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2018年5月18日 (金)

北が米朝会談を流すと言い始めたが・・・

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北が米朝会談を拒否すると言い出しました。なかなか面白い展開です。 

「米が核放棄強要なら首脳会談「再考」 北朝鮮外務次官
【5月16日 AFP】(更新)北朝鮮の金桂冠(キムゲグァン)第1外務次官は16日、米国が北朝鮮に核兵器の放棄を一方的に強要するなら、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とドナルド・トランプ米大統領の首脳会談を取りやめると警告する談話を発表した。国営の朝鮮中央通信が伝えた。
 金外務次官は談話の中で、トランプ政権が「我々を追い詰め、核兵器を放棄するように一方的に強要するのであれば、我々は協議にはもはや関心を持たず、来る朝米首脳会議に応じるかどうかを再考せねばならない」と述べた。
 朝鮮中央通信は同日これに先立ち、米韓合同軍事演習を非難した上で、この日予定されていた南北閣僚級会談を中止すると表明。米国に対しても「この挑発的な軍事騒動を踏まえ、予定されている朝米首脳会談の運命について熟慮しなければならない」と警告していた。
 米国は北朝鮮に対して「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化(CVID)」を求めているが、北朝鮮はこれまで、どういう譲歩をするかについて公には一切示していない
 金外務次官は「我々はすでに朝鮮半島の非核化に向けた用意があると表明しており、米国が我が国に対する敵視政策と核による脅威を終わらせることが先決だと繰り返し明言してきた」とも指摘。
 また、北朝鮮の核放棄の具体的道筋について「リビア方式」を主張するジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)を非難し、「リビアやイラクの運命を我が国にも押し付けようとする極めて邪悪な試み」だと断じた」(太字引用者 AFP5月16日)
 

Ok___1
このキム・ゲグファンは、よく名前が出てくる北の外交畑のトップですが、北の外交部は党、つまりは正恩が絶対的に優越するために、日本の外務省と比較すべきではありません。 

しかし、米朝の水面下での交渉で何がデッドロックになりかかっているのかが分かって興味深いと思います。 

それは一つ目は、停戦協定交渉時によくある「どちらが先か」論です。米国が主張する非核化が先か、経済制裁解除が先か、です。 

米国はボルトンが言う「リビア方式」が完了してから、経済制裁を解除するつもりでいます。

ボルトンはクソミソに言われています。

キム次官に言わせると、「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化(CVID)」なんてとんでもない、オレらはお前らの言うこと聞いて下水管で殺されたリビアのカダフィみたいにはならんぞ、ということのようです。元気のいいことです。

CVIDについての正式な北の見解を聞いたのはこれが初めてです。聞く限り完全拒否のようです。

「ボルトンをはじめ、ホワイトハウスと国務省の高位官僚は『先に核放棄、後に補償』方式を触れ回りながら、リビア核放棄方式だの『完全かつ検証可能で不可逆的な非核化』だの、『ミサイルの生化学武器の完全放棄』だのという主張を厚かましく繰り返している
「これは対話を通じて問題を解決しようとするものではなく、本質において大国に国を丸ごと任せきりにして、崩壊したリビアやイラクの運命を尊厳高い我々に強要しようとする甚だ不純な企てだ
「われわれは、朝鮮半島の非核化の用意を表明し、そのためには米国の敵視政策と核脅威による恐喝を終わらせることが先決条件になると数度にわたって明言した」(時事5月16日)

米国は軍事的圧力と経済制裁の二本立てで、ここまで北を追い詰めました。 

ではどちらが重いのでしょうか?キム次官はこう述べています。 

まず経済制裁、あるいは経済支援についての言及と思われる箇所です。

「米国はわれわれが核をあきらめれば経済的補償と恩恵を与えると騒いでいるが、われわれは一度たりとも米国に期待をかけて経済建設をしてことがなく、今後もそのような取り引きを絶対にしないだろう」(朝鮮中央通信5月16日)

なんと、北は経済支援なんていらない、とのたまうていることになります。 

こりゃたまげた。ひょッとして考えすぎかもしれませんが、日本に対して言ったのだとすると、なおさら興味深いものがあります。 

ただし、今の経済制裁については「敵視政策をやめろ」で一括されているのかもしれないので、経済支援とは別枠かもしれません。 

つぎに軍事圧力ですが、こんなことを言っています。 

「われわれは既に朝鮮半島非核化の用意を表明したし、そのためには米国の朝鮮敵視政策と核による恐喝をけりをつけることがその先決条件になるということを、数回にかけて明らかにしてきた」 (同上)

