資料 2018年3月19日 参議院予算委員会集中審議 (抜粋)
太田理財局長の答弁を資料として抜粋しておきます。長文ですので、大幅に要約してあります。煩雑なので「略」は挿入していません。太字は私が施しました。
ちなみに、共産党小池議員の質問において、太田理財局長の「基本的には総理夫人だからでございます」という部分のみが、メディアで執拗に流されたのはご承知のとおりです。
この太田答弁は続きがあって「籠池氏側が総理夫人の名前を出したのは事実なので、それがあってということ。そういう意味でお答えしたつもりだったのですが」と補足しています。
典型的な印象操作です。
全体を見ずに、なんとしてでも昭恵夫人の「関与」に強引に結びつけたいメディアと野党の思惑が露です。
メディアがスルーする太田局長答弁の全体を俯瞰するためには、よい資料だとおもいますので、アップいたしました。
原文は以下でご覧ください。書き起こしご苦労さまでした。
ぼやきくっくり様
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2162.html#sequel
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■3月19日 午前9時 参議院予算委員会集中審議
自民党青山繁晴議員の太田充理財局長への質問(抜粋)
青山
「財務省のつけたタイトルが、決裁文書の書き換えの状況となっておりまして、これは、要は、この決裁書の主文ではなくて、調書です。
調書っていうのは、取り調べなんかでも調書って言ったりしますけれども、要するに、契約に至る経緯を示したものですね。
で、これ調べますと、まあ当たり前のこととは言いながら、この契約の本体、契約の本体については、書き換えられていません。
つまり官房長官があえて主文とおっしゃったんでしょうが、契約そのものがごまかしたり、ごまかされたり、改竄されたりしたわけではなくて、調書、つまり経緯について書き換えたということが、事実ではないかと思いますけども、ここは理財局長、いかがでしょうか」
太田充理財局長
「ただ調書というのは、鑑の後ろに付いてるものですが、極めて重要な部分でございますので、調書を書き換えたということは、決裁文書を書き換えたことにならないかといえば、そういうことではなくて、調書を書き換えたということは決裁文書を書き換えたと、それだけ重いことをしてしまったと、いうことだというふうに認識をしております」
青山
「調書には都合の悪い部分が含まれていたと考えるのが、当然、客観的なことです。ところがそれを一旦、決裁してるわけですね。で、この決裁文書の鑑である表紙を見ますと、たくさんハンコが押してあってですね。
まさかめくら判を押したんじゃなくて、この、今、理財局長がお認めになったように、この鑑の下に調書もたっぷりついてるわけですから、その調書も、まさか見ないでハンコを押したってことは、想像しにくいですから、その調書を見た上で一旦決裁してるわけですね。
その一旦決裁したものを、今度は、決裁のハンコが全部押されてから、その後に削る。
これは、あまりにも前代未聞の、理解が難しい経緯なんですけれども。
まず、元に戻って、削ったということは、財務省、その他にとっては都合の悪いことがあったから削った、あるいは書き換えた、言い方によってももちろん改竄したと言ってもいいです。そこに決裁、決裁のハンコを全て押したのはなぜですか」
太田
「決裁のハンコを押したというのは、貸付なり、あるいは売払をした時、平成27年なり28年の時に、それでいいと、いうことで決裁にハンコを押したということであります。
で、その決裁の最初のハンコの鑑をそのままにして、その後ろの調書を差し替えるということをやったのは、平成29年の2月下旬から4月にかけてということでございまして。
決裁をした時の貸付なり売払のことについて了解をした上で、29年の2月下旬から4月にかけてということは、要するに国会審議との関係、もう少し丁寧に申し上げさせていただきますと、
書き換えの内容を反映する、あの書き換えの内容の文言を見る限りで見ますと、それまでの2月から3月にかけての国会での答弁(※佐川前理財局長の答弁のこと)が誤解を受けることのないようにと、いうことで、そういう観点で、そういう考え方をもって、調書というものを差し替えていると、そういうことでございます。
大変申し訳ないことであり、深くお詫びを申し上げなければ、何度お詫び申し上げても許していただけないと思いますが、そういうことでございます」
青山
「客観的に文書を何度も読み込んでみるとですね、これ調書を作った時には、政治家の名前も出てくるし、あるいは籠池理事長がおっしゃった、安倍昭恵夫人の言葉なるものも引用で出てきますよね。
でもそれでも構わない、問題ないと思って決裁のハンコを押してるわけですよね。それ普通に考えたら、この契約に影響がなかったから、この調書で良いと思って決裁のハンコを押したんじゃないんですか」
太田
「決裁文書についてる経緯も含めて、それでいいと思ってるからハンコを押してる、了解してるということであります。
逆に言えば、ある意味での不当な働きかけがあって、それでということではないという風には理解していると思います。
そうであれば、こういう風な決裁文書は作らないと思いますので、そういう意味で、そこを、その経緯も含めて、全て見た上で、決裁としては了としてると、そういうことだろうと思います」
青山
「佐川理財局長の答弁があったというだけで、明らかに犯罪ですよね、これ。公文書偽造ですから。
一旦決裁された公文書をいかなる理由があっても、勝手に変えるってことは、これは実はこの後はもちろん司法に任せなきゃいけません。
司法がどう判断するかでありますけれども、一般的に考えると、偽造で犯罪であることに気がつかない国家公務員はたぶんいらっしゃらないと思います。
