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六カ国会合で定義された「朝鮮半島非核化」とは

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風邪を引きました。喉の痛みで声がでません。頭の中に鉛でも入れたような気分ですが、指は動くのでできるところまでやってみます。 

南北首脳会談がいかなるものであったのか、日本人には一部メディアをのぞいて少し分かってきたようです。 

実におかしな「歴史的会談」なのですよ、あれは。

「非核化」こそがテーマなはずなのに、正恩の口からはひとこともその言葉はありませんでした。 

というか、会談そのものがなんのために開かれたのかといえば、非核化だったはずです。 

それが大前提で、だから国際社会が注目したわけですね。 

ところが、非核化のための会談の結論が非核化だというのですから、なんのことやら。別な言葉に置き換えてみましょう。そのおかしさがわかります。 

「和平会談の結論が和平」では、意味をなしません。同義反復ですからね。

南北首脳会談によって 非核化が進むどころか、かえってかつての「非核化」の合意より後退してしまっています。

高橋洋一氏の興味深い指摘がありますので、かつての6カ国協議での確認文書の文言をみてみましょう。

いまよりはるかに突っ込んでいます。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55516

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 外務省「第4回六者会合に関する共同声明」(2005年9月19日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/6kaigo/ks_050919.html
 

「1.六者は、六者会合の目標は、平和的な方法による、朝鮮半島の検証可能な非核化であることを一致して再確認した。
朝鮮民主主義人民共和国は、すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること、並びに、核兵器不拡散条約及びIAEA保障措置に早期に復帰することを約束した。」
 

要点を書き出しておきます。 

●北の2002年の六カ国会合での合意事項
①検証可能な非核化
②すべての核兵器開発計画の廃棄
③NPTとIAEA保証措置への復帰

 米国が北に無理難題を吹っ掛けているかのようにいう人もいますが、これは既に16年前に北が国際社会と約束したことの蒸し返しにすぎないことが、一読すればお分かりだと思います。 

もし正恩政権がまともな正統政権ならば、国際合意は政権が代わっても継承されねばなりません。 

この外務省の「六者会合共同声明」文書には、もうひとつ興味深いことが記されています。 

それは今、問題となっている、「朝鮮半島の非核化」を定義している部分があるのです。

アメリカ合衆国は、朝鮮半島において核兵器を有しないこと、及び、朝鮮民主主義人民共和国に対して核兵器又は通常兵器による攻撃又は侵略を行う意図を有しないことを確認した。
大韓民国は、その領域内において核兵器が存在しないことを確認するとともに、1992年の朝鮮半島の非核化に関する共同宣言に従って核兵器を受領せず、かつ、配備しないとの約束を再確認した」

かつて北は六カ国会合で、「朝鮮半島の非核化」の定義を、「米国が朝鮮半島に核兵器を持ち込まないこと」と、「韓国が領域内において核兵器が存在しないこと」としてしまっているのです。 

これが「朝鮮半島の非核化」の国際的合意に基づく定義です。ここには「朝鮮半島領域内」と明確に記されています。 

その後、北は2006年に初の核実験を強行し、09年、13年と核実験を重ねました。 

そして正恩政権となっては、今や日常茶飯事です。 

だからと言って、北の正統政権が国際社会と結んだ協定を覆したのは北の勝手。協定における決め事まで一緒に消滅したわけではありません。

北は、いったんこの六カ国会合で合意した2002年のラインまで戻って、そこから始めるべきなのです。

自らがチャブ台返しをしておきながら、合意そのものをグズグズにして、まるで2002年合意がなかったかのように都合よく解釈しているのが北です。

何度か書いているように、おそらく北は米朝交渉において、「朝鮮半島の非核化」を、ギリギリまで拡大解釈してくるでしょう。 

それは、現状で米国は六カ国会合の約束どおり、韓国には核を配備していないし、近隣の米海軍艦艇にも核は搭載されていないからです。 

しかし、遠く朝鮮半島水域から離れて、米本土周辺海域には北を照準したSLBMが存在しますし、グアムにはいつでも北を核攻撃することが可能なB-2が配備されています。 

しかしこれは、「朝鮮半島の非核化」とは地理的には無関係だ、「朝鮮半島の非核化」とは純粋に北の非核化のみを指すと、米国は突っぱねることが可能です。 

また、南北会談において米国、中国を交えた4者会談の開催で合意したとのことですが、これは南北共に当事者能力がないことを白状してしまったも同然です。 

共同宣言文では、「わが民族の運命はわれわれ自ら決定するという民族自主の原則」といいながら、かつてのコリアの歴史どおり、朝鮮半島でいくら戦争が起きても、コリア民族が当事者能力を欠くために、戦闘そのものも後の戦後処理も他人任せという歴史をくりかえしてしまっています。 

また、この共同宣言文には、「冷戦の産物である長い分断と朝鮮戦争」と書いていますが、間違った認識です。 

あの朝鮮戦争は、北が大国を巻き込んだ、小国が大国を大戦争に導いたという歴史的に希有な例なのです。

分断の悲劇を冷戦一般にすり替えていますが、それは歴史の歪曲です。分断の原因は、正恩の祖父である金日成の仕業だと特定できます。 

1950年に北の戦車隊が南を蹂躙して開始された朝鮮戦争は、米国と中国が介入して、というか介入せざるを得なくなって3年後に休戦協定が結ばれました。 

韓国軍は哀れほど弱体であり、戦闘の主体は米軍が主力を努める国連軍と、中北との戦争でした。 

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したがって休戦協定には、韓国はまったく登場しません。韓国軍もいるにはいましたが、あくまでも国連軍のワン・オブ・ゼムにすぎません。

