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2018年5月22日 (火)

米国が在韓米軍撤収を交渉材料にする気だとしたら

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昨日の記事を脱稿してから、考えるともなく考えていました。 

選択肢は、ほんとうにこれだけなのだろうか。 

先日の記事で、「米朝会談の4つのシナリオ」を上げてみました。
関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/post-edc1.html 

・[シナリオ1] 北朝鮮が受諾した場合・・・非核化の解決。核査察・解体・撤去の開始
・[シナリオ2]  条件つき非核化の場合・・・対話延長か?
・[シナリオ3 ]北朝鮮が拒否した場合・・・①軍事攻撃②経済制裁強化③海上封鎖
・[シナリオ4] 会談自体を流す。

これがほとんどのコリア・ウォッチャーが言う最大公約数です。

実はこのいずれのシナリオにも、ひとつ大前提があります。

思い込みと言い換えてもけっこうですが、それは米国が現在の東アジアの勢力図を刷新する気がない、というものです。 

つまり、日米同盟が基軸となって、方や米韓国盟があり、そのふたつが米国をブリッジにして対中・北と対峙しているという構図です。 

私は、仮に米国がこの構造を放棄する気なら、先に上げた4つのシナリオは根本的に成り立たないと思い当たりました。 

あくまでもこのシナリオは、米国が同盟国である日韓を防衛するというのことが当然だとする前提に立っているからです。 

ここでひとつの問いです。では、米国がそう思わなくなっていたとしたらどうしますか? 

いえ、先走らないで下さい。米国が日本と同盟関係を捨て去ることは、米国が巨大な島国国家になって、米本土に閉塞した時のことです。 

それは現時点ではまったく考えられません。

米国が覇権を捨て去る時が、日米同盟の終了の時であって、逆に言えば世界の半分(その中には中東とアジアが含まれますが)に戦力投射できる策源地としての日本の戦略的位置は米国にとって必要不可欠な存在だということてす。 

では、もうひとつの同盟国である韓国はどうでしょうか。 韓国の戦略的意味は薄弱で、駐留しているのは純粋に北の侵略をブロックするためにいるのです。

ですから、日本にいる米軍がアジア本社だとすれば、韓国はその出張所ていどの位置づけでしかありません。

率直に言いましょう。憶測の域をでませんが、私は米国は韓国を捨て去る気であると感じています。 

韓国という国家は、南北統一の流れの中に消えていき、北主導の「高麗連邦」がそう遠からずできる、今はその過渡期にすぎないと、米国が観察している節があります。 

パク・クネ政権は、THAADで例の「3つのノー」という重大な裏切りを働きました。

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パク・クネはTHAADの配備をこれ以上しないと中国に約束したばかりか、日米間の防衛協力を軍事同盟に発展させないとまで約束してしまいました。

現況で軍事同盟として機能しているものを、こともあろうに仮想敵国の圧力に屈して同盟者の米国の了解なく責務を放棄したわけです。 

ミァシャイマーはこのような韓国のことを、経済的には独立していても政治・外交で支配されている「半主権国家」というような表現をしていますし、ルトワックに至っては守る義理はもうないという言い方すらしています。

このようなことを仕出かしても、自分がなしたことの愚かしさに気がつかず、自分の存在は米国にとっても意味があるから平気さぁとぬけぬけと思う、それが韓国という国の耐えられない軽さです。 

米国はこの時点で、韓国を同盟関係から「準同盟関係」にまで引き下げ、さらにはその放棄すら念頭に置いたと思います。 

それは米国にとって、THAAD配備は巷間いわれるように、中国内部の弾道弾発射を探知する目的だけで始めたわけではないからです。 

それだけなら、日本にあるMD探知網で対応可能です。 

あえて韓国内にTHAAD配備を振ったの東アジアミサイル防衛システムを作ることで、同盟関係を再構築する気だったからです。 

いわば、米国は韓国に同盟のストレス・テストを仕掛け、韓国は保守政権であったにもかかわらず見事なまでにそれを裏切ったことになります。 

そして一連の親北派によって計画されたとされるろうそくデモによってパク・クネは失脚し、北に対するシンパシーを隠そうともしないムン・ジェイン政権が生まれます。 

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ここで米国は、韓国を防衛する意義をほぼ完全に喪失したと思います。 

