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2018年4月26日 (木)

イラク日報問題のくだらなさ

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イラク日報問題ほど、心底ウンザリさせられる事件はありませんでした。 

朝鮮半島でいつ何どき有事になってもおかしくない時期に、よりによって自衛隊を上げて日報探しですか。 

小野寺大臣は、「本来業務に支障がでている」と述べています。まったくどうかしています。 

日報があったのなかったの、出てくれば出てきたで「戦闘」があったのなかったの、どーでもいいでしょう、そんなこと。 

メディアは「記録文書が廃棄されていた」と書きますが、そういう表現を使うとまるで自衛隊がこっそりと文書の隠滅行為をしたか、政権に「忖度」して隠滅したかのごとくに印象されます。

財務省は実際に、省トップに「忖度」して文書改竄をやらかして痛ましい自殺者までだしてしまったのですが、「さぁ皆の衆、自衛隊も同じだ」と言いたいようです。 

その通りです。メディアは、またまたモリカケ・カイザンと同じように「政権に忖度した」という手垢のついた構図にもちこみたいのです。

メディアさん、柳の下にいったい何匹のドジョウを飼っているんだい。

違います。財務省の公文書改竄や書き換えは罪に問われる可能性がありましたが(結局、大阪地検は立件できなかったようですが)、自衛隊は違法行為をしたわけではありません。

前にも一度紹介したことがあった、2011年4月1日付「防衛省行政文書管理規則」第2条を見てみましょう。
防衛省行政文書管理規則

「防衛省行政文書管理規則第2条
この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)行政文書  防衛省の職員(以下「職員」という。)が職務上作成し、または保管した文書(図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。以下同じ。)であって、職員が組織的に用いるものとして、防衛省が保有しているものをいう。ただし、法第2条第4項各号に掲げるものを除く」

メディアは、「ここでもあそこでも文書発見」という報じ方をしますが、そりゃあるでしょうよ。 

そもそもこの管理規則がいうように、自衛隊では「組織的に用いるものとして、防衛省が保有」していなければ廃棄するのが決まりだったからです。 

防衛省が保管を義務づけているのは、文書管理規則によれば「組織的に保有する」旨の指示を出して、防衛省中央の文書アーカイブ内に保管してあるものを指します。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/post-68f6.html におけるaetos様のご指摘を参考にさせていただきました。感謝します。 

ですから、職員が個人の参考資料として自分のローカルPCに入れておいたものが見つかっても、あったからナンだというのでしょうか。 

自衛隊は24万人を擁する大組織です。

ひとつの巨大企業として考えれば、文書規則に則って本社のアーカイブに入れなかった文書が、膨大な数に登るのはあたり前です。 

本社総務課で、海外支社や支社、出張所レベルの作業記録まで残していたら、大変なことになりますからね。 

だから、しかるべき正当な手続きを踏んで防衛省中央アーカイブに保管したもの以外の文書は、「なかった」と答えてよいのです。 

それが、自衛隊の訓練研究所の個人のPCの片隅に参考資料として残っていたからと言って、そのどこが問題なのでしょうか。 それは隠滅でもなんでもありません。

イラク派遣空自指揮官だった織田邦男元空将は、このように述べています。(アゴラ2017年8月23日)
http://agora-web.jp/archives/2027909.html

「先ず2011年施行の「公文書管理法」に関する認識の甘さは、陸自は責めを負わねばならない。
この法律は「公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」であり、「適切な保存及び利用等を図り」、「現在及び将来の国民に説明する責務が全う」することを目的とする。
従って行政機関で作成され、「組織的に用いる」文書はすべからく公文書となる。盲点は、個人パソコンに保存される電子データも含まれることである」

公式には保管していなかったものを、隊員の個人が陸自隊員なら誰でもおとせる共有ホルダーからダウンロードして、たまたま持っていたというだけの話です。

そもそも、このような他国では間違いなく情報公開法の埒外に置かれるべき日報をなぜ公開してしまうのか、理解に苦しみます。 

イラク日報が公開されましたが、専門家が見ればイラク派遣の自衛隊の配置体制がどのようになっていたのか、弾薬や食料の状況はどうであったのか、どのような命令を下されていたかなどなどの、隊員の安全に直接関わるような情報が手にとるように分かってしまいます。 