北はここで彼らのいう「非核化」の意味は、米国の北敵視政策の放棄と核の脅威の除去だと言っています。 

北の「非核化」とは相互に非核化を図るというもので、北を非核化をさせたいなら、米国も北の要求を呑めということを言っているわけです。 

前者の「米国の対北敵視政策」とは、伝統的に在韓米軍と米韓合同軍事演習を指しますから、北がその撤退を言い出していることが分かります。 

これに対して安倍氏は強くトランプに止めるようにと日米首脳会談で説いたとされますが、トランプは元々在韓米軍撤退論者でしたから、この縮小、ないしは撤退も取引材料に使いたいのは山々でしょうね。

北にとっても、その後楯に復帰した中国にとっても、在韓米軍撤退は魅力的提案には間違いないでしょう。

後者の「核による恐喝」とは、意味不明です。 

というのは、米国はとうに韓国から核を撤去しています。今後の配備予定があるならともかく、そのようなものはありません。 

何をどうしたいのか、具体的に指摘しないと、ひょっとして米国本土のICBMか、潜水艦発射SLBMか、はたまたグアムのB2のことかと、いくらでも拡大解釈が可能です。 

北はどうやら、既に自分は一人前の「核保有国」なのだから、米露核軍縮協議の北朝鮮バージョンをしろと言っているのかもしれません。 

ちなみにこんな核軍縮協議なんぞを始めると、半世紀はかかります。 

そもそも膨大な核ミサイルを保有する米露なら核軍縮協議にも意味がありますが、せいぜいが多めに見ても数十個しかなく、しかも投射手段も満足に完成していないような北相手に、米国がうなずくはずがありません。 

北の核技術は米露を高級車とするなら、電動アシストつき自転車の段階になったかならないかていどなのですから。 

高級車を何万台も持っている米国が、ママチャリと交換に応じる道理がありません。

いや、待てよ、ミニットマン数十発と北の核全部の等価削減なら、米国にとってお安いご用かもしれませんがね(笑い)。

いずれにしても、核と核原料、その製造装置がどこにあって、どのような状態なのかを国際機関に開示せねばなりません。この核査察が核軍縮交渉の大前提だからです。

米国の核の脅迫を排除したいなら、自分の国も核査察を受け入れねばならないのです。軍用核兵器の査察が可能なのは米露中の軍人専門家だけです。

外国軍人が自由に国中を走り回り、自由に査察するのです。これが認められなければ話になりません。

独裁国家としては、けっこうハードルが高そうですが、大丈夫でしょうか、北さん。

というわけで、いままでムンから「任せなさい!北の非核化の意志は硬いですよ」という妙に甘ったるい伝言を聞かされ続けてきただけに、北の言っていることが直接に聞けて大変にけっこうでした。

このようなことをこの時期に、北の外交官トップが言うところを見ると、まだまだ合意のはるか前のようです。

 

 

 

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コメント

またいつもの瀬戸際外交ですか。
ずいぶん殊勝になったもんだと感心してたんですが、見事に元の木阿弥ですね。
二度目となる大連での首脳会談で習近平から何某かの言質でも得たんでしょうか。

寺田学(管内閣の首相補佐官 希望の党単独比例選出衆議院議員 現在無所属)が国会に質問主意書を提出していますが、その中に「四 南北首脳会談で朝鮮半島の完全な非核化が目標とされるなか、イージス・アショアの導入を進めることが、朝鮮半島情勢の緊張緩和に悪影響を与える可能性はあるか」とあります。メンタリティーが同じ

北朝鮮の揺さぶり、トランプは北朝鮮にリビア方式は適用しないと発言してますね。また体制保障もと。
中東はゴタゴタしていますし、国内向けパフォーマンスとしても米朝会談はどうしても成功させたいのかもしれません。
それにしても拉致問題はどうなるのでしょうね。

 正恩は、よほど会談によって決裂する事を怖がってますね。
しかし元々正恩の方から望んだ会談でもあり、米韓軍事演習も容認していたはず。

イラン合意破棄に関しての欧州諸国の米国批判の風潮に意を強くしたものと推測しますが、欧州にとってもイランにとっても、これじゃ逆効果でしょう。

一方のトランプ氏は今朝、口先だけソフトなメッセージを送ったようですが、譲歩は有り得ませんね。
所詮、「非核化」も「体制の保障」も定義が両国で違うのですから、最後通牒的に「会談の決裂」という事実を米国は欲していた感じがしないでもありません。

会談がある無しに関わらず次のステージに向かう事になるのでしょうし、中朝間の信頼関係が万全のものでないにも関わらず、よほど正恩は追い詰められたのだと見えます。

完全に三味線引いてしまったのは文在寅大統領で、国内メディアの論調に揺れる事なく見せかけの「融和」に距離を置いてきた安倍総理の方向性は、ここでも正しかったと言って良いと思います。

