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2017年12月13日 (水)

NHKの「隠し田」としての子会社群

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NHKが受信料の負担減を言い出しました。

「NHKは12日の経営委員会で、受信料の負担軽減策を検討する方針を固めた。一律値下げではなく、経済的に支払いが困難な視聴者が対象になるもようだ。2018年度からの次期3カ年計画に盛り込む」(時事12月13日)

こういうセコイところが、たまりませんなぁ。 

NHKがこんな貧乏人にはちょっとまけてやってもよいぞという徳政令を出した理由は、昨年度の決算で余剰金がまたまた大幅に積み上がってしまったからです。

「NHKは9日、2016年度決算の速報を発表した。受信料収入は前年度比144億円増の6769億円となり、3年連続で過去最高を更新した。事業収入全体では同205億円増の7073億円、収入から支出を差し引いた事業収支差金は同7億円減で280億円の黒字となった。黒字は1990年度から27年連続」(毎日2017年5月10日)

「余剰金が過去最高」ということは、取りすぎたということです。それを免除対象をちょっと増やす、それも小学校が対象というのですから黒光するような吝嗇ぶりです。

ならば本来は、取りすぎた分を視聴者に還元すればいいだけのことです。

実際、籾井前会長は、それをやろうとしました。

昨日もふれましたが、昨年11月、籾井勝人前会長は、「視聴者に返すのが当然」(朝日2017年11月28日)として地上契約で月額1260円を今年10月から50円ていど値下げすることを提案しました。

しかし、経営委員の大半が反対したためにあえなく頓挫。自らもその座を追われることになります。

その旗頭に立って「時期尚早」として値下げ反対を唱えたのが、現会長の上田良一氏です。

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上田氏が唱えていたのが、この生活保護受給給者や小中学校で児童生徒用テレビなどに限定した減免措置でした。

当時の経営委員会内では、「一度下げれば、視聴者の反発もあり値上げはできなくなる。別の形での還元が免除の拡充だった」(朝日同上)という意見が大勢を占めたそうで、彼らに一般市場の感覚自体が欠落しているのかわかります。http://www.asahi.com/articles/ASKCN52CZKCNUCLV00G.html?iref=pc_rellink

受信料はコンテンツ提供の対価として支払われるもので、NHKオンラインのようにコンテンツごとに切り売りして商品市場の原則に従うべきなのです。

見もしないものを受信機があれば支払わせるという、まるで全体主義共産国家のようなことをするからおかしくなります。

いわば朝日新聞をポストがあれば、強制的に全国民から購読料3千円なにがしを徴集するようなものです。

新聞ならありえないでしょう。ならばテレビも例外ではないのすよ。

このような黙っていても金をふんだくれるという、市場原理に背いた怠惰なシステムを作れば、絶対的に腐敗します。

受信料が下がったまま固定化されてしまうのが恐ろしいならば、一般企業なみの経営努力をして経費削減に務めればいいはずです。

入社7,8年の役つきなしの30代ペーペーの年棒が700万円弱などという、超高給を少しカットするだけで多少は違うはずです。

山路氏から「人件費だけで、海保全体の予算よりも多い」とのコメントをいただいたので調べてみました。

現在は尖閣の緊張で増額されていますが、海保は2012年度は、全部の人件費、巡視艇からヘリなどの装備費を入れてたった1千732億円でした。

また海保の人員は1万2636人です。

一方、同年度のNHKの職員数は1万354人、人件費だけで1千819億円でした。わ、ははですな。

連日のように侵入する中国海警や違法漁船と危険を冒して取り締まりにあたっている海保の予算総額は、なんとNHKの人件費より少ないのです(号泣)。

Photo_5NHKエンタープライズ ウィキ

もしNHKが本気で経営環境を見直したいのなら、丸投げをしているNHKエンタープライズ(NEP)との関係を見直して、自社制作を増やせばいいだけです。

そもそも、NHKは放送業界最大の自前の放送設備や番組制作のリソースを持っています。

そのうえに全国すべての県にまたがった放送局もあるわけです。

なぜわざわざこの巨大な自社資産を使わないで、下請けのNEPに出す必要があるのでしょうか。

このNEPは大変な売り上げを上げている超優良企業です。NHKの名はかぶっていますが、ただの民間会社にすぎません。

このNEPも2015年度売り上げが544億3175万円で、その6割が番組制作費としてNHKから支払われています。

このようなNEPに渡った番組制作費用が正しく使われたか否かについて、国会は監査することができません。

なぜなら、NHK本体は「公共放送」ですから、国民の監査が可能ですが、NEPはただの民間企業ですので、監査の手が及ばないのです。

一般企業ならば一般株主の監査要求ができますが、なにぶん株主はNHKが独占しています。

つまり、NHKは経費の80.7%を占める番組制作・発送経費の多くを、監査不可能な民間会社に出しているのです。

これで「公共放送」とは、とんだ言い草ではありませんか。

Photo_2
http://www.dempa-times.co.jp/housou/2017/0120-01.h...