自衛隊は市役所ではありません。軍隊、おっと違った、「実力組織」です。 

したがって、その安全は隊員の生命と直結します。 

このような日報をただの「行政文書」扱いにして開示することはあってはならないことです。

後に防衛省防衛研究所戦史研究センターのようなセクションが収集・編集して、アーカイブに保管し、数十年後(国際常識では30年から50年)の歴史研究のための開示に備えればよいのです。 

次に、でてきた日報に「戦闘」、あるいは「銃撃戦」があったと騒いでいますが、野党とメディアはこれが政府の「非戦闘地域」という説明と矛盾していると批判しています。 

そりゃ、銃声が聞こえれば「戦闘があった」と隊員は正直に書きますよ。

脱線しますが、きっとこの日報事件で懲りた自衛隊は、今後日報に「戦闘」やそれに類する表現は使うなと内々に指示するでしょう。 

すると派遣された部隊は、「集団で争う物音がした」なんて、書くんでしょうな。

こんな低劣な言葉狩りをすれば、現場では必ず言葉でかわそうとする対抗策が出ますから、いっそう真相がわからなくなるのです。

馬鹿か。かえって真相がわからなくなるだろって。

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それはさておき、問題はその「戦闘」がどのような性質であったかです。 

自衛隊がイラクに派遣された根拠法は「イラク特別措置法」ですから、それを当たってみましょう。

イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施
3 対応措置については、我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域において実施するものとする」

はい、ご覧のとおり、イラク特別措置法による「戦闘行為」の定義は、あくまでも「国際的武力紛争の一環として行われる」戦闘なのです。 

2018年4月17日の、小野寺防衛大臣の記者会見の文書をみると更に「戦闘行為」は具体的に定義されていることがわかります。
防衛大臣記者会見概要を掲載 - 防衛省

「国内治安問題にとどまるテロ行為、あるいは、散発的な発砲や襲撃などのように、組織性や計画性、継続性が明らかでなく、偶発的なものと認められ、それらが全体として国又は国に準ずる組織の意志に基づいて遂行されていると認められないようなものは、イラク特措法にいう「戦闘行為」に当たりません、というのが政府の今までの解釈であります。このような判断基準に照らし、自衛隊が活動した地域は、いわゆる「非戦闘地域」の要件を満たしていた」

つまり「戦闘行為」とは、日報に書かれた「戦闘」や「銃撃戦」一般ではなく、あくまでも「国、または国に準じる組織」が、継続的、かつ組織的に戦闘を行っている状態を指すのです。

その対象は国際人道法によって、捕虜の保護・交換などを行える「国、ないしは国に準じる組織」なのです。 

ですから、山賊まがいのゲリラやテロ集団が「銃撃戦」を行おうと、それは「戦闘行為」とは呼びません。

銃声が鳴ったから「ほら、戦闘が起きているぞ。政府はまたウソをついていた」ではないということです。 

野党・メディアは、政局にしたいあまりに「戦闘行為」を極度に矮小化して捉えているからおかしくなってしまったのです。 

私はなんどか書いてきていますが、日本が本気で国際平和維持活動に参加するなら、現在のPKOが日本がPKO5原則を作ったのどかな時代から大きく変わっていかざるをえなかった実態に対応して、新たなPKO方針を議論すべきだと思っています。

しかし、こんなイラク派遣の根拠法ひとつ読まないような野党・メディアにはその百歩手前で止まったままですから、望むべくもありませんが。

とまれ野党とメディアは、安全保障問題を政局のオモチャにするのは止めなさい。 

 

 

 

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コメント

全く同感です。

イラク日報問題を言うなら、小泉純一郎元総理の責任追及すべきですが、安倍憎しで凝り固まった野党とメディアは聞く耳持たないでしょうが。

自衛隊は公務員である以上、情報開示請求の対象になってしまうので早急の特例処置等の法整備は絶対に必要ですね。
今回の情報整理においても多額のコストがかかっているのでしょうし、ただでさえここと持たない防衛費がこのような事で費やされるのはこれっきりにしてして欲しいものです。

テロリストやゲリラの攻撃は「戦闘行為」と認めないロジックは姑息だと思います。
アサドが反体制派はテロリストだから反体制派への攻撃は停戦合意には反していないと言っているのと同じ感じがして。
そもそも、非対称戦が多くなっている現在、国際法のそのルールは時代遅れのものとなっているのでは?

