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2018年2月17日 (土)

北朝鮮非合法密輸の実態の一端が見えた

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日米の制裁強化が、洋上にも及んでいることが分かりました。 

「政府は14日北朝鮮籍タンカーが13日未明に東シナ海の公海上で中米ベリーズ籍タンカーに横付けしていたのを確認したと発表した。北朝鮮に対する国連安保理の制裁決議で禁止された「瀬取り」と呼ばれる洋上での密輸を行っていた疑いが強いとみている。既に国連に通報し、関係国とも情報を共有した。
 政府は先月、同じ北朝鮮籍タンカーがドミニカ籍タンカーに横付けしている現場を確認している。今回の横付けは海上自衛隊のP3C哨戒機が中国・上海の東約250キロ沖合で発見。北朝鮮が国際的な監視網をかいくぐって瀬取りを続けている疑いがあることが浮き彫りとなった」(時事2月15日)
 

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この「瀬取り」とは、港に寄港して荷を降ろすのではなく、洋上で船から船に受け渡しをすることです。 

国連の制裁強化によって、北朝鮮籍船舶は外国の港に寄港した後に北に戻ることが禁じられているために、このような抜け道を使っているわけです。 

同じような瀬取りは頻繁に行われているようで、米国の監視衛星もキャッチしています。 

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これで分かってきたことは、海自のP-3C がたいへんに広範な洋上監視を行っていることです。 

今回、海自はなんと日本海から黄海洋上まで空から監視していました。 

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これはかつて領海内とその周辺に限られていた海自の哨戒活動のエリアが、この朝鮮半島危機によって、米軍と共同して一気に東シナ海を超えて黄海まで延びていたことを表しています。 

この危機が長引けば長引くほど、中国の内海である渤海近辺まで日米の航空機や艦船が頻繁に入って活動することになります。 

仮に北朝鮮に対して米国が軍事攻撃を仕掛けた場合、米国は黄海に空母打撃群を置いた上で、海上封鎖を実施するでしょう。 

その場合、渤海に面する中国最大の工業地帯である天津からの輸出が困難になることがありえます。 

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さて、古川勝久『北朝鮮 核の資金源』によれば、中国は北朝鮮が常時国際制裁をくぐり抜けていることをよく知っています。 

国連制裁決議がザルをであることの実態が、本書の丹念なドキュメントにつづられいます。

まず古川氏たち国連北朝鮮制裁専門家パネルの調査官たちは、各国の無関心に悩まされます。

「国連決議完全履行には実に多くの困難がつきまとう。ほぼすべての国連加盟国での国内法が未整備なあるために、安保理が定める制裁義務に加盟国が追いつけないのだ。
制裁の履行には、各国の並々ならぬ尽力が欠かせないが、ほとんどの国ではそのための動機も意志も欠けている」(前掲書)

たとえばムドゥポン号事件では、この船を保有するOMM(オーシャン・マリタイム、マネージメント社)という船会社が、北朝鮮の非合法活動に関わっていました。 

「2013年7月、パナマ政府によって北朝鮮貨物船「チョンチョンガン」が拿捕(だほ)された事件が契機となり、北朝鮮海運事業に関与する香港企業が浮上した。
拿捕された船舶は北朝鮮の海運大手「オーシャン・マリタイム・マネジメント」( 本社・平壌)の所有で、キューバから北朝鮮へ向けミグ21戦闘機の胴体など大量の武器を運搬していた」(産経2017年5月20日)
http://www.sankei.com/politics/news/170507/plt1705070006-n1.html

OMMは非合法活動を隠蔽しようとこのようなことをしています。

「OMMが自社で直接管理する貨物船は、外国船籍をのぞいてすくてくとも14隻あった。その後、OMMはこれらすべての貨物船について、船名を次々に変更し、それぞれの所有・運行会社たるフロント企業もすべて一新したのである」(前掲書)

そしてOMMが国連からマークされるや、OMMに代わる新会社3社に変えます。

「1隻ずつ、名称と国際海事期間(IMO)へ登録をしていく。こうして公式記録からは、これらの貨物船とOMMの関係を示す情報ウすべて消去していくのである。文字通りOMMは貨物船を『洗浄』したのだ」(前掲書)

この事実が発覚した以上、OMMの資産を国連安保理制裁決議の資産凍結対象とすることは可能です。

少なくとも専門家パネルの一致した意見はそうてした。

ところが、これを平然と認めない国がありました。それが中国とロシアです。

両国はOMMが北朝鮮に密輸を繰り返す常習犯であることを専門家パネルが通知しても聞く耳をもたず、簡単に入港を認めています。

そもそも中露には制裁する気などはなく、抜け穴を作づくりに積極的に加担しているのです。

米国が海上臨検を国連安保理で通したのはこのような背景があるからです。

このような抜け道をひとつひとつ丹念に塞いでいくという、実に気の長い仕事を今、日米はやっているわけです。

これは北朝鮮ばかりではなく、制裁を実行しない中国への圧力強化でもあるのです。

 

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コメント

私もたまたま今回取り上げてるサブタイトル『国連捜査秘録』の本をジュンク堂書店で『プーチンとロシア 著・木村汎』と並んで購入しました。不正輸出の中にピアノが多く含まれてるのには呆れるやら笑ってよいものかどうか。スカッドミサイル解体の、『つくづくソ連製は嫌いになった』のくだりは笑えましたがね。
本の中で、北が根深く活動してるのに、国連内や周辺諸国ではこれでもかと妨害とサボタージュ(しかもサボってる意識どころかむしろ仕事してる気でいるものもあり)があり、と書かれてあって、なんともまあ、随分お寒いねえと思いましたが、国連っていっても所詮官僚機構、こんなものかと割り切り、むしろ寝食惜しみ、身命を賭して活動してる古川勝久氏に敬意を評したい。
色々言いたいが、みなさん買って読んであげてください。
少しでも古川氏の努力が報われますように。

 密輸を防ぐために相当の努力が必要であることがわかる。相手方も死にもの狂いに逃れようとする。何しろ北朝鮮にとっては死活の問題だから当然である。

 こちらだって国の安全が懸っているのだから真剣である。日米が協力して、この難局を乗り切ってもらいたい。担当している方々のご健闘を祈ります。

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