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北朝鮮 「強盗のような非核化要求」と発言

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西日本大水害について、もう少し状況が判明したら書きたいと思います。この大災害は、財務省の緊縮財政による当然の帰結であって、人災の要素を強く持っています。 

さて、やはりと言えばやはりですが、正恩は世の中をナメているようです。 

いつかこんなことを言い出すと思っていましたが、まさかのっけからやらかしてしてくるとは思いませんでした。 

「北朝鮮は7日夜、ポンペオ米国務長官との2日間にわたる非核化協議について、米国側の「強盗のような」態度を非難した。同長官はこれに先立って記者団に対し、平壌での協議に関して「誠実な交渉」と語っていた。
北朝鮮外務省の報道官は朝鮮中央通信を通じて英語での声明を発表し、米国が過去の政権が求めたのと同様の提案を行い、混乱を生じさせたと指摘。
北朝鮮の評価はポンペオ長官と非常に異なっており、専門家が懸念するように、両国の非核化協議での目標が依然かけ離れていることを示している。
北朝鮮は声明で、米国が「一方的で強盗のような非核化の要求だけを持ち出してきた」と指摘。米国が「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を求めているのは、シンガポールでの米朝首脳会談の精神に反したとしている。
声明はまた、両国の信頼関係が現在危険な状態にあり、同国の非核化のコミットメントが揺らぐ可能性があるとしているが、北朝鮮はトランプ大統領を依然信頼しているという」
(ブルームバーグ7月8日 太字引用者)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-07-07/PBIR3KSYF01S01

08pompeoarticlelargeNYタイムス 

なぁに言ってるんだか(苦笑)。

交渉渉相手国の外務大臣にご足労かけておいて、「お前の要求は強盗だ」というのですから、恐れ入りました。 

北にそもそも論を言ってもせんないのですが、国連決議に違反して核を開発しておき、さらには「非核化」を首脳間合意した後になってから、「その要求は強盗だ」というのですから、倒錯するにもほどがあります。 

こんなことを外務当局が後から声明で言うくらいですから、似たようなことを北は会議で言ったのでしょうね。 

ポンペオはこんなことを私的な場で漏らしたそうです。 

北朝鮮の指導者が核兵器をあきらめることを疑うと言っている。 最近、兵器施設を解体することからほど遠い隠蔽行為を北朝鮮は拡大しており、われわれは情報機関によって、北への疑惑を強くしている」(仮訳 NYタイムス7月7日)
https://www.nytimes.com/2018/07/07/world/asia/mike-pompeo-north-korea-pyongyang.html

先日記事にしたように、北は米国をナメているのか、それともただの馬鹿なのか、公然と核関連施設を稼働し続けています。
関連記事「北の怪しい兆候」http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/post-bf65.html 

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とはいえポンペオは馬耳東風とばかりに、公式にはこんなことを日米韓で再確認しています。 

「韓国と米国、日本の外相会談が8日、東京で開催された。河野太郎外相は会談後に開かれた共同記者会見で、北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」を求める方針を再確認したと明らかにした。(略)
「完全な非核化は完全な核物質の廃棄だ。これは明確に定められている目標」と強調。「北はこうした決議を完全に履行しなければならない」としながら、北朝鮮が完全な非核化をするまで国連安全保障理事会の制裁を維持しなければならないとの認識で3カ国が一致したと述べた」(韓国聯合7月8日)

米国の基本方針であるCVDIと非核化が達成されるまで国連安保理の制裁決議は続けることは、不変であるから、日韓外相よ安心してくれ、ということです。

ま、韓国のカン・ギョンファ(康京和)は内心ではチェッと思ったことでしょうね。

ほんとうは韓国は北への制裁など、明日にでも止めたくてうずうずしているからです。

米国の怖い眼がなければ、開城工業団地の再稼働なんて今週にでもしたいくらいなんですから。

どうやら北は瀬踏みをしているようです。中国がバックについているという安心感からか、いくら米国の鼻先をなぶっても大丈夫と思っているようです。 

北の浅はかな考えは、とっくに米国が研究済みです。 

米朝首脳会談においての共同声明文にCVIDの文言がなかったことを最大限使って、「段階的非核化」をするつもりでしょう。 

「段階的非核化」は、非核化という名が被っていますが、言葉にダマされやすい日本国民は勘違いしないでね。これは「永遠の非核化ゼロ」のことですから。 

北にとって、ともかく交渉場に大統領を引き出し(正恩からみればそうなるというだけのことですが)、一つずつ小さい妥協をするごとにその見返りを要求していくという寸法です。 

