省の北米副局長だった崔善姫(チェ・ソンヒ)氏(2017年から局長)は「ピョンヤンは現有の核資産を放棄することはないが、しかし今後継続して核装備を拡充していくことに関しては話し合いの余地がある」と述べている。」(前掲)
つまり、北朝鮮は現行の朝鮮戦争の停戦協定をさらに一歩進めて、正式な平和条約に発展させる協議を行い、その場で核についても「対話」しようじゃないか、ということのようです。
この「平和条約」は、日本でリベラル人士が手放しで喜びそうな表現ですが、隠された意味は二つあります。
ひとつは、はっきりと北朝鮮は秘密チャンネルにおいても「核を手放す気はないが、今後核装備の充実は考慮してもいい」という言い方をしていることです。
米国に届くICBM開発は寸止めしてもいいが、開発済の中距離弾道ミサイルは保持し続けるということです。
わが国はその射程にすっぽり入っていますから、今後北朝鮮の核の脅威の傘の下で永久に暮らし続けよ、という意味となります。
逆に言えば、米国の核の傘はこれを防ぎ得ないほど無力であったということの告白ともなりますから、日米同盟は分断されることになります。
第2に、米韓軍事同盟を根拠とする在韓米軍は、北朝鮮側から停戦協定違反の疑義をもたれていることです。 ※追記で「誰から疑義をもたれているのか」の主語を挿入しました。
北朝鮮は、中国と安保条約を結んでいますが、中国軍を駐留させてはいません。
これを根拠として、北朝鮮は金日成時代から一貫して、「朝鮮半島からの一切の外国軍隊の撤退」を主張してきました。
したがって北朝鮮の思惑どおり「平和条約」を締結すれば、在韓米軍は撤退せざるをえないことになります。
この秘密チャンネルの北朝鮮のオファーを米国が呑むと、スーザン・ライスの言ったとおりの「核凍結」という美名の下で、現況の核保有を認めた形で状況を固定化することにつながっていきます。
このふたつの状況が東アジアに現出するなら、北朝鮮は東アジア全域を射程にした核ミサイルを保有しつづけたままで、日米同盟は分断されて弱体化し、在韓米軍はグアムの線まで撤退することになります。
韓国はこのような状況の中で、ムン主導で高麗連邦構想を現実のものとしていくでしょう。
端的にそれは、「核を持った赤い朝鮮半島」の出現です。
私はティラーソンが、この伝統的な国務省の「戦略的忍耐」外交に回帰する傾向があると感じています。
トランプはあくまでも「核放棄こそが唯一の交渉の条件」としていますから、ティラーソンの解任騒動も考え合わせると、微妙に両者の考えはズレ始めていることは確かなのかもしれません。
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遠藤誉氏の持論は、「先に休戦協定の規定を破ったのは米国であり、だから核放棄などの前提を付さずに対話をする義務が米国にはあるはずだ。」というもので、これは中共の立場とほぼ同じなんですよね。
こうした主張に組みするのは些かナイーブでもあるし、共産主義国特有の屁理屈を許容するダメな議論です。
北朝鮮は自から何度も休戦協定の脱退を表明していて、その延長線上で天安艦沈没事件を引き起こし、延坪島を砲撃しています。
トランプ政権が北朝鮮を核保有国として認める事はなく、韓国や日本に対して「米国の武力攻撃」の拒否権を与える事もあり得ません。
ここで遠藤氏が述べるところでは「北朝鮮が核・ミサイル開発を先に放棄する事はない」と言い切りますが、日本政府は「圧力」は効用があると見てい、最初の変化として拉致被害者カードが用いられるだろうと見ています。
そのさいの米国とのコンセンサスも出来ているようです。
また、あらゆる国々と平和条約を模索するのは民主主義国外交の常というか、ある種のクセみたいなものでもあって、かつて我が国でも外務省は拉致被害者の人命を軽視してまで「日朝国交正常化」を優先させるつもりもあったくらいでした。
それと、「平和条約」を結ぶ、あるいは「北の核開発を放棄ではなく「凍結」で容認する」といった場合もそうですが、それは同時に「制裁の解除」をも意味します。
