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2017年11月 2日 (木)

米中秘密合意と北朝鮮有事

017

私は北朝鮮に対しての米中合意は、ほぼでき上がったと考えています。 

トランプが今回中国に行くのは、その詰めのためで、いうまでもなくその前段の訪日は盟友である首相との最終打ち合わせです。 

いかなる形になるか予断を許しませんが、好むと好まざるとに関わらず、この米中会談で北朝鮮に対する対応と、「戦後処理」の枠組みが決定するでしょう。

言い換えれば、この米中による「戦後処理」の枠組み協議自体を最後の圧力として、北朝鮮に態度変更を促すということです。

いわば米国流瀬戸際戦術ですが、これが効かなかった場合は、もう1回国連制裁決議を出して大義名分を国際社会に告知した後に、戦力集中し軍事オプション開始となるしかなくなります。

この国連決議は正当性の担保となります。

米国にとって最良はかつての朝鮮戦争のような「国連軍」の大看板でしょうが、そこまでは難しいので多国籍軍(有志連合)でしょう。

いずれにせよ、戦力集中には数カ月以上かかりますが、米軍、特に空母打撃群の動静がわからなくなった新月の日が始まりです。

その時期については、大統領の胸の中にあります。いったん発動されれば、トランプは大統領戦争権限法の枠内に納まる短期間で戦闘を終了させます。
戦争権限法 - Wikipedia

戦争権限法の定めでは、「大統領は事後48時間以内の議会への報告の義務、60日以内の議会からの承認が必要」とされています。米国議会は強い権限をもっており、今は反トランプ勢力が優勢です。

ランプとしては内政的にも、長引かせるわけにはいかないのです。

戦後の枠組みは、論理的にはこの3つしかありません。

①金正恩を排除した上で、北朝鮮という国家自体は存続させる
②南北を統一させる
③北朝鮮を周辺各国で分割統治する

①が米中日露韓すべてにとって最良ですが、③と被って「誰が」ということを問われます。

②は韓国のムン政権にそんな力がない以上、ただの空論。

③はもっともありえそうな気がしますが、国連を主体にすると船頭多くして船山に登ることでしょう。

結局、軍事的に北を実効支配する者が、もっとも強い発言権を握ることになるでしょう。

後述しますが、中国が協力的にみえるとしたら、それは「戦後」のヘゲモニーを握りたいからです。

さて先日も引用しましたが、山口敬之氏のWill最新号の『安倍総理の”どす黒い孤独”』は、私たち日本が置かれた国際情勢の怜悧な分析となっています。

この山口氏の論考を参考にして、この「米中密約」を見ていきます。 

<米朝対立>が、本来は<米中対立>という大きな絵のひとつのピースでしかないことがよくわかります。 

まずは、トランプと習が初めて会談した、今年4月6日にまで時間を巻き戻してみましょう。 

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まだるっこいようですが、時系列を追ってお話していきます。そうしないと米中密約の成立した背景とその意味がわからなくなります。

米中密約のいきさつはこうです。 

この時、トランプは晩餐会の席上でトマホークを撃ち込んだと、習に耳うちしました。憎い演出です。 

このあたりが、トランプが彼らしいディール(取引)を発揮した真骨頂でした。

その時デザートを食べていた習は、数分間沈黙したまま、あろうことかそれを容認してしまいます。 

この習という男がいかに内弁慶で、とっさの判断ができない人物なのか暴露された瞬間でした。 

それはさておき、そのときトランプはトマホークで本気度を演出しつつ、米中の貿易不均衡と、北の核開発について百日時間をやると習に言い、習もそれを呑んだわけです。 

百日の期限は7月中旬ですが、その前に中国はこれをホゴにしようとしました。 たぶん、中国には党大会前の党派闘争が強くしこっていたようです。

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6月21日に行われた米中戦略対話にはズラっとトップが並びました。

中国側からは外交トップで知米派の楊潔篪(ようけつち)国務委員、人民解放軍トップの房峰輝(ぼうほうき)統合参謀部参謀長ですが、結局彼らが出したカードはスカでした。
楊潔チ - Wikipedia
房峰輝 - Wikipedia

「中国はもう北朝鮮に介入しない」 

これは北に対して中国はなにもしない、いままでどおりに好きにさせるという意味です。席上トランプは、机を叩いて怒ったと伝えられます。 

そりゃそうだ。首脳間の約束をチャラにするというのは、常識ではありえないことだからです。首脳間の約束事は、国家間条約に準じる重みがあるのです。

国家間の約束事は、どこかの国の首相のように「トラスト・ミー」などとおちゃらけた発言をして済まされることではありません。

ここから百日待ってあげたトランプの逆襲が始まります。

1週間後に米国は「中国を最悪の人身売買国家」と認定し、その2日後に台湾への15億ドルの武器供与を決定し、中国の丹東銀行がマネーロンダリングに関わったとして取引停止を通告しました。 

