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2018年1月 6日 (土)

振興予算を減額されて怒る沖タイの奇妙さ

Photo

沖縄に対する振興予算が減額されたことについて、沖縄タイムスが奇妙なことを言っています。2016年12月24日の紙面です。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/77204

「内閣府に計上する2017年度沖縄関係予算が3150億円で決着した。21年度まで約束している3千億円台は維持したものの、前年度当初に比べ6%、200億円の減となった。
 既に決まっている沖縄関係税制の延長幅の短縮と合わせ、沖縄側には厳しい内容である。背景には、最高裁判決後も新基地建設反対を貫く翁長雄志知事をけん制する狙いがあるとみられる」

なになに、沖タイは200億減ったことを、けしからんと言っているんですね。 

「コップの水がこんなにこぼれたと問うな。これだけあると発想しろ」という話ではありませんが、こぼれた水はたったの200億。いまだ3150億もあるのに、何がご不満なのでしょうか。 

そもそもかつての水準はこんなものでした。大久保潤氏の『幻想の島』のグラフを見てみましょう。Photo_2

これは1990年(H2)から2008年(H20)を見たものですが、1998年(H10)に太田昌秀知事が4713億というピークをつけた時を例外として、だいたい2000億~3000億台で推移しています。 

ではなぜ、この1998年に今思ってもスゴイ額の4713億という破格の振興予算を政府は給付したのでしょうか。 

その背景は普天間移設問題です。

1996年(H8)は、今や長い迷路と化してしまった移設問題を橋本首相が言い出した時期にあたっています。

Masahide_ota_and_ryutaro_hashimoto_
自分の任期はおろか他界しても決着がつかず、後の首相の悩みの種を残したのですから、橋本氏の「善意」はずいぶんと高いものについたことになります。 

さて当時、候補地は名護市に絞られたのですが、ゴーサインを出すには3点セットが必要でした。 

まずは現地である辺野古地区、次に名護市、そして沖縄県の了解、ないしは容認です。 

このうち前者は容認に向かいました。あとは太田知事を残すのみとなりました。

「1997年12月に名護市長が受け入れを表明してしまった。普天間基地移設問題が名護市移設ベースになったことについて、大田は名護市移設ベース実現の具体化の話し合いを求めた首相官邸や名護市長に対し、彼らに極力会うことを避け、彼らと対面しても普天間基地移設問題について触れたがらないようになった」
普天間基地移設問題 - Wikipedia

政府が面談さえ避ける太田氏の岩戸の扉を開こうと提示したのが、この法外な4713億という破格の振興予算額だったわけです。 

まぁ、言い方は悪いですが、札束で頬をたたいたのです。 

そして知事が条件付き容認の稲嶺氏に代わりいったんは井決は落ち着くところに納まったて、振興予算額も平常飛行に戻って行くとおもわれたのですが、とんだハプニングが起きました。

あのL鳩山首相の歴史的なちゃぶ台返しです。登った梯子をこともあろうに言い出しっぺの本土政府にハズされた形となった仲井真知事もまた、反対の立場にならざるをえなくなりました。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-8979.html

そこで、再び登場するのが振興予算バズーカです。 

Photo_3
沖タイ前掲記事はこう解説しています。

「前知事が辺野古埋め立てを承認する直前に決まった14年度予算は3460億円で概算要求を大きく上回った。翁長氏が知事に就任した直後の15年度予算は基地が『踏み絵』となり5年ぶりの減額で3340億円、16年度予算はそれとほぼ同額の3350億円だった」

