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2018年3月29日 (木)

中朝首脳会談は「放蕩息子の帰還」となるか?

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ご存じのように、正恩が習と会談しました。 習も北を訪問することになったそうです。

会談の様子が中国サイドから漏れています。なかなかのものです。
産経3月29日http://www.sankei.com/world/news/180329/wor1803290006-n1.html

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 「初の外国訪問が中国の首都となったのは当然で、(訪中は)朝中親善を引き継ぐ私の崇高な義務だ」(産経前掲)

最初の訪問国が中国なのは「崇高な義務」だときました。それどころか、共産国特有の言い回しですが、習を「同志」と呼び、こんなことまで言っていたようです。

「会談でも習に朝鮮半島情勢の急速な変化を挙げ、「私が遅滞なく習同志に状況を報告するのは当然だ」と言ってのけた」(前掲)

「報告するのは当然」ですって(笑)。

今までさんざん勝手放題やって、中国派は皆殺しにし、習の特使には面会も許さずに追い返しておきながら、困った時にはメンツをかなぐり捨てて飛び込んでくるというわけです。

古川勝久氏(国連北制裁パネル専門委員)は、昨日の「ザ・ボイス」で、去年から正恩の訪中は準備されていたのではないか、という見解を示されていましたが、それはないと思います。

正恩は自身がいみじくも言うように、この間の「朝鮮半島情勢の急速な変化」に尻を蹴り飛ばされて、北京に押っ取り刀で駆けつけたのです。

やっとトランプの罠に気がついたのか、正恩、といったところです。

米国がなぜ、冬季五輪を政治利用した南北融和攻勢を容認していたのか、この天上天下唯我独尊のこの男にも分かってきたようです。

それは北を首脳会談に「追い込む」筋書きだったからです。

トランプは巧妙にも、正恩の側から会談を言わせて、それをトランプが呑むという形を整え、あくまでも会談を発議したのは北という流れを作り出しました。

いうまでもなく、米国はムンの動きを完全に追跡していましたから、この動きを事前に知っていました。

そして5月中開催とリミットを切って逃げ場を塞いでおいてから、おもむろに出したカードが融和的なティラーソン解任、後任はポンペオ、そして国家安全保障担当補佐官にバランスの取れたマクマスターから「あの」ボルトンという、これ以上ありえないような超強硬対北・対中シフトでした。

彼らが仕切る会談準備なんて金網デスマッチです。考えたくもないと正恩は背筋が凍ったことでしょう。

米国は事前協議でとうぜん核査察まで踏み込むでしょうが、不調なら中止してもいささかもかまいません。なぜなら、言い出しっぺは北だからです。

北はチャブ台返しをすれば、自分が言い出したことを自分でひっくり返すことになります。

南北朝鮮の伝統芸であるチャブ台返しの技が、あらかじめ封じられているのです。

もうこうなれば、なんとか旧宗主国にすがって、米国との関係をとりなしてもらうしかありません。

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上の写真を見ると冷やかな眼で見据える習に対して、媚を含んだ眼で作り笑いする正恩というていたらくです。バツが悪いだろうなぁ。

後ろでおそらく中国関係者でしょうか、ホーっという顔をして見ているのが印象的です。

さて会談内容ですが、詳細は公表されることはないでしょう。

というか、そんな突っ込んだ交渉ができるほど、この内弁慶男に外交力量はないと思ったほうが自然でしょう。

「新華社によると、金委員長が習主席に対し、北朝鮮が緊張緩和に向けて自発的に動き、平和的な対話を提案したことにより、朝鮮半島情勢が改善し始めたと語った。
金委員長は「故金日成主席と故金正日総書記の遺訓により朝鮮半島の非核化に尽力することは、われわれの一貫した立場だ」と表明。北朝鮮は米国との交渉や米朝首脳会談の開催に前向きだと述べた。
その上で「韓国と米国がわれわれの努力に善意で応え、平和と安定の雰囲気を作り出し、平和の実現に向けて段階的かつ歩調を合わせた措置を取るなら、朝鮮半島の非核化問題は解決可能だ」とも述べた」(ロイター3月28日)