明確なリベンジです。約束を違えるなら、殴り返すという「怒りの鉄拳」論理ですが、好きか嫌いかは別にして、これが国際社会の掟なのです。 

しかし、このトランプの「怒りの鉄拳」はまだ本気ではありませんでした。 

中国にとっての奥の院の国営中国銀行や、人民解放軍系列の金融機関は寸止めしたからです。 

つまりトランプは、習にこう言ったことになります。「サシでした約束を守れ。もう一回考え直してこい」。 

そして米中間の外交関係者による舞台裏での外交交渉が開始されます。 

そして約束の百日目の7月に、新たな密約が完成します。 

第1に、1961年に結ばれた中朝安保条約(中朝友好協力相互援助条約)2項の自動参戦条項を中国は使わない。 

中国は北を米軍が一定の枠内で攻撃しても関知しないということです。日本でいえば日米安保を廃棄するような重みがあるとお考え下さい。 

正恩が米国を火の海にしてやるといった狂人同然の口をきけたのは、中国という後ろ盾があってのことなのです。

いざとなれば米国は中国軍がかつてのように鴨緑江を越えて来ることを恐れて手を出さないだろうというのは、正恩にとっても大きな保険だったはずですから。

これで、北は安全ベルトを切られたも同然になりました。 

第2に、中国はこの見返りとして二つの条件をつけます。

ひとつが、正恩の排除は認めるが、北の体制は継続すること。 

二つ目は、習の続投が決まる中国共産党大会まで待ってほしいという、御家の事情でした。 

われわれからすれば、ただのコップの嵐ですが、彼らは命がけなのです。

ちなみに先の米中戦略対話に代表として出席した房峰輝も、中央軍事委員会のメンバーでありながら胡錦濤派として粛清されてしまいました。

この合意を受けて出たのが、環球時報8月10日の社説です。 

この中で中国はこう言っています。 

「中国は北に対する米国の報復攻撃には中立を保つ。「中国は北に対する米国の報復攻撃には中立を保つ。しかし、米国が朝鮮半島の政治的版図を変えようとするなら断固阻止する」 

①米国が北朝鮮の核ミサイル関連施設を攻撃することは容認する。
②北朝鮮への地上部隊の侵攻や、北朝鮮政権の転覆は容認しない。

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直ちにその4日後、ティラーソン国務長官はマティス国防長官との連名でこうアンサーしました。 

「米国は非武装地帯の北側に駐留する意図はない」 

この言葉はまさに正恩なき後の朝鮮半島のあり方について、米中が合意しているといういうことです。

ですから、習が望んだ2番目の条件である10月の中国共産党大会が終了しさえすれば、この「米中密約」は現実化の段階に入ることになります。 

つまり米国が軍事オプションを取る取らないかという段階では既になく、取るとしたらいかなる戦略を選択するか,「戦後」はどうするのか、という時期になっていると見るべきなようです。 

ただし、このような米中の戦後枠組みまで協議するという恐怖によって、なんらかの協議の場に北朝鮮を引きずり出すという平和解決の可能性はわずかながら残されています。 

ただし、その場合も核凍結はありえず、放棄が絶対条件となりますが。 

それにしてもこんなデリケートな時期に、よりによって核武装化の中核施設である地下核実験場が大事故を起こすとは・・・!

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正恩の運も尽きかけているのかもしれませんね(苦笑)。

それとどーでもいいですが、このように切迫した状況下でも、国会で立憲民主党、希望の党、民進党が合同でモリカケ追及チームを立ち上げるという構想も浮上しているようです。

やれやれ、中国共産党の党派闘争がコップの嵐なら、こちらは杯の泡ですな。

長くなりそうなので、この続きは次回に。 

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コメント

失礼します。アメリカがトマホークで攻撃したのは、化学兵器を使用したシリアの軍事基地に対してかと思いますが?

凡ミスでした。直しました。ありがとう。

私はこの時期にオバマ氏ではなくて、トランプ氏が大統領であった事は非常に良かったと思いますね。
いえ、そうでなくて、今が安倍氏が総理だった事が本当にラッキーだったのかも知れません。

私はwillの記事を読んではいませんが、本記事のとおり米中合意は「ほぼ出来ている」と考えるのが自然ですね。

ただ、北朝鮮はもちろんの事、「食言」や「約束の違背」は中国や韓国でも習性みたいなものです。
最後に一発、習近平は米中首脳会談において、米側に必ずもう一つ新たな条件を付けると思われます。

それは、中国の「強国路線」の容認か、黙認という事でしょう。
これをオバマさんなら曖昧にして肯首するしかないでしょうが、トランプ氏は北朝鮮問題と「来るべき新たな米中関係」を分けて考えられるので、それを一蹴出来るのだろうと思います。
トランプ氏には、習主席を飲んでかかる「胆力」があります。

いずれにしても、今回の米中会談における「米中合意」の確認が北に対する最大の圧力になるだろうし、同時に「最後通牒」となる事は確実で、その結果はおそらく十中八九米軍の軍事作戦はあるだろうと考えざるを得ませんね。

米中間の合意内容はその通りだと思います。

1)中国は金正恩政権を助けないが、戦後の統治には口を出す。
2)アメリカは朝鮮半島の北には領土的な野心がないことを明言する。
落としどころはこのあたりですよね。

後はロシアがチャチャ入れるくらいかと。
韓国は何言っても無視されるでしょうし、経済的負担を求められるくらいかと。日本も金くれとは言われるんだろうけど、しょうがないですね。