この仲井真氏が減少傾向に歯止めをかけ、3460億を獲得した時に、口をきわめて「沖縄を売った」と批判したのはどこの誰だったでしょうか。

病身の仲井真氏を百条委員会まで作ってつるし上げたのは、他ならぬ地元紙と今の「オール沖縄」の皆さんでしたが、どうやらお忘れになったようですね。

言うも愚かですが、移設問題に協力していくか否かを政府が振興予算のひとつの判断材料としていることは常識です。

ただそれまではソフスティケートさせて いただけで、翁長氏のような聞く耳を持たない知事には分かるように言ってやっただけのことです。

それが去年の8月の、菅氏の振興予算-基地リンク論です。

「今年8月、菅義偉官房長官と鶴保庸介沖縄担当相は『基地と振興策はリンクしている』と明言し、移設作業が進まなければ予算の減額もありうる、との考えを示した。これまで否定してきたリンク論をあえて持ち出したことと、今回の予算は無関係ではない」(前掲記事)

おいおい、無関係なわけがないでしょう、沖タイさん。

関係があるのですから、「そうか減ったか。県民よ、そういうわけだ」と諭すのがあなた方頑固派反基地派の役割なはずです。

それをいまさらのように、なに言ってんだか。

そもそもリンク論を否定するなら、仲井真氏が大幅な増額を得た時に、「基地を代償に沖縄を売った」などといわねばいいのです。

当たり前のことを当たり前に言われると怒り、協力はしない「あらゆる手段で移転を阻止する」といいながら、経済支援だけは寄こせという。

なんというご都合主義なことよ。左翼陣営のいけないところは、現実を見ないことです。

見たくない現実から眼をそむけて、「糾弾」だの「怒り」だの、果ては「独立」だのと言っていれば本土政府からの支援がもらえると思っています

ところが、現実は先に進んでいるのです。米国は今歴史的なセットバック(後退)時期に差しかかっています。

今の時点では夢想に聞こえるでしょうが、私はそう遠くない将来、米軍は左翼陣営の望みどおり沖縄から段階的に去っていくと思っています。

今年成人式を迎える若者が、子供を持つ頃にはおそらくそうなっています。その時に気がついても遅いのです。

キャンプシュワブは陸上自衛隊水陸機動団宜野座駐屯地となり、カデナは航空自衛隊嘉手納基地となります。米軍は一部残るでしょうが、かつてのような規模ではありません。

それはまったく健全なことで、沖縄は「普通の県」になるのです。

さてここまで読んで、沖縄にとって<道>はふたつしかないことに気がつかれましたか。

ひとつは本土の援助なく自立していこうとする意志を持つ沖縄。

そしてもうひとつは、基地に経済的に依存しない沖縄です。

このふたつは矛盾しません。

振興予算は一種の麻酔剤のようなものです。

外国軍基地を過重に引き受ける代償として、本土政府が投与し続けたものでした。それは必要な時期もありましたが、今や身体を蝕ねかねない危険をもった偽薬となっています。

永遠に偽薬で、だまし続けるわけにはいかないのです。

※お断り 結語部分を大幅に加筆しました。

 

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沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

 今日の記事、まさしくその通りだと思います。県民の多くは同じく考えるだろうと思いますよ。

 振興予算は基地受け入れと連動しているのは明らかです。200億円が減額になりましたが、翁長知事が政府に反対ばかりするようではそれは当然かもしれませんね。それでも3000億円の大台の約束は守られるのでしょうから、有り難いことだと私は思っております。

 この予算をどのように使い沖縄振興を図るかが大事だと思うのです。この分野での議論がどのように進んでいるのかが私たち庶民には伝わってきませんね。新聞はここを中心に記事を作ってもらいたい。200億円が減額となったのであれば、沖縄の振興計画にどのような影響がでるのかなどを具体的に分かりやすく説明してもらいたい。

 辺野古問題はもう不要です。国防は当然必要であり、辺野古もその一環であります。

 マスコミは基地反対、自衛隊反対、戦争反対ばかりを唱え県民を反戦の方向へ誘導しようとしていますが、そればかり言っていては何の実りもないことを知るべきです。早々にマスコミの正常化がなされるべきですね。ジャンヌダルクの運動を断固支持していきたいものです。

予算の「使い方」はとても重要な事ですね。どのように「使われているか」あるいは「使い切れなかった」のか県民は監視する必要があると思います。

そう言えば、昨年沖縄で開催された「AKB48選抜総選挙」へ那覇市と沖縄県へ交付された一括交付金の中から2,800万円(だったと思います)が使われた事を外務大臣就任尚前の河野氏が指摘し、党内で調査するって発言してましたが、あれ、結果はどうなったんでしょうかね?