国連安保理で制裁決議がなされたのは、まさに北の「核・ミサイル開発」に対してであって、北朝鮮問題はすでに国際的なマターでもあります。
その決議根拠が担保されない限り、これもまた有り得ないと考えます。
国務省は「水面下の対話」を「正式な対話」に格上げしたい意図があるのでしょうし、トランプ氏も対話そのものには色気がありそうです。
ですが、一方ではジョン・ボルトン氏を何度もホワイトハウスに呼んだりして、国務長官更迭の火種を自から起こしている感じです。
ニッキー・ヘイリー国連大使の国務長官格上げの噂もトランプ氏のマッチポンプだった疑いもあるようです。
北の核弾頭付きのICBMの完成まで一ヶ月と言う人もいれば、数ヶ月かかると見る人もおり、なお数度の実験が必要という見方もあります。
本当のところがどうなのか私にはわかりませんが、ここのところ北が大人しくしているのが何を意味しているのか、中共がらみである事だけは推測しますね。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2017年11月13日 (月) 10時07分
ティラーソンが本当にそんな半容認論を展開していたとしたら恐ろし話です
仮にそれが実現したならば日本は独自核武装の道を模索も考えられますし、対米関係の見直しも必要ですよね。
日本もインドみたいになるのかなあ
投稿: 中華三振 | 2017年11月13日 (月) 13時12分
山路さん。冒頭のパラフレーズの「こうした主張に組みするのは些かナイーブでもあるし、共産主義国特有の屁理屈を許容するダメな議論」とは、私に対してのものですね。
とすると、私の記事も「共産主義の屁理屈を許容する記事」ということになるわけですか。
ずいぶんの言われようですな。
全文を読み通して、そう思われるなら、議論しても始まりません。
投稿: 管理人 | 2017年11月13日 (月) 13時31分
本記事に近いような話に今朝の虎ノ門ニュースで青山繁晴氏が触れていました。
遠藤誉氏の発信は、中共のの意図を大手メディアの忖度を外して日本語でストレートに届ける価値があり、氏は中共の代弁者ではないですよ。
投稿: ふゆみ | 2017年11月13日 (月) 13時44分
先週コメント欄で浮上した、トランプーティラーソン齟齬は
http://www.sankei.com/smp/world/news/171110/wor1711100044-s1.html
これをソースにしているのかと思っておりました。
その土台に今朝の本記事にある、歴々とした国務省の姿勢と中共の呼応があります。
ニュース的には、ティラーソンか解任されなかったことにより60日凍結で交渉の蕾が膨らんでいると踏んでワシントンポストが書いたのです。
ひとつ確かなのは、両面の備えが必要だという事です。
投稿: ふゆみ | 2017年11月13日 (月) 15時19分
ふゆみさん。フォローありがとうございます。
明日書くことになりますが、北朝鮮は「対話」へと傾斜しています。
この内実はなんなのかを探ったのが、本日の記事です。
その枕で遠藤氏の論説を紹介したのですが、山路さんとも思えない批判を頂戴しました。
それはともかくとして、私は軍事攻撃を最後まで回避すべきとおもっています。
それは回復基調にある日本経済にとって負の影響しか与えませんし、おそらく軍事攻撃は短期では済まないからです。
また、中国に介入を許さないために、米国は大きな譲歩をするでしょうし、可能性としては低いですが、中国自ら正恩と核施設の排除を口実に地上軍を投入した場合、彼らはそのまま居座ります。
その結果はなんとも重苦しい未来が展開します。朝鮮半島北部は事実上中国の強い影響下に入ることでしょう。
かかる事態はわが国にとって悪夢以外何者でもありません。
プーチンとトランプはロシアンゲート絡みで接触すらできなかったようです。
これで、ほぼ軍事オプションの可能性は8割方断たれました。ロシアがそのようなものはゆるさないからです。
