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« 拉致と非核化の解決はワンセットだ | トップページ | 米国と北が今、膝詰め交渉していることは何だろうか »

2018年5月 3日 (木)

「震え上がった」のは北のほうです

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改憲派さん。危惧はわからないではありません。私など悪いシナリオなら、何本でも書けてしまいます。むしろそっちのほうが得意なくらいです。(笑い) 

おっしゃるように、最悪はトランプが裏切り、日本に到達しうる中距離核を「段階的削減」で日和ってしまうことも、可能性としては、ありえないわけではありません。 

朝日はこんなことを伝えています。

「北朝鮮の労働新聞(電子版)は30日付で、北朝鮮が20日に決めた核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射中止などの措置をめぐる米政府の反応を非難した。朝鮮中央通信も27日、同様に米国を非難。20日の措置が対米交渉カードだった可能性が強まった。
 労働新聞の30日付記事は、20日の措置を「核兵器のない世界の建設に寄与しようとする立場の表れ」と主張。北朝鮮の核放棄まで圧力を維持するとする米国の姿勢を「我々の積極的で誠意ある平和愛好的な努力に対する愚弄、冒瀆」と非難し、「米国に必要なのは礼儀をもって相手を尊重することだ」と強調した。
 専門家の間では、北朝鮮が米朝首脳会談を待たずにICBM試射中止を決めたことについて「なぜ急いで譲歩するのか」「米朝合意に北朝鮮が望む見返りを盛り込むための譲歩では」などの指摘が出ている」(朝日4月30日)

これを読んで、天木直人氏は「安倍首相を震え上がらせたに違いない北朝鮮労働新聞の記事」と題して、こう書いてありました。たぶんお読みになりましたね。
http://www.asyura2.com/18/senkyo243/msg/818.html 

「この記事を見て私は驚いた。米朝首脳会談を前にしてこんなに米国を非難して大丈夫かと。これを見たトランプ大統領は怒り出して、米朝首脳会談が台無しにならないかと。
しかし、そうはならないと私は思い直した。
なぜか。北朝鮮は非核化を決めている。その事はポンペイCIA長官(当時)を通じてトランプ大統領にも伝わっている。
だからトランプ大統領は非難されても怒らない。逆に言えば、米朝首脳会談は予定通り行われ、成功することを北朝鮮は知っているからこそ、北朝鮮は正論で米国を非難したのだ。
いや、けん制のメッセージを送ったのだ。すなわち、北朝鮮はトランプ大統領の要求通り非核化すると決めた。
そのことによってトランプ大統領の功績づくりに貢献する」
 

いつもの天木節ですが、既に米朝は話がついているという、いわば米朝密約説です。 

ここから天木氏の想像というか、妄想は進んでわが国にまで及んでいます。こういう調子です。 

「困るのは安倍首相だ。この労働新聞の記事を読んで、さぞかし震え上がっただろう」 

そして例によって例のごとく「安倍外交の失敗」を批判して終わりますが、別に安倍氏は「震え上がって」などいないと思いますよ。 

だって、この労働新聞の記事は、せっかく北が「平和の使者」を演じているのに米国がなんだそんなもんとばかりに突き放したことに、北が「震え上がった」からです。 

「震え上がった」のは、むしろ正恩のほうなのです。 

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この牽制球ていどの北の融和策は、中国からも同じように扱われています。 

中国は「核実験場廃棄は毛針か「金正恩vs中国」論争の怪」(日経5月1日)だとも言っていますから、米国の突き放しよりいっそうシビアです。 

毛針ですか。これはきつい。 

中国も米国もプンゲリ核実験場は、既に去年の9月に崩壊し使用不能なことを熟知しています。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/post-5d96.html 

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 北朝鮮が水爆実験を行ったと主張する同国北東部・豊渓里にある核実験場の実験前後の比較写真。左側は実験前、右側には実験後の土砂崩れとみられる痕がある(左は2017年9月1日、右は2017年9月4日入手、資料写真)。(c)AFP PHOTO/Image courtesy of Planet AFP 

北はろくな地質調査もしないで、3つの坑道で2006年から16年まで実に5回も核実験をしてきました。 

その結果、山疲労症候群(タイアード・マウンテン・シンドローム)という地殻変動が起きて大崩落となったようです。 

いや、まだ別に坑道はあるぞと北は言っているようですが、こんな地殻変動を起こしたような山で、また同じ核実験をすれば結果は見えています。 再び大崩落です。

この使い物にならない核実験場を閉鎖したことを、朝日などのメディアは大々的に一面トップで「核実験停止」と書き立てました。 

しないんじゃないの、できないのです。本質的に別なことですからね、朝日さん。 

とすれば、正恩が派手に打ち出した措置はことごとく子供だましの「毛針」だということになります。 

こんな他愛もないない疑似餌に引っかかるほど、米中はお人好しではありません。

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そこで、正恩がかんがえついた次の一手が、南北首脳会談で登場した「朝鮮半島の非核化」という、取りようによってはどうとでも取れるわけのわからない概念でした。 

これは「北の非核化」という核心部分から、論点をズラすことが目的です。 

そして同時に、中国の言っている「段階的・同時並行的」非核化提案と、すり合わせることにあります。 

これは簡単に説明すれば、「段階的」とは北が長距離核の実験を凍結し、中距離核は段階的に廃棄していくというものです。

一方、「同時並行的」とは、北のみならず米国も北を対象とした核を廃棄することです。 

これが、北と中国がいう「非核化」です。 

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では天木氏は、「北が非核化の意志があるとポンペオを通じて米国に伝えた」といいますが、ではいったいその「非核化」の中身とはなんなのでしょう。 