参考までに「沖縄開催の本当の理由」
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1706/14/news024.html

振興予算と基地とのリンクうんうんの前に
ここ数年の予算の執行率が低かったので減額されても当然だと思うのですが…
(ここ2年ほどは改善しつつあるようですが)
目玉計画のMICEは甘すぎる需要見込みに加えて交通の便をまったく考慮せずに知事の盟友のお膝元に建設しようとしているし、鉄道計画もこのMICEや普天間基地移転をまったく考慮に入れてないルート案を見せられて「どれがいいですか?」とアンケートをされてもこちらが困ります。

タイムスは政府に難癖をつける前に上記のような完成度の低い事業計画ばかり出してくる県側への指摘をする方が先なのではないかとないかと感じます。

しゅりんちゅさん、同感です。

http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1706/14/news024.html

 宜野湾くれない丸さん、上のサイトを見ました。大きな行事の裏には色々の方々の努力があるのですね。イイお話です。コンビニはファミリ-マ-トに少し肩入れをしたくなります。

 糸数専務の経営能力を高く評価しますが、県の職員たちも負けずに、経営能力を発揮してほしいと思います。県にも能力のある方々もいるのでしょうから、マスコミは県職員の顔が見えるような記事も書いてもらいたいですね。人が大事なのですから。

 訂正します。糸数氏は専務ではなくて会長でした。

遅ればせながら、あけましておめでとうございます♪良い年になりますように<(_ _)>

さて、一括交付金の使途ですが、○○が出来なくなるから減額は困るとかいう具体的な理由があればまだしも、恨み言のみ並べても全国の納税者は冷やかに受け止めるだけでしょう。

あのくだらない那覇市の「ニャロメ龍柱」にしたって、一括交付金を使おうとして果たせず、結局は那覇市民の税負担になったと地元の人の怨さの声を多々聞きましたが、全国の納税者としては、そんな事に俺の税金を使うな!馬鹿な市長や県知事を選んでるあなたたちが自己責任でやりなさい。大好きな自己決定権でしょ!と言いたくなります

本当に不思議なのは、ドクターヘリや普天間の小学校移転にこのお金が活かされていない事です
「だからよ〜」ではありません。
「嫌沖縄」が拡がる要因になりかねないと思います

アミノ酸様

沖縄県民として恥じ入る次第であります。そのような首長を選んでしまったのですから。他に、那覇市は翁長雄志市長時代に一括交付金からその一部を「那覇市民の離島旅行費への助成金」として使ってました。「島たび助成事業」です。詳しくは「外連の島・沖縄」篠原章のP.256に紹介されてます。

宜野湾くれない丸様
恐れ入ります、私も言葉が過ぎました
離島旅行助成、あれは、石原都政の時に災害相次ぐ伊豆諸島の観光支援の為に都が行っていた事例を参考にしたのかと。
那覇の友人たちは、喜んで離島へ釣りにでかけてました(笑)

小学校が今だ移転できないのは、サヨク脳は「移転した
ら、米軍基地を追放するどころか、現況を追認すること
になってしまう、イヤだ!リベラルの名折れになってし
まう」、なあなあ保守脳は「移転させたら、反対派を勢い
づかせてしまう、面倒はイヤだ!なにもしないのが一番
ラクなのじゃ、又の機会の移転でいいだろ」と思ってる、
そう私は推測します。