ならばもう、在韓米軍将兵を駐留させておく理由はないではないか、反米運動の標的になってまで韓国にいる意味があるか、米国はそう思ったはずです。 

問題が残るとすれば、米国が同盟国を「捨てた」と国際関係の中で認識されることです。これは覇権国の威信に関わりますから、是非とも避けたいところでしょう。 

ところがそれを回避する唯一の方法があります。 

それが朝鮮戦争の終結宣言、そして米朝平和条約の締結です。 

これが成立すれば、北が韓国を侵略することはあり得ない以上、米韓同盟を維持する必然性はなくなり、在韓米軍は自動的に撤退の運びとなります。 

この米国のオファーは、北にとっても、その後ろ楯に復帰した中国にとってもたまらなく魅力的なはずです。

なぜならこれこそが、中国と北が口を揃えて言う「北の体制保証」「朝鮮半島の非核化」という要求に答えたことになるからです。 

その場合、北が米国の要求する「完全・検証可能・不可逆的非核化」を拒否する理由は完全に消滅します。 

また北にとって国内向けにも、米国を会談に引き出して、平和条約と左韓米軍撤退という大戦果を引き出したことを大いに喧伝できるでしょう。 

つまり正恩のメンツも立つのです。

このように考えてくると、米国がギリギリまで圧力鍋の中で北を煮詰めて、最後の最後に在韓米軍撤退と北の完全な核の放棄をバーターにする可能性はあると、私は思います。

これについてはもう少し続けます。 

 

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コメント

久方ぶりにお邪魔します。

「韓国の同意を得られれば在韓米軍を順次撤収する」
「撤収は北の核兵器、弾道ミサイルの廃棄と並行して行う」
「多国籍による無制限の査察が完了し、非核化が実現すればTHAADも撤去する」
「在韓米軍の撤退費用は韓国持ち」

韓国に踏み絵をふませ、
韓国という安全保障上のお荷物を放棄し、
北朝鮮の退路を断ちつつ自国の安全を確保する。

トランプの性格の悪さからすると、
これぐらいのことは言いそうですよね。

ブログ主様は控えめに仮説のように言いますが、私はかなり現実的に思います。

少し前にueyonabaruさんが「体制保障とは何ぞや?」と言ってましたが、この事のキモを北朝鮮流に解釈すれば、「南北統一にさいしての米国の影響力を(軍事力も含め)全面的に行使しないと言う約束」になろうかと思います。

普通に考えて米国の解釈でいけば、「斬首作戦をしない」とか、せいぜいが「北朝鮮の体制継続のための経済援助を行う」事なのですが、「朝鮮戦争の終結」があり、「南北平和条約」様の確約が実行されるならば、理論的には北の主張の通りにならざる得ないのだろうと思いますね。

それと、かねて(最近では特にですが、)韓国で採用される歴史観はねじ曲がっていて、「朝鮮戦争の本質」は東西対立のゆえであり、「南北共にその犠牲者」というものです。
そこを韓国左派的に更に事実の解釈を曲げて、「先制攻撃をしたのは李承晩の方」、少なくとも「むしろ韓国側に重大な責任があった」というふうに、文政権支持の若者に限らず信じ込んでいる向きが多いようです。

結局はこうした部分から生まれるのは「米国への敵視感情」にならざるを得なく、同時に米国というのは他国のこういう感情に非常に敏感ですね。

そこから考えると、米朝会談が予定どおり行われ、かつそれが成功すればなのですが、米国からすれば「韓国の切り離し」になり、文政権からみれば「米国からの開放」という絵図になるのだと思います。