そこがいちばん肝心要の問題で、天木氏はその核心部分にふれていません。 

そりゃあ確かに、正恩は「非核化」を口にしたことでしょう。約束もするでしょう。 

ではそれが果たして、米国が求める「非核化」と同じなのかどうか、そここそが問題のはずです。 

米国が求めている「非核化」とは、一貫して2005年6月の六カ国会合の合意の遵守です。 

先日記事にしましたが、もう一回おさらいしておきます。

●北の2002年の六カ国会合での合意事項
①検証可能な非核化
②すべての核兵器開発計画の廃棄
③NPTとIAEA保証措置への復帰
 

米国が言っている「完全、かつ検証可能な非核化」は以上の内容なのです。別名リビア方式とも言います。 

特に問題となるのは、「検証可能な」という部分です。六カ国会合合意文書にある「NPT・IAEAの保証措置」です。
外務省保証措置http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/atom/iaea/kyoutei.html 

IAEA保証措置を押えておきます。 

「IAEA保障措置協定は、原子力が平和的利用から核兵器製造等の軍事的目的に転用されないことを確保することを目的として、IAEA憲章に基づき、IAEAが当該国の原子力活動について実施する査察を含む検認制度である保障措置を規定する協定である」(前掲)

 「査察を含む検認制度」と明記されています。つまり、北が自己申告で「非核化しました。核持っていないです」ではダメなのです。 

これは具体的になにかといえば、検証のための査察・核物質・核製造施設の撤去解体、そして国外搬出という一連のリビア方式です。 

ボルトンはこの専門家です。 

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ここまで北が譲歩したのなら、米朝が密約しようとなんだろうと、日本が「蚊帳の外」で「日本の外交敗北」だろうと大歓迎です。 

交渉は事実上、拉致問題をのぞいて妥結したも同然だからです。 

ありえるでしょうか。現時点では、まずありえないでしょうね。 

今になって日本にできることは、限られています。 

米朝会談をできる限り支援することと、それが失敗した場合に備えることです。

不安定な中東を米国に代わって仲介の労をとることで、後顧の憂いなく北に向き合ってもらうことです。 

その他には、日中韓首脳会議で、中韓両国の圧力の継続と拉致問題に釘を指すことていどです。 

とまれ、米朝会談前に日朝会談をしたのなら、北は間違いなく「拉致被害者を返すから、非核化をオレのいう線でまとめてくれ」と首相に言ったことでしょう。 

この二者択一に入られるのが、最も困った事態でした。

しかし、これは賢明にも、米朝会談後と設定されたために回避できました。

最後に拉致と非核化を切りはなせというご意見ですが、ここまで煮詰まっている北の非核化交渉から、拉致問題をはずせば、それは日本の一国的利害にとどまってしまいます。

米国も協力しようがありませんから、いままでと同じように日本だけの特殊テーマで終わってしまうことでしょう。

拉致問題の行き詰まりはさまざまな理由がありますが、家族会の大変な努力にも関わらず、ネックは国際社会が無関心だったことです。

日本国内ですら、拉致問題を右翼のテーマとする傾向が見られます。

オバマは人権派を気取りながら、家族会と立ち話しか許そうとしませんでした。

それに対してボルトンは6回も家族会と面談してきています。

トランプもまた、ホワイトハウスで涙ぐまんばかりにして家族会の話に耳を傾けたと聞きます。

ここが拉致問題の最大の山場です。

ここを逃せば、国際社会の関心も薄れ、もう二度と拉致被害者の帰国の糸口はないと私は思います。

 

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コメント

 北の行き詰まりはブログ主様がおっしゃるような次元も超えて深刻なのだと思います。

私の考えですが、米朝会談で正恩はほぼ満額回答を示すだろうと思うのです。
筋書きは米朝間ですでに出来ており、実質的に会談で「何かが決まる」と言う事はないと思います。
そして、正恩に「会談による決裂」の選択枝は絶対に有り得ないです。
最後はトランプ氏と正恩の「抱擁」があったりするのでしょう。

そのうえで、核放棄の実施段階で様々に手を打って来るのではないでしょうか?
うろ覚えで申し訳ないですが、たしかリビアでもそういう事がありました。
臨検で発覚した船舶上の核を「合意以前のもの」という苦しい言い訳をして世界の顰蹙を買った事がありましたが、ああいう事が合意から完全実施までのあいだに度々起こるのだと思います。

トランプさんが妙な譲歩をする危惧もないわけでもないでしょうが、合意さえ出来れば後はボルトンにバトンタッチできます。
そういう分業的といいますか、役割分担が米国内で出来ているので、米朝会談は確認的作業とセレモニー的な意味合いしかないし、逆にトランプさんが幾分曖昧であっても問題ないだろうと考えます。

 いずれにしても日本政府は焦る必要は全くありません。

正恩が欲しいのは制裁解除と日本からの資金なのですから、その為にはどんなワナやウソでも平気で仕掛けてきます。
日本政府には今、待てる「胆力」こそが必要なのであって、間違っても韓朝のヘイワ攻勢にのるべきではありません。


話は変わりますが、韓国のこの間の所為と板門店での取り決めは「国際合意違反」なのではないでしょうか?
どうしてそうした批判的報道が出ないのか、まったく不思議です。

経済制裁を緩めはしない物の、
もう、経済制裁でどうこうする段階では無いからでしょう。
米国の要求を呑むか戦争かの段階なのでしょう。

または、どの様にかは判りませんが、
既に粗方の話が付いている可能性もありますね。

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