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翁長氏を継ぐのは誰か?

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いささか旧聞に属しますが、去る5月27日に「オール沖縄会議」が正式に分裂しました。 

今まで名実の名だけは残っていたのですが、それも割れたことになります。 

「沖縄県の翁長雄志知事を支持する県議会の一部会派や企業が27日、12月に任期を迎える知事選で翁長氏の再選を目指す新組織を設立した。新組織には共産党や社民党、労組などでつくる「オール沖縄」を離脱した県内有力企業も参加し、オール沖縄は事実上、分裂したことになる。背景には、オール沖縄が革新政党の生き残り策として利用されているとの不満もあり、知事選への影響もありそうだ。
 27日結成されたのは「オナガ雄志知事を支える政治経済懇和会」。沖縄市で開いた総会には保守系無所属を含む県議8人の会派「おきなわ」のほか、オール沖縄を離脱した観光大手「かりゆしグループ」と建設大手「金秀グループ」の関係者も出席した。
翁長氏は15日に膵(すい)がんを公表した。知事選に向け健康不安はぬぐえないが、総会に出席した謝花喜一郎副知事は「映像で見るよりも、ご本人ははるかに元気だ」と強調した。
(産経
2018.年5月27日)
https://www.sankei.com/politics/news/180527/plt1805270028-n1.html

Photoマイクを握っているのが謝花副知事

この直接の原因は、翁長氏のステージ2のすい臓がんです。 

検査入院した4月5日のわずか2日前の4月3日に、今回新たなグループを立ち上げたかりゆしグループの平良朝敬氏と金秀グループの呉屋守将氏が「オール沖縄会議」から脱退しています。 

翁長氏の病状との因果関係は明確ではありませんが、呉屋氏は「オール」の共同代表を2月28日に辞任しており、その時の理由づけは県民投票でした。

「呉屋氏はまた、オール沖縄会議の中で新基地建設を巡る県民投票を実施するための運動を始めることを提案したが、自身を交えた議論を経ずにこの案が却下されたとした。その上で「立場や結果を問わず県民の覚悟を自ら示すべきだ。私は今後も県民投票の実現を目指していく」とした」(琉球新報3月1日)
Photo 
呉屋守将氏

 呉屋氏は共同代表辞任時から5月に新団体を立ち上げると言っており、今回の「政治経済懇話会」は、脱退した彼らの受け皿を作るために作ったものです。 

さて、翁長氏も謝花副知事が言うように「映像でみるより元気」だとのをことで、快方に向かわれているご様子、嬉しく思います。 

この集会で、平良・呉屋氏たちは翁長氏を支援し続けると述べています。 

また去られた側の「オール沖縄会議」(照屋代表)も、4月17日に翁長氏擁立を確認しています。 

といっても、現実が許すかどうかは別問題で、ステージ2に入ったすい臓手術後の翁長氏が、2期目の激務に耐えられると考える人のほうが少数でしょう。 

この「オール沖縄会議」は、共産党を中心として、社民党、社大党、官公労(連合沖縄)といった左翼系党派と団体によって構成されています。 

これに自民党脱走組の翁長氏と旧那覇市自民市議団の新風会、そして今回新団体を結成した平良氏と呉屋氏たち経済人ら「保守」層が加わってできたのが、「オール沖縄(会議」です。 

この左翼党派と経済人が共に、共通の知事にと担いだのが、一種独特のカリスマ性があるとされる翁長氏だったわけです。 

この両者の考え方に共通点は少なく、体質的には水と油であったことは明白です。 

共産党は、党首選がこの18年間開かれたことがないということに現れるように、本質的にはいまだ秘密結社的体質を濃厚に持つ左翼政党です。

業グループの総帥と、共産党が仲良くできるはずもありません。 

この両者がかろうじて結婚できたのは、元自民党県連幹事長の翁長氏という重しが効いていたからにすぎません。

しかし時がたつにつれて、総帥側はこの「オール」が実は共産党のカバー(包装紙)であることに気がつきます。

自分たちが利用されたと気がついて、さぞかし不愉快だったでしょう。

「オール沖縄が、革新政党の生き残り策として利用されているとの不満」(前掲)が鬱積していったことだと思います。

一方、共産党側は、いっかな「全基地撤去」」はおろか、移転阻止にすらまともに取り組まない翁長氏にしびれを切らし始めていました。 

彼らの目から見れば、翁長氏は政権与党の利権の上にあぐらをかいていたような汚れた政治家だったはずです。

それが仲井真氏に後継を指名されなかった恨みで、反基地デモに飛び込んでくるような基地反対派に豹変したから受け入れて、ついでに奉って知事にしてやったような人物でした。

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したがって重しの翁長氏が倒れた以上、分解すべくして分解したわけで、そのこと自体に驚きはありません。 

問題は、目前 に迫った知事選候補の選定です。もうリミットの時期にきています。

本来なら翁長氏でいくはずだったのでしょうが、倒れた以上、残された道は翁長氏に替わる候補者の擁立となるはずです。

しかし翁長氏のような保革に又をかけたような人材がいれば、そもそもこのような状況にはならなかったのです。

この苦衷がわかるのは、自民党サイドからは何人もの候補者が浮上するに対して、いまだこの旧「オール」の2グループからは新たな候補者が出てこないことです。

あいも変わらず、揃って翁長氏にこだわっているようにすら見えます。 なぜなのでしょうか?

それは旧「オール」2グループにとって、翁長知事誕生があまりにおいしい成功体験だったからです。

極端な左翼志向のある候補でなく、むしろ無色透明に見えて保守層に安心感を与えられる実務派のほうがよいと、総帥派は考えているはずです。 

なぜなら、次の候補は「翁長氏のやり遂げられなかった意志を引き継いで、基地反対・移設阻止を戦い抜く候補」であればいいからです。

方、左翼陣営にとっても人材豊富とはいえません。 

どこにでも顔を出しパーフォーマンスが好きな糸数慶子(社対党委員長)氏のような運動家タイプか、あるいは2期の名護市政で「名護不況」の手垢がついた稲嶺前市長では、勝負になりません。

そう考えると、左翼陣営も似たような人選に収斂されるるかもしれません。

すなわち、保守層にとっても落ち着きがよく、革新からも見てもなんとなく味方に見える「翁長氏の意志を受け継ぐような人」です。

Photo_2謝花副知事

そう考えると、自ずと人材は限られてきます。

知事の側近であり、知事を支えてきた経験のある実直な実務家タイプということになります。

それに最も近いのは、元知事公室長であり、浦崎副知事の退任に伴って副知事に昇格した謝花副知事あたりに白羽の矢が立つかもしれません。

謝花副知事は知事公室長に任命時から、翁長氏に基地問題の専任を命じられており、うってつけかもしれません。

いやむしろ、琉球独立などと叫んでいた糸数氏などより、はるかに保守層に受け入れられやすく、「翁長氏のやり残した情熱を引き継ぐ人」と見えるかもしれません。

選挙戦で、翁長氏が家族に病躯に鞭打って登壇し支援を訴えれば効果百倍でしょう。

また謝花副知事ならば、「オール」系2グループ共通の候補者になりえるでしょうから、再び「オール沖縄」の擬似的再生につながるやもしれません。

ただし、謝花氏がどのような人か存じ上げませんが、どうみても翁長氏のようなアクの強いタイプではなさそうです。

仮にめでたく知事に当選したとしても、この旧「オール」2グループと国、野党自民党に取り囲まれて、胃に穴があくことになるやもしれませんので、お引き受けなさならないほうが賢明ですと、ご忠告しておきます。

いずれにしても、自民党は「翁長氏の影」との戦いになることでしょうが、それは決して楽な戦いではないはずです。

■大幅に加筆修正しました。もうしわけありません。午後5時

 

 

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コメント

>いずれにしても、自民党は「翁長氏の影」との戦いになることでしょうが、それは決して楽な戦いではないはずです。

やだやだ。

沖縄の夜明けはまだ遠そうですね。

投稿: かつて… | 2018年6月 1日 (金) 17時59分

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