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山路敬介氏寄稿 かくれた基地推進派~翁長知事は早期辞任の決断をしろ その4

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今回で山路さん寄稿の最終回です。 

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承前

翁長氏の中に眠る琉球士族血の怨念 

すでに知られるところですが、翁長家は琉球王朝に仕えた首里士族の末裔です。 

旧士族としての唐名(からな)を「顧」氏と言い、この姓名は重要でこれで「門中」も成立しています。 

篠原章氏がどこかで書いていましたが、翁長氏の先祖は琉球処分時には喜界島に赴任していたそうで、まさに琉球処分によって没落の憂き目にあった典型と言えましょう。 

知事が高裁で行った知事の意見陳述では、「歴史的にも現在においても、沖縄県民は自由・平等・人権・自己決定権をないがしろにされていた」という文脈の中に琉球処分を位置づけ、これをも歴史的な「「魂の飢餓感」の一因としました。 

私はこれには今でも「フザケるな!」と言いたい。 

知事ら旧士族の先祖にとっての「琉球処分」は知事の評価のとおりでしょうが、大多数の琉球国民にとっての琉球処分は「農奴からの開放」であって、国民の自由・平等・人権・自己決定権をないがしろにしたのは琉球王朝の手先となった知事の先祖たる琉球士族たちの所業のゆえです。 

かつてこのような馬鹿げた事を保守側の政治家が言った前例はなく、不必要な対立を避け、歴史の汚い部分を語る事を極力避ける知恵を皆が持っていたものでした。  

その傷口をわざわざ引っ掻いてみせるような様を知事は見せたのであって、それゆえ私としてはそこに知事の「情熱」の根源を見ざるを得なくなります。 

知事の言うような事は歴史家が自己の歴史観から言う事は自由ですが、知事としてのこの見解はまんま歴史修正主義的であり、到底許せるものではありません。 

どうもロマンチストというものは主観的にすぎて、ストーリー重視のうえに歴史を多角的に見る観点が不得手なようで、故意でないにしろその時の状況に従って都合よく解釈する方向に与しやすい性質があるのです。 

翁長氏の自滅は約束されていた 

ともあれ、そうした意識を根底に秘めた知事が目指したものは、「どうせ国がつくる」辺野古移設反対や阻止ではなく、政府と沖縄と間の関係性の再構築です。 

知事にとっての米軍基地の存在は、沖縄と日本を結ぶ「特別で妙なる紐帯」であり、基地があるからこそ、そこを利用して本土との交渉に役立て、その結果として物心ともに潤ってきた経験が過去に多々あったわけです。 

しかし、近年では運動員の高齢化や米軍の努力、日本を取り巻く安全保障環境の悪化があったりして県内の基地反対派勢力が激減してきていて、本土からの「基地反対」の声も低調です。 

知事の眼目は「本土と沖縄との力学的バランス」を温情的な旧経世会時代そのままに戻したい狙いであって、それでこそ県議時代に革新の太田知事を議会で追い詰め、辺野古移設計画に尽力した自分と内部矛盾なく一貫性を持った人生として完成されるのです。 

知事のこうした心情はシュミットの言う政治的ロマン主義の特徴にして根幹をなす「~~を取り戻す」のような「復古主義」そのままであり、ここにこそ知事の主観的な価値観と情熱の根源があると言って良いと思うのです。 

それを「以前から積み重ねたうえでの約束だから」とか、「普天間の危険性の除去」だとか木で鼻をかんだような正論を言われても、知事には到底受け入れらもしないのです。 

しかし、安倍政権が「頑な」なのではありません。知事の責任です。 

共産党をも内にはらんだ県政である以上、どのような政権であっても「話し合い」は成立の余地がなく、翁長氏は最初から自滅する事を約束されていたのですから。  

                                                                                                (了) 

                                                                                                                                                      文責 山路 敬介

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沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

山路様
記事ありがとうございました。翁長氏とロマンチストな一面とが結びつくとは考えもしませんでした。

私の翁長氏の印象は、
日本政府、自民、共産、革マル、民間資本、米軍に中国共産党まで振り回してまで沖縄をオークションに掛け金を引きずり出させた市場荒らしであり、
身の回りを自分の影響下にある者達で固めることに余念のない利権屋でした。

しかしそこにロマンを乗せると、ひょっとしたら琉球独立は半分本気で独裁者となるのを目指していたのか?とすら思えてきました。ご本人も実現できないと思っていただろうことは実績からわかりますが。

ともかく翁長氏の野望は終了しました。国家機関に目をつけられ、支援者が四分五裂し、共産党の恨みを買った。全て氏が主張よりも利権を求めて右往左往した言い逃れのできない結果です。

皆様が仰っている通り、最後まできちんと表に出て、最後の審判を受けいれて頂きたいと思います。

投稿: スカイ | 2018年4月25日 (水) 07時25分

 スカイさん

 おっしゃるように翁長氏が健康体そのままで二期目の選挙戦で審判を受ける事が理想です。

しかし、報道より実際は進んでいて翁長氏の容態は案外思わしくなく、結果的に薬で散らしながらも知事職を全うすべき、という革新側の非人道的なあり方には疑問を禁じざるを得ません。

投稿: 山路 敬介(宮古) | 2018年4月25日 (水) 09時09分

大変勉強になりました。ありがとうございます。
翁長氏の言った琉球士族の恨み辛みの話は、日韓併合によって自由を手に入れ喜んだ平民や農民と対照的に、それまでの搾取階級だった両班が特権を奪われ、それが未だに「日本支配に苦しめられた歴史」の根拠としている韓国の反日思想にも繋がるものと思いました。
まあ、翁長氏の物言いも、自らを正当化するストーリーなのでしょうが、本当に県民の幸せを願って言っていない、一つの証拠なのかもしれませんね。

