• 20250117-013132
  • 20250117-015927
  • As20241225001545_comm
  • 20250115-143858
  • 20250113-081014
  • 20250114-011659
  • 20250113-133232
  • 20250113-134354
  • 20250113-134844
  • 20250113-135719

« 自ら詰んでしまったムン・ジェイン | トップページ | 日曜写真館 花よりひょうたん »

2017年11月11日 (土)

習が仕組んだ「乾隆帝コード」

Img_4123
中国というのは面白いですなぁ。 

 

仕掛けをいろいろと仕組んで、大舞台を楽しませていただけます。もちろん、トランプ訪中のことです。 

 

悪く言えば陰湿、よく言ってあげればメタファー(暗喩)ですから、ほとんど報じられないままです。 

 

今回、習が仕組んだのは「乾隆帝コード」です。

 

Photo

 

まず習が初めにトランプを連れていったのが紫禁城です。上の写真は、皇帝が臣下を侍らせた太和殿前の広場で撮影されています。 

 

下の映画『ラストエンペラー』にも登場しましたので、ご記憶の方も多いでしょう。 

 

Photo_2
この太和殿こそ、世界の中心を意味する「中華」の、そのまた中華。中国皇帝が、世界の真ん中で権力を叫んだ場所です。 

 

習はここを貸し切りました。こんなまねが今の中国で出来るのは、彼しかいないでしょう。

 

最初のお茶は宝蘊楼でした。ここは皇帝の宝物殿です。

 

午後5時30分からは、紫禁城内の王室公演施設である暢音閣で京劇公演を観覧。ここも皇帝専用の劇場でした。

 

そこでやった出し物は、毛沢東主義者の習なら『革命的京劇・白毛女』でもやるかとおもいきや、唐の玄宗と楊貴妃の悲恋『貴妃吹奏』だったようです。

 

ついで晩餐会は建福宮で行われました。ここは清の前世紀の皇帝である乾隆帝が鎮座していた王宮です。

 

というわけで、習のおもてなしはコテコテの皇帝尽くしですが、この紫禁城で最長の支配者だったのが乾隆帝でした。

 

乾隆帝は在位と退位した後の太上皇帝だった時期を合わせると、実に64年間に渡って、中華帝国の主人でしたが、これは中国皇帝として最長の支配期間となります。

 

その間、10数回の遠征に成功し、最大の版図を築き上げました。

 

さて、習が自分を何になぞらえているのか見えてきましたね。

 

いうまでもありません。中国皇帝、それも乾隆帝です。

 

ところで、この紫禁城に招かれた外国首脳は、中華人民共和国建国以来最初です。

 

これが「乾隆帝コード」(暗号)です。中国の隠された意志だとお考えくださってもいいでしょう。

 

 

ところでかつて習は、前にも一度米国にこの皇帝コードをしかけたことかあります。

 

それは2014年3月のことです。

 

この時、ミシェル・オバマは娘を連れて中国に訪問しました。もちろん中国の招きがあったことはいうまでもありません。それが上の写真です。

 

当時、オバマは核セキュリティ・サミットで、習になんとかプーチン批判に加わってくれることを懇願していました。

 

習はムニャムニャといいながらこう誘います。

 

「あ、そうそう大統領夫人は私が訪米した時にいらっしゃらなかったですね。どうですか、娘さんと一緒に中国においでになりませんか」

 

もちろん憶測ですが、これに似たことを言われたのは確かでしょう。

 

さて、これはどのような「皇帝コード」でしょうか。

 

中国の外交当局者は苦笑いしながら、こう言ったそうです。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-6fdb.html

「パンダ外交というより、古代中国で頻発していた『人質外交』のように受けとめている。春秋戦国時代の中国においては、王や諸侯が隣国に自らの子供を預けることが行われた。『もしわが国が裏切ったら自分の子供を殺しても構わない』というわけだ。
今回、オバマ大統領は中国に対して、まさに『人質外交』のカードを切ってきた。これはオバマ大統領からの『中国との友好関係構築は本気だ』という強いメッセージと受けとめた。」(近藤大介氏による)

習は今回のトランプの紫禁城訪問に、二つの「皇帝コード」を仕込みました。

 

ひとつは、米国「皇帝」ですら自分の徳を慕ってやってくる。

 

今ひとつは、自分は乾隆帝のように死ぬまで「赤い皇帝」として中国を支配する気だ。

 

ちなみに、米中首脳会談自体は中身が乏しかったようですが、この場で習が言ったのはまたぞろこのようなことのようです。

 

「太平洋には中国と米国を受け入れる十分な空間がある」。
http://www.sankei.com/world/news/171110/wor1711100007-n1.html 

 

これはかつて大航海時代のスペインとポルトガルよろしく、太平洋を二分割しようという意味です。

 

