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« 韓国の「戦時統制権」から見えるもの | トップページ | ムン閣下の「非核化への包括的アプローチ」とは »

2018年2月27日 (火)

トランプ 制裁の第2段階を宣言

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時間が限られた中でのせめぎ合いが続いています。米国が「史上最大の制裁」と銘打って新たな独自制裁を始めました。

「ドナルド・トランプ米大統領は23日、核武装を進める北朝鮮と関与しているとして海運会社、船舶、貿易企業50以上を対象とした独自制裁を発表。「史上最も重い制裁だ」と自賛した。 米政府によれば、新たな制裁は北朝鮮に核開発計画を中止させることを目的としており、北朝鮮の他、中国、シンガポール、台湾、香港、マーシャル諸島、タンザニア、パナマ、コモロに拠点を置いているか登記している企業などが対象となる」(AFP2月25日)

これはいわゆる「瀬取り」と呼ばれる、公海上での荷物の受け渡しに対応したものです。 

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この「瀬取り」監視任務には、海自、海保の航空機、船舶も、黄海・日本海のパトロールに参加しており、米国沿岸警備隊も派遣される大規模なものになるようです。 

本来はエリアから言っても、当事者である韓国海軍・海洋警察が主力となるべきですが、韓国が参加しているという情報は聞こえてきません。

どうやら韓国海洋警察は、竹島専用のようです。 

今回、制裁対象となるのは、北朝鮮の19隻を含む中国、台湾、シンガポール、香港、パナマなどの船舶計28隻や27海運会社、1個人の56件です。 

既に今年1月、スティーブン・ムニューチン米財務長官は、北朝鮮船籍の船舶6隻、中国やロシアなどで活動する16個人、北朝鮮原油工業省など9団体を米独自の制裁対象に指定していますから、大変に大規模なものになります。 

国連制裁決議は、「瀬取り」を想定していませんでしたが、この盲点をついた悪質な手口で、当然、背後には中露の意図的制裁破りが存在します。 

制裁を決議した国連安保常任理事国が率先して破ってはシャレにならないと思いますが、まぁそういう国なんだと思うしかありません。

「ロイター通信は昨年末、複数のロシア船籍タンカーが昨年に少なくとも3回、北朝鮮船舶に洋上で石油精製品を引き渡していたと報道。昨年10月には韓国の港を出た香港籍の船が公海上で北朝鮮の船に約600トンの石油精製品を移し替えたことも明るみに出ている」(聯合2018年1月29日)

北朝鮮の密輸を幇助している中国は、当然反発しています。 

耿爽(こう そう)副外務省報道局長は2月24日、今回の追加制裁について「米国が国内法に基づいて中国の組織や個人に独自制裁を科すことに断固反対する」としていますが、今、中国にできることは少ないと思われます。 

もしこれで米国に抗議などすれば、山のような中国の制裁破り幇助の証拠資料を積み上げられるでしょうからね。 

この米国の「史上最大の制裁」は、いままでと決定的に違っているのは、今回は実力を伴っていることです。 

今回は国連制裁決議を国際法上の根拠とする独自制裁ですから、国連安保理での中露のサボタージュに邪魔されません。 

したがって、今回の追加制裁はただの監視ではなく、2017年9月11日の国連安保理決議で認められた海上臨検を念頭に置いたものなります。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/post-ba2d.html 

これをトランプは、2月23日、マルコム・ターンブル豪州首相との共同記者会見でこう述べています。 

「北朝鮮への制裁の効果がなければ、荒っぽい第2段階に入らなければならないだろう」 

今回の「第2段階」は、一見トランプの無茶ぶりに思う人もいるでしょうが、実は米国外交のゴールドスタンダードである、キューバ危機をひな型にしていると思われます。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/post-fb5b.html 

