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2017年11月29日 (水)

山路敬介氏寄稿 トランプ大統領は北朝鮮への武力行使を決断していないその2

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山路敬介氏寄稿の2回目です。 

実は今のような手詰まり感がある時期に、朝鮮半島情勢を書くのは大変に難しいことなのです。 

どうしてもこういう展開になってほしいという潜在的願望と、冷静な分析との綱引きになりがちになるからです。 

前回、山路氏があえて「戦争という手段を用いてでも、この場面で『朝鮮半島の完全な非核化』は必ず達成されるべきだ」と書いたことは、論者として立派だと共感しました。 

えてしてテレビに出てくるような「識者」は、それを隠してあたかも客観分析のように「話あい願望」を口にします。これでは論者としては失格です。 

今日の記事においても山路氏は、一見マッドマンセオリーに見えるトランプが、実は「国際法に準拠した合法性」の遵守者であり、米国外交の正道から逸脱していないことを指摘しています。

そしてトランプが、あらゆる圧力の狭間で意思決定するしかない存在だという指摘も同感です。

これは「頭のイカレたバーバリアン」というような俗流トランプ理解とは、一線を画する見識です。

俗流と書きましたが、宮家邦彦氏のような外交専門家まで似たようなことをいうので困ります。

宮家氏のトランプ酷評を聞いていると、米国外交のメーンストリーム(私が勝手に「国務省派」と呼んでいるグループですが)がどのような眼でトランプをみているのか想像がつきます。

藤井厳喜氏のように称賛する必要はありませんが、トランプはあんがいああ見えて冷静な判断ができる政治家ですよ。

では2回目をどうぞ。

                   ~~~~~~~~~~~~
 

  ■トランプ大統領は北朝鮮への武力行使を決断していない その2
            ~ 北朝鮮問題は優れて「米中問題」でもある
 

                                            山路敬介 

承前  

■米国は何を基準に行動しているか

北朝鮮問題を解決する段取りを形成するにあたり米国(トランプ氏)が依拠しているのは、例えば国連憲章に則るような「国際法に準拠した合法性」で、これを強く意識していると考えられます。

田原総一朗氏は「国連憲章は、第六章で平和的な解決を求めている!」と叫んで机を叩きますが、北朝鮮に対してはこれまで何度も譲歩し「ウソと誤魔化し」で裏切られ続けた経緯は既に国際社会で認知されていて周回遅れの議論でしかありませんし、国連安保理事会も次の段階を許容しています。

つづく第七章では、「(それでも解決しない場合は、経過的に)経済制裁や、最終的には軍事的措置を講じる事が出来る」としています。

つまり国際法において、紛争を解決する手段として戦争そのものは「合法」が前提なのであり、そのうえで無用の戦争を起こさない事や、ひとつの紛争事案が世界大戦に波及したりなどしないように、戦争に至るまでのやるべきことを定めたものでもあるのです。

私はここのところずっとトランプ氏の一挙手一投足に目を凝らし、そこから何とか「戦争への意思の多寡」を読み取ろうとして来ました。
 

また、米国議会の動向や左右の米国識者の言い分をかき集め逐一ノートしたりしていましたが、この面でのねらいは無意味とは言えないまでも、ほとんどが時間の無駄でした。

どうやらトランプ氏は、「圧力の効果が減ぜられる」と考えた「トラック2」の動きにこそ釘を刺しましたが、議会を含めあらゆる「圧力後」に関する言論に影響力を及ぼす事は忌避しているようです。
 

その意味は、「十分な圧力さえかけられれば解決する」と考える面からでもあるのでしょうが、予断を排して合法的に国際法上許される現在の段階を厳格に遵守する姿勢を世界に見せておく重要性と、最終的な段階(武力行使)に至るまで合法性を担保しておく事が歴史の批判に耐えうる事でもあるし、民主主義国の旗手である米国の使命と考えての事でしょう。