もろちろんこれに乗ると、南シナ海、東シナ海はおろか、ハワイ近海まで中国の内海となります。

 

つまりは、紫禁城で飯を食わせて、世界を二分しようぜ、というわけです。気宇壮大というか、なんともかとも。

 

今の情勢で、北朝鮮に眼を奪われるのも致し方ありませんが、中国が北朝鮮に具体的に介入するということの裏には必ず、朝鮮半島を自国の支配下におこうとする意志があることをお忘れなく。

 

なにせ、米国大統領に「乾隆帝コード」を仕掛ける国ですからね。

« 自ら詰んでしまったムン・ジェイン | トップページ | 日曜写真館 花よりひょうたん »

コメント

しかし、アメリカというかトランプにこんな手法が通用するのでしょうか。

「わが国には有史以来3000年の歴史があります」と通訳を介して語り掛けると、トランプ氏は「一説には、さらに古いのがエジプトの8000年とされていると思いますが」と返答した。
http://www.afpbb.com/articles/-/3149934

王朝が変わる度に、前代の歴史を破壊しつくしてリセットを繰り返ししてきた国ですし、つい最近、文化大革命という大規模な歴史否定・破壊した国ですし。

習近平は毛沢東のように歴史に名を刻みたいようですが、今の中国の歴史なんて70年くらいのもんですし、他国にとってはもの凄くどうでもいいこです。ただ、その手段のひとつとして周辺国に圧力かけてくるのが迷惑このうえないというか危険極まりないです。

いいですねー。
紫禁城貸し切り、一般には非公開の健福宮での晩餐会に、北京動物園貸し切りに万里の長城貸し切り。上っ面しか見ない人物なら一発で習キンペーにメロメロです。

クラッシャーさんのあげられたサイトの最後に、
>「竜的伝人(竜の子孫)を自称するくらいだから」と付け足した。

これ、西洋的価値観の人間から見るとどうなんでしょうか?
キリスト世界では竜・ドラゴン=サタンの乗り物、悪魔の眷属なんですがな。

>やもりさん
加えて、キリスト教の聖人にはドラゴンスレイヤー(竜殺しの英雄)がいますね。
東洋の竜は神。
西洋の竜は邪悪なトカゲ。
だったかな?

乾隆帝に限らず国家のトップが自らを皇帝になぞらえるというのは民主主義否定宣言に取られかねない気がするのですが、そう考えると随分大胆なことをしたものですね
>やもりさん、ゆきさん
しかもそのドラゴンスレイヤーの名前(英語名でジョージ)が米国の艦隊旗艦たる空母に付いてたりしますね

北の核武装解除への過程でどこまで中国に日米が譲るのか、短期と中長期に分けて考えていかないと、メディアスクラムでまた個々のアナウンスへの誹謗中傷に私達は振り回され続けるばかりとなる気がします。
短期へのアプローチの速さは米国はお得意なのですが、制圧後の配慮がいつも杜撰で、出鱈目推しでも百年の計の中国と一体どのように圧をかけあうのか、また記事になることを楽しみにしています。
乾隆帝で清朝は隆盛折り返しで、中国的ないつもの汚職腐敗弾圧へと向かった訳で、それでもこの道を今回も目指すあの国の覇権欲おそるべしです。
70年というのは中国歴代の王朝のなかではまだ中興にも至らない時期だけに、衰え始めてからも100年以上も続いた清や明、唐などのような大国への道をつけたいと燃えているのだと思いつつ、今朝の記事を拝読しました。
モンゴルにボコボコにしてもらう、という手が使えないのが、歴代との違いですね。

ふゆみさん

> 乾隆帝で清朝は隆盛折り返しで、中国的ないつもの汚職腐敗弾圧へと向かった訳で、それでもこの道を今回も目指すあの国の覇権欲おそるべしです。
 70年というのは中国歴代の王朝のなかではまだ中興にも至らない時期だけに、衰え始めてからも100年以上も続いた清や明、唐などのような大国への道をつけたいと燃えているのだと思いつつ、今朝の記事を拝読しました。

 同感です。

 中国の世界支配は御免です。アメリカは中国封じ込めをあきらめてはいけないと思います。日本はアメリカと組み中国的な唯物主義、共産主義的な政治体制を粉砕するために長い努力をせねばならないと思います。急がず慌てず着実な努力を継続するべきだと思います。

 

 中身スカスカの28兆円でトランプ氏の顔をまずは立てて、自身も国内的には皇帝かぜを吹かせる事も出来たので、両者にとってまずまずの結果だったのでしょう。

けれど、メラニア夫人は日本滞在中よりも輝いて見えましたね。
逆に、トランプ氏は油断しない心持ちが表情に表れてたよう。
習近平氏の表情は相変わらず能面だけど、一部挙措に落ち着かなげで不自然な場面もありました。