たとえば、弾道ミサイルの移動式発射装置の工場の稼働をちょっと止めてみせるとか、核濃縮プラントを再稼働するのをこれまたちょっと止めて見せるなんていうような小技を繰り出して、そのつど見返りとして制裁解除とか、朝鮮戦争平和条約なんかをおねだりという手法です。 

朝日などのメディアは、「力強く非核化の道へ前進」とばかりに大喜びしてくれますから、最終ゴールの米朝国交回復にまでジリジリと進んでいくわけです。 

米朝国交正常化とは、その前提として北に対して米国が「体制の安全を保証」(セキュリティ・ギャランティ)をせねばなりません。 

これは「朝鮮半島の非核化」と同義語ですから、米国が朝鮮半島に核を持ち込みたくてもその拠点がない状態でなければなりません。 

つまりは、在韓米軍の撤収です。 

と、このようなことが北の目論見ですが、では、なにが抜けていると思いますか? 

そう、「段階的」もなにも、北がどこにどれだけの核兵器を保有しているのか、どこでどのような核物質を製造しているのか、ぜんぜんわからないじゃないですか。 

つまり北の核の申告と検証という、最も重要な「査察」という工程が欠落しているのです。 

査察なしでは、北が秘密裏に核を温存させることがじゅうぶんに可能になります。 

今、北があちこちで核施設を稼働させたり、弾道ミサイルの移動発射装置を動かして見せているのは、ただのフェイントではなく、これも新たな交渉材料にしたいスケベ心です。 

「強盗」うんぬんの妄言も同じ範疇です。

正恩さんに老婆心ながら、ご忠告しておきます。

あなたの国は常日頃、共産主義国家とコリア口撃文化特有の伝統で、汚い言葉を使い続けた習慣がありました。

教祖のマルクス翁の口の汚さは有名でしたし、あなたのオジィさんもお父上も罵倒語の大家でした。

それが許されたのは、利害関係が絡む近隣国とは国交がなかったからと、もうひとつは「北はおかしな国だから」というマイナス評価が定着していたからです。

それをいいことに、とくに日本と米国には言いたい放題でした。「火の海にしてやる」とか、「海に沈めてやる」みたいな精神鑑定の要ありの発言を連発していましたっけね。

要は、子供じみた甘えです。しかし、シンガポール会談以後は違います。

これは正式の米朝国交樹立に向けた助走だと、会談に出た正恩さんにはわかっているはずです。

外交関係は厳密なプロトコルによってがんじがらめになります。外交儀礼からはずれた所作や発言は、それだけで軽蔑の対象となります。

会談前にも米国首脳を馬鹿呼ばわりして、会談中止を宣告されたことをもうお忘れでしょうか。

今後、「非核化」協議を継続したかったら、口を慎むことです。

さもないと、トランプなら「強盗とまで言われて協議を継続する理由はない」なんて言い出しかねませんから、お気を下さいね。

クレージーなことを言ってみせて、もう北は我慢に我慢を重ねている、もうキレるぞ、キレたらコワイぞ、という伝統芸の瀬戸際戦術ですが、米国はちっとも怖くありません。

初めから「世界の警官をやめた」といっていた青瓢箪のオバマと違って、トランプなら本気で軍事オプションをやるかもしれないからです。

・・・と言っても、聞いてくれる相手じゃないですよね。

その場合に備えて、中国が妙に北の肩をもたないように、その出鼻を叩き続けているのが米中貿易戦争のもうひとつの顔かもしれません。 

 

 

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コメント

管理人からのお断り
西日本豪雨の首相の対応についてコメントがありましたが、この記事のテーマ外ですので削除しました。
テーマ外は原則受けませんので、よろしくお願いします。

投稿: 管理人 | 2018年7月10日 (火) 10時40分

以前はテーマ外の話題も活発だった気がしましたけどね。
やはり政権批判は駄目なのでしょうか?