https://jp.reuters.com/article/nk-china-visit-idJPKBN1H400C

「非核化が一貫した立場」とは笑わせます。

金日成は死去するまで計40回、2代目正日も10回近く中国を訪れていますが、一貫した米朝の会談テーマは核開発でした。

初代・2代目は、ある時は親分と立て、ある時は泣き落とし、ある時は崩壊カードをちらつかせて中国指導部に核兵器技術の移転を懇願してきたのです。

結局、このアカンタレの言い分を飲んで、北に核技術を移転してしまい、いつ何時自分らに牙を剥くかわからないような国を作ってしまったのが、他ならぬ今までの中国指導部でした。

トランプがオバマの「戦略的忍耐」のツケを払わされているように、ある意味、習も今までの指導部の北の核武装支援のツケを払わされているのです。

金は、米韓が「善意でわれわれの努力に応え、段階的で歩調を合わせた措置をとるなら、非核化問題は解決できる」とし、習に意思疎通の強化や対話の擁護を要請した。
北朝鮮ペースでなければ、非核化に応じないとの表明といえ、前提は韓国特使にも訴えた「体制の安全の保証」だ。生き残りを懸け、中国を最大の擁護者とするため、「宿敵」に膝を屈して取り入った覚悟がにじむ」(産経前掲)

ここで正恩が言っていることは、「段階的に歩調を合わせた措置を実施すれば」という大前提が、非核化の前提だということです。

これはよく勘違いされるのですが、単に「北の体制維持」を意味しません。

また、この「段階的歩調」という意味を吟味して下さい。これは「段階的に」非核化をする、つまり、当面は米国に到達するICBMだけは凍結していいという意味です。

実はこれは中国のfreeze-frieze方式と合致します。

次に、今まで北は「非核化」の条件として、「北の安全保障が満たされれば」という意味で使ってきました。これはすなわち在韓米軍の撤退を意味します。

れをトータルに吟味してみると、北の言い分は次のようなことになります。

「非核化を達成するために、双方が譲歩せねばならない。我々はICBMを凍結を宣言する用意がある。
ならば、米国は在韓米軍撤退と核の持ち込みをしない約束をしてほしい。
これは中国のfreeze-frieze方式と合致するではないか。
ここさえ乗り切れば、後は熟した柿が落ちるように、南はムン同志と私で統一する。悪い話ではなかろう。朝鮮半島丸ごと中国圏だ。
ぜひ、この線で米国とかけあってもらえないだろうか」

もちろん、私の勝手な想像ですよ。

ただ、これも公式な発表がないので断言は避けますが、中国はそう簡単に「協力しよう」などいう可愛いタマでありません。

ただし中国にとって、米国に完全に喪失したと思われていた北への影響力復活、という宣伝にはつかえるでしょう。

一方、米国にとっては、かつての「地上侵攻せねば限定攻撃を容認する」という立場を中国が翻したか否かが焦点となることでしょう。

いずれにしても、中国が「窮鳥懐に入れば」といった今の状況を最大限利用することは間違いありません。

たとえば、南シナ海における航行の自由作戦の停止、経済制裁の停止などの妥協を取ろうとすると思われます。

■追記

朝鮮「日朝首脳会談、6月初めにも」 党幹部に説明 (朝日3月29日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180329-00000002-asahi-pol

北朝鮮関係筋によると、金正恩(キムジョンウン)政権が最近、朝鮮労働党幹部らに「6月初めにも日朝首脳会談の開催がありうる」との説明を始めた。日朝首脳会談に対する金正恩政権の関心が明らかになるのは、2011年12月の権力継承後初めて。

 

 

 

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コメント

記事ありがとうございます
北はかなり焦っている。中国の思惑が北といくつか一致したのでこの会談は実現したと見ていいのでしょうか?