「一帯一路構想」と「インド太平洋構想」は本質的に相対する概念ですが、トランプ氏が「インド太平洋構想」を言った数は多く、習氏の「世界の為の」という大嘘の「一帯一路構想」の熱弁には、見事に全くスルーしてたのが印象的でした。

何やら北朝鮮問題に関して、大統領と国務省の間に隙間があるような気じがします。
訪中は国務省主導で、今回の中国の立場表明では積み上げて来た議論を回避し、これまでよりも後退しているように表面的には見えてしまいます。

北朝鮮問題についてのもっと突っ込んだ会談内容があったのか、なかったのか?、
あったとすればどういう内容だったのか? 
当たり前ですが、私たちにはすぐには分かりませんね。

山路さんへ

北朝鮮問題については大統領と国務省の
方針は一致しているように見受けられます。
その方針とは、北朝鮮の非核化と、
中国との決定的な対立の回避です。
国務省もトランプも金正恩の排除を
前提としたことはありません。
これは北朝鮮を中国にとってのキューバに
するつもりはないとのアメリカとしての
意思表示であり、中国への協力要請です。
ことこの点に関しては、
トランプは驚くほどに穏健で順当です。

不一致があるとすれば、
北朝鮮でなく韓国の処遇ではないでしょうか。
キッシンジャーの助言により、
トランプはシナリオ通りに韓国に対応した
との情報が流されていますが、
これはシナリオを書いたであろう国務省と、
トランプの対立を示唆しています。

ドイツどころかカナダにまで喧嘩を売った
トランプが、韓国に対しては柔和なのが、
私には不気味でなりません。

日本ではあまり知られていませんが、乾隆帝についての都市伝説に乾隆漢民族説があります。
中国語文学の泰斗金庸の出世作「書剣恩給録」は、この伝承をモチーフにして、架空の主人公を乾隆帝の弟にしています。興味のある方は日本語訳もあるので御一読をお勧めします。
なんせ女真族の王朝における最大の英雄(漢民族でいえば漢の武帝)ですから、優秀や奴は漢民族に違いないということで、赤ん坊すり替え説がまことしやかにささやかれたということです。

 七面鳥さん

元来、米国はクリントン政権時代からオバマ政権に至るまで「核を放棄する姿勢がない」事を理由に、一貫して北朝鮮との直接対話はしない事を原則として来ました。
そうした中で、今回の一連の北の暴発的威嚇が起きて、これに対してトランプは「忍耐の時代は終わった」としたワケです。

ところが、ティラーソン国務長官は北朝鮮との対話を模索しはじめ、その事にトランプ氏は不快感を示したワケです。
チャンネルを確保する事は当然としても、「条件提示など有り得ない」と言う事ですね。

ティラーソン氏の行動は今の国務省の本流の意見に合致したもので、かつ実質的に従来の米国の方針を変更したものです。

トランプ氏はこれまでの米国・国務省の方針を前提に、純粋に「圧力の効果」を見つめたかったのであって、段階的にさらに締め付ける用意があったものと考えられます。
ここで北朝鮮に早くも「対話による出口」を設ける事は「圧力の効果」を削ぐ事になると考えたのが、ティラーソン批判の真意です。

端的に言えば、結果的に米国は北朝鮮に譲歩する姿勢を示したのだし、それは中・韓・ロの思惑にも合致したものです。

たとえ、交渉により北朝鮮がしぶしぶ「ティラーソン4条件」を受け入れても、問題は北の現体制が続く中で、いかにしてその約束(核放棄)が担保されうるのか、そこに問題が移行して行くだけのもので、これまで同様「問題の先送り」になるだけであって、振り出しに戻るに過ぎません。

おっしゃるように、現在は国務省とトランプ氏の方針に齟齬は見られないように見受けられます。
こう考えるにつけ、私も七面鳥さんと同じく「トランプは驚くほどに穏健」で「韓国に対しては柔和」なのが不可解なのですね。

ところが米国内ではマスコミの論調とも相反していて、国民の51%が「武力行使容認」です。

一方の習近平氏は間髪を入れずに、文在寅に対して「北朝鮮との対話」を促す指示を出して「圧力効果」を低減し、ティラーソン4条件すらも形骸化させ、北朝鮮をして有利な条件闘争に移行させる行動にかかっています。

それでも、中国重視の国務省はともかくも、「米軍までもが、「平和路線」で固まっている」との日本の報道のような単純な見方は出来ないと思え、帰国したトランプ氏がどう動くか、核搭載したICBM完成までのわずかな時間、これから第二ラウンドが始まるのだろうと思います。


コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 自ら詰んでしまったムン・ジェイン | トップページ | 日曜写真館 花よりひょうたん »