財務省の緊縮財政のせいにしてシラをきるのはちと厳しいかな…

■7・6豪雨水害の安倍対応まとめ

7月5日夜 気象庁が大雨警報(50年に一度レベル)を出している中、自民党議員らと宴会

7月6日 西日本各地で緊急避難指示が続出し救助要請が多発
特別警報になっても規制改革担当者らと会食

7月7日 朝から二日酔い状態で官邸で大雨被害に対する会議(15分間) 
その後、衆院議院運営委員会に11日からの海外渡航願を出すも自公でさえ反対で却下 
海外渡航願を却下された安倍は即帰宅
午後から全く動きを見せず会見も無し
死者行方不明者100名以上の大惨事にもかかわらず緊急対策本部の設置もなし

7月8日 やっと非常災害対策本部を設置(会議20分間)
11日からの欧州外遊を決定して午後2時に帰宅、この日も会見無し

7月9日 激甚災害に指定、しぶしぶ外遊を取り止め
お昼に安倍がコメント「静岡のメロンは美味しい

投稿: ふーやん | 2018年7月10日 (火) 13時33分

ふーやんさん。きみが読解リテラシーを持った大人なら今日の記事のテーマが全編北朝鮮の暴言にあるのくらい分かっていますよね。

以前もあったというのは、議論の流れから派生したもので、はじめから無関係なことを入れていたわけではありません。
またその場合も「関係ないコメントですが」と断るていどの礼儀はもち合わせていまた。

きみが削除されたのは、まったく記事を読んでいないからです。
読んでいれば儀礼的にでもすこしくらい触れるはずだからです。違いますか?
北の核の脅威なんかきみにはたいしたことないやていどに思っていたし、それより安倍を政権から引きずり下ろすほうが大事だと思っていたわけです。

だから、今日の記事は、99.99%北がテーマですが、きみはそれを無視してたった0.01%の一句にすぎない「財務省の緊縮」にくいついたんですよね。
これって礼儀知らず、ルール違反じゃありませんか。
だいたいそれならこんなブログに書き込むなよ、っておもいますが。
きみと同意見の左翼サイトなら山ほどあるでしょうに。そこできみの仲間と大いに盛り上がって下さい。
ただしここでやるのは2chじゃないんですから、お断りします。

今日、私が記事にしなかったのは,まだ原因が明確ではないからです。
どうして河川が決壊したのか、それか緊縮財政とどう関連があるのかが明確ではありません。

緊縮財政は安倍政権もしていますから、とうぜんそれを追及すれば、政権批判にもつながる可能性があります。
それで安倍批判になるならしますが、だからどうかしましたか、です。
私は因果関係を洗って論理構築するので、初めから安倍批判ありきで考えていないだけです。

どうしてこんな因果関係に気がつかないで、首相対応ばかりがなるのか理解できません。
行政の仕組みわかって言っていますか。当初は地方自治体ですよ。自衛隊の派遣要請も、消防も警察もすべて地方自治体。
それを超えたら、地方自治体から国に要請が行くのです。
行政の仕組み分かって言っていますか?