トランプのアジア歴訪は、米中露の対北方針のすり合わせに失敗したと受け取っていいでしょう。
ならば日本はどうするのか、です。
投稿: 管理人 | 2017年11月13日 (月) 16時24分
管理人さん、いつも微力ですみません。
明日を楽しみにしています。
>その結果はなんとも重苦しい未来が展開します。朝鮮半島北部は事実上中国の強い影響下に入ることでしょう
重苦しいですが、私は個人的に、南部も合わせてどの道を辿っても中国の影響下に入る予想をしています。準備不足によるダメージを避けることにこそ、価値があると考えています。
その為の憲法改正スパイ防止法国籍法その他の再整備であり、戦闘がなくても日本がその線引きをスピーディに成し遂げることを米国に認めさせ、中共に黙認させる事で左翼を抑え込む事がが出来れば、最低ライン突破ではないでしょうか。
しっかりと対立軸のラインを引かないせいで、尖閣に常駐するきっかけを持たないでいる事ですし。
つらつらと失礼しました。
投稿: ふゆみ | 2017年11月13日 (月) 16時43分
ふゆみさん。ありがとうございます。
今日は貴女と私の貸し切り討論会風になりましたが、たまにはいいでしょう(笑い)。
全面的に賛成です。
おそらく最悪シナリオを念頭に置くべき時期に入りつつあります。
それはリベラル人士のいうような「地獄の戦争」ではなく、「戦闘なき敗北」です。
表面的には、韓国は温存されます。内実は親北勢力によって食い荒されてウロが空いた樹のようになっていますが、残しておくほうが中国の利益だからです。
むしろ韓国の側から高麗連邦(名前などなんでもいいですが)一国二制度の提案をさせ、朝鮮戦争の恒久的和解として平和条約締結を提案させます。
ムンはこのような状況にまさに誂えたような役者です。
そしてこのようなことを米国が了解した場合、それがわが国の「最悪シナリオ」の開始です。
今のトランプ政権ではにわかに考えにくいですが、ティラーソンのような国務省サイドの思惑は別にあります。
ティラーソン個人については、私はアチラの人だと思っています。
元々、彼は外交評議会の出身ですしね。親和性は元々アチラなのですよ。
途中を端折りますが、これはわが国にとってそれは玄界灘まで38度線が南下することを意味します。
いきなりは来ません、念のため。
北の核と弾道ミサイル、南のF15とイージスを保有した世界一の反日国家が誕生するのです。
わが国ができるのは、海外への戦力投射が不可能な以上、できることは限られています。
ふゆみさんがおっしゃるような国内体制の引き締めです。
ただし、これも今回北関連制裁がスカったように、直線的にはいきません。
回り道しながら、安倍首相は国民に理解をしてもらいながら、メディアからボロボロにされながら進むのでしょう。
投稿: 管理人 | 2017年11月13日 (月) 17時01分
ブログ主様
≫「「こうした主張に組みするのは些かナイーブでもあるし、共産主義国特有の屁理屈を許容するダメな議論」とは、私に対してのものですね。」
そうではありません。
いきなり記事とは別の引用をして誤解を招いたのなら謝りますが、遠藤氏はそもそも相当早くから日米による「圧力」は無駄で、北朝鮮との「無条件の話し合い」を主張しております。
その事を申しております。
ブログ主様がそうした主張をしていた事はなく、したがってブログ主様を指しての事ではありません。
強いて対象は例えば、TVか何かで見かけたテリー伊藤氏だとか、「日本は朝鮮半島の分断の責任がある」とまで言う青木理などであり、「圧力不要論」者の柳沢協二氏などが念頭にあった言説です。
また私は、遠藤氏が「中共の代弁者である」と言った事はなく、そのような証拠も持ち合わせていません。
遠藤氏の著書は「チャイナ・セブン」、「チャーズ」、「毛沢東 日本軍と共謀した男」をはじめ多数読んでいますし、ネットで読めるものは目に触れる限り読んでいます。
もちろん、それは有益だから読むのであって、中国共産党の矛盾や党のシステム、あるいは隠された歴史の中に党の本質や報道されない現在の党の方針が垣間見え、勉強になるからです。