 激動する国際政治の局面に今あるわけですね。ひやひやしながら変化を見つめております。

 中国がアメリカから何らかの譲歩を引き出そうとしておりますが、アメリカには中国に対して大きく譲ることがあってはならないと思いますね。南シナ海も東シナ海も譲れないことだし、中国への経済制裁も続けてもらいたいですね。トランプ大統領がどのような判断をするのでしょうか。ヒヤヒヤします。

 キムジョンウンはもう失脚することになりやしないか。核兵器を放棄してしまったら、いかに独裁国家の北朝鮮であっても彼の求心力は失われるだろうと思いますよ。首領様は負けたことになりますからネ。

 命乞いをする哀れなキムジョンウンの姿を想像しておりますが、実際にどうなるのでしょうか?

 トランプ大統領には、これを機会に中国封じ込めの第一歩を力強く踏み出してもらいたいですね。急ぐ必要はありません。的確な中国対策ができれはいいのです。それには、経済の面から攻めていくのが良いのではないでしょうか。ゆっくり、しかし確実な効果を得られるようにしたいものです。

 中国も北朝鮮のような人権弾圧国家です。将来は中国を潰すことがアメリカの大使命だと私は思います。実に長い間、世界は中国の非道、人権無視の政治に対して無関心でありましたが、これからは、民主主義の国家は団結して中国の横暴を阻止するような方向へ行ってもらいたいです。

 

習主席にとってみれば、独裁体制の強化による反発を一時的にでも和らげる「朝鮮半島の平和化に協力した」という実績を得るのに都合がよかったことでしょう。
それとは別に、一旦は懐に入れた北朝鮮を、あえて見捨てて米国から譲歩を引き出すことも可能になったわけです。
もっとも、選択肢を多くしたことで、かえって迷うような事にもなりかねないんですけれど。


一方の正恩ですけれど、わざわざ列車を使っての移動ということで、オリンピックの前辺りには準備していたんじゃないかと思います。
正恩の専用列車は、去年の春に列車爆破暗殺計画が有ったという報道もあり、父親の正日もまた訪中時の専用列車で爆破暗殺されかけている。
何か有ったら面子丸潰れですから、自身の影響力が落ちている事を世界に広めない為にも、相当の準備を持って安全を確保したんじゃないかと思います。


それにしても、米北韓での三者による平和構築と、自らの「主役化」を考えただろう文氏はなんとも気の毒なことよ。すっかり米中北の三者になってしまいました。
脇役になってしまえば、一大スペクタクル巨編でノーベル平和賞を貰うぞ、てのは無理でしょうね。

 記事の見方のとおりだと思います。

 正恩は、以前から国連周辺で活躍した米国ロビーを活用して旧来の国務省派に働きかける方法での「話し合い」に梶を切ったわけですが、その時点では合理的な考えだったと思います。

ところが会談が決定してからトランプ人事があって、その思惑は全くの水泡に帰し、このまま米朝会談を迎えた場合に正恩が生きる残る道はただひとつ、それは即時無条件降伏しか選択肢が無くなる事に気づいた。

この圧倒的な窮地から脱する為に正恩がする事は、宣伝の道具に用いるしか役に立たない韓国の利用程度では間に合わず、ここは魂を売ってでも中国と接着する以外ないと考えたのが北京訪問の動機でしょう。

一方の習近平は米朝貿易戦争の入口にいるので、その立場が「正恩受け入れ」の環境を作ったと言えそうですが、どうであれ表立って制裁を緩める方向に梶を切る事は出来ません。
以前から「北核は米朝の問題」として来ているので、表面的には米朝会談までは動けないでしょう。

正恩の狙いはここではっきりして来ました。
「圧力」でなく「双暫定」こそが「朝鮮半島の非核化」の動機であると歪曲理解させる事で、非核化のプロセスや検証方法を米朝イーブンに持って行き、その隙間で核を残存させるか「核の種」を残すつもりでしょう。

習近平にとってみれば懐に飛び込んだ傷ついた小鳥ちゃんが可愛くない事もないでしょうが、正恩の筋書きに乗ることは現時点では出来ないと考えているでしょう。
正恩が元旦に声明したウソの北核完成を北京訪問の理由の一つにしているからであり、つまり北京にさえ嘘をつき、そこから「正恩の核放棄宣言は真意ではない」と明確に判断しているからですね。

