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オウム事件を考える

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西日本大水害で被害にあわれた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。がんばって下さい。

さて土曜日のオウムの記事は増築に次ぐ増築で、まとまりのないものになってしまいました。申し訳ありません。 

だいぶ前にオウム事件を調べたことかあったのですが、資料がどこかにいってしまって、ああもどかしいかぎり。 

そもそも一回で納まる問題ではなくて、そのうち機会があれば、もう少しまとめてみます。 

私が述べたかったことを要約すれば、このようなことになります。 

まず第1にオウム事件は、今世界を覆い尽くす勢いのISのような宗教テロの原型でした。 

ここをはずして議論しても始まらないと思うのですが、メディアの論調はこの観点をほとんどスルーしています。

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第2に、銃や爆弾、あるいはトラックなどを使うヨーロッパの宗教テロと、決定的に違うのはオウムが世界史上初めて大量破壊兵器を使用したことです。

その意味では、オウムはISをはるかに凌ぐ凶暴さをみせています。

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彼らはなんとウクライナで核兵器の物色に失敗しており、もし成功すれば化学兵器の使用と重なって、中沢新一氏のいうように「一万人、二万人規模の人間が死ねば、東京の霊的磁場が劇的に変化する」ことになったとみられます。 

もはやこのような大量破壊兵器を使用したテロは、ただのテロではなくもはや低強度紛争と呼ぶべきでした。

言い換えれば、オウムが引き起こしたことは、「事件」ではなく「戦争」なのです。 

これを矮小化して理解したのが江川紹子氏たちでした。江川氏や滝本氏にかかると、オウム事件は、ただの「カルト宗教の教祖の妄想に盲従した信徒の起こした事件」となってしまいます。 

そうではなくオウム事件は、大量破壊兵器を保有して低強度紛争を国家内から仕掛けてくる疑似国家からの宣戦布告ととらえるべきだったと思います。 

いわば北朝鮮のような存在を、日本が抱え込んでいたということです。 

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第3に、ではこの疑似国家は、どのような状況の中から生まれるのでしょうか。 

それが、オウムの理解不可能な「妄想」を解く鍵でもあります。 

そのヒントは、オウムがソ連崩壊と共に真っ先にロシアに上陸し、布教とともにロシアやウクライナ・マフィアと太いパイプを作っていたことからうかがえます。 

当時のロシアは巨大なソ連が崩壊することにより国家秩序が崩壊していました。 

ロシア市民にとって、共産党という「神」が崩壊した後に生まれた秩序崩壊で、新たな「神」を求めてオウムにすがりついた人たちが多かったと思われます。 

ここにISとの共通点が見いだせます。アルカーイダやISは、アラブの春によってできた秩序の崩壊の中から生まれてきました。

新たな「国家」は崩壊国家の焦土から生まれるという「革命幻想」は、このロシアでオウムの中に宿ったのです。 

松本や早川の眼には、当時の崩壊国家で知ったロシアのアナーキーな状況こそが、自らの「国家」成立のために必須であり、日本もロシアのようになるべきだと考えていたはずです。 

ところが、日本にはそのような国家秩序が崩壊する要素はまったくなかったわけです。 

ならば大量破壊兵器を使って、日本政府や皇室もろとも国家を爆砕することで、無理矢理にでも人為的にその無秩序な世界を作ってみせようとしました。 

この秩序の空白の中に、中沢氏流にいえば「霊的磁場」、つまりはオウム神聖帝国を樹立するということです。 

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そして第4に、日本はこのまったく新しい形のテロを根絶することが出来なかったことです。

破防法を適用しなかったために、根絶はおろかいまだ松本の写真を拝む集団が多く残存してしまいました。

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あえて名指ししておきますが、この不作為の責任は村山富市首相が負うべきです。

そのために21世紀になってISやアルカイーダといった宗教テロリスト集団を世界各地に発生させることになります。 

日本がオウム事件に対して毅然とした対応を示し、根絶する努力をしたならば、21世紀になって数多く登場する宗教テロリストの発生に対して、何らかの抑止効果があったはずでした。 