オーソドックスな外交を好む宮家邦彦氏にかかるとトランプはど素人のマッドマンにすぎないようですが、案外やっていることは米国外交の正統派です。

ツイッター内容はぶっ飛んでいますが、現実の軌跡は国連決議の積み重ねで追い詰めていき、やっと海上臨検にまで到達したわけですから、米外交の王道です。

さて、1962年のキューバ危機と今回の北朝鮮危機には、大きな共通点があります。

それは脅威の対象が、同盟国の安全保障一般にあるのではなく、米国本土に到達し得る核ミサイルにあることです。

つまり韓国がどうのではなく、米国の心臓を直接に核で狙っていることこそが問題だということです。

キューバ危機の場合、キューバというフロリダから目と鼻の先に核ミサイルを配備された場合、米本土全域が射程内に納まってしまいます。

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米国にとって到底これは許せないことでした。米国は核ミサイルを配備したソ連との交渉に入ります。

その交渉圧力として米国は、キューバに搬入されるミサイルを阻止するための海上封鎖行動を開始します。

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ケネディはキューバを直接に爆撃・侵攻しろという政府内部の強硬意見を退けて、海上封鎖というカードを選びます。なかなか渋いカードです。

海上封鎖もまた広義の軍事行動の一種ですが、「監視」よりも強く「爆撃」よりも弱い、「軍事行動未満・非軍事制裁以上」という中間的性格を持っています。

つまり、相手に翻意させる時間を与えて妥協を引き出すことが可能です。爆撃してしまっては、いきなり戦争となりますからね。

臨検前には空から海軍の哨戒機が低空でぴったりと並走して、停船することを求めます。

船舶が停船したら、武装した海軍ないしは沿岸警備隊員が相手方に乗り込んで強制的に臨検します。

これを拒んで停船に応じなかったり、船員が抵抗すれば物理的な衝突に発展する危険性があります。

つまり、相手方が制裁逃れを断念すればよし、しなければ・・・、という「含み」を残しているのが味噌です。

この「含み」こそが、外交が活躍できる狭い余地です。

韓国や中国は盛んに「対話」を主張していますが、キューバ危機の場合に置き換えれば分かるはずです。

米国は米本土に到達する核ミサイルがキューバにある以上、いかなる妥協も排除しました。

ただ、その手段に爆撃か海上封鎖かという濃淡があるだけです。

かつてのキューバ危機において米国は核ミサイルを残した形で、危機の終結を宣言することはありえませんでしたが、今回もしかりです。

 

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コメント

インフレ加速するベネズエラ、決済手段としてBCHが有望視
http://coinpost.jp/?p=12377
経済危機に直面するベネズエラにおいて、送金手数料は重大な問題です。送金手数料の安いビットコインキャッシュが決済手段として普及するかもしれません。

ベネズエラ、国家ICOのホワイトペーパーを公表
https://btcnews.jp/3fse0ypv14904/
ペトロは金ではなく原油によって価値が担保される点が異なる。ペトロは本当の意味でのオイルマネーと呼べるかもしれない。

仮想通貨に手を伸ばすインフレ率2300%超えのベネズエラ
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/12018?layout=b
内戦下のアフリカでゲリラと契約を結ぶような「高リスク高リターン」を厭(いと)わない資源メジャーが食指を伸ばさないとは限らない。

ICOの明暗を分ける各国政府の動き 国家にとって「利益」か「損失」か?
https://innovation.mufg.jp/detail/id=227
興味深い動きが見られるのは韓国だ。中国に続いてICOを禁止した国として引き合いに出されることが多いが、相次ぐICO関連のトラブル回避策として禁止命令を出したものの、見直しの余地を残しているという点で中国とは全く異なるスタンスが感じられる。

金融庁が「ICO」規制へ 法改正も視野 差し止め含め検討
http://www.itmedia.co.jp/news/spv/1802/27/news068.html
トークン購入に使えるのは、ビットコインなど主要な仮想通貨でICO実施者が指定する。

