« 元旦写真館 | トップページ | 宜野湾くれない丸さん提供の資料から考える普天間2小移設問題 »

今年はアレコレと眺めまわして考えていきたいものです

065

あらためまして、本年もよろしくお願いいたします。さぁ、新年の始動開始です。 

せっかくの新年冒頭ですから、私のスタンスのようなものを書いておきましょう。 

まずこのブログは、できるだけ「公平に観る」ことを前提にしています。 

ゼノフォビア(外国人嫌い)のようないわゆる反日糾弾記事を読みたい方は、そのようなブログはあまたありますから、そちらへ行くことをお勧めします。 

もちろん私の価値観や政治的立場はありますが、それを至上のものとしません。 

むしろ私が関心があるのは、「どうしてこのようなことになっているのだろうか」という疑問を解きほぐすことです。 

そして私はそれを色々な角度から動的に見てみたいのです。

私は万物は繋がって連動して動いていると思っています。静止しているようでいて、実はたまさか私たちの前でバランスをとっているだけかもしれません。

まずは、そのリンクした構造を解きあかすことです。

たとえば私は、2012年から16年にかけて大量の原子力関連の記事を書き続けました。おそらく200本近く書いているのではないでしょうか。 

それは原子力が怖いという素朴な恐怖感から悪と断定して、それで終わりにしてしまっては何か分かったことになるのだろうかと考えたからです。 

私も「被曝」地住民のひとりとして、原発は怖いと思う気持ちは共有します。

Photo

ある漫画原作者は、「福島はもはや住めないから逃げる勇気を持て」と説きました。

このような福島は半永久的な放射能汚染地であるとする言説は、メディアや反原発運動家によって拡散されました。

そしてそれは福島の復興を妨げ、地域差別すら生み出しました。

Photo
ではこのように原発が怖いで止まっていて、なにか分かったことになるのでしょうか?

当時私は、素朴にそう思うことから始めました。

原子力と決別するには、遡及して「どうして原子力をエネルギー源の一部に組み込んだのか」という現実の構造から理解しないと分からないからです。 

原発問題は一義的にエネルギー問題です。今の日本は、菅政権による超法規的措置によって、原発を安全点検のためにゼロに等しい状態に置いています。 

これによるエネルギー不足と化石燃料消費の増大を、このまま続けてよいのかという疑問がわきます。 

今や日本は100%輸入に頼る火力が8割を占めています。

W2015年度の国内の発電電力量比率
https://www.japanfs.org/ja/news/archives/news_id035667.html


現代の技術水準では、太陽光・風力は、ベースロード電源である原子力・火力の代替にはなり得ません。

しかし日本では「原子力即時ゼロ」という極端な空気が、「再エネvs原子力」という無意味な対立軸を作ってしまいました。

原発依存を止めたいのならば、代替エネルギー源をしっかりと確保して、「国産エネルギー」を最低でも4割ていどにしてから、社会に打撃を与えないように原子力をフェードさせねばならないのです。

当然のこととして、即時ゼロなど空理空論であって、原発がなくなるまでには半世紀以上の時間が必要です。

現実にドイツのまねをして菅政権がやったFIT(固定価格買い取り制)による自然エネルギーは解決になるどころか、かえって震災復興で苦しむ社会への負担を増やしただけの結果となりました。

そもそもそれを先行してやったドイツの現状はどうようになっているのかといえば、ひとことでいえば、無残な失敗に終わりました。

女帝とまで言われたメルケルがいまや連立すら組めない状況なのは、移民問題とこの原発ゼロ政策の失敗のツケを払わされているからです。 

Photo_3http://ieei.or.jp/2013/08/expl130820/

次に既に原発で生み出されてしまった、大量のプルトニウムの処分を無視するわけにはいきません。 

直接埋却するのか、再処理工程に回すのか、あるいは国際社会が懸念している核兵器製造をするのかと、選択肢は多くありません。

これは今年7月16日に期限切れとなる、日米原子力協定という条約の枠組みで見ていかねばなりません。
日米原子力協定 - Wikipedia

日米原子力協定を廃棄するということは、大枠である日米同盟そのものを廃棄することと見なされます。 

というのは再処理工程を拒否し、かつ直接埋却もしないなら、自動的に兵器級プルトニウムを製造するということしか残らないからです。

それが意味することは、日本が米国の核の傘から離れて、従属的同盟関係からの自立を図ることです。 

当然それは、地勢学的に敵対的核保有国に包囲されたわが国にとって、独自核武装の茨の道に踏み込むことを意味します。 

その意味で原発問題は、安全保障の問題も含んでいるのです。

このように考えてくると、原発は怖い→再稼働反対→再処理、直接埋却反対という今の反原発派の皆さんの一直線のような主張の先には、たったひとつの結論しか残らなくなります。

それは日米原子力協定と日米同盟を廃棄し、独自核武装に進む道です。

反原発派の人たちの多くは、米国への従属反対・安保反対派と重なりますから、なおのことこの道しかないことになるでしょう。

特に坂本龍一氏について恨みなどありませんが、彼の主張は「分かりやすい」ので典型例として2枚一緒に貼り付けておきます。

Genpatusakamoto1

20150901181545992

彼のような反原発文化人は、日本を核保有国にしたいのでしょうか。

たぶん真逆でしょうが、彼らのいうとおりにしていけば自ずとそうなってしまうのです。反原発・反安保という、しこったイデオロギーでしか発想できないからこうなるのです。

さてこれでよいのだろうかと、私は考えてしまいます。

社会は複雑系モデルによって動いています。
複雑系科学 - Wikipedia

複雑系は元来、自然界の動態を観測するなかで生まれました。

「多くの要素からなり、部分が全体に、全体が部分 に影響しあって複雑に振る舞う系。従来の要素還元による分析では捉とらえることが 困難な生命・気象・経済などの現象に見られる」(大辞林)