今になってその首謀者たちを死刑に処したのは、あまりに当然すぎるほど当然で、テロに対して立ち向かう日本の姿勢を明確にしたという意味で、遅すぎたとはいえ意義あることです。 

それを、自分たちもまたISの無差別テロに悩まされているドイツなどのEU諸国から、批判される筋合いはありません。 

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大量破壊兵器を用いたテロに対してさえ死刑が執行出来ないならば、日本警察は今後、米国やフランスのようにテロリストをその場で射殺するしかないではありませんか。 

私たちがオウムで遭遇したのはあくまでも大量破壊兵器を使ったテロであって、これを一般的な死刑廃絶の人道問題にすり替えるべきではありません。 

ましてや、日本の野党のように首謀者7人の死刑執行は、モリカケ隠しのインボーだなどというに至っては、もはやギャグです。

なお、松本の家族が松本の遺体の返還を要求しているようですが、認めるべきではありません。

ウサーマ・ビン・ラーディンの遺骨が海に散骨された前例があるように、返還を認めれば墓が立てられて、そこが残党たちの「聖地」化する可能性があります。https://news.nifty.com/article/domestic/society/12198-054237/

 

 

 

 

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コメント

朝日新聞は「EUなど各国が死刑廃止している」と、毎度な他人任せの記事を書いてますが・・・じゃあそのロシアやみたいに「死刑制度停止」しながら平然と暗殺と弾圧の繰り返しをやってのける秘密国家が彼らの理想なのかと。。

ついでに、土曜日の報道特集の金平なんか「死刑囚の不満を独占リポート」なんでやってましたが、
おいおいっ、坂本弁護士一家殺害事件の端緒は、よりにもよってTBSでしたよね!
お前らが今更何を言うんだ!と。

フジテレビの「情報が入る度にしやしんに」

投稿: 山形 | 2018年7月 9日 (月) 09時04分

オウムは私が生まれる前のことでしたので私にとっては阪神淡路大震災のように教科書で習う遠い歴史上の出来事の扱いでしたね。

習った時は事件の概要しか習わなかった(しかも大抵習う時期は受験期も近づいていることもあって現代史はかなりざっくりとした説明になりがち)のですが、ここでも書かれているようにオウムを一度総括してオウム事件の意義を教える必要があると思いますね。

それはさておき、去年にも同じようなことがありましたが日本の死刑執行の直後の7月14日にヨーロッパがギロチン祭りのフランス革命を祝うのはフレンチジョークですかねw

投稿: 中華三振 | 2018年7月 9日 (月) 09時52分

一点を除いてブログ主様の意見に賛成します。

>返還を認めれば墓が立てられて、そこが残党たちの「聖地」化する可能性があります。

ここだけは半分賛成できません。
聖地にメンバーが集まれば、公安は潜入やおとり捜査(法令で禁止されているが)をしないでも、メンバーやシンパを把握できますね。

なお、私はサリン事件の数か月後、公安調査庁調査員や県警本部公安部刑事各2名と私の部下がオウム信者では?ということで、別々に訪問され応対した経験を持っています。

投稿: MI-6 | 2018年7月 9日 (月) 10時20分

宗教の歴史も血塗られてドロドロです。私は宗教は人間
の脳の構造上仕方ないと考えます、論理的思考を必要と
する科学文明は原因と結果を必然とします、テキトーな
因果律ならコンピューターは動きませんし、クルマは走り
ません。

日の暮れた大阪箕面山中で道に迷った私の目前に、ひと
塊の小梢が降りて来ました。その下から手がにゅっと出
て来たので「宇宙人に誘拐されるぅぅ」とマジビビリしたら、
サルの足でした。直径7センチ程度の木の切り口の上に
正確にピタリと着地したのには驚きました。

