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2018年3月 5日 (月)

本日、韓国の使節団訪北へ

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五輪がとにもかくもに終了し、待ってましたとばかりにムン閣下が素早い動きを見せています。 

というか、期間中もめいっぱい助走をつけていたので、一気に飛距離を狙ったというところでしょうか。 

どこへって?もちろんピョンヤンに向かってです。

「韓国政府は、4日、ムン・ジェイン(文在寅)大統領の特使として、大統領府のチョン・ウィヨン(鄭義溶)国家安保室長などを、5日から2日間の日程で、北朝鮮の首都ピョンヤンに派遣すると発表しました。
韓国大統領府は、4日午後2時から記者会見し、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が先月、ピョンチャンオリンピックに合わせて、妹のキム・ヨジョン(金与正)氏に親書を託し、特使として韓国に派遣したことへの答礼として、5日から2日間の日程で、ムン・ジェイン大統領の特使をピョンヤンに派遣すると発表しました。(略)
特使として派遣されるのは、大統領府のチョン・ウィヨン(鄭義溶)国家安保室長をトップに、情報機関である国家情報院のソ・フン(徐薫)院長など5人と、随行員5人の合わせて10人です。」(NHK3月4日)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180304/k10011351241000.html 

「特使団は鄭氏のほか、情報機関・国家情報院(国情院)の徐薫(ソ・フン)院長、統一部の千海成(チョン・へソン)次官、国情院の金相均(キム・サンギュン)第2次長、大統領秘書室の尹建永(ユン・ゴンヨン)国政状況室長の5人」
(聯合3月4日)

http://news.livedoor.com/article/detail/14384608/ 

Photo
5日といえばなんと今日で、時期を置くと南北融和の「感動の余韻」が覚めてしまいますから、あえて五輪直後を選んだのでしょう。

チョン・ウィヨン国家安保室長が代表ということですが、外交の相互主義からいえばこれでいいのか、他人ごとながら心配になります。
 

北は五輪に序列2位のキム・ヨンナム(金永南)とキム・ヨンチョル(金英哲)労働党副委員長、そしてなにより「白頭山の血脈」であるプリンセス・ヨジョンまで送ったのですから、本来ならイ・ナギョン(李洛淵)首相クラスを送るべきですが、妙に腰が引けていますね。 

Photo_3https://www.j-cast.com/2018/02/20321626.html

外交上の答礼と韓国は称しているようですから、だったらなおさらのこと首相格を送るべきでしょうし、ほんとうは元首であるムン自身が飛んで行きたいことでしょうね。 

まぁただ、それをしたら投了となってしまいますけど。 

Photo_4

 チョン室長は、去年からの北との秘密交渉を担い、今回の五輪で訪韓した北のテロリストの親玉・キム・ヨンチョルと会談しています。 

政権中枢には位置しますが、いわば実務者レベルであって、政権内で数少ない知米派だとされているそうです。 

ピョンヤンに一泊して、帰国したらその足で訪米するそうで飛脚も大変です。 

「一行は帰還後に訪米し、トランプ政権に訪朝結果を説明する。大統領府は「中国や日本とも緊密に協議を続けていく」としている。
 鄭氏は、マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らとの関係を構築した「米国通」と位置付けられている。徐氏は、過去2回の南北首脳会談の実務交渉を担った上、現在も北朝鮮や米情報当局とのパイプ役とされ、2人の起用は米朝双方への説得を見据えた布陣といえる。2人は与正氏や、五輪閉会式に派遣された金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長とも面談した」(産経3月4日)

 北がどのように対応するか見物ですが、行く前からそうとうに見えてしまうのが気の毒です。 

正恩はおろかヨジョンすら、まず絶対にこの程度の実務者クラスとの会談には顔を出しません。

万が一交渉ごとに失敗したら、「白頭山の血脈」が泣きますから。

閣僚級とはいえ、チョン室長はしょせん実務者でしかなく、相互主義として例のキム・ヨンチョル副委員長くらいがお相手することでしょう。 

チョン室長が非核化を口にするとしたら、例のムンが既にキム・ヨンチョル副委員長との会談で提案済みの「段階的・包括的アプローチ」とやらを繰り返すにとどまるはずです。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2018/02/post-9cab.html 

これは中身スカスカで、いったいどうやって「段階的・包括的非核化アプローチ」できるのかまったく分かりません。たぶんしゃべったムン当人も分かっていないはずです。 

この案は、中国のfreeze-freeze方式の焼き直しで、要は米国が米韓合同軍事演習をフリーズ(凍結)すれば、北も核・ミサイル実験をフリーズするといったものです。 

メディアはほとんどこの案を伝えていませんし、そもそもなぜこの案がダメなのか説明していません。 

それは北が口で凍結すると「言った」だけでは、なんの保証もないからです。 

本来、NPTの枠内で凍結するならば、国際機関の査察官が現地で検証作業をせねばなりません。 

かつての2002年・2007年の寧辺核施設(ヨンビョン)の時と同様に、IAEAの査察官が北の核施設を自由に査察し、封印する権限を与えられねばなりません。 

Tto_tto_ttod2007年6月25日、北朝鮮 入るために北京に到着した国際原子力機関(IAEA)の北朝査察責任者オリ・ハイノネン。AFP 

「ハイノネン氏は、空港で報道陣に「の寧辺(ニョンビョン)の核施設は確実に停止、封印される必要がある。今回の訪問は長い道のりの第1歩だ」と語り、寧辺を訪問するかとの問いには「訪問したいが、北朝鮮に行ってみないとわからない」と答えた」
AFP 2007年6月25日
http://www.afpbb.com/articles/-/2244507?cx_position=16