当時にPKOの在り方をもっと議論した方が良かったのでしょうが。

中華三振さん。姑息と言われても、特別措置法の立て付けがそうなっているのでしかたがありません。

これは憲法の交戦権との絡みでそうなったのです。
相手を「国、ないしは国に準じる組織」にしてしまうと、憲法の禁じる交戦と解釈されてしまうから、それが予測される地域には自衛隊は派遣なきなくなってしまいます。

おっしゃるように、現実の現地は混沌としていて、そんなに明確な区分けはありません。
仰せのように、正規軍同士が対置する関係ではなく、正規軍とわけのわからない武装集団といった非対称です。

戦闘が終了しているのか、していないのかも明確でなく、停戦協定などあってなきが如しの場合もあります。

また「国、あるいは国に準じる組織」と言っても、南スーダンのように、本来のホスト国の軍隊が、大統領派と副大統領派にわかれてドンパチしているケースすらあります。
この場合、どちらが国軍なのでしょうか?

「国に準じる組織」といっても、各派に分かれて民兵がうじゃうじゃいるわけで、彼らのどれを「国に準じる組織」と認めるべきなのかを判定するのは、ははなはだ困難です。

そして連中は、正規軍も含めてですが、平気で住民を略奪をし殺戮しているわけです。

では、このような悲惨な状況を国際社会が放っておいていいのか、ということです。

だからこそ、国連がPKOで介入して、住民を守らねばならないのではないかというのが、日本をのぞく国連加盟国の合意認識です。
今のPKOは、18年前からほぼすべてこの形で遂行されてきています。

おっしゃるように、国内の硬直した憲法解釈に縛られているくらいなら、「国際社会で名誉ある地位を占めたいと思ふ」なんて前文の理念にエラソーに書き込まねばいいのです。

つまるところ憲法問題ですが、それを言いだすととりあえず何もしないことにしよう、でオシマイになってしまいます。
汗を流さず、リスクも負わず、金しか出さない現金自動支払機のような国。
これがPKO参加以前の日本の国際社会での定評だったことを思い出して下さい。

ですから、その都度「姑息」な言い訳をして国際警察活動に協力しているということです。

自衛隊の日報というのは、元々過去の「戦陣日記」や「戦闘詳報」と同じものですので、その都度公開するような代物ではありません。隊の安全にも直接かかわるものです。

そんなもんをイチイチ公開してたら、「あ、あそこの日本の部隊はそんなふうに考えてそう動くのか!」と他国に教えているようなものですね。
本来は10年とか25年といったスパンで中央に集めた資料だけを公開するシステムの法整備を作って、そのアーカイブに保存されるべきものです。

現地の「個人の感想文」なんてのは、ただの「日記」以外の何の意味もありません。
それこそ半世紀も経ってからNHKやTBSが特集で取り上げて番組を作る時には少しは役に立つかもしれませんけど。。

http://agora-web.jp/archives/2027909.html
元空将の方が昨夏に具体的なことを書かれています。
昨年から今日までの記事や山形さんのコメントと同じ問題提起と対策です。
オールドメディアと野党は当時からずーっと引っ張って解決はさせずに停滞させて首をとる為だけの活動ぶりで、今朝のウンザリ表記に深くうなづきます。
前にコメント欄で指摘されていた日報を何故閲覧のみでなくダウンロード可能なまま運用していたのか。このシステムを変えないで日報の保存期間を延ばしのり弁開示文書枠から外すと、更に混沌とした文書埋蔵状況が作り出されます。

海外の官庁にもびっくりするような間違いや杜撰な文書管理例はあるので日本だけが悲観する必要もないのですが、今法改正も含めて見直すと言っている政府や行政、法を立てる方々の情報管理への理解がどれくらい世間の標準に追いつけているのか、はなはだ疑問です。


とにもかくにも先立って、スパイ防止法を成立させて欲しいと思います。

宮古の陸上自衛隊配備についてNHK沖縄ローカルニュースの報道がありました。

配備される地区についてのものです。「自衛隊の配備によって平穏で静かな生活が脅かされないか、住民の間に不安が拡がりました。」
実際の造成工事が行われるにあたって、地区の整備を条件に苦渋の決断で反対から容認に転じたということです。

それでも、反対の意思を貫く方の言「国防の空白地帯かわからないですけど、これまで戦後70年あまり空白地帯で何かあったんですかと、それを聞きたい」

意見がいろいろあるのはわかります。しかし、公共放送たるNHKが自衛隊に対し否定的な印象であるのに強烈な違和感を感じます。先島地区の総意が自衛隊に否定的とは思えませんし、与那国なんて中学生まで巻き込んだら誘致賛成が大勢になってしまったんじゃなかったっけ?

↑私です。失礼しました。

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