著書の中にも度々出てきますが遠藤氏のソースは中共幹部からのものが多く、善し悪しは別として、それらは信頼性に値するものです。
しかしそれであっても、著書で明らかにされる数々の中共の矛盾や歴史的残虐行為、今も続くあからさまな人権侵害や自由の毀損政策などを多数描きながら、中国共産党に明らかなシンパシーを寄せられている事は間違いなく、この点がどうしてなのかいくら読んでも納得の行く箇所はなく、その不満は大きのですね。
何も遠藤氏ばかりでなく、ネットでは北の代弁者のように言われてしまっている武貞秀二氏の言っている事であっても、その言うところには相当な真実が含まれており、ハッキリ「北の核は自衛のためではない」とした点などテレビ界「初」だったと思い、傾聴します。
そうした点では、ブログ主様と同じスタンスなのではないでしょうか。
話はかわりますが、12日の激論クロスファイアの中で河野外務大臣が、「もう「圧力」の効果は出始めている」と語っており、その証拠となる事実も一部話ました。
米軍による軍事行動を示唆する動きは、「圧力」による北朝鮮の暴発を抑止する為のもので、中共などが国連決議をほぼ実行し続ける限りは、「(ニュアンス的にですが)米軍からの先制攻撃はない」と聞こえました。
もしそれが事実ならば、国連をして決議させ、中露に「制裁のカセ」を一応ハメた日本政府の手順は妥当だったと思うのです。
しかし、それでもポイントは「中共が制裁にどこまでついてくるか」にかかって来るのは河野大臣も認めており、ティラーソン4条件下で北朝鮮との調整が達成出来たとしても、その後の管理はまたも苦心が強いられるようです。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2017年11月13日 (月) 19時31分
遠藤誉氏が交渉を重ねて推し続けたのは氏のブログ記事で知っていますが、朝鮮戦争休戦の経緯を引いて韓国への激しい表記が主で、交渉についてはタイミングへの示唆。
北との無条件の話し合いまで踏み込んだ意見は記憶がありません。
ひょっとして著書の中に結論で出てきたのでしょうか。
ニューズウィーク日本版等の単発記事からは、中国への強い愛憎を鈍い私も感じ取ることはあります。
そこに生きた期間を持つ者としての何かしらを、シンパシー(コメント欄の記載だと中国の肩を持っている→中国の代弁者?と非難している?と誤読いたしました)だと山路さんは読み取っておられ、それはもしも山路さんが彼の地で数年でも生活経験があれば、また違って読まれるのではと思うのです。
そこは他者が道理で納得できるものでも、遠藤氏が中共を憎んで書き換えることも出来ない、個人の人生の部分だと感じながら、そこは引き算して時折荒ぶる氏の筆を私も読んでおります。
投稿: ふゆみ | 2017年11月13日 (月) 20時59分
今日の記事、私にはよく分かりませんでした。もう少し続きのご文章を読ませてください。
私の少ない情報源と能力では難しい駆け引きなどをフォーロ-することはできません。そんな私が今理解できているのは、テイラ-ソン氏がこれまでの国務省の主張寄りの核の現状凍結論者であること、一方トランプ大統領が核放棄について強硬論者であることぐらいで、もっぱらの私の関心は戦争が起こるのかどうかであり、戦争は避けられないのではないかと思っております。
関係国が制裁に本格的に取り組まねばなりませんが、そのようなことをすると戦争は避けることはできませんね。現実として、中露などが真剣に制裁措置をとらないのであればトランプ大統領は戦争をすることはできないのでしょうか。これにより、トランプ大統領の決意が変わるのでしょうかね、しかしこれは疑問です。
トランプ大統領が北朝鮮攻撃を止めるとなると、国際政治の舞台で敗北したことになりやしないかと思うのです。同盟国日本の信頼も失うのではないか。そうなると、日本は独自の核武装を模索することになります。