外国軍隊が侵略してきたというなら、真っ先に国の管轄ですが、まずは地方自治体が主体で動く時間帯があるのです。
広域災害だとわかったら、国が出ますが、今回それで対応に遅滞がでたでしょうか。
国の対応の遅滞と被害との因果関係を明らかにせねば語れませんね。

ともかく政権を批判したいというのは勝手ですが、0.01%のこの場でやるなということですよ。

どうしてこんな簡単なことわからないのか、そのほうが不思議です。
やるなら、別でやってください。ここは掲示板じゃなんですから。

もうひとつの私に「薄汚いヘッドギア」うんぬんのほうは話にならないような下品かつ低劣な書き込みですので、削除しました。

投稿: 管理人 | 2018年7月10日 (火) 16時11分

 ふ-やんさんのものの言い方を見ると相当に安倍さんがお嫌いなようです。私も安倍さんに嫌いなところはありますが、ふーやんさんのそんな言い方は読んでいて気持ちが良いものではありません。

 日本は災害大国でありインフラの整備拡充は絶対に必要なものですので、これについて心配されるありんくりんさんの一言は重視しなければならないと思いますよ。ありんくりんさんが一言しか言及しなかったことでいろいろと邪推などしておりますが、これは浅はかな反応でしかありません。彼はいろいろとインフラ整備についてのお考えがあるのだと私は確信もしているところです。

 テ-マが北朝鮮問題ですので安倍さんの悪口をいろいろ言われても、困るのですよ。

 北朝鮮問題はいまなにより大事なテ-マだと思いますよ。災害の問題は首相が日本にいなくても大臣、副総理など担当者はいるのですから、総理の外遊は取りやめなくてもよかったのではと私は考えます。安倍さんの動きが世界の動きに大きな影響を与えているように思います。安倍さんの重要さは外交の面では傑出しているものがありますね。EUとの関係、英国との関係、ロシアとの関係など安倍総理ができることはたくさんあるのではないでしょうか?

 国内問題で大きな問題の一つが、政府の緊縮財政でしょう。プライマリ-バランスのような考え方をするとインフラの整備など不可能の方向へいくでしょう。建設国債を大々的にかつ継続的に発行し未来投資を増加せねばなりません。わたしが安倍さん嫌うのは経済政策のところです。モリカケなどどうでもいいでしょう。安倍さんが災害対策本部を立ち上げたかどうかなどより、災害に強い日本をつくりあげることが大事でしょう。

投稿: ueyonabaru | 2018年7月10日 (火) 17時17分

ueyonabaruさん。励まされます。ありがとう。

投稿: 管理人 | 2018年7月10日 (火) 17時30分

安部氏の今回の外遊取り止め自体は賛否有ると思われますが、総理が大規模災害で国内に張り付いて何かどうかなるって物なのか疑問(政府専用機にもそれなりの通信設備等有るし)です。
前漢の丞相(要は総理大臣)陳平も「全体の責任者が個々の専門的な事に直接拘るべきで無い」旨発言されてます(出典は多分史記?)

仮に、政府の防災担当者に適切な指示を出しその後は外遊先から間接的に適時追加指示出しつつ外交もこなせる総理大臣なら、北朝鮮(及び他の国)には「日本国の体外政策は国内の天災地変自体では動じない」とも思わせられ得るのでは?

管理人様、個人的には今回のテーマとは思ってますが多くの犠牲者が出てしまった直後なので「問題有」とご判断場合、お手数おかけしますが削除下さい。

投稿: Si | 2018年7月10日 (火) 19時04分

在韓米軍撤退が実現する可能性が、こうやってシナリオを上書きする度に高まるのを感じます。
日本にとっては中距離核撤去と拉致被害者を取り戻す事、現状を変えるには、せめて国内での改憲気運を高める位は雰囲気を醸して圧力の手札(弱いカードですが)を増やさないとです。
野党は内政外政ともに細かく政府をスタックさせて安倍総理ごと日本を沈めてもいいから改憲したくない、その執念に吐き気がしますが、それに国民が一定数以上加担したり追認する場合、米側は基地としての日本の利用のみに特化した同盟関係まで信頼関係をまた落とし、どんなに第7艦隊に日本の整備が貢献していようともリスクカットをするはずです。
日本の価値のディールを、日米でも常に安倍ートランプ間で保っているからこそ両者の蜜月がある訳で、太いように見えて細く、危ういように思えても私達一人一人の価値が国の信頼で支えている部分があります。
記事ラストの一文同感です。

投稿: ふゆみ | 2018年7月10日 (火) 20時51分

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