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うるま市砂浜への米軍ヘリ緊急着陸について

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今日は宜野湾くれない丸氏の寄稿と二本立てです。ぜひ氏の記事をお読みください。

PC修理に休日を棒に振り、苦節丸1日、当たり前に作動する平凡な喜びをしみじみかんじている私であります(うるうる)。

さて米軍ヘリがまたやらかしました。

Photo

「6日、沖縄県うるま市の砂浜に、アメリカ軍のヘリコプターが緊急着陸したことを受けて、うるま市の島袋市長は、沖縄防衛局に抗議するとともに、相次ぐアメリカ軍機の事故やトラブルへの具体的な再発防止策を、国として求めるよう要請しました。
6日午後4時ごろ、沖縄県うるま市の伊計島の砂浜に、アメリカ軍普天間基地に配備されているUH1ヘリコプターが、「回転翼の異常を計器が示した」として緊急着陸しました。
住民や乗員にけがはありませんでしたが、最も近い住宅から100メートルほどしか離れていませんでした。
機体は、今も現場に残されていて、7日朝から、アメリカ軍の関係者が、回転翼を取り外して運び出すなど、機体の撤去とみられる作業を行いました。」(NHK1月7日)

http://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20180107/5090001583.html

まず、緊急着陸についておさえておきます。

緊急着陸(ダイバート)は、不時着(水)とも、ましてや墜落とも本質的に違います。
ダイバート - Wikipedia

「ダイバート(divert)とは、航空機の運航において、当初の目的地以外の空港などに着陸すること。ダイバージョン (diversion)・代替着陸・目的地外着陸とも呼ばれる」(Wikipedia)

煎じ詰めていえば、この三者の違いは

緊急着陸とは、制御された状態で飛行場まで辿り着けずに目的地以外で着陸したインシデント(incident)です。

インシデントとは、事故などの危難が発生するおそれのある異変が発生した事態のことです。

要は<正常以上・事故未満>:、これが緊急着陸インシデントなのです。

その原因はさまざまで、気象状況で引き返した場合もありますし、今回のような警告灯が点いて念のために降りたケースもあります。

2017年9月7日の日航機のようにエンジンから出火という場合は、「重大インシデント」に分類されましたが、今回の米軍ヘリのケースはされないと思われます。

一方、不時着(水)は操縦によって制御された状態ですが、飛行場にたどり着けず機を破損させた事故です。うるま市沖のオスプレイ事故のケースです。

そして墜落は、制御できずに墜ちた事故です。

ね、そうとうに3者の状況は違うでしょう。

自動車に置き換えれば

緊急着陸は、警告灯が点ったので路側に寄せて停止した状態。

不時着(水)は、運転手がブレーキやハンドルを操作しながら、壁などに衝突して止めた状態。

墜落はそのものズバリ、ハンドルもブレーキも効かずに車や物に衝突する状態。

ですから、これを一括して、ぜーんぶ「墜落」だというのはおかしいのです。

この三つの概念を混同してメディアは、前回のオスプレイ不時着水事故も「墜落」と表現していました。

緊急着陸は、特に軍用機だけが起こすわけではありません。

最近では、先月だけで2例もあります。言い方は悪いですが、そう珍しいことではありません。

・2017年12月15日、成田発バンコク行きの全日空805便(ボーイング787―8)が那覇空港に緊急着陸
・同12月14日、上海発米シアトル行きデルタ航空588便(乗員乗客約220人、ボーイング767―300型機)が成田空港に緊急着陸

旅客機の場合、ヘリとちがっ原っぱに降ろすわけにはいきませんから、目的地に着かないで緊急に着陸するのもダイバートと呼びます。

今回は人家から100m離れていたからと言ってメディアは問題視しましたが、ヘリにとって100メートルはまったくの安全距離です。

ドクターヘリなどは、日常的に病院の屋上や庭のヘリポートに着陸しています。

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上の写真は、ドクヘリが、病院の庭のヘリポートに着陸して患者を搬送したときの様子ですが、自動車から10メートルていどの距離です。

コントロールされた着陸なら、ヘリにとって特にアクロバティックなことではありません。

今回の米軍機の緊急着陸は、航空機なら事故を予防するためにとった行動で、パイロットの判断としては間違っていなかったと思います。

むしろ警告灯が回転異常を示していながら飛行を継続していたら、そちらのほうが問題だったでしょう。もっと大規模な事故につながりかねませんからね。

ただしこの間の米軍機、特にヘリの事故が多すぎることは確かです。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/pc-3009.html

これは12月20日の記事でも書きましたが、米軍が大韓航空などの決して整備技術が高いとはいえない(というか世界的に見てもボトム)航空会社に外注化しているためだと思われています。※追記 この機種は大韓航空が請け負っていません。

日本政府は、通り一遍に安全性の確保を要請するのではなく、安いからといって米軍に止めるように要請すべきです。

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沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

この機体はヴェノムでしょうか?
オスプレイは墜落、今回は不時着だと報道するところが多く感じました。米軍となると報道機関はより悪く伝えたいのですね。
国民の安全を考えると日本企業が我が国に配備されている米軍の機体を整備した方が安心できるかもしれません。