強盗した仮想通貨も使用できたら困りますね。

<Mr.ミリタリー>北朝鮮の恐るべきサイバー攻撃力、韓国は機能不全(1)
http://s.japanese.joins.com/article/968/238968.html?servcode=500§code=500
韓国軍サイバー戦争組織は任務の分担が明確でなく機能も落ちることが分かった。

統制権など返還せず韓国には頑張ってもらいたいところです。

いろはさん。該博な知識はけっこうですが、もう少し記事に沿ったものを入れていただけないとかみ合いません。
ベネズエラもサイバー攻撃もこの記事とはなんの関係もありません。
コメント欄は、記事をたたき台にして語り合う為にあります。
議論が発展して記事と違うものに発展するのはかまいませんが、初めから無関係では困ります。何度も言っていますが、コメント欄は掲示板ではないのです。

 ちまたの報道では韓北の融和的演出から生じた米国妥協の「米朝対話」での解決の可能性を言う論調が多くあり、ここのコメント欄でも「アメリカも北朝鮮との対話を望んでる」とおっしゃる方もおられます。

ですが、北朝鮮問題を取り巻く現実の状況を、どこの報道よりも正確に伝えているのが今日の記事だと思います。

これから先、米朝間の「対話」はあったとしても、「対話」が主要な解決の手段として用いられる事はなくなったと見て良いでしょう。
したがって、私には「北核の一部容認」への懸念は薄らいだように思われます。

先日のトランプ氏の一般教書演説は強力な米国の意思を顕にしましたが、23日のターンブル会談後の記者会見の内容は、それを裏書しつつさらに強固な決意を示すものとなりました。
しかも会見映像からは、ターンブル首相も全面的に同意した様子が伺えます。

会見に先立って「過去最大規模の経済制裁」の発表があり、会見では「それ(経済制裁)が効かないならば、我々は第二段階に進まなければならない」とし、「それは非常に手荒で、世界にとって不幸をもたらしかねない」としつつも、「しかし、(北核の放棄がなければ)何かが起こらざるを得ない」と述べました。
それを受けての金英哲の「対話受け入れ」談話発表があるのであり、その逆ではありません。

そして現実の様相は「キューバ危機」そのままであり、トランプ政権は最初からここに落とし込む事でレールを敷いていたようにすら感じさせます。
米国民の大勢の支持を得つつ、しかも北は米国のペースに嵌ったも同然で、米国の妥協は有り得なくなったと思われます。


承知致しました。不躾で申し訳ございませんでした。

昨日のNHKの国際報道ではパラリンピック後の米韓合同演習に北朝鮮が反発してミサイル発射をした場合、米による限定的な攻撃が起こり得ると言ってました。

いろはさん。丁寧なご挨拶、痛み入ります。貴兄のコメントでいつも感心しているのは、裏付けのソースを示しながら持論を展開するという姿勢です。
そして論点も的確です。
そこで提案ですが、記事スペースを提供しますので、そのうち一本書いてみませんか。
その気になったら、コメントにアドレスを付けて送信してください。

中華三振さん。NHKのヤツ、そんなこと言っていましたか。ありえません。
合同軍事演習というただでさえ兵力が集中され、頂点に向かっている時に、そんな挑発を北がしたら、待ってましたになります。
韓国も拒否できていでしょう。
むしろそれほど正恩が馬鹿だったら楽なんですが。

 中華三振さんが取り上げてくれたNHKの放送内容は、報道なのか識者の意見なのか知りませんが、現状を正しく評価出来ていないのだろうと思いますね。

自殺したいなら別ですが、合同演習中にミサイル発射実験を行う胆力が北朝鮮に残っているならば、そもそもオリンピックになんぞ参加する事はおろか、玉の子である金与正や英哲など大物を送り込んでくるハズはありません。
ああいう「絵面」に騙されちゃいけません。