今日は原子力を取り上げましたが、社会や経済はさまざまな要素が他の要素と絶えず相互に作用する結果、思わない方向に発展していくものです。

原発が怖いというニュークリア・フォビア(核恐怖症)に閉じ込められて、全体の相互の関係を見失ってはならないでしょう。

このことは沖縄問題においても、北朝鮮の核問題においても同様だと思います。

おっと、抽象的になってしまいそうなのでこのへんで切り上げますが、要はアレコレと眺めまわして立体的に考えていきたいと思います。

そのための考える材料を、できるだけ分かりやすく具体的に提供できればよいなと思っています。

今日はやるつもりがなかった原子力について枕で書き始めたら、つい本腰を入れてしまいました。まったく私ときたら(笑い)。

 

|

« 元旦写真館 | トップページ | 宜野湾くれない丸さん提供の資料から考える普天間2小移設問題 »

コメント

管理人様あけましておめでとうございます。一向に素人枠を抜け出せない私ですが一生懸命勉強したいと思います。

私の周りにも「原発廻さなくても、電気足りてるじゃないか」と魔法の言葉(笑)を言う人いますが…

それはそうと高レベル放射性廃棄物 処分場は目途はつくんでしょうかねぇ。

投稿: | 2018年1月 4日 (木) 14時41分

あけましておめでとうございます。今年も骨のある議論を期待しています。

最初のテーマが原発になりましたが、私は現代日本の課題を議論する時に、避けて通れない三大命題の一つであるからだと思います。この正月に昨年を振り返って考えてみました。

現代日本の三大命題(三大タブー)
(1)憲法9条・・・戦前の日本を全否定した理想主義的平和論
(2)原発・放射能問題・・・科学技術の進歩否定と空想的な自然エネルギー崇拝
(3)沖縄・基地問題・・・反米闘争主義的な左翼イデオロギーの主張

この3つは日本という国の根幹である安全保障に関するものです。そしてそれがある種タブー視されているのです。先の普天間基地周辺でのヘリ落下物騒動では、“だからこそ進めている”辺野古への基地移転の話が全く報道されません。

9条があるから、何をやっても許されると思っている北朝鮮の戦略も報道されませんし、人的被害が出なかった福島原発事故の放射能の実態も同じように報道されません。全て言ってはならないタブーなのです。NHKと朝日新聞がタッグを組んで、このタブーを必死に守っているのです。

面白いことに「リベラル」「進歩派」を自称する人達がこれらの主導者ですが、欧米先進国はおろか、中国、ロシア、北朝鮮ですらこの三つを肯定する国はどこにもありません

軍隊はどの国にも堂々と存在していますし、原発も基幹エネルギーという実態はどの国にも共通しています。同盟国との基地依存関係は当然のことです。つまり、この三つのタブーは日本固有の極めて特殊な命題だということです。

どうすれば打破できるのか。科学的に論理展開し見える化していくしかありません。しからば科学的とは何か?

(1)論理をデータ(数値)で捉え、統計学的な結論を出す

(2)再現性を見出す

(3)→これを図で表し“見える化”してこそ説得力が生まれます。
(写真は図の一部ですが事象に過ぎず、論が表現されていません)

言うは易し、ですね。私も努力してみます。

最後に複雑系は私も少し勉強したことがありますが、概念的な部分が多くあまり深入りしない方がいいかもしれません。例えば「日本が戦後70年戦争せずに済んだ理由」という社会学的な命題に対しても、実験計画法や田口メソッド、といった自然科学分野で用いられる手法で、その因子をあげ、一つづつデータを当てがって処理した方が説得力が出ると思います。

これらの手法からは「9条があったから戦争せずに済んだ」なんて短絡的な結論は出てきません。「9条は〇〇%効いた」が科学的な態度というものですから。

投稿: 九州M | 2018年1月 4日 (木) 15時05分

今日のツイッター上で、立憲民主党の原発政策があまりに非現実的と非難されております。詳細は見ていないのですが、要約すると原発停止状態にして置き、減力不足非常時に稼働させる云々と云う骨子らしいです。余りにも非現実すぎて、いろんな方面から避難轟轟のようですし、何よりその政策の中に原発の専門家が一人も関与していない節が見受けられることが残念です。
一つの事象に対して、多方面からのアプローチは非常に重要であり、最大解を求める為に絶対必要なプロセスだと自分は思います。その点において、このブログは、管理人さんが言われる通り、多くの情報を収集し精査されていると思います。毎日それらの作業をされる管理人さんは大変かと思いますが、ブログの愛読者としては、健康に留意され、体調に無理なく、益々の良記事を期待しています。

投稿: 一宮崎人 | 2018年1月 4日 (木) 15時29分

さわりの記事でうっかり本腰を入れちゃうあたり、管理人さんらしくて好感持てます。私などが他サイトやメディアなどで断片的に知り得た情報たちが、こちらに来れば多角的に精査され解りやすい文章に纏められたてますので迷子にならなくて済んでおります。

エネルギー問題である原子力問題と安全保障関連、更には9条や沖縄問題など全てが立体パズルのように入り組んでいて、際どいバランスの中そのピースを外しバランスを壊したがる勢力が何であるのか、どのように日本や世界を変えたがっているのか。フェイクに埋もれたファクト。まだまだ知るべきことは多いです。

しかし朝から3回読み返してようやく私の頭に収まりました(笑)毎日そんな感じですが今年も良記事を楽しみにしております。

投稿: ナビー@沖縄市 | 2018年1月 4日 (木) 21時56分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 元旦写真館 | トップページ | 宜野湾くれない丸さん提供の資料から考える普天間2小移設問題 »