 それにしても、日本の主要メディアの報道は相変わらずのクズです。
安倍政権がスルーされているとか、日本の「頭越し」にとか言われますが、まったく失当ですね。
あきれました。

もし米国や西側社会がここで圧力を弱める方向に舵を切ったのならば「安倍政権の敗北」とも言えるでしょうが、現実は昨日もトランプ氏は「さらなる圧力の強化」を言っています。

その意味は現実には中国に対する牽制であり、拉致問題を抱える日本を含めた国際社会が結束を乱さないようにタガをはめる目的でしょうが、まるで安倍政権の援護の為に言っているようにすら感じられなくもなかった。

日本の主要マスコミは常に、あたかも「話し合い」がヘイワの着地点ででもあるように錯覚しているので評価を間違えるのです。
バカバカしいかぎりです。

米朝、米中関係は管理人さんの見立て通りだとおもうのですが、一つ気になるのは、EUとロシアの関係が非常に厳しい状況になりつつある今、中国と北朝鮮、ロシアが近づくのは目に見えていますし、北にとっては、大手を振って石油をはじめとする資源を手に入れる事ができるのではないでしょうか?ロシアがシリアのアサド政権を後ろから支援していて、北とロシアが密接(現状でもそうでしょうが)になれば、北の核がシリアに流れる可能性が大きくなり、そうなれば中東情勢も大変不安定になります。まさに、第二次大戦前の世界の状況に酷似してきている気がします。北の将軍様がどこまで考えているか分かりませんが、結果的にその状況を作り出すことに成功したのではないでしょうか?今ここで、トランプが引き金を引けば世界大戦規模の厄災になる可能性はないのでしょうか?杞憂なら良いのですが。

一言一句、山路さんの仰ることに同意です。
この国のマスコミの酷さときたら当に「マスゴミ」としか言い様がないのですから。
是非とも言わせてください。

おまえら安倍さんのこと批判してるけどさ、安定政権で外交を維持してきた安倍さんが辞めたら日本がどうなるかわかってるんか?
万が一反日売国パヨク政権にでもなったらどうなるか想像してみろよ 。
北方領土はロシアの主権で確定するし、中国包囲網とか言っておきながら結局失敗して一路一帯に参加することになるだろうよ。
竹島問題にはダンマリで慰安婦像が世界中にボコボコ建つようになるし、北朝鮮の情報を教えて下さいと米中韓に土下座するような情けない国に落ちぶれ果てる。
そして肝心のトランプ大頭領に幾ら媚びて兵器を買いまくっても関税掛けられてあっさり切り捨てられるに決まってる。

そんな日本になったらどうする?

ジョンウン君は、核開発施設が落盤事故を起こしてから
このかた、なんとか時間稼ぎをしているに過ぎない、と
私は考えていますわ。ICBMさえ実用化してしまえば、米
中露その他を、どうにでも天秤に掛けることが出来ます。
まさにトランプ遊びのジョーカーです。

北朝鮮国内向けには決して知らすことの許されない卑屈
な態度を取っているのも、「ミサイル完成はもうすぐだ、
今に見てろよ、9回裏満塁逆転代打サヨナラホームランだ
かんな、コノヤロー」ということです。

もし不幸にもそうなったら、日本が一番困ります。防ぐ
自前の抑止力が無いからです。トランプ親ビンはシビア
なので、北・中・露とのディールの方が自分達に有利になる
と判断すれば、迷わず日本に冷や飯を食わせると思います。
米国だって、本土に到達可能なICBMは怖いですから。

日本としては、着弾被害をコストだと割り切って未来の禍根
を排除すべく米国の北空爆を推すのか?なんか一番の冷飯
を食うハメになるのを又もや耐え難きを耐え忍び難きを忍ぶ
のか?なんやらロクな選択肢しかありませんやね。国会の
バカ騒ぎがうらめしい・・

別件失礼

中朝合作に先立って、民進党と希望の党が元サヤに戻ったようですね。

新党名は「新しい民主党」だそうです。
政党ロンダリング再び。

つか、民主党って名前が嫌で分裂したんじゃないんかい!(ビシッ)

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