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2018年1月27日 (土)

米国、TPPに復帰検討

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トランプがTPP復帰を、「よりよい内容なら」という条件付きで検討を表明しました。

「【ダボス(スイス東部)=山本貴徳、黒見周平】トランプ米大統領は26日、ダボスで開かれている世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で演説した。米国が離脱した環太平洋経済連携協定(TPP)について、『国益が十分に守られるならTPPの加盟国と個別またはグループで協議することを検討する』と述べ、TPPのような多国間協定への意欲を示した。
 トランプ氏は演説で、「『互に利益をもたらす全ての国と2国間の交渉をする用意がある。
それはTPPの国も含まれ』」と述べた。その一方で、『公正で互恵的であれば、自由貿易を支持する』とも強調した。2国間協定を軸としつつ、自国に有利な条件なら多国間協定も除外しない考えを示したものだ」(読売1月27日)

私は、トランプが当初の一国主義から、大きく多国間協調路線にシフトしたと思います。 

TPP離脱はトランプにとって選挙期間中から掲げていた1丁目1番地のような公約でしたから、これを修正するのはそうとうに困難だと思っていました。

「TPPは米国を含む12カ国で15年秋に大筋合意し、16年2月に正式署名して批准作業を開始した。
その後に大統領選に勝利したトランプ大統領は、公約通り就任直後に協定脱退を表明。「TPPから永久に離脱する」とした大統領令にも署名した。17年1月末には米通商代表部(USTR)がTPP離脱を書簡で通知し、その後は交渉に加わっていなかった」
(日経1月27日)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26166870W8A120C1000000/

トランプは安倍氏が崩壊しかかったTPP11をただひとりで牽引して、締結にまでこぎつけたことを横目で見ていました。 

あるいは、直接に何度か復帰をうながされたのかもしれません。 

私はTPPが単なる経済連携協定ではなく、反TPP論者がいう悪しきグローバリズム一般でもなく、明確に中国を念頭においた民主国家群の広い意味での<アライアンス>(同盟)だと考えるようになってきました。 

いまの21世紀中葉は <中国の世紀>です。中国は台頭する段階を終了し、版図拡大の時期に入っています。 

ルトワック風にいえば、平和的台頭期である「中国1.0」、対外強硬政策期の「中国2.0」を経て、選択的攻撃期の「中国3.0」に変化してきました。 

一部の保守論客の中には、安易に中国経済が崩壊するという予測を立てる人が絶えませんが、それは安易な願望にすぎません。 

共産党が指導するこの国家資本主義経済は、驚くべきタフさを持っています。 

そしてこの国は世界を中国の色に染め換えようとしています。アジア、アフリカ、大洋州においてそれは顕著で、日米欧においてすら強い力を持ちつつあります。 

言い換えれば、中国共産党の価値観を、チャイナ・マネーという武器を使って世界に浸透させようとしているといってもよいでしょう。 

それがどのようなものであるかは、劉暁波氏の監禁と痛ましい死をみれば分かります。
劉暁波 - Wikipedia 

Photohttp://www.huffingtonpost.jp/2017/07/14/liu-xiaobo... 

人類が長い時間をかけて築きあげた、権力の集中排除、三権分立、社会的自由の尊重、少数民族の諸権利、他国主権の尊重などといった近代自由社会の常識は、ことごとく中国にとってなんの意味もなしませんでした。 

人権は共産党の解釈ひとつでどうにでもなるものにすぎず、ウィグルやチベットといった少数民族には酷たらしい弾圧が加えられています。 

Photo_2

たとえばいま何かと話題になっている米韓関係において、韓国がどうしてここまでコウモリなのか考えてみれば分かりやすいかもしれません。

それは中国が経済を明瞭に「武器」と認識し、意識的に支配の道具として使っているからです。

中国は、米国が中国の弾道ミサイル防衛ネットワークづくりの一環として、THAADを韓国に配備することに反対してきました。

これは中国国内の弾道ミサイルが丸見えになるというだけではなく、それ以上に韓国が東アジアのミサイル防衛網に組み込まれることを嫌がったのです。

Photo_32017年9月14日、環球網は、高高度防衛ミサイル配備問題の影響により中国での業績が悪化しているロッテマートの売却が決まったとする、韓国メディアの報道を伝えた。写真はロッテに対する抗議デモ。http://www.recordchina.co.jp/b190689-s0-c20.html

中国はTHAAD基地に土地を提供したとしてロッテにあのてこのてでイヤガラセをかけ、やがてそれは中国に進出する韓国系企業全般に及びました。

あげく、中国人旅行者の韓国渡航の禁止です。中国人観光客に依存する韓国業界が大きな打撃をうけたのはご承知のとおりです。

これで韓国はもろくもギブアップしました。ムンはTHAADの追加配備をしないことを中国に泣訴して、やっと許されたわけです。

いま、北への圧力に対して、ムンがことごとくサボタージュをしているのは、北の背後に中国の姿が見え隠れしているからです。

この時の韓国を日本の右サイドは笑って眺めていましたが、この手法はそのまま日本にも応用可能なことを忘れています。

日中関係が尖閣などをめぐってさらに緊張した場合、中国は再び禁輸政策や日本製品の締め出し、中国人観光客の日本渡航制限措置に出るでしょう。

これをやられた場合、日本の自動車産業や、インバウンドに頼る観光業界は大きな打撃を受けて、「尖閣などという岩礁は中国にくれてやれ」「尖閣は中国から奪ったんだ」と官邸に怒鳴り込む人も出そうです。