北の豹変と言うか、突然の南北会談の中止と米朝会談を取り止める発言、いつかどこかで見た絵面ですね。正直、自分は「またか」としか思えません。特段驚くほどの事でもないでしょうし、米朝会談が流れてもアメリカは特に痛くも痒くもなく、ただ粛々と経済制裁を続けるだけだと思います。後ろ盾の中国がどう動くのかが分かりませんが、経済戦争でアメリカと何らかの手打ちをした感はあるので、北にとってはあまりうれしくない事にもなりそうですね。それに拉致問題も確かに今回はチャンスであったと思いますが、米朝会談が流れても、どこかで必ずチャンスはあると思いますので、今期強く交渉するしかないですね。北にとってリビア方式も厳しい事ですし、拉致を含む人権問題も触れてほしくない患部なんで、米朝会談でその部分が触れられる事にも警戒感を持ったのかも?いずれにしても、もし仮に米朝会談が流れても、それは北の都合であり、どこぞのマスコミが喜びそうな、アメリカや日本の頑なな態度が悪い論は、北の思う壺だと言うことだけは皆が理解して欲しいと思います。

私には断末摩の叫びにしか聞こえません。

「韓国の仲裁?」「半島の平和」のカードを切っても
トランプ氏には効かなかった。
「中国の仲裁」のカードも効かなかった様に思えます。
後、残るのは「拉致被害者」のカードだけですが、
テロの威しには屈しないのが信条の米国には効かないでしょうね。
「ソウル攻撃」のカードは自ら捨てた様ですし。
「会話で解決出来る」カードで世論を誘導している様ですが
米国世論は半数は戦争止む無しだとか。

残るのは「戦争(威し)」ぐらいですか。
これもトランプ氏は望みはしないまでも動じないでしょうね。

米朝会談が流れるのか、
また、開かれても交渉決裂なら戦争でしょうね。

金氏に残された道は「完全な危険な兵器の破棄」
「全ての拉致被害者の解放と謝罪に賠償」と、
「自身達の身の安全」を願う事だけだと思っています。

出来れば、平和裏に終われば良いですね。

トランプ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と親友で
イスラエルの言いなりです。
娘夫婦もユダヤ教徒ですし。
なので結局大きく譲歩してでも北とはさっさと和解したいのが本音で
本来の目的であるイスラエルが敵視するイランとの戦争に突入すると見ています。
イラン核合意離脱もエルサレムへの大使館移転も
全てイスラエルの意向を受けてのことですから・・・。

保守(戦後の)さんへ

トランプ大統領に限らず、国家の首脳が個人的な友情だけで国益を曲げるものでしょうか?
北朝鮮の核は、米国にとってこれ以上放置できる問題ではありませんし、アメリカファーストを掲げ、多くの公約を達成してきた人物が、そこまで私情を優先するでしょうか?

それに、北と和解せずに経済制裁を続けながらでも中東に首を突っ込むことは可能ですよね?北朝鮮と和解する動機が弱すぎませんか?

なんかイヤな予感がして来ましたわ

米国「世襲独裁共産個人崇拝主義者どものICBM保有
など絶対に認めない、実現しそうならブッ潰しちゃる!」
北朝「ブッ潰されるくらいなら、核の完全放棄は話に乗
っても仕方ないわい、しかーし、それをするとオイラの
立場っつーのが危ういのよ、オイラ自国民に暗殺される
かも知れないじゃん、なんか国内向きの見返りをくれよ」

米国「よっしゃ、お前の手柄を、ワシがお膳立てしてや
ろう、近くにワシの舎弟がおるだろ、アイツだ、アイツに
とってもこれ以上無いイイ話だぜ、タダ乗りはさせん」
北朝「いいねぇ、オイラからの国内投資ということにし
て、日本のカネを大量にバラ撒くなら、非核の見返りと
してド貧しい国民は大喜びで納得するわ」

日本「まっ、平和が一番ですからね、頑張りマス!」

個人的というより宗教戦争かもしれません。
アメリカは日本のことを犠牲にしてもイスラエルさえ守れればいいので(聖地なので)
北からイランにさえ核が渡らなければいいのだと思います。
イラン核合意離脱→エルサレムへの大使館移転→北からイランへ核が渡らないように手打ちして抑える→米国議会でイランとの戦争開戦を可決
の流れだと思います。
今の米国政権は福音派なので独自の宗教的教理により、
イスラエルと一緒に宗教戦争を始める可能性が高いと思います。
外れることを心から願います。


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