投稿: 都下人 | 2018年4月25日 (水) 09時51分

山路さん、記事ありがとうございました。
なるほどと得心するところも多かったです。

思想なき心情の人。それは役者に似ているのでしょう。
民衆感情に嵌って大受け。オール沖縄劇場は大ヒット間違いなし。

オール沖縄劇場の閉幕が「打ち切り」ということにならなければ良いのですが、患者本人の気力を持たす為に、あえて結果を伝えない(報道しない)ということはありえます。
この場合は厄介な事に、本人の為に黙っていたという「人道的な理由」が成立してしまう。

報道発表よりは、翁長氏の顔色とかを見たほうが正確な情報が分かるかもしれませんね。

投稿: 青竹ふみ | 2018年4月25日 (水) 12時14分

結局は自分の権威を高めるためには手段を選ばない人物なので、いたる所でダブルスタンダードを発生させそれが広く明るみになったのが先の浦添市長選でした。
ある意味で安倍総理よりもケンカを売ってはいけなかった松本市長に対し全面対決をしかけ、自分が市長時代に進めた那覇軍港移設を受け入れた事に対して松本市長を批判するという自己矛盾を指摘されて沈黙するという大失態を演じてしまいました。
本来なら左派勢力を説き伏せて浦添市長選では基地移設を焦点に当てない戦い方をしなければいけなかったところでしたが内ゲバによる副知事の辞任、直前の宮古市長選のゴタゴタなどでそれどころではなかったのでしょう。

沖縄の地政学的リスクを逆手にとり日、米、中の美味しいどこ取りをしつつ東シナ海における地位を確立するという野望は結局は逆に地位固めに引き込んだ共産勢力に振り回されるだけで終幕となりそうです。

むしろ問題はこれからで、中国や共産勢力の引き入れ、琉球独立思想といった翁長氏がなりふり構わず開けまくったパンドラの箱の影響は今後とも燻り続けるでしょう。
今は観光景気に支えられている経済が政権交代や増税などで大きく傾き出した時にどうなるのか、それに対抗するビジョンを持った後継者を沖縄県民は選択する事ができるのか?

次の知事選はそこに焦点が当たる選挙になる事を願ってやみません。

投稿: しゅりんちゅ | 2018年4月25日 (水) 12時53分

山路さん、ありがとうございました。
県や県民のことはそっちのけで、ただ知事になりたいだけで当選した。
辺野古も反対しつつ完成させる腹づもり、あらゆる無駄金を使って反対のフリなんですね。

純粋に反対運動してる人達や基金に寄付してる人達は気付かない方が幸せです。
こちらを読むこともないでしょうし。


全く話は違いますが、みていた水曜ダウンタウンの番組内で「那覇市民は那覇の字が書けない説」の検証取材。

市民だから書けて当たり前と思いきや…世代を問わず書けない人が続出。
那覇が書けないが名前は書けた我那覇さんには失笑。

更に驚いたのは、中高生が自分の生年月日や住所を書けない、知らない実態。
近い将来この子たちは選挙権を得、何を考えて投票するのか、いやそもそも投票には行かないのかな。

戦争の話を伝え教える前に、基地反対を叫ぶ前に家庭や学校でやるべきことが沢山あるのではと感じました。

投稿: 多摩っこ | 2018年4月25日 (水) 23時47分

しゅりんちゅ様

>今は観光景気に支えられている経済が政権交代や増税などで大きく
>傾き出した時にどうなるのか、それに対抗するビジョンを持った後
>継者を沖縄県民は選択する事ができるのか?

名護市民の一人として、今最も心配しているところです。

投稿: ミィ | 2018年4月26日 (木) 01時10分

伊波普猷が言った奴隷制からの開放とは、王府からの開放と誤解してる人が多いですけど、
正確には薩摩からの開放を意味するらしいですよ。

投稿: 佐藤 | 2018年4月26日 (木) 11時16分

ここのところ忙殺されていてなかなかコメント出来ませんがくれない丸さんの普天間続報と山路さんらしい人物分析、毎日拝読しておりました。
翁長知事は両陛下ご訪問の際には県民に寄添いひとりひとりに向き合われるお姿に大変感激したという、琉球独立とは違う立ち位置のコメントを沖タイが拾っていましたよね。
この人ホント本意が無い人なのかと驚いたのですが、今回の分析ラインに乗せると彼的には矛盾しないですね…。

しゅりんちゅさん、
>今は観光景気に支えられている経済が政権交代や増税などで大きく傾き出した時にどうなるのか、それに対抗するビジョンを持った後継者を沖縄県民は選択する事ができるのか?
他府県や国政でも同じ危機感を有権者が持つべきだと思いました。
待望のまともな野党らしきものが現れ、私達がそれを選んで約束を反故にされて為すすべもない。有耶無耶にして自民に戻して繰り返す。
その昔の民主党のような、昨今の小池知事&都民ファのような。このクソな循環の牽引者はオールドメディアです。彼等は国民が「自民党のまともなカウンター」をいつも潜在的に願っているのを利用して詐欺を繰り返します。消費税を凍結しても景気は絶対いつか傾きますから、それまでに何とかあの詐欺集団の既得権を削いでおきたいと願っています。

投稿: ふゆみ | 2018年4月26日 (木) 15時04分

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