・金日成、朝鮮人民軍最高司令官
・彭徳懐、中国人民志願軍司令員
・クラーク国連軍総司令官
・南日 朝鮮人民軍代表兼中国人民志願軍代表
・ウィリアム・K・ハリソン・Jr 国連軍代表
 

ですから、南北で終戦協定を結ぶことは不可能で、共同宣言文どおり、「南北米3者、または南北米中4者会談の開催を積極的に推進していく」必要があります。 

現状でこのような4カ国協議をするなら、必然的に非核化をテーマから外すことは不可能でしょう。 

あんがい「朝鮮半島の非核化」について、米中の足並みが揃う可能性も捨てきれません。 

それは米中共に、「核を持った統一朝鮮」など望んでいないからです。 

この4者協議がいつになるのかは分かりませんが、共同宣言文では「休戦協定65周年となる今年」と言っているところから、今年後半のどこかだと考えられます。 

米朝首脳会談がトランプによれば「3、4週間後」ですから、いずれにしてもそれ以降となります。

トランプも、米朝会談が不発な場合、より厳しい海上封鎖をしながら4カ国協議に場を移すというシナリオもないわけではなさそうですが、なんとも言えません。

日朝会談については、長くなりそうなので、別の記事とします。

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コメント

南北会談は、世界が非核化を期待していましたが、
実際には統一朝鮮の前段階としての朝鮮戦争終戦についての話し合いでした。

朝鮮戦争の発端なんて、李承晩の身勝手、で済む話なんですがね、始めから終わりまで茶番劇ですよ。戦い亡くなられた方々は何のために…

1949年1月 李承晩、WW2戦勝国として対馬と漁業権をよこせ
→国連拒絶
1950年1月 李承晩、韓国南岸に軍隊集結、大演習(九州侵攻準備?)を行う
→米国、アチソンラインで韓国を米軍の影響下から外すことを宣言
1950年6月 米軍管理下から韓国が外れたことを機に、北朝鮮軍が南下侵攻、朝鮮戦争の始まり。

投稿: スカイ | 2018年5月 1日 (火) 07時15分

スカイさん。それは韓国側の「呼び水」にすぎません。
朝鮮戦争をもたらしたのは、あくまでも金日成の「統一」への野望です。

それとひょっとして「李承晩対馬侵攻計画」なんて信じておられるのではないでしょうね。右側の一部が言っていることですが、あれはそうとう信憑性が薄い話です。

李承晩に対馬奪還の気持ちがあったのは確かでしょう。しかし仮に釜山に軍を集結させたことが事実だとしても、当時の韓国の兵員数はせいぜいが10万。「兵力集中」と言う以上その半分としても5万。
戦車などない軽歩兵だけだとしても、それを対馬まで輸送する船舶は膨大な数になります。
当時韓国は海軍ゼロです。

軍事的合理性に欠けます。そのような作戦を考えていたなら、膨大な船舶の動員の事実が立証されねばならないからです。

正直、ここは記事の論点からはずれているので、これ以上はこだわりたくはありませんが。

投稿: 管理人 | 2018年5月 1日 (火) 07時41分

スカイさん、仰る通りです。
開戦時点から自業自得。休戦後に腹いせというか保身の為に「李承晩ライン」とか引いて竹島かっぱらっていった盗賊政権でした。


えーっと、皆様大型連休ですが、管理人さんもダウンのようで・・・。
こちらでも朝は少し暖房必要なのに、昼間には「アヂー!エアコンつけっか?」ってな寒暖差です。
体がなかなか順応できないもんですからお互いに気を付けましょう。

投稿: 山形 | 2018年5月 1日 (火) 07時46分

朝鮮戦争は概要と空戦以外はあまり詳しく知らないんですけど・・・

スカイさんに「仰る通り」とは言いましたが、それは一面ですね。管理人さんの言う「呼び水」です。
あの状況で弱小陸軍を釜山に集結させても、対馬に揚陸するような船は無いですね。私も見落としてました。
てか、あの状況でただでも少ない兵力を北の境界に張り付かせずに南下しているというのは大変な矛盾があります。
というか、対馬上陸作戦なんてのは右翼さんの宣伝材料として利用されてるだけなのでは?

というか、李承晩の対馬上陸計画なんて、当時の国内向けのハッタリでしかないんですよねえ。。「俺たち韓国はこんなにスゲーんだぜ!」とやって国内を収めるという。。今も昔も変わりませんな!
竹島は最後っ屁で盗られた。

投稿: 山形 | 2018年5月 1日 (火) 09時01分

風邪を召されたとか、
無理はなさらず、お体を大事になさって下さい。

早期の回復を祈ります。

投稿: 月影 | 2018年5月 1日 (火) 10時09分

管理人様
山形さん

口が軽すぎたようです。噂程度の(九州侵攻準備?)は言い過ぎでした。いや、お恥ずかしい。

李承晩対馬侵攻計画については、さすがにそこまで軽薄では無いつもりです。確かにアレの説明サイトなども見たことはありますが、時系列の意図的な入れ替えなどがあり、とても信用できるものではありませんでしたから。

もし日本海を渡れているなら実行に移していたでしょうし、当時の北朝鮮もその後に南侵した方がもっと楽に侵攻できた。それをしなかったのは渡海できないことを知っていたからでしょう。

失礼致しました。

投稿: スカイ | 2018年5月 1日 (火) 12時53分

北朝鮮の非核化へ「リビア方式」検討、専門家は危険を指摘
https://www.cnn.co.jp/world/35118570.html

トランプからでは無いとは言え、
米国の方針をはっきりと公表しましたね。

米朝首脳会談で譲れない条件を提示したのだと思います。

投稿: 月影 | 2018年5月 1日 (火) 13時36分

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