沖縄の子供達には、広くネット(スマホ)で情報を得て
もらい、中立の観点から地元を公平に観察してもらっ
て、自分自身の精神で考察して欲しいですわ。

そうすれば大人(沖縄だけでなく)のダメダメさ加減が
良く判り、反面教師として大変に役立ってくれること
でしょう。米軍基地に隣接した小学校で、高いリスク
にさらされた理由も、心の奥から自ずと理解できるよ
うになると思います。

「子供だと思って、よくもナメられたもんだ」

アホンダラ1号さん

簡潔で分かりやすく的を得た文章です。
「難儀が嫌なだけ」なんじゃないの?と穿った見方に陥ったりします。
「子供達の為になぜ難儀をしないの?」です。

大人が身を張って子供たちのために「汗流す姿」をみせられない不幸を感じます。それだけの為に多くの時間をかけてもいいじゃないですか。そうするべきです。将来を担うのは間違いなく子供達なのですから。私はそう思ってます。

1号さんおっしゃるように「反面教師」的に学ぶ子供達もいるでしょう。願わくば少しでも多くの子どもがそうであって欲しい。自らの幼少期を顧みても「島の大人達(特に男)のようにはなりたくない」、と私自身が思ってたことは間違いないですから。東京生活を10年程経験しましたが、その間、「沖縄料理屋」へ行ったのは「2回だけ」です。それも仕事がらみでです。

予算は県単位でなく、市町村単位で渡すのがいいと思います。

現在方法がないなら、ふるさと納税で国が治めてあげればいいんじゃないですかね。

露骨にぱよく系の市町村には降らず、政府支持系の市町村に分けたらどうでしょうかね?

いけない理由はないかと思いますよ。

PC不調のため、日曜写真館は休載いたします。
ご了承ください。

日曜写真館、毎週楽しみにしてたので残念です。早くPCの調子がよくなりますように。

沖縄振興予算ですが、来年度は3,010億円。更に減らされましたね。特に沖縄県が自由に使える一括交付金の減額が大きかったようです。

しかし、沖縄独自の振興予算制度はいつまで続けるのでしょうか?先ずは他県と同じような予算制度に変えないと、沖縄は基地があるから優遇されているという本土の声は消えないでしょう。
沖縄左翼はすぐに「沖縄は差別されてる」と言いますが、自分達が他県と「区別」されることを選び続けている訳ですからそこから変えないと。

この沖縄独自の予算制度って、沖縄の自立も阻害してると思いますし。

沖縄振興予算と言う名前が良くないと言いながら
他県並みにしろとは沖縄のマスコミや政治家は絶対言いませんね。
現状は毎年3000億円の事業を行うのに沖縄県は300億円だけ負担すればよい。それが他県並みになると毎年1000億円から2000億円用意しないと事業が出来ない。
現状の事業を半分以下に見直さないとならない。
沖縄のマスコミが言う、沖縄県は他の県より決して優遇されていない。と言うのは嘘です。
沖縄のマスコミが言うことは本当におかしい。
観光業の売り上げ額と、純所得である米軍関係の金額を比較して、米軍関連収入なんて微々たるもんだと報道する。なんだかなー。

 観光業の売上額と軍用地借料の比較ですが、たしかに借料は純収入(所得税はかかる)である一方、観光産業に従事する方々の生み出す給与所得としてGDPにカウントされるものであるので、両者をどのように比較をしてみるのがいいのか私には分かりません。経済に詳しいお方のご見解をお伺いしたいものです。

 三橋氏のご見解を教えてもらいたいものです。

 残念なことに、三橋氏は暴力行為を妻に訴えられて警察のご厄介になっているようですね。たいした問題に発展しなければいいのですが。

 上は、ueyonabaruの発言です。

ueyonabaru 様

確かにGDPの計算なんて一般庶民には分かりませんよね。
先日のサンケイ新聞がシンプルにまとめていましたので、参考にどうぞ。

www.sankei.com/politics/news/180104/plt1801040003-n1.html

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