私の見方に過ぎないのですが、ここでは日中の利害は一致してると思います。
北の暴発を対米交渉のカードとして利用し続けたい中国が、現状を変更してわけのわからない統一国家の誕生を望むはずがありません。
日本は日本で、韓国の対日不満(いわれのないものですが)を抑える事に米国の力に依存して来た経緯も多々あります。

北朝鮮はもちろんの事、韓国という国もどうもイカさない国で、ギ・ソルマン教授の言うように所詮、「民主主義国家には程遠い国」なのですね。
韓国の不満のひとつに米国との通過スワップが結べない事がありますが、それも米国のこうした基本認識ゆえです。

けれど、日米間においての通過スワップは無制限で結ばれているのですから、これを韓国式の思考方法で言えば、米国の「日本による韓国支配の容認」と言う思考になるわけです。

結論から言えば、拉致被害者の救出後は日本は半島に近づく事はさけ、独自の守りを強固にして行くしか方法はないと思いますね。


私はあまりトランプを信頼できないです。
コストの掛かる在韓米軍は撤退させたい、対中防衛線は日本にやらせたい、と、それだけが彼の目的なのではないでしょうか。人権問題よりも、カネ(と人)を出したくないことが、彼の本音の目標なのではないかと危惧しています。
その中で日本は、いかにうまく立ち回って拉致被害者を取り戻すか。また、アメリカが朝鮮半島を手放した後の対中防衛線としての役回りの負担量をどう交渉するか。必然自国の守りを強化する必要もあるでしょうし、何にしてもコストの掛かる話で、仕方のないことですが気が重くなります。このピンチをチャンスに変えて、より正常な国家の形が形成されていくことを期待しています。

トランプ大統領の本音は(選挙前から言っていましたが)
「なぜ豊かな日韓を米軍が守らなければならないのか?
自分達で守らせればいい」でしょう。
まだそうならずに済んでいるのはひとえに側近の方々が反対しているおかげだと思います。
一方イスラエルに関しては聖地であり、絶対に失ってはならない国なので、
どんな支援でもすることでしょう。
北朝鮮に甘くイランに厳しい理由がそこにあるのかもしれません。

保守さんへ
そのイランに核や生物兵器やらを供給する可能性が大いにあるのでトランプ氏は北にここまで拘るのでしょう。
氏は拉致被害者を有耶無耶にする事はあっても北の兵器開発に関しては一歩も譲らないと思われます。

奇跡的に北が兵器開発を断念し米国の査察を受け入れる流れになるのであれば。
それに乗じて日本主導で拉致被害者の安否確認と帰国を速やかに遂行し、最終的には「被害者やその家族への賠償金は日本が負担するかわりに朝鮮への経済援助は一切行わない」という結末に落ち着くのであれば、在韓米軍の撤退や統一コリアに関しては仕方がないと思ってます。

 今日のフロント記事の中の四つのシナリオのうち、 北朝鮮が核放棄を拒否し米軍が攻撃する の可能性が高いと思っております。 攻撃後のことはどうなるかは分かりませんが、北朝鮮が消滅することは確かでしょう。

 私の予想が外れ、戦争なしに事が運び、高麗連邦が取りざたされるような融和の段階に至ったとしても、この朝鮮人の夢、南北統一は実現できないでしょう。あまりにも南北のイデオロギ-が違いすぎます。文大統領が自信満々のようですが、金王朝が存続している状況で、どう折り合いをつけられるというのでしょうかね。下手をすると、文ジェインさん、金正雲に殺されるかもしれません。

 朝鮮半島は救いがたいものがあるような気がします。歴史的にも、専制主義の国家という形態で安定したということだけが目立ちます。朝鮮半島には、深い思想というものが育たないのでしょう。学問も育ちませんね。宗教も独自の発展というものがありません。政治にしても偉大な政治家という方が近代には見当たりませんね。チュチェ思想だけが朝鮮半島の政治思想なんでしょうかね。これは普遍性があるとも思えませんし。

 あ-、朝鮮、朝鮮です。

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