このような経済を政治の武器とするような、政治優越思想によって相手国の世論を分断し、さらに米国との関係までも亀裂を走らせるのが、中国の常套手段です

このようにあからさまに経済を相手国支配の具にする国は、世界ひろしといえど中国だけです。

あるいは、アフリカや中央アジアの独裁政権に武器を売りさばき、資源を支配しようとする国もこの国だけです。

北の国民がいかに飢えようとそ知らぬ顔で、金王朝を3代にわたって支援してきたのもこの国です。

米国のアジアからの後退を奇貨として、南シナ海全域を自分の内海としようとしているのもまた、この国です。

このような民主主義と根底で相いれない価値観を持ち、膨張を続ける独裁国家が中国であり、これが21世紀中葉の新たな世界常識になろうとしています。

中国に21世紀のこれからの国際ルールの書き換えを、断じて許してはいけません。

その意味で、私はこの中華帝国に対しての、自由主義的価値観を共有する諸国の非軍事的アライアンスがこのTPPだと考えています。  

その意味が明確になったからこそ、もはやトランプも国内的理由で拒否できなくなったのです。

 

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コメント

 宮家邦彦氏は極端なトランプ嫌いで、ラジオでトランプ大統領を「自己愛性精神障害だ~!」などと、何度も言ってます。
(ラジオ番組でそんな事言っていいの? とちょっと心配になりますが)
ま、宮家氏は日本のエスタブリッシュメントだって事でしょうかね。(笑)

宮家氏の評論は的確で参考になる事も多いのですが「アベガー症候群」と一緒で、そういう地点に陥ってしまったら、それ以上の事は何も考えられなくなってしまうのだろう、と少々残念です。

で、その宮家氏の見立てでは、「トランプ氏にTPPなど金輪際やるつもりはなく、ダボス会議でいい顔をしたいだけなのだ」、「何を言おうが、その場凌ぎのええカッコしいだ」と結論を括ります。

しかし、米国政府の立場に立てばヒラリーであろうがオバマであろうが、トランプであろうが、遅かれ早かれTPPに入る決断をしなければ立ち行きません。
米国が「ゆっくりと死を待つ」選択をしたのなら話は別ですが。

トランプ氏はまだダメダメな大統領ですが、学習の速度はオバマ氏より断然早いです。
何が将来的に米国に危機をもたらすのか、それが分かったから今回の発言があったと見るべきでしょう。

ですけど、日本としては「魚釣り」よろしく、針が完全にトランプ氏の喉に引っかかって抜けなくなるまで慎重に対応すべき場面ですね。

ひょっとすると、日本が「一帯一路」に傾きかけた風情を見ての事かもしれず、逆に日本がお愛想だけ「一帯一路」に参加しやすくなるのかも知れず、すごい局面になって来ました。

もちろん、予断を許さない状況がこれからも多いでしょうが、一貫して米国のTPP参加の可能性を言ってきた安倍氏は、とりあえず面目躍如といったところでしょう。

本記事も山路さんのコメントもうなずけます。


こういう状況下で見事に中国の思惑にのった自治体が身近すぎるとこにあるのが何とも…

パンダ招致 沖縄県も意欲 名護市長選の稲嶺氏公約
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-649924.html

沖縄県と名護市で連携して招致するそうでございますよ。
致し方ないところがあるとはいえ、相変わらず二紙をはじめとするメディアも米軍・政府批判一辺倒だし、あぁ、頭痛が痛い…

 ありんくりんさん山路さんクラッシャ-さんのご見解
に賛成。

 三宅さんはお公家さんのような上品な感じで、トランプ氏さんとは性格が違いすぎる。仕方がないですね。三宅さんは西部さんをどのように感じるのだろうか? 山路さんの宮家評、「日本のエスタブリッシュメント」はうまい。

 TPP、アメリカが加入することになれば、珍しくも日本が自主性を発揮できた慶事になります、今後はその方向で頑張って欲しい。

私としてはトランプが進める対中包囲網としてのインド太平洋戦略を強化するためにもアメリカはTPPに参加してほしいのですが、産経の記事にもあるように河野外相は「TPPの中身を変えるつもりはない」と妥協はしない方針を貫いています。
日本としても甘利氏が勝ち取ったものをむざむざ手放す必要はないと思います。

米国は人口約4億人でGDPがブッちぎりの消費超大国で、その
旺盛な消費っぷりは、巨額の貿易赤字をタレ流しです。経済
は「流れ」ですので、赤字は相手国の黒字となり又戻って来る
(為替による調整を含めて)ので理屈では±0なのですが、ルール
によっては得損が出て来ます。

そのルールを加盟国の多数決で決めるのならば、米国はワリ
カン負け確実です。二国間交渉での相手国別ルールでフェア
にしないと、米国がまず衰退し、さらに「流れ」先の相手国も
ダメになります。

小国(やその関係者)がブリブリ言い、それを援助するコスイ
大国が実権を持つようになって来ている国連のような末路に
ならない為にも、「一国は一国」主義のポリコレは止めて
欲しいですわ。トランプ親ビンの勝手舎弟である私も、肌理
細かいルール作りを求めたいですわ。お互いの為です。

EUやエジプトがメルコスールに加入するのにイギリスはどうするんでしょうかね。EU官僚嫌いが根強すぎてやっぱりTPP?

エジプト・EUはメルコスールに加入ではなくてメルコスールとのFTAの協議のようですよ。
TPPへ米国が戻ってくるというニュースと今回のセーフガードの発表、中国覇権にブレーキを少しでもかけられると良いのですが。

なるほど。ななめ読み注意でした。ご指摘ありがとうございます。

いろはさん、いえいえこちらこそ調べる良い機会をありがとうございました。

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