資金が枯渇し、どの国にせよ支援してくれる見込みがなくなった時に、北が最終的に南北融和カードを切るのは歴史の習いです。

そこを分かっていても、統一が至上の価値だと考える文在寅は我慢が出来ず、まるで米国が譲歩し「話し合いに舵を切った」ふうに日本で報道されるのには嫌気がします。

これからも正恩が簡単に核放棄する事は考えづらいし、軍事衝突の危険もないわけじゃないですが、さらなる圧力を加え続ける意思と行動だけが解決に結びつく道です。
日米を中心とする「圧力政策」は確実に成果を上げています。

要するに北参加のオリンピック騒動は北にとってオウンゴールで終わったのであり、米軍に対して「弱い腹」を自からされけ出して終わった顛末でしょう。


コメント確認遅くなりすみません。
私は説明が上手くないので誤解を招くかもしれないと思って思わず記事だけ載せてしまいました。失礼なことをしたと反省しております。ですので簡単にコメントにて失礼致します。

ロシア→衰退期にあり、旧ソ連に憧れる国民が多い。
中国→日本の旧植民地を勢力圏に。
北朝鮮→韓国併合を無力化させて、戦勝国になりたい。
※韓国に自虐史観の植え付け成功済

韓国軍が砲弾誤射「あわや軍事衝突」…北朝鮮は反応示さず
https://www.google.co.jp/amp/news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/5171630/
韓国軍当局は事故後、軍事停戦委員会を通じて北朝鮮側に「意図しない砲弾が発射された」と通知した。

この誤射が北朝鮮のサイバー攻撃によるものと疑われています。朝鮮半島は狭いから誤射により同士討ちになってしまう。米韓に武力行使をするつもりがなかったとしても、北朝鮮のサイバー攻撃により有事が発生するかもしれず、混乱すればゲリラ戦には丁度いいかもしれない。グリーンベレー北朝鮮版みたいなものがないとは言えませんし、北朝鮮がサクッと倒れてくれるならそういう人間も喜ぶのでしょうがゲリラ戦で長期化すれば外国でも行動するでしょう。だから麻生元総理が武装難民(適切かはわかりません)と言ったのだと思います。

アメリカは韓国のサイバー軍含め軍部を強化してほしい。統制権の返還でアメリカも迅速に対応できるコンパクトな旅団に改編することができるようです。韓国が部品を輸入に頼らず自国生産するようになれば経済的余裕ができ国防を強化することが可能になるかもしれません。統制権返還はメリットがあるのだと思いますが今は現実的に難しそうです。

中国は仮想通貨の規制により手を出さないみたいですからベネズエラの仮想通貨がオイルマネーであれば北朝鮮は買うでしょう。アメリカが見逃すはずありません。また裏支援になっているマカオと香港の仕組みもどうにかしなければなりませんが、普通に合法なのでやはり旧ソ連の崩壊のように中国を導くのが一番合理的と思われます。

最終的な手段以外アメリカが北朝鮮に先制攻撃をするとは思っておりません。バックに中露がいてゲリラ戦の可能性がある限りまた秘密裏に参戦することもありそうでリスクが高いと思います。ゲリラ戦で一番大事なのは核よりも長期戦に耐えるための体力をつけることではないでしょうか。旧北ベトナムや共産国、左の主張はあくまでも南ベトナム内の内戦という建前かつベトナム民衆vsアメリカとの戦いと印象操作をしており開戦時期が不明瞭ですが、ベトナム戦争を1960年スタートと見れば明らかだと思います。

韓国は頼りにならない!アメリカが先制攻撃する!日本巻き込まれる!戦争反対!改憲反対!

なんだか左右によるマッチポンプみたいに感じております。好き嫌いは誰でもあるでしょうが、民団は総連と戦い続けてますし、韓国の保守も頑張っています。だから中朝の思惑に乗せられず、韓国は嫌いでも手を結ぶのは大切なんだと、そういう人が一人でも増えたらいいなと思ってコメントしておりました。

以上です。これから忙しくなりますのでコメントはもう控えますね。今まで大変お世話になりありがとうございました。こちらのブログが末永く続くよう願っております。では失礼致します。

管理人さまのご厚意、大変ありがたくとても嬉しかったです。
感謝しております。

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