私は核武装論者ですので、その時はしっかりと日本を核武装した主体性のある国にすべきだと思います。方法は色々とあるでしょう。アメリカが中国と中途半端な妥協をするのならしかたないでしょう。日米同盟は堅持したままでの核武装をしたいと思いますね。
北朝鮮に核を持たしたままでいては日本の安全保障は危ういものとなり、独立自存の国ではなくて、アメリカ様に頼るだけの情けない国家のままですよね。
投稿: ueyonabaru | 2017年11月13日 (月) 23時03分
ふゆみさん
8/15のヤフーニュース「北の譲歩は中国の中朝軍事同盟に関する威嚇が原因」の中で遠藤氏は、「戦争に突き進む事だけはなんとしても避けるべきで、朝鮮戦争の休戦協定を破ってきたのはアメリカであり韓国である、という事実を考えれば、アメリカは対話応じる義務がある」としています。
くどいようですが、これは米国の受け入れ表明している「北の核放棄を前提とした対話」の事ではなく、むしろ対極です。
現在のような混乱の原因は北朝鮮が核を扱うから起こったのであって、朝鮮戦争とは関係ありません。
中国や韓国のいつものやり口と似ていて、事象の「原因」を動かす事により結果を変化させる巧妙な手口です。
9/17 マクマスター補佐官はABCのインタビューで、「何らかの取引や交渉で解決すべきではないか?」と問われ、「交渉には大きなワナがある。北朝鮮は約束を破る事を繰り返して来たのであり、そこが原点だ」と述べています。
米国はこの通り基本を動かさずに構えるべきです。
また私は年中、「中共」というものだから誤解されやすいのでしょうが、遠藤氏が中国にシンパーを持っている事は問題ではありません。
私は、「遠藤氏は中国共産党にシンパシーを持っている」と言ったのでした。
しかもそれはかつての日本の知識人のようなイデオロギーからではなくて、ナショナリズムの観点からのもののようで、そこが興味深いところなのです。
投稿: 山路 敬介 | 2017年11月14日 (火) 00時33分
ueyonabaruさん。コメントで長々と私の原則を破って追加記事をかいたのですが、これでも理解できないのでしょうか。
具体的に教えて下さい。
山路さん。私に誤解があったことは理解しました。いちおう私の立場を述べておきます。
遠藤誉氏のバイアスと私の記事は関係ありません。なんというのかなぁ、どうして彼女の名がでるとそう過敏に反応するのか、解せません。
失礼ですが、遠藤氏にある種の「思い入れ」があるのは山路さんのほうではありませんか。
こう書くと違うといわれそうですが、今回のコメントなどは遠藤誉氏の従来の持論である「圧力は効かない」論と絡んで述べられています。
私がそのような遠藤氏の持論に反対なのは、コメントで述べられていましたのでご承知だと思いますが、まぁ、こういう言い方はなんですが、どうでもいいのです。
まして遠藤氏が、中国共産党にアンビバレンツな気持ちをもっていようがいまいが私は無関心です。
私はただ遠藤氏のNW記事をただの情報ソースとして取り扱っています。以上でも以下でもありません。
遠藤氏の中国や朝鮮半島危機についての分析は、情報源として有効な部分とバイアスがかかっていて視野からはずしたほうがいい部分が併存します。
これは内部事情に精通している人間特有の現象です。
ですから、遠藤氏の結論部分とは切り離して情報部分のみを引用してあります。
この件はこれで終わりにします。
投稿: 管理人 | 2017年11月14日 (火) 02時08分
山路さん、返信お手間をおかけしています。
遠藤氏への話は筆を置くとして、北の危機打開への土台に置くものとして、
>現在のような混乱の原因は北朝鮮が核を扱うから起こったのであって、朝鮮戦争とは関係ありません
このスタンスで圧をかける効果よりも、まだ終わっていない朝鮮戦争を終結させる大義名分で圧をかけ、戦中戦後とは違う日本の立ち位置と国力で戦後レジームを国内アジア内でリセットさせる道があると私は考えています。
それは重苦しいエンドレスの始まりであり、自立した国がどこも背負っているものだと思います。
投稿: ふゆみ | 2017年11月14日 (火) 08時20分