海も空もトラブル多発です、これでは反米感情も湧いてきます。

投稿: 多摩っこ | 2018年1月 8日 (月) 15時10分

多摩っこさん。そうです、写真でみればわかるように双発ですから、旧式のUH-1Nではなく、UH-1Y ヴェノムです。
自衛隊も多く使っている世界的ベストセラー機のUH1を双発にしたものです。
同じ米軍ヘリでも、ポンコツヨタヨタのCH-53Eとちがって、配備されてまもない新型です。

降りた場所も砂浜ですし、慎重に場所を選定していますから、操縦士の技量の高さがうかがわれます。
たぶん、操縦士は普天間飛行場に戻っては万が一市街地に墜落することがありえることを考慮して帰還せずに、海岸の砂浜に着陸したのでしょう。
これも正しい判断です。

あくまでも予防措置であって、これを一部メディアのように不時着というなら、記事であげた去年12月の2件の旅客機の件もぜんぶ「不時着」となってしまいます(苦笑)。
メディアには、航空専門記者はいないのでしょうか。

おしゃるように確かに米軍機や艦船の事故が多いのは事実であって、それを否定はできません。
米軍全体の予算削減による整備の外注化などの構造的原因が背景にあると思います。
日本はただ安全性の要請で済ませるのではなく、どうしたら減らしていけるのかについて、日本側から積極的提言をすべき時期になっていると思います。

投稿: 管理人 | 2018年1月 8日 (月) 16時00分

ローターの下の部分が特徴的ですよね、今ニュースで読谷村のホテル近くに普天間所属のコブラが不時着と報道してました。
ネットニュースは緊急着陸、現在の情報ではどちらが正しいのやら分かりません。

偶然にも、いずれもヒューイの機体です。


管理人さんのおっしゃる通り、日本からアプローチして安全対策を講じる必要がありますよ。
さっさと出て行けなんて極論を言う人もいますが、それは現実的じゃない。
思いやり予算じゃないですが、国が安全予算的な補助金を出して日本の民間企業を活用するのも一計かと存じます。雇用も生まれますし(笑)

あ、遅くなりましたが、管理人さん皆さん、今年もよろしくお願いします。

投稿: 多摩っこ | 2018年1月 8日 (月) 18時10分

読谷村でも機種は分かりませんが緊急着陸がありましたね。先の伊計島海岸とは中城湾を挟んだ地域に住んでますがおそらく嘉手納基地と津堅島を往復してるのではないかと思われますが、我が家の上空ではこれを書いている今もですが15から30分置きにヘリが低空飛行で通過します。ここのところ窓ガラスも振動音をたてるほどです。

あまりに頻度が高いので住んでる地域が飛行ルートになっているのか沖縄市に問い合わせたところ、直ぐに返信が来ましたが「飛行ルートは公表されていなく住宅密集地上空を避けるように毎回訴えています」程度の回答でした。

職場は嘉手納基地の離発着場所から近いので最近配備された戦闘機の音がこれまでと違い尋常じゃなく室内でも音の最中は会話が停止せざるを得ません。慣れてるとはいえこのような状況は普通ではありませんね。

中部では米軍のヘリも戦闘機もとにかく飛行回数が多いので、トラブルの確率は今まで少なかったのが不思議なくらいというのが実感です。

投稿: ナビー@沖縄市 | 2018年1月 8日 (月) 18時31分

ナビーさん
先ほどテレビの映像を見た限りではAH-1Z ヴァイパーのようです。

先日のUH-1Y ヴェノムとは共通の部品を使用している、大韓航空の整備である。
素人ながら、どちらかに問題あるいは両方に問題があるものと考えてしまいます。

問題解決をしないと在日米軍機が飛び回る日本は沖縄に限らず、どこも危ないということに(>_<)

投稿: 多摩っこ | 2018年1月 8日 (月) 20時03分

> 日本はただ安全性の要請で済ませるのではなく、どうしたら減らしていけるのかについて、日本側から積極的提言をすべき時期になっていると思います。

 そうです。具体的な対応が必要ですね。米軍機の安全運用は日本国民の安全にも直結します。米軍が万全に活動できるように日本政府が協力するというのは今の時代もっとも重要です。 さすが「ありんくりん」さんです、私は考えてもいませんでした。

投稿: ueyonabaru | 2018年1月 8日 (月) 20時37分

多摩っこさん、機械物に疎くて種類や特徴など分からないのですが教えて頂きありがとうございます。大韓航空が整備しているそれだけで最近のトラブルの頻度が理解出来ます。

あとひと月もしないうちに名護市長選があります。それまでの間にまだまだ米軍はやらかしそうです。投票日の数日前にドカンと大きいのというのがパターン化しており選挙年の今年もまたオール沖縄有利になるのでしょうか。。

投稿: ナビー@沖縄市 | 2018年1月 9日 (火) 02時57分

ナビーさん

機種など知らなくても問題ないことですから、私も大して知りません。
海兵隊のは我が家上空に飛来する自衛隊のUHやAHとはシルエットが違うなぁっていう程度です。
うちはCH-47の2機編隊が飛来すると食器棚や引戸が振動しテレビが聞こえない程度ですが、ナビーさんとこは激しいですね。
あと消防のヘリが一番低空でうるさく感じます。

しかし何で選挙前に米軍のトラブルが起きるのですかねf(^^;

投稿: 多摩っこ | 2018年1月 9日 (火) 23時27分

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