つまり、NHKは自社内部に余剰金として毎年280億円もの金を溜め込み、そのうえに営利目的のNEPを作って、そこをもうひとつの「隠し田」にしています。
隠田 - Wikipedia

「隠し田」は領主からの年貢を避けるために農民が秘かに作った田んぼのことですが、NHKは領主である国の眼、つまりは監査から逃れるためにNEPのような「隠し田」を増やしていったのです。

またこのNEPはNHKの天下りが大半を占める意味でも、NHKにとって二重に美味しい「隠し田」なのです。

現在の放送業界は、視聴率最下位に転落したフジを見ればわかるように、制作コストの切り詰めから、さらに下請けの番組会社を圧迫することでコンテンツがいま以上に貧しくなるという悪循環に陥っています。

しかしこのNEPという番組制作会社のみは、バラ色の未来が拡がっています。

説明する必要もないでしょうが、親方NHKが税金まがいの視聴料徴集が可能で、それを気前よく下請けに丸投げしてくれるのですから、永久に鉄のお茶碗で飯がくえるからです。

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ちなみに、NEPはビデオやキャラクター商品の販売までやっていますから、「公共放送」が作ったコンテンツの二次利用で二度おいしい思いをすることすら可能です。

また、すこしでも儲けを増やそうとして韓国から格安の韓流ドラマを仕入れるという悪習を放送業界に取り入れたのも、このNEPでした。

2004年の『冬のソナタ』に始まり、わけのわからない朝鮮王朝ものをはやらせたのが、この「公共放送」の独占的下請けでした。

「公共放送」を自称するならば、日本の優秀な演出家や俳優を起用すべきなのに、このていたらくです。

フジはこれを模倣したあげく、ドラマ制作力を喪失して今の体たらくとなったのはご存じのとおりです。

NEPはこの版権を親会社NHKに独占的に売り込み、そこでもまた膨大な収益を得ました。

このような下請けは13社にも登り、その中にはNHKアイテックという発送設備整備会社まで含まれています。
NHKアイテック - Wikipedia

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ここも余剰金を154億円積み上げていています。

この会社の腐敗ぶりもなかなかで、2人で2億(!)という巨額着服事件まで発生しています。

それにしても作るのは子会社、電波を発送し、保守点検するのも子会社、では親会社は一体なにをする所なのでしょうか。

NHKは「公共放送」であるが故に、格安の価格で電波帯を多数押さえ、視聴料を強制的に徴集する権利を得ています。

テレビ゙局が支払っている電波利用料は、携帯電話会社の実に13分の1という破格な価格に据え置かれているのも、この「公共性」が認められているからです。

Photo_6

しかし「公共性」の内実はご覧のとおりです。

会計検査院は2015年度のNHKに対する監査で、NEPのようなNHK子会社13社の利益剰余金総額を948億円あるとし、NHKに対してこの剰余金の性格を明瞭にすべきであるとの監査報告を出しています。

NHKが既に健全な「公共放送」としての性格を逸脱し、ただの官許独占企業、それも腐敗しきったそれになっていることは明らかです。

 

 

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コメント

隠し田とは上手い表現ですね。しかもそれを領主が囲って重用(悪用)してるわけですから。。ありえない体質が染み付いています。

制作「NHKエンタープライズ」と番組のエンドロールによく出るようになった90年代初め頃には冗談で「NHK・USSエンタープライズ」とか「NHK・CVN-65エンタープライズ」とか呼んでました(笑)

ちなみにNHKじゃなけりゃ作れないよなぁ~という番組も多い訳で、一概に「NHK=悪者」という認定はしたくないんですが・・・古くは「シルクロード」とか、近年よく観てるのではEテレのサイエンスZEROやBS-2のコズミック・フロントなんかは民放には「大スポンサー付きの特番」組まない限り無理でしょう。
実際、TBSの年1回特番ペルー遺跡発掘シリーズすら無くなってしまいましたし。。
何しろ予算が在京民放キー局を全部合わせたくらいの規模ですからね。

公共放送とはなんなんでしょうね。提携している英国BBCがモデルなわけですけど、あそこはブリテンらしく政権だろうと野党だろうと皮肉と毒吐きまくっていながら、ネイチャー関連の粘り強さは素晴らしいものです。
カネをどう集めてどう使うのか、それを透明化しろとは思いますね。
ちなみにBBCだと日曜夜8時のNHKなら「大河ドラマシリーズ」がド定番な時間に「Top Gear!」なんて大金掛けて馬鹿馬鹿しくも楽しいのを最近までやってました。残念ながら終わってしまいましたが。。

管理人さんは見られていないとの事ですが、今期の大河ドラマ「直虎」には、まさしく井伊の「隠し田」が出てきます。最終回でも出てくるみたいですが、今日の記事を読んで、何やら不思議な縁を一人感じていました。
昨今、電波オークションの話題がちらほら出ていますが、自分としても、そうすべきだと思います。そのうえで主義主張をハッキリとした情報の提供が一番良いのではないかと思います。放送のスクランブル化も早くしてほしいものです。

次の国政選挙ではNHKから国民を守る党に投票します!(・∀・∩)

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