※ ついでの話に逸れますが、こうした国際法に準拠した考え方をまさに国際法をして「紙くずだ!」と切って捨てる中国は全く持ちませんし、力の弱い他国のそれも決して尊重する事はありません。
 

中国のような独裁国家の軍隊は西側の軍隊と同じではないし、中国にとっての戦争は、外交的、平和的手段を尽くした末の「最後の手段」ではなく、軍事、外交、世論を同時併行的に攻める事を常に「徳」とします。 

日本の左派メディアは、中共の論調を引き合いに出して「外交による解決」を言いますが、とても微笑ましい限りです。 

そもそも中共における「外交」の定義とは、「小規模の戦争」まで含まれる概念だからです。 

■河野外務大臣の見解 

 
河野外務大臣は岸田外務大臣と違い、物事をはっきり言うし、発信欲も旺盛で欧米型の外務大臣だと思います。

ただ、国民を安心させるゆえか、曖昧さに含みを持たせておく技術に長けていない面もあり、そのエリート式の明るい物言いは逆にちょっと疑念を感じさせたりもします。

安倍外交の特徴は、「中国の脅威をまともに考える」という点に尽きると私は考えていますが、河野外務大臣がどれほど北朝鮮問題に関して中共が果たしている「負」の部分の役割を意識しているか。
 

米国内の二つの論理、わけても国務省の動きをどう評価し対処しているのか、この面も不安ではあります。

これまでの河野氏の発言では、まず第一に「北朝鮮問題のゴールは朝鮮半島の非核化であり、この事は中・露も含めた国際社会の一致点である」とし、つい先日も「中・露とも向いている方向は日米と全く同じ」、そして「経済制裁は着実に成果をあげている」としています。
 

また、「日本抜きで、米朝が対話に転じる可能性は全くありません。日本とアメリカは100%共にあると何回も確認しています」と言い切っています。

確かに経済制裁はじわりと成果をあげており、わけても今回の「テロ国家再指定」は、「これ以上の制裁は無意味だし、逆効果」とする中共に見舞った痛烈な一発だったと思います。

河野外務大臣が言っている事に現状ひとつのウソもありませんし、これまで北朝鮮が譲歩に転じるときは必ず米軍の軍事的圧力をともなった場合のみだった事から、取り得る「正しい方法」でしょう。

ただ、制裁や圧力がどのように北朝鮮の「完全なる核放棄」にまでつながるのか具体的にイメージ出来ない点と、米国が条件闘争に転じる可能性のない事を日米首脳間の良好な人間関係に帰すだけで安心してよいのか、ここはやはり考えずにおれません。
 

                                          (続く)

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コメント

> ただ、制裁や圧力がどのように北朝鮮の「完全なる核放棄」にまでつながるのか具体的にイメージ出来ない点と、米国が条件闘争に転じる可能性のない事を日米首脳間の良好な人間関係に帰すだけで安心してよいのか、ここはやはり考えずにおれません。

 たしかに、イメ-ジが湧きにくいです。経済制裁で困ってしまって核放棄をするというのも考えられません。核放棄をするとなるともはや金正恩体制は維持できないと私は思っております。ですから、怖れるのは、金正恩の暴走ですね。日本へ核を落とさないのか、これが心配です。

 

ミサイル発射を受けて'we will take care of it' って言ってますねトランプ大統領。訳は対処する…まあそうですね。
ゴールは核と北の金体制の解体2つセットで設定されているけれども2トラックを用意して独裁者に存続を思わせるトラップを仕掛けているのではと私は拙い想像をしているところです。

対話によって統一朝鮮が出来た場合、中共傀儡の人口7500万人国家が核を持って反日行動に出るという未来図を阻止するべきというのは私は理解できます。
しかし半島有事を目前にして丸裸に近い無防備な日本の保安や法整備、足りなすぎて心細いです。
明日の結びを楽しみにしております。

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