核開発凍結を検証するには、北朝鮮国内をIAEAなどの国際機関の査察官が、一切の制限なしに調査活動する移動の自由が認められねばなりません。 

いかなる秘密研究施設であろうと、軍事基地であろうと査察官は自由、かつ無制限に立ち入って調査する権限を認められねば、核開発の「凍結」の担保たりえません。 

今の北が、そんなことを許すはずでしょうか?もちろん修辞疑問です。

2代目の時には核査察はヨンピョン核施設の一カ所だけで済みましたが、今や北国内に何カ所の核ミサイル発射基地や核製造施設が存在するのか、その実態すらわからない状況です。

まずは、ムンが第1段階で凍結を言うなら、その前提として北にすべての核施設・ミサイル発射基地・核兵器貯蔵施設・核実験場などの資料を洗いざらい出させることです。

どこの山の山腹に、どんな移動式発射機を隠しているのか、そのミサイル型式と弾頭の種類などのマップが必要です。

そしてそれが真実かどうかIAEAの査察官が、一切の束縛なく自由に北国内を査察せねばなりません。これが米国もいうところの「検証可能かつ不可逆な非核化」です。

それしか凍結が担保されることはありえません。 止めると「言った」だけでは無意味なのです。

北のシンパの方はお怒りになるかもしれませんが、北が重度の嘘つきであるのは有名だからです。

仮にそれができるようなら、もう一方のフリーズである米韓合同軍事演習をフリーズしてもいいかもしれません。

日本でも「話し合い」や「対話」を妙に意味ありげに言う識者が絶えませんが、真の対話は必ずその背後に担保が必要なのです。

ここで北から拒絶されたら、もうムンに後はないですから、北も小さなお土産くらいくれるのかなぁ。

行ってらっしゃ~い、チョンさん、お土産は期待していませんからね。 

 

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コメント

 今日の記事は私にとっては非常に興味深いものがあります。わたしは、国際交渉の実態があまりわかりませんので・・・。

> 北がどのように対応するか見物ですが、行く前からそうとうに見えてしまうのが気の毒です。

 北はどのような対応をするのでしょうか、興味深いですね。ありんくりんさんの見立て通りでしょうか?


> これは中身スカスカで、いったいどうやって「段階的・包括的非核化アプローチ」できるのかまったく分かりません。たぶんしゃべったムン当人も分かっていないはずです。

 興味深いご指摘だと思います。

> 本来、NPTの枠内で凍結するならば、国際機関の査察官が現地で検証作業をせねばなりません。

 おっしゃる通りだと思います。凍結もシッカリしたものでなければなりません。国際機関の査察が必要ですね。

 中央日報によれば訪朝の目的は「答礼」とは別に、それぞれ鄭義溶国家安保室長は「朝鮮半島の非核化に対する北朝鮮の態度を確認するため」であり、徐国家情報院長は「今後の南北の交流と首脳会談の道筋を付けるため」であるとしています。

中央日報としては何だか文政権寄りのパンチのない記事ですが、北の「核に対する態度」など確認しなくても分かり切った事ですし、鄭室長の本番は訪米の方にあって、「いかに米国に対話のハードルを下げさせるか」の課題に向けた演出的訪朝にすぎないでしょうね。

≫「もうムンに後はないですから、北も小さなお土産くらいくれる」、のだろうと思いますが、案外に統一に向けたビックプレゼントになるかもです。
盧武鉉が自殺した後、その墓前で泣きじゃくり「高麗連邦は私が必ず達成します」と誓ったほどの馬鹿ですから、北は南を釣る「餌」には事欠きません。

しかし米国は、北が韓国を懐柔・接着すればするほど、そこに「弱った北朝鮮」を見るのであって、仮に最終的に「サージカルストライクを実行しても有効な反撃はないだろう」との判断に傾くのだろうと思います。

韓国が北朝鮮に特使を派遣する訳ですがその後、特使が米国を訪問し成果を直接トランプ政権に伝えるようです。
しかし、韓国が米国が望むような成果-完全かつ検証可能で不可逆的な非核化-など出せるとは思えません。

むしろ韓国が北朝鮮に色々要求されて、米国にジャンピング土下座でお願いするのではと邪推してしまいます。
ただ、韓国は常に更なる斜め上を行く事もしばしばありますから予想ができません。

既に米国韓国合同軍事訓練に北朝鮮軍の訓練参加も検討している(保守速報さんからの情報)
との話しが韓国から出て来ているとか。
もし事実であるならば五輪の乗りで軍事訓練かょ…
と呆れ返ります。

ムンムン大統領。
韓国の大統領では無く、北朝鮮の外交官にしか見えません
(; ̄∀ ̄A

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