金正恩を排除した上で北朝鮮の国自体は存続させるとなるとどのようになるのでしょうか
日本やイラクみたいに体制自体を根本的に変えるのか、それとも首を挿げ替えるだけか。後者の場合誰が北の新代表になるのか。気になることばかりです

中華三振さん。たぶん①のシナリオが最良だと思われても無理だと考えられるのは、まさにその点です。

長男の正男が生きていたら、あるいはと思いますが、中国の黙認の中で実の弟に暗殺されました。

強いて言えば、今、米国が保護しているといわれる正男の息子のキム・ハンソルでしょうが、あまりに若く、土着的香りが皆無ですから荷が重すぎます。

snsnさんは「民衆の自発的武装解除」と述べられてています。チャウシェスクを穴だらけにして殺したルーマニア型ですが、そうとうにあの国では難しいでしょう。

となると、③となります。
この協議にわが国が強い「席」を持つことです。

 まったくの自由な発想をしてみますね。これは北朝鮮が核の放棄をしたとして、その後のことを想像してみると、

 北朝鮮が核を放棄してしまうと、金正恩体制はもたなくなるのではないでしょうか? これまで核装備の開発により、世界を変えると唱え人民を洗脳(圧迫)してきたのに、これが不可能となると金正恩の統治は当然(自然に)に崩れるのではないでしょうか。もう金正恩は要らなくなる、若しくは金正恩体制を継続できなくなるのではと思うのです。

 このことから、今後の金正恩の暴発の危機はまだあるのだろうと思います。自暴自棄になった金正恩がどこかの国に向けて核兵器を使うということの危険性ですね。

 彼が負けを認め、核放棄をして政権から去ることを選択するのであれば、彼にも武士道、人道上の良き精神があったことになります。それを切に望みますが、どうなることやら。

 北朝鮮の戦後処理について話し合うのは、その後のことかも知れません。急ぐ必要はないのではないでしょうか。 

ueyonabaru さん

>「北朝鮮が核を放棄してしまうと、金正恩体制はもたなくなる ~ 金正恩体制を継続できなくなるのではと思う」

そのとおりだと思います。
だからこそ、(正恩が仏にでも亡命するのでなければ)北が自ら核放棄する事はあり得ないし、いずれは米軍による軍事行動が避けられないものと考えます。

また、
>「北朝鮮の戦後処理について話し合うのは、その後のことかも知れません。急ぐ必要はないのではないでしょうか。」

との事ですが、今日の記事の特徴は「戦後の枠組み」や「米中合意」に最初の力点を置いて論じられている点で、そこを指摘されておられるのかなと思いますが、実はこれが至って順当なのですね。

米軍が北を軍事的に撃破することは、一応は簡単な事ですが、中国などの利害関係国と北の「その後」に関して一定の調整・合意を見ておかなければ、最近の中共は尖閣や台湾など他所での軍事行動を引き起こしかねませんね。

第二次大戦後の東西の対立をこじらせた一因も、この辺の曖昧さにあったと考えられます。
それでも私は、いくら日米が情宜を尽くしたとしても、中共は独自の理屈で版図を広げる腹でいると思いますが。

してみると、前提としての「米中合意」なくして北への軍事攻撃はあり得ないかもしれず、少なくもこの合意のサインを読み取る事こそが、「軍事攻撃」に進展するメルクマールになるだろうと思うのです。
なので、最初に論じられるべきは、論理的にも今日の記事のような順番となる事が必然だと思われます。

山路さん

 了解です。今後のことはハッキリさせておこうということですね。

山路さん

 了解です。今後のことはハッキリさせておこうということですね。

なんだかゴタゴタして給食のミルメークかと思ったわ!
最初に一口飲んでから200CC瓶牛乳に入れて扱き混ぜるとコーヒー牛乳になるやつね。。


私としては詳しいことはもちろん知りませんでしたけど、正恩よりも次男坊の正哲が指導者に着くと思ってたんですけどね(正恩就任前)。正男は東京ディズニーランド事件(あの時にふん縛って置けば良い人質になったのに・・・昔の金大中事件同様に、なんとも甘いというか変な政治力学がありますね)で既に外されていたことでしょう。それにしても『暗殺』までしちゃうところが北朝鮮の恐ろしさ!
総連の支部も市内にありますし(正日死去の時には夜中まで電気ついてました)、パチンコ業界の関係者とも知り合いもいます。面白い話は色々とありますけど仮面的には実に「良い人達」で小学校レベルまで浸透してますね。。

こんな人たちが「有事」にどう動くのかは想像できません。
本国の指令に従い破壊工作を行うのか?
同級生達があちこちで破壊や妨害工作をやるのか?
それとも、むしろ3・4世ともなるともはや「日本人」なのか?(私は体感でこの感じに近いですね)。。

だから「朝鮮総連」などという擬装大使館を装った破壊組織は、今こそ潰すべきでしょう。辻本さんあたりが発狂しそうですけど(笑)

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