それをいわば、全ての責をかぶるように、わざわざ決裁後の文書に改竄、書き換え、あるいは削除を加えるというのは、その、ここでさっき理財局長が先に答弁なさったその佐川答弁云々になるんですけれども、
しかし、もう一度申します。前代未聞の、まあ憲政史上初めてとは言いませんけれども、おそらく表に、大規模に表に出てきたのは実は初めてのようなことを、その一人の局長の答弁に合わせるために、みんなでやるんですか。
そんなことは僕はあり得ないと思います。
したがって、その、決裁のハンコを押した時には、調書の中身に、後ろ指さされることはないと思って押したわけでしょう。
それが何で自ら削らなきゃいけなかったのか。その、佐川さんの答弁っていうだけでは説明にならない」
太田
「私は、国会での答弁は大変責任が重いし、ものすごく緊張してると、いう風に正直に申し上げました。
人の心の中を全部覗ききることは難しいのかもしれませんが、同じ理財局長として思うに、前局長もそうだったろうと思います。
ただ、その話が、そのことが、それをもって決裁文書を書き換えるという方向に進んだのは、それはもう全然方向が間違ってるんで、そういう意味では私は理解できないんですが、その、やっぱり国会の審議をものすごく、ある意味では重く思ってる、それについての対応がものすごく間違った方向に行ってしまってると。そういうことだと思っております」
青山
「佐川、当時の理財局長の答弁を、僕は予算委員ですから、終始一貫その端っこで、間近に聞いておりました。で、その時に、例えば価格交渉がなかった、あるいは文書は基本的に全部捨てた、これで大丈夫かってことを正直、自由民主党の一員としても思いました。
政治家とか、あるいは総理夫人とか、そういう話を理財局長がここで答弁すると、国会が紛糾して、特に野党の方々から激しい追及を受けて、その、ものすごい困ったことになるから、だから木で鼻を括るような答弁にしたんではないかと。
これ健全な常識で考えたら、今回の奇っ怪な事件も、実は根っこにあるのは、ある意味何でもない、そういう国会軽視、つまり、騒がない国会、燃えない国会、その、淡々と終わればいいんだと。それはしかし正常な議論じゃないんですよ、それは」
太田
「基本的にお答えしようと思って、お答えしようと、あの、十分ではなかったと思いますが、しようとしてきたつもりです。
基本的にはお答えをするのは、やはりなかなか容易ではないし、その、簡単にご理解が得られるとは思いませんが、理解が得られない中でも、きちんと説明をして、それに対して違うというご批判を受けて、議論を深めるというのが国会の役割だと思いますので、それは委員のおっしゃってる通りだと、本当に思います」
麻生大臣
「私も、全文、その後の文書を両方とも比較させていただきましたけれども、何でこれを書き換えることにしたのかが、ちょっと私にも理解ができないということころで、別に前に出してもらった方が良かったんではないかというのは率直に、私自身の感想ではあります」
安倍首相
「決裁文書の書き換えについて、私は全く指示もしておりませんし、そもそも、理財局内や財務局内の決裁文書など、私は存在すらも知りません。指示のしようがないわけであります。
私の2月17日の、ま、答弁は、私も妻も一切この認可にも、国有地の払い下げにも関係ないというものでありまして、
書き換え前の貸付に係る特例承認の決裁文書に、土地を見に行ったとか講演をしたとか書いてありますが、書き換がなされたとされる2月下旬から4月には、すでに妻が名誉校長でありまして、講演に行ったこと、あるいは学校建設予定地に行ったことは、いわばすでにに知られていたことであり、国会でも議論になっていました。
2月17日の一切関係ないという答弁をひっくり返すような記述では全くないということは、申し上げておきたいと思います」
青山
「今、総理がお触れになった調書、調書の中の引用部分には、まあこれはあの、野党の方々からもご指摘ありましたけれども、安倍昭恵の倍の字が間違っていたり、あるいは他の議員の名前も間違っていたり、する部分がありました。
したがって、契約に重大な影響があったと認識で引用したり記述したんではなくて、こういうことが多々ありましたと、相手はタフでありましたという、要は言い訳を並べてあるような調書だということも、実は、これあの、与党がどうのこうのじゃなくてですね、客観的に読めば誰でもお分かりになることではないかと思います。
それを、しかしもう少し踏み込んで正確に言えば、たかがそのような省内の言い訳のために、決済を受ける時のために、間違った引用もしたり、その、国会審議だけじゃなくて公文書の存在自体が極めて重いものですから、適当な引用をしたり、あるいは影響なかったことを何の理由もなく書き込んだりされたら困るんですよ。
それをさらにやってしまった後で自分で犯罪事実にもあたる恐れを犯して、書き換え、改竄、削除するっていうのは、大きな、大きな問題だ」
以下略
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コメント
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大変素晴らしい作文と思います、
これからも頑張ってください
投稿: ナガ・サーヨ | 2018年3月22日 (木) 11時24分
皆様こんにちは
その日の国会中継私も見ていましたが、こうやって改めて文字お越しで見ると一層よくわかりますね。
投稿: なまら | 2018年3月22日 (木) 14時26分
そうですかね?2009年に野田中央公園で14億円ソンタクした時の方がよっぽどスゴイ作文だと思いますが。
あの時の豊中市地域の当選議員さんはどなたでしたっけ?