樹上生活では、枝の柔らかさやサル自身の体重を計算し
ながら、枝から枝へ移る必要があり、アホだと木から落
ちて外敵に食べられてしまいます、それでより論理的な
遺伝子が生き残っていき人類に進化した、私はその時に
絶対にそうだと思ったのです。

現実の世の中は因果律とは別に、「たまたま」「まぐれ」
など偶然の要素も多々あり、それは確率の概念を使って
考えるのですが、サルから進化した脳にはムズカシイ。
たまたま重い病気になっても「私が悪い事をしたからだ」
「神様が私に与えた試練なのだ」「呪いをかけられた!」
とかとかアーダコーダと原因を追究するのです。実は遺伝
上、不運にも何万人かに一人が発病してしまうのです。
(これならこれで、何で何万人に一人が俺なんだ!となる)

オウムに理系のカシコイ信者が多かったのも、空中浮遊と
かいうダマシの原因を考えるうちに「実はニュートンはバカ
だったのだ、教祖さまがそれを証明してみせている」とサル
脳の罠に落ちたのだ、と思うのです。全てを「なんで?」で
考え、「全てに意味がある」のなら、その先には自分の神サマ
を発明するしか手は無いではありませんか?

ヘンな宗教だけでなく放射脳やサヨク脳対策としても、確率
の概念を幼少期から英会話と共に教えることが大事だと思
いますわ。大きくなってからでは両方とも手遅れです。
そうすれば宗教も、より洗練されたものが生き残って行き、
偶然に翻弄される人間の役に立つようになります。


投稿: | 2018年7月 9日 (月) 16時46分

すいません、又名前書き忘れましたわ。
16時46分のは、アホンダラ1号です。

投稿: アホンダラ1号 | 2018年7月 9日 (月) 16時50分

 メルケルは安倍総理に会って「死刑廃止」を訴えるのだそうですが、そのようなスタンスはどこの国に於いてもマスコミ主導のリベラルエリートの考えに過ぎない、あるいは別の何かの為の道具として使用しているに過ぎないのではないか、と疑ってます。

今回の死刑執行はテロルに関するものだったからもあるのだと思いますが、BBCにしてもCNNでも記事に対する読者欄での反応において、日本の措置を容認する意見が8割方です。

そういえば死刑を廃止した英国では以前、EC離脱派の52%が死刑制度の復活を望んでいるという調査結果が出てました。
日本人が考えているほど、欧州の国民一般と日本人の感覚はかけ離れてはいないし、結局のところ生活者目線としては日本も欧州もさほど違いがないと思いますね。

それにしても「欧州型リベラル」ってのもいい加減なもので、司法権の独立していない中共が行う年間1000~2000人の死刑執行にはまるで意に介する様子が見られません。

成熟した平和民主主義国家として司法のシステムが確立している日本にクレームをつけるのは、これは別の思惑があっての事と理解するより仕方ないと思いますね。
きっと、何らか独りよがりの例えば「精神的優越感」でも味わいたいものなのでしょう。

投稿: 山路 敬介(宮古) | 2018年7月 9日 (月) 17時41分

予想通りというか、この週末は各マスコミあれだけオウムのことを取り上げたのにTBSを筆頭にこの宗教が社会的に一定の認知を得て危険なテロ組織になるまで放置されてしまった事、そしてそれにマスコミがどう関与してしまったかという事は一切触れていませんでした。
とくに松本サリン事件は取り上げてもマスコミの暴走を起因にした「祭り上げ」について無かった事になっていたのには驚きです。

マスコミに都合の悪い事は触れない、深堀りするとどうしても破防法やテロ防止法の必要性にぶち当たるのでそこまでやらない。
あらためてマスコミの抱える闇の深さを実感した気がします。
一番期待していたNHK特集に至っては内容は他局と大差無い上に無意味で不快な松本の口パクアニメを何度も見せるなど真面目に取り上げる気があるのかと疑いたくなるクオリティ。
これが日本を代表する公共放送が制作した番組とは悲しくなしました。

投稿: しゅりんちゅ | 2018年7月 9日 (月) 23時32分

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