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2018年7月20日 (金)

遅れている避難所環境整備とスフィア基準

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今回のような大規模災害が起きるたびに思うのは、避難所の改善が遅れていることです。 

下の写真は典型的な避難所ですが(※今回の災害ではありません)、各個人のプライバシーの仕切りはなく、硬い体育体育館のフローリングの上にざこ寝を強いられています。 

Hinanjo

 これだけの避難民を収容するのですから、その人いきれだけで大変な暑さです。 

しかし、多くの体育館利用の避難所には空調はつけられていません。 

今年の夏のような35度を連日超える暑さは、ただでさえ自宅を失って馴れぬ環境で苦しむ人たちにとって大きな健康障害の原因となっています。 

避難者を保護すべき避難所が2次的被害を与えてしまっては、なんのために避難所を設置しているのかわからなくなります。 

被害が起きた直後に限定されるのならともかく、1カ月たっても2カ月たってもこのような収容所型避難所が改善されないならば、それは日本人の並外れた我慢強さに寄り掛かった国の甘えです。 

次の写真はやや進化した避難所です。やっと間仕切りカーテンがついています。ダンボールベッドが入った避難所もあるようです。 

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しかしこのようなわずかの改善すら、遅々として進んでいないのが現状です。

さて、日本ではほとんど聞かれない基準ですが、避難所の生活環境基準に「スフィア基準」があります。

ソマリアなどの難民キャンプを見てきた、アルピニストの野口健氏はこう述べています。

「スフィア基準はもともと地域紛争による難民問題に対応するために作られた基準なので災害時と事情が違うとは思うが、日本の避難所は1人当たりの面積も狭く、プライベートも確保できない。海外の専門家に「ソマリアの難民キャンプより状況が悪い」と言われても仕方がないのでは」と話す」
(「日本の避難所はソマリア難民キャンプ以下」)
ttp://www.risktaisaku.com/articles/-/2728

スフィア基準には三ツの要素があります。
①水の量
②トイレの数
③スペース

DimsAbemaTIMES

多くの日本の避難所は、この国際基準を満たしていません。

まず水も初期の段階では、交通インフラが破壊されるために一部では深刻な水不足が発生しています。

「100世帯全員が避難している広島県熊野町の川角地区。熊野町役場で話を聞いてみると、避難所で必要とされているものは飲み物などを冷やす「氷」、使い捨ての「皿・コップ・スプーン」、「ペーパータオル」などだという。
また、水が不足している地域では給水所などから確保する水を貯めておくためのポリタンク、感染症を防ぐためのマスク、消毒用エタノールなど衛生を保つために必要なものが底をつき始めている避難所もあるという。」
(ハフィントンプレス7月14日)

https://www.huffingtonpost.jp/abematimes/sphere-standard_a_23481829/

水の確保、保管、皿・コップなどが不足している避難所もあります。水は避難者の生活のすべての基礎中の基礎です。

次に生活する上で絶対に欠かせないのがトイレです。

体育館を避難所とするために、女性用が不足しています。

また避難者にはお年寄りが多いために、健常者用のトイレしかない場合が多く、生活に支障がでています。

スフィア基準ではトイレについてこのように述べています。

「トイレの数は男女比で1:3を推奨。女性は生理や排泄の仕方の違いで時間がかかるため。トイレ1つにつき最大20名(初期は50名)。トイレまでの距離は安全性と利便性、衛生面から50m以内が理想」(ハフィントンプレス 前掲)

Photo_2AbemaTIMES

第3にスペースです。

「国際的な基準であるスフィア基準では、シェルター(避難所)の居住空間は最低限一人当たり3.5平方メートル。適切なプライバシーと安全が確保され、覆いがあり、天井までの高さは最低でも2メートルであることが条件とされる」(野口氏前掲)

3.5平方メートルという目安は、あくまでも1人用の面積ですから、平均4人家族とすれば14平方メートルということになります。

冒頭の避難所の写真を見ていただければ、スフィア基準の3.5平方メートルの何分の1の面積な上に、個人スペースなど皆無なことがわかります。

PhotoAbemaTIMES

つまり日本の現状の避難所は、残存ながらあらゆる点から見てもソマリア以下ということになります。視察した海外の専門家からはひどい環境だという指摘があるようです

東日本大震災時もそうでしたが、生活のすべてを失った人も多いでしょう。

仮設住宅といっても、すぐにはできるわけではありません。当然のこととして、避難生活は長引きます。

無理だと頭から思わないで、ではどうしたらいいのかを真剣に考えるべき時ではないでしょうか。政府は今までの体育館型避難所から脱皮する時期ではないでしょうか。

初期の避難には体育館使用もやむを得ないとしても、そのまま体育館では長期化には耐えられません。

Photo_3野口氏による岡山県総社市の避難者テント村

野口氏は自らが行ったベースキャンプ用大型テントによるテント村型避難所の実践をこう伝えています。

「テント村は、かねてから交流があった岡山県総社市の片岡聡一市長のサポートによって震災から10日後に誕生。100張以上のテントが約1か月半にわたり、およそ600人の生活を支えた。
テント村を視察に来た海外の専門家たちは、「日本の避難所の状況はひどいが、このテント村のテントは中が広く、天井も高く、環境がいい。かなりの部分で国際基準を満たしている」と口を揃えたという」(野口前掲)

テント村にかぎらず、まだまだやり方は行く通りもあるはずで、避難所=体育館という狭い発想にとらわれる必要はないのです。

こういう政府の足りなさを指摘し、よりよい提案をするのが野党の役割のはずです。

野党は酒宴がどうのと馬鹿を言っていないで、こういう地道なことを取り上げて、政府の尻を叩くべきです。

ただし、いつものように近視眼的に政局に結びつけないように。

 

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