確か今回一斉捜査が入った生コン団体の代表もやってる方でしたよね?ましてや国有地を管理する国交省の副大臣も務められてたような?
森友の前例となった「野田中央公園」の件は「歩叶」ナンチャラさんに詳しいみたいですね。
話は変わりますが「ググる」ってどういう意味でしたかね?まぁ、いいか。
ともかく、近畿財務局職員は前例に沿って同じ対応をしただけ、とも言えるんですよね~。もしかしたら同じ担当者だったのかも?なんて。
政権成立そして副大臣就任(2009.9)と時を同じくして悪例が生まれ(2009.9)、
現政権への交代(2012.12.26)に合わせて同様の手口で籠池氏が動きだす(2013.01~06)なんて偶然って恐ろしいですね!
まるで我が儘で身勝手な陰謀が裏でうごめいているみたい!?まさかね~w 近畿財務局の独断に決まってますよね
なぜ国交省が財務省のミスをわざわざ指摘したのか?公務員としての矜持ももちろんあるでしょう。
なぜ野党が安倍政権への直接責任を問うのを止めたのか?証拠が足りず民意が得られないこともあるでしょう。
でもね、情だけじゃ足りないんですよ、国政って。
だけど情の部分で国民には納得してもらうんですよ、人間だから仕方ないよって。これから良くしていこうよって。
継続することが皆の目的だから。明日と100年後と同じように大事に想い、考えていくから。
なのになぜ投げるの止めた特大ブーメランを痛い腹に突き刺すようなことをするのか、全く理解が出来ませんよ。
皆が働いて得られた利益を国が守り、国民で分かち合う、政治というものを何だと思っているのか!バカにするのもいい加減にしろ!
投稿: スカイ | 2018年3月22日 (木) 15時24分
とても参考となる記事ありがとうございます。
これを見ている限り迫田氏から佐川氏への森友関連の情報の受け渡しがきちんと行われていなかった事から起因する佐川氏の答弁ミスを隠すためにあの書き換えを行ったのではないかと感じられます。
もしそうであるのなら切腹モノの凡ミスです。
財務省に限らず近年の官僚のずさんな仕事を原因とする問題噴出はマスコミや野党が主張する政治主導人事が原因ではなくむしろ逆で、実態は依然として官僚主導の人事が続いているからなのではないかと最近感じるようになっています。
そうでなければ説明の付かないあまりにも緊張感のない酷いモノばかりです。
今回の問題はもちろん裁量労働に関するトンデモデータを作成した人間諸々きちんと処分し、その内容を公にして「きちんとした仕事が出来ないヤツはこうなるんだ」という厳しい姿勢を見せない限り何度も繰り返すことでしょうね。
財務省への信頼失墜を危惧して岸田氏がついに「消費増税は必要」と口走りました。
窮地に追い込まれると人はその本性を現すという言葉を氏は見事に証明していただきました。
これで僕の「この人は絶対に総理にしてはいけない人々」に見事殿堂入りです。
投稿: しゅりんちゅ | 2018年3月22日 (木) 18時24分
あの「詐欺師」カゴイケのお先棒を担いで幼稚園の宣伝をしていた青山議員の質疑ってどうなんでしょうか?
https://youtu.be/eLMVwqKUZiw
カゴイケの広告搭をやっていた癖に森友の問題が発覚するとすぐに手のひら返して知らんぷり。
さもしい限りです。
投稿: 春山枯冬 | 2018年3月24日 (土) 13時12分