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2018年6月22日 (金)

蓮池薫氏インタビュー

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朝日新聞が、蓮池薫氏の良質なインタビューを掲載していたので紹介します。
「米朝会談前に蓮池薫さん語る 拉致解決の鍵は2つの備え」
https://www.asahi.com/articles/ASL5R52Z4L5RUPQJ005.html 

朝日の常日頃の拉致問題の論調とは正反対の意見だと思われますが、このような異論であったとしても考えさせる素材そのものを提供する姿勢には好感が持てます。

メディアの仕事は、読者に情報を提供することであって、自社のプリズムを通した一定の論調に誘導することではないからです。

昨今まるで反アベ原理教のようになってしまった朝日にも、ジャーナリズムの良心がわずかながらも残っていたことを嬉しく思います。 

おっと、結局、朝日の悪口になりそうですので(苦笑)、蓮池氏の傾聴すべき北の分析に移りましょう。 

●対話局面に入ったか? 

「こんなに急に局面が変わるとは思っていませんでしたが、核開発と経済改革を同時に進めるとする北朝鮮の『並進路線』の行き詰まりは感じていました。
発射実験を繰り返し、米大陸まで届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)がほぼ完成した。これまでの米国なら、すぐ話し合いに応じたかもしれません。しかしトランプ米大統領は昨年、『北朝鮮を完全に破壊する』と強い言葉で非難して制裁を強化し、ミサイル防衛に巨額の予算をつけた。北朝鮮は『核兵器が完成しても体制の安全は確保できず、経済の立て直しも難しい』と見越して、並進路線を見直して対話路線へ急速に切り替えたのでしょう」 

Photohttps://dot.asahi.com/aera/2017101800067.html

と原文はここまでで、後は朝日が姑息にも有料会員記事に指定してしまったために、八幡和郎氏の要約を引用させていただくことにしました。ありがとうございます。
http://agora-web.jp/archives/2033116.html

なお、八幡氏の要約には多少編集の手をいれてあります。

①北朝鮮は、下手な言葉で挑発するやり方はトランプ政権には通用しないと思い直したかもしれない。

②従来の米国と違ってトランプ米大統領は「北朝鮮を完全に破壊する」と非難し、制裁強化などをした。北は核兵器が完成しても体制の安全は確保も経済の立て直しも困難と判断した。 

③日本が圧力重視の立場であることは、今はそれでいい。非核化であいまいな合意をしたら、交渉全体が挫折してしまう。核問題でしっかり米朝が合意した後で、日朝交渉に進めばいい。 

④日本は「拉致問題が解決するまでは支援に参加できない」という原則を強調すべきだ。拉致問題の解決は、すべての拉致被害者を救い出すこと。

⑤金正恩が、国内を説得できる形が必要だ。 

⑥どこかのタイミングで日本も態度を転換する必要が出てくる。米朝が何らかの合意をしたら、日本も歓迎し、その後のプロセスに関与していくことだ。

⑦北朝鮮の悩みは電力不足。効率のいい石炭火力や送電網の整備を日本が提供するのはありうる。

⑧金正恩は父・金正日の時代よりも自由市場をうまく利用している。

⑨戦端が開かれれば、「敵か味方か」の論理に社会が極度に支配された状態で、北朝鮮政府が日本の拉致被害者を生かしておこうと思い続けるのか危惧する。 

⑩安倍首相は、家族会の一人ひとりに会って話を聞いており、中途半端な解決でお茶を濁すことはできない。これまでの経緯もよくご存じで、北朝鮮が何を望んでいるのか、ダメだった点はなぜダメだったのか、十分に分かっている。北朝鮮も安倍さんについては『だませない』との思いがある。

付け加える余地がないほど見事な分析ですので、今日は私の蛇足は付け加えないことにいたします。

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コメント

 朝日の有料部分の実際のインタビュー記事と比しても八幡氏の要約は適切だし、むしろ要点整理が巧みでわかりやすいです。
蓮池氏の見立てはやはり「さすが」です。

ただ、今のところマティス国防長官によれば北朝鮮は「核廃棄につながる動きはしていない」し、ポンペイオ国務長官によれば「北の段取りの停滞により、実務者会合の予定も立っていない」としています。

正恩にはまだ迷いもあるのでしょうが、デイリーNKの高氏によれば、「軍部が正恩の命令を無視しはじめている」との情報もあるそうです。
もう少し時間が経ってみないと分かりませんが、正恩はトランプ氏へのさらなる懐柔策を取るかも知れませんね。


>軍部が正恩の命令を無視しはじめている

もしこれが事実だとしたら厄介なことですね。
クーデターの動きでもあるとなれば金正恩にとってはまさに内憂外患状態。
足繁く習近平詣でを続けるのもそのあたりが関係してるんですかね?
三代目襲名以降、まともな外交活動を全く見せなかった金正恩が
打って変わってこれほど精力的な動きを見せているのは、
それほど現状が危機的であるという証左なんでしょうか。

右翼も左翼もさん。明日書くつもりですが、ボルトンとポンペオが待つ事前協議に北がでてきません。
北内部に何らかの事態が起きている可能性があります。

前に書いたことがありましたが、独裁者はカネと利権と女を配っていられるから独裁者にさせてもらっている悲しい稼業です。

配るカネなき独裁者は必ず倒されます。これは法則です。
ましてや祖父や親父のようなカリスマ性はゼロの3代目ボンで、誇るべきは「白頭山の血脈」だけですから。

でなければ、あの祖父をまねてのエリンギ・カットや人民服は着ません。
あのスタイル自体が、彼の白頭山血脈コンプレックスを露わにしています。
正恩のコンプレックスはもうひとつは、母親が日本生まれの在日朝鮮人ということです。

こんなコンプレックスまみれで、叔父を機関銃でバラバラにして犬に食わせ、実の兄をVXで殺すような男に人望があるはずがありません。

今、正恩の秘密口座は、米国情報機関がフリーズさせていると言われています。テロ支援国家ですから、合法的にそれが可能です。

トランプとの話がないまでは、中国に一回も行かなかったのに、なんとも3回も行っているのは、後ろ楯になって欲しいということと、ひとつには借金しに行ったと思われます。
メチャ分かりやすいねぇ。現金な正恩くん(笑い)。
おそらくは、現金な正恩くんは文字通り現金(ドルですよ、もちろん)を抱えて専用機で帰ったのでしょうね。

彼が恐れているのは、前門にはトランプの狼、後門にはクーデターといったところです。
世界でいちばん危険な、それも自分の命が